コップにカメムシを入れてガムテープで蓋をしたらペンでありがとうと書いた奴が外で縄跳びをして給料もらい野菜をたべ歌舞伎町で株主総会をしホリエモンと遊び大仏にキスを捧げ道路に正座し靴をお腹に乗せた
| 別名 | ありがとう封入行為連盟流儀 |
|---|---|
| 分類 | 路上儀礼/商業演劇/抗議パフォーマンス |
| 主な舞台 | 周辺の交差点および広場 |
| 成立時期 | 1990年代後半に“断片”が確認されたとされる |
| 必須要素 | 感謝の文字(ペン)・靴の体内載置(とされる)・株主総会(演出) |
| 関係者 | 路上パフォーマー、企業広報役、即席会計係 |
| 伝承の媒体 | 掲示板、手書きチラシ、音声ログ |
コップにカメムシを入れてガムテープで蓋をしたらペンでありがとうと書いた奴が外で縄跳びをして給料もらい野菜をたべ歌舞伎町で株主総会をしホリエモンと遊び大仏にキスを捧げ道路に正座し靴をお腹に乗せたは、の夜間路上で行われるとされる、一連の“儀礼的マナー違反”をまとめて指す都市伝承である。個人芸のように語られるが、地域コミュニティの行動規範としても説明されることがある[1]。
概要[編集]
本項は、、、、感謝文言、縄跳び、給料、野菜、での、著名実業家の遊戯、へのキス、道路への正座、そしてをに乗せる一連の行為を、同一系統の“儀礼”として束ねた呼称である。
この儀礼は、単なる珍事として語られる一方で、「秩序の外側で秩序を作る」ことに価値があるとされ、路上マナーの暗黙ルールを逆手に取る形で発達したと説明されている。とくに、ありがとうの文字が確認できない場合は“偽物”として扱われる傾向がある[2]。
なお、語り継がれる形式は地域ごとに微変し、たとえば“ありがとう”の筆記に使うペンは、蛍光、油性、ボールペンなど複数説がある。また、縄跳びは1分間とする説と、3分間とする説が併存している。これは儀礼が「長さより気配」を優先するからだとする指摘もある[3]。
起源と成立[編集]
“ありがとう封入”の前史[編集]
この儀礼の起源は、1990年代後半に流行したとされる文化、さらに“ご近所トラブルを笑いに変える”民間ノウハウに求められるとされる。特に、苦情を受けた側が「反省」ではなく「感謝」を提示するための定型句が、手書きで拡散した点が重要であったと推定されている[4]。
当時の記録は、A4一枚のチラシが最初期の形だとされ、チラシには「封印はしない、ただ蓋をする」といった文言があったとされる。この“蓋”がのちにとして記号化され、さらに“中身は気まぐれでよいが、外側は礼儀正しく”という価値観へと接続されたという[5]。
ここで扱われる“ありがとう”は、感謝そのものというより、路上で人を追い払うための合図だと解釈された時期がある。すなわち、言葉が空気を変え、周囲が一瞬だけ立ち止まり、結果として当人が縄跳びを開始できるという機能的な説明が付与されたのである[6]。
“歌舞伎町株主総会”への拡張[編集]
儀礼がで“株主総会”の形を取った背景には、当時の若手プロデューサーが、夜の街で行われる同種イベント(投資勧誘、即席上場ごっこ)を“礼儀の装置”として模倣したことがあるとされる。路上での合意形成をドラマ化し、参加者に役割(議長、書記、反対者)を配ることで、騒動が演目化される仕組みだったと説明される[7]。
記録としては、1999年のある夜、参加者がちょうど27名で、会計係が“議事録”をボールペンで3枚に複写したとする証言が残っている。また、その会の決議事項は「野菜を食べること」だけで、採決は拍手ではなく縄跳びの回数で行われたとされる。縄が跳ばされるリズムが同調の合図になったという解釈がある[8]。
ただし、この時期には“ホリエモンと遊ぶ”要素がまだ定型化していなかったとも言われる。定型化は2001年頃に始まり、著名人の登場が“物語の保証”になると見なされた結果、語りが加速したとされる[9]。
大仏キスと正座・靴の載置[編集]
儀礼の後半にあるへのキス、および道路への正座、さらにをに乗せる行為は、宗教的所作を“広告のように短く再利用する”試みとして説明されることが多い。つまり、長い祈りではなく、誰でも分かる形だけを素早く提示し、現場の視線を集める意図があったとされる[10]。
この要素には矛盾もあり、実際の大仏ではなく“巨大な土産物像”を代用した例もあったとする指摘がある。代用であれば法的問題が減り、かつ象徴性は落ちないという計算があったのではないかと推測されている[11]。
また、靴の載置については衛生面の反発があったとされ、対処として「野菜を食べてから行う」という前段が挿入された経緯がある、とする説がある。この説では“胃腸の象徴を整える”ことが目的とされ、給料の受領は儀礼の償却(言い換えれば覚悟の宣言)であると整理された[12]。
社会における役割と発展[編集]
この儀礼は、路上のトラブルが“説明責任”を失っていく時代に、あえて責任の形式だけを借りるものとして受け止められたとされる。たとえば“ありがとう”は丁寧さの記号であり、は合意形成の記号である。そしてキス、正座、靴載置は、宗教と身体性を使った“最終保証”として機能したと説明される[13]。
一方で、儀礼が広まるほど運用コストは上がった。参加者は毎回、手書きの文言、縄跳びの回数、そして議事録の体裁を用意しなければならない。ある記録では、準備にかかる時間が平均41分で、失敗率(ありがとうが読めない、議長がずれる、靴が滑る)が平均12%とされた。数値は誇張を含む可能性があるが、“手順化されていく儀礼”の雰囲気を示す資料として扱われている[14]。
さらに、給料を“受け取る”要素は、労働と遊びを繋ぐ境界線を溶かしたと評価される。給料は本来、労働の対価であるが、儀礼では“身体の参加権”として配布され、結果として参加者同士の距離が縮まったとする証言がある[15]。このため、のちに商業側のイベント制作にも影響したとされる。
批判と論争[編集]
批判として最も多いのは、封入や身体への靴載置といった要素が、衛生・安全面で問題視される点である。抗議の声は「表現の自由」と「通行の自由」の衝突として語られ、行政が“夜間の路上パフォーマンスの許可運用”を見直すきっかけになったとする言説もある[16]。
また、“ホリエモンと遊ぶ”部分は、著名人の利用として批判された時期がある。特定の著名人が“儀礼の真偽判定”として扱われると、参加者の自律性が失われるという指摘である。ただし反論として、著名人の登場は“物語の字幕”に過ぎず、本質は参加者が笑いの合意を作る点だとする論もあった[17]。
さらに、ありがとうの筆記が必須条件とされることで、筆記できない人が排除されるのではないか、という論争も起きた。この問題に対しては「ありがとうは読めればよい」という緩和案が出され、結果として“読めないありがとう”が一定数流通するに至ったという[18]。これは儀礼が理念より運用を優先した証左として語り継がれている。
現代における影響と再解釈[編集]
現在では、儀礼そのものを行う人は減ったとされる一方、名前だけが“即興の自己紹介”として流用されることがある。たとえばSNS上では、プロフィール欄にこの長い名称を載せることで「私は型破りだが、感謝は忘れない」といった意味合いが暗黙に共有される、と説明される[19]。
再解釈の潮流としては、危険性の高い要素を“象徴化”して残し、実物を使わない方式が提案された。たとえばの代わりに“紙のテープ状シール”、の代わりに“黒い折り紙”とし、ありがとうをデジタルスタンプに置き換える試みである。ただし、象徴化が進むほど「本当に儀礼なのか」という疑念も生まれた[20]。
また、正座や靴載置は身体的な負荷があるため、短縮版として「道路に座って靴は横に置く」などの折衷も見られた。こうした変形が“原型保存”派と“安全優先”派の間で衝突し、ローカルな規約(やり方の細則)が生まれたとされる。いずれにせよ、儀礼は「秩序の反転」をめぐる文化として、断続的に姿を変えながら残っている[21]。
脚注[編集]
関連項目[編集]
脚注
- ^ 山瀬律子『路上儀礼の文脈——ありがとう封入の記号論』暁星書房, 2004.
- ^ Watanabe, Rina. “The Kabukicho Stock-Meeting Mythos.” Journal of Urban Performance Studies, Vol. 12 No. 3, pp. 41-63, 2007.
- ^ 鈴宮文人『夜の街における即席議事録の作法』講談社エトセトラ, 2009.
- ^ Dr. Alphonse Kint. “Ritual Deviations and Public Attention Economies.” International Review of Street Rituals, 第4巻第2号, pp. 101-127, 2012.
- ^ 田島紗季『手書きと拡散——感謝文言の都市伝播』青空学術出版, 2016.
- ^ Kobayashi, Ren. “Shoes on the Abdomen: Body-Placement as Consent Signal.” Vol. 19, pp. 9-28. Journal of Folk Etiquette Mechanics, 2018.
- ^ 稲垣澄人『カメムシの封入はなぜ儀礼になるのか』森羅書院, 2020.
- ^ メアリ・フロスト『Symbolic Substitution in Nighttime Protests』Prismfield Press, 2021.
- ^ 佐伯凪沙『ホリエモンと都市伝承の接続点(改訂版)』新興社, 2023.
- ^ Akiyama, Ken. “Thank You Must Be Legible: A Field Note.” The Minor Encyclopaedia of Improbable Practices, 第1巻第1号, pp. 1-7, 2022.
外部リンク
- カメムシ封入アーカイブ
- ありがとう筆跡研究所
- 歌舞伎町夜間会議倉庫
- 靴載置安全ガイド(非公式)
- 大仏キス所作集(伝承版)