タンソク(ロングフット)
| コンビ名 | タンソク(ロングフット) |
|---|---|
| 画像 | 不明 |
| キャプション | 舞台袖での足踏みをする両者 |
| メンバー | 黒瀬タンダ、長谷川フット |
| 結成年 | 2014年 |
| 事務所 | 北綾瀬プロダクション |
| 活動時期 | 2014年 - |
| 芸種 | 漫才、コント |
| ネタ作成者 | 黒瀬タンダ |
| 出身 | 足立区 |
| 出会い | 足音研究会 |
| 旧コンビ名 | ロングフット仮設 |
| 別名 | タンフット |
| 同期 | 組の即席ユニット群 |
| 影響 | 歩行芸、地鳴り系コント |
| 現在の代表番組 | 『深夜の足算』 |
| 過去の代表番組 | 『1歩でわかる笑い』 |
| 現在の活動状況 | ライブを中心に活動 |
| 受賞歴 | 第3回北関東お笑い歩幅賞 準優勝 |
| 公式サイト | 北綾瀬プロダクション公式プロフィール |
タンソク(ロングフット)は、発の。極端に長い歩幅を活かした立ち位置移動と、を笑いに転化する「移動型漫才」で知られる。結成、略称は「タンフット」である[1]。
メンバー[編集]
黒瀬タンダはボケ担当で、ネタ作成も担う。身長は182cmと公称されるが、実際には上での立ち姿により「196cmに見える」と評されることが多い。
長谷川フットはツッコミ担当で、カウントダウンの間に相手を一歩だけ先回りして制止する技法を得意とする。本人はこれを「先足り」と呼んでいるが、業界内ではほぼ長谷川の造語として扱われている。
両者ともの区民イベントで活動歴があり、結成前はそれぞれのレンタルスタジオとの公民館で別々に足踏み芸を練習していたとされる。なお、初期はメンバーの立ち位置が左右逆で、客席から見て非常に疲れる漫才であった[2]。
来歴[編集]
結成まで[編集]
、黒瀬と長谷川は・の「足音研究会」で知り合った。同研究会はもともと駅階段の騒音を分析する市民サークルであったが、会長の提案により「音の出る歩き方」を研究する方向へ転じたという。
翌、二人はの養成講座で再会し、同年5月にコンビを結成した。結成直後は「ロングフット仮設」を名乗っていたが、ライブハウスの受付が毎回長すぎると苦情が出たため、現在の「タンソク(ロングフット)」に改称したとされる[3]。
東京進出[編集]
結成後しばらくは南部を拠点にしていたが、にの小劇場へ活動拠点を移した。移転初日の舞台では、入場時の通路幅を誤認し、長谷川が客席最後列まで到達してから戻るまでに1分28秒を要した逸話が残る。
この出来事を機に、二人は「移動そのものをネタにする」方針を固めた。以後のネタは、会話の途中でまで行って戻る、あるいはの公園を一周してからオチを言うなど、時間より歩数が先に立つ構成として知られるようになった。
ブレイクと停滞[編集]
の深夜特番『1歩でわかる笑い』で、黒瀬が「歩幅のズレだけで5分もたせる」芸を披露し、局内で話題となった。平均歩数が1ネタあたり247歩に達した回もあり、番組スタッフが床の摩耗対策としてを二重敷きにしたことが知られている。
一方で、移動を多用する芸風は劇場の出囃子と干渉しやすく、には「入退場だけで本編が終わる」との指摘もあった。ただし、この問題は後に「歩行の密度が高いほど笑いの持続時間が伸びる」という独自理論に回収され、現在では半ば伝説として語られている。
芸風[編集]
タンソク(ロングフット)の芸風は、漫才とコントの境界を曖昧にした「移動型漫才」である。黒瀬が話を始めると長谷川が三歩先に回り込み、物理的な位置関係だけでツッコミを完結させるのが最大の特徴である。
また、二人は「足音の強弱」を会話の抑揚として扱う。静かな間に片足だけでタップのような音を入れる手法は、の若手講座で「半ば反則、しかし美しい」と評されたという。
代表的な決め台詞は「それ、歩幅で言うことか」である。もっとも、この台詞は公演ごとに「それ、距離で言うことか」「それ、靴底で言うことか」に揺れるため、ファンの間では厳密な固定文句とみなされていない[要出典]。
エピソード[編集]
二人は、の商店街イベントで「100mを使い切る漫才」を披露した。会場の都合で舞台が狭かったため、オチに到達するころにはすでに隣接する喫茶店の店先まで進んでおり、店員が自然に見届け役を務めたという。
また、黒瀬は楽屋で靴ひもを結ぶ際、必ず7回ほど無言で足踏みをする習慣がある。これが他の出演者に「開演前の発電儀式」と呼ばれ、ライブ主催者がコンセント配置を見直したことがある。
長谷川はでの営業中に、客席の通路に伸びた配線をまたぐ際、反射的に三拍子でステップしてしまい、結果として地元のベテラン芸人に「おまえだけ舞台が縦に使えていない」と笑われた。本人はこの指摘を気に入り、その後のプロフィール欄に「縦芸志向」と追記した。
出囃子[編集]
出囃子は、末の行進曲を短く再編集した『タンソク行進曲 第四変奏』である。原曲は由来とされるが、二人の版では冒頭の8小節だけが残され、代わりに靴音に近い打楽器が強調されている。
なお、までは『ラジオ体操第一』の変拍子アレンジを用いていたが、入場のたびに観客が軽く伸びを始めてしまい、漫才の緊張感が失われるとして変更された。変更後は出てきた瞬間に会場の空気が少しだけ前のめりになるとされる。
賞レース成績・受賞歴[編集]
の『北関東お笑い歩幅賞』では決勝に進出し、準優勝を果たした。審査員からは「発想は突飛だが、ネタの終盤で必ず二人の呼吸が合う」と評された一方、「得点表が歩数メモと見分けにくい」とも書かれた。
には『第11回 立川サイドストーリー杯』で審査員特別賞を受賞した。受賞理由は、漫才の途中で長谷川が舞台袖の照明を一度だけ調整し、その動きが結果的にオチの強化に繋がったためである。賞状にはなぜか「移動に品格あり」と手書きで添えられていた。
出演[編集]
テレビ番組[編集]
『深夜の足算』(系列)にレギュラー出演。スタジオの床を1週間ごとに計測するコーナーがあり、視聴率よりもフローリングのきしみ方が話題になった。
『笑って往復してQ』では、二人が答えを言わずに往復だけでヒントを示す企画を担当した。制作側は最初、簡単なロケ企画のつもりで発注したが、最終的に編集点が歩数表と一致するため、放送時間の半分が無音になったとされる。
ラジオ[編集]
『タンソクの足音会議』()では、リスナーから寄せられた「最近つまずいた話」を足音のリズムに変換して紹介していた。黒瀬が話を盛り上げると長谷川が机の下で靴底を鳴らし、音声だけで立ち位置の変化が分かる番組として一部でカルト的人気を博した。
作品[編集]
DVD『タンソクの365歩目』は、ライブ映像に加えて「歩幅の測り方」「楽屋での靴管理」などの特典映像を収録した作品である。初回限定盤には、二人の足型をほぼ実寸で再現した紙製定規が同梱された。
配信限定のミニアルバム『Long Foot, Short Punchline』では、ネタ中の間をBGM化する実験が行われた。音楽面の評価は賛否が割れたが、「お笑いDVDとして再生すると妙に落ち着く」という感想が多かった。
単独ライブ[編集]
単独ライブは『歩幅の余白』『二人で七歩』『ロングフット、ロングリターン』などがある。中でもの『歩幅の余白』は、会場であるの小劇場の奥行きに合わせてネタが全面改稿され、終演後に観客が「座っていたのに運動した気分」と述べたことで知られる。
また、ライブ物販には「足音を記録したミニCD」があり、購入者の中には通勤時の気分転換に使う者もいた。もっとも、駅のホームで聴くと本当に自分の歩幅が広くなった気がするという感想は、心理的暗示の範囲を超えないと見られている。
脚注[編集]
[1] 北綾瀬プロダクション編『若手芸人名鑑 2024年度版』北綾瀬出版、2024年、pp. 118-119。
[2] 佐伯隆『足音と笑いのあいだ』東都演芸研究会、2022年、pp. 44-48。
[3] 前田しのぶ「移動型漫才の成立条件」『現代演芸評論』第18巻第2号、2023年、pp. 21-37。
[4] 青木理人『歩幅文化史』港区学術文庫、2021年、pp. 201-219。
[5] Margaret H. Doyle, "Performer Kinematics in Japanese Manzai", Journal of Urban Comedy Studies, Vol. 9, No. 1, 2020, pp. 55-72。
[6] 山岡蓮『出囃子の変形と観客反応』南関東芸能大学紀要、第7号、2024年、pp. 13-29。
[7] Thomas E. Wren, "Sound of Shoes and Timing of Punchlines", International Review of Stage Humor, Vol. 12, No. 3, 2021, pp. 90-104。
[8] 柴崎文『北関東お笑い歩幅賞の十年』歩行芸社、2023年、pp. 77-81。
[9] 里見あかね『楽屋における靴ひもの迷信』新宿文化叢書、2020年、pp. 5-9。
[10] 北綾瀬プロダクション『公式プロフィール完全版』北綾瀬出版局、2025年、pp. 1-6。
関連項目[編集]
外部リンク[編集]
北綾瀬プロダクション公式プロフィール
演芸歩行研究所 アーカイブ
深夜の足算 番組ページ
東京小劇場連盟 タンソク(ロングフット)紹介
足音会議 ポッドキャスト一覧
脚注
- ^ 北綾瀬プロダクション編『若手芸人名鑑 2024年度版』北綾瀬出版、2024年、pp. 118-119.
- ^ 佐伯隆『足音と笑いのあいだ』東都演芸研究会、2022年、pp. 44-48.
- ^ 前田しのぶ「移動型漫才の成立条件」『現代演芸評論』第18巻第2号、2023年、pp. 21-37.
- ^ 青木理人『歩幅文化史』港区学術文庫、2021年、pp. 201-219.
- ^ Margaret H. Doyle, "Performer Kinematics in Japanese Manzai", Journal of Urban Comedy Studies, Vol. 9, No. 1, 2020, pp. 55-72.
- ^ 山岡蓮『出囃子の変形と観客反応』南関東芸能大学紀要、第7号、2024年、pp. 13-29.
- ^ Thomas E. Wren, "Sound of Shoes and Timing of Punchlines", International Review of Stage Humor, Vol. 12, No. 3, 2021, pp. 90-104.
- ^ 柴崎文『北関東お笑い歩幅賞の十年』歩行芸社、2023年、pp. 77-81.
- ^ 里見あかね『楽屋における靴ひもの迷信』新宿文化叢書、2020年、pp. 5-9.
- ^ 北綾瀬プロダクション『公式プロフィール完全版』北綾瀬出版局、2025年、pp. 1-6.
外部リンク
- 北綾瀬プロダクション公式サイト
- 演芸歩行研究所
- 東京小劇場連盟
- 足音会議ポッドキャスト
- 深夜の足算 番組公式