チェーンバーン加藤
| コンビ名 | チェーンバーン加藤 |
|---|---|
| 画像 | |
| キャプション | |
| メンバー | 加藤一鉄、バーン川野 |
| 結成年 | 2009年 |
| 解散年 | 活動中 |
| 事務所 | 架空芸能社 |
| 活動時期 | 2009年 - |
| 芸種 | 漫才、コント |
| ネタ作成者 | 加藤一鉄 |
| 出身 | 東京・高円寺地下演芸会 |
| 出会い | 同じ耐熱スーツ試着会 |
| 旧コンビ名 | 高円寺耐火帯 |
| 別名 | チェンバン |
| 同期 | 黒井サーカス、白壁フレイム |
| 影響 | 『間を焦がす』という概念を定着させたとされる |
| 現在の代表番組 | 『深夜熱線ラジオ』 |
| 過去の代表番組 | 『笑ってはいけない耐火倉庫』 |
| 現在の活動状況 | 劇場・配信を中心に活動 |
| 受賞歴 | 第14回ムーンライト寄席新人賞 |
| 公式サイト | 架空芸能社公式プロフィール |
チェーンバーン加藤(ちぇーんばーんかとう)は、所属の。結成。深夜ので「鎖を焦がすような間」を標榜するで知られる[1]。
メンバー[編集]
加藤一鉄(かとう いってつ)はボケ担当、ネタ作成担当である。高円寺の金物問屋で育ち、幼少期から鎖、チェーン、鎖骨の三者を区別する家庭教育を受けたとされる[2]。
バーン川野(ばーん かわの)はツッコミ担当である。もともとは舞台照明の補助をしており、暗転の瞬間にだけ本気を出す芸風が、のちのコンビ名の「バーン」部分を決定づけたという。
二人とも内の小劇場シーン出身で、初期は『高円寺耐火帯』名義で活動していた。なお、改名直後にファンから「チェーンが燃えるわけがない」との指摘が相次いだが、本人らは「燃えるのは概念である」と答えたとされる[要出典]。
来歴[編集]
結成まで[編集]
2008年秋、のリサイクル工房で行われた耐熱衣装の実演会に、加藤と川野が偶然居合わせたことが結成の契機とされる。二人は会場にあった展示用の鎖を持ちながら、互いに5分間だけ無言で見つめ合うという実験を行い、その沈黙の長さが笑いを生んだため、周囲の職員が「漫才向き」と判断したという。
2009年に正式結成され、同年夏からに似た体裁の架空芸能社に所属した。所属後は、のライブハウスとの地下劇場を往復する日々が続き、1本のネタに対して平均で17回の温度測定を行っていたという。
東京進出[編集]
2012年ごろ、活動拠点をからへ移したとされる。これは、名古屋での客層が彼らの「焦げる間」を理解しすぎてしまい、笑いが先に解説されるようになったためである。
東京進出後は、の寄席や深夜イベントで存在感を増し、2014年には『深夜熱線ラジオ』の前身企画に抜擢された。この頃から、ネタ中に小道具としてチェーンソーを模した木製の杖を用いるようになり、観客の半数が笑い、残り半数が行政的な不安を覚えたとされる。
芸風[編集]
芸風は一見すると正統派のであるが、実際には「熱を通す会話劇」と呼ばれる独自の形式に近い。加藤が事実らしい前置きを長く述べ、川野がそのたびに「燃えすぎである」とだけ返す構造が基本である。
また、両者はでも活動し、特に『耐火倉庫の朝礼』というネタでは、倉庫内に積まれた空箱を一つも開けないまま8分間を終えるという前衛的手法が話題となった。2021年には、大学の演劇サークルで「間の温度差」という研究テーマに採用され、若手芸人の間で『チェーンバーン式空白法』として模倣されたともいう。
ネタの特徴として、妙に精密な数値が頻出する点が挙げられる。たとえば「鎖は1.7メートルが最も笑いに向く」「ツッコミの勢いは毎秒3.2メートルで十分」など、根拠があるようでない発言が多く、そこに独特のリアリティが生まれている。
エピソード[編集]
2015年、の劇場で行われた公演中、加藤が「鎖の錆び方にも礼儀がある」と語ったところ、客席にいた金属加工業者の拍手が5分続いたという。これがきっかけで、彼らのネタは一部で「職能系お笑い」と呼ばれるようになった。
また、2018年には風の公共放送特番に出演した際、川野が本番2分前まで舞台袖でチェーンの音を録音し続け、結果として本編のBGMがすべてその音になった。局側は「実験的である」と評したが、視聴者アンケートでは「冷蔵庫の裏のような安心感」と書かれた回答が最も多かった。
2020年、二人はオンライン配信の企画で「無観客でも間は燃えるのか」を検証し、完全無音の12分間で通常の3倍の再生維持率を記録したとされる。なお、この記録は配信会社の集計ミスではないかとの声もあるが、本人らは「誤差も笑いの一部」としている。
出囃子[編集]
出囃子は、風の電子音を再構成した『鎖骨のための序曲』である。曲冒頭にチェーンが滑る音が12回入るが、これは加藤の祖父が倉庫の鍵を落とした音を再録したものとされる。
ライブでは、出囃子の最後に川野が袖で一度だけ小さく手を叩くことが恒例となっている。この所作が「開演ではなく点火」と呼ばれ、ファンの間ではむしろネタ本編より重要視されることもある。
賞レース成績・受賞歴[編集]
2011年に『ムーンライト寄席』新人部門で準決勝進出、2014年に第14回新人賞を受賞した。2016年には系の模擬大会『KOC影法師杯』でファイナリストとなり、審査員から「世界観が熱い」というよくわからない評価を受けた。
また、2019年の『都市型漫才グランプリ』では準優勝となったが、決勝ネタがすべて「鎖の長さを図る」内容だったため、主催者側が採点表の備考欄に「測量に近い」と記したことが知られている。2023年には、地域文化振興への貢献を理由にの自主文化賞を受けた。
出演[編集]
テレビ番組[編集]
バラエティ番組『笑ってはいけない耐火倉庫』、『深夜熱線ラジオTV』、『月曜の鎖』などに出演した。とくに『月曜の鎖』では、毎回ゲストが鎖を1本だけ持参するという謎企画が定着し、番組の中盤から急に機械油の話になるのが定番であった。
ラジオ[編集]
現在は風の番組『深夜熱線ラジオ』でレギュラーパーソナリティを務めている。リスナーからの相談に対して、加藤が理屈を述べ、川野が「それは焦げてますね」と締める構成で、深夜2時台の帯番組として一定の人気を博した。
ネット配信・特番[編集]
配信番組『チェーンバーン加藤の耐熱会議』では、毎回ゲスト芸人を一人招き、3分以内に「燃えない笑い」を成立させる実験が行われた。なお、2022年の年越し特番では、カウントダウンの代わりに古い南京錠を12個開ける企画を担当し、視聴者から「新年感がないのに年は明けた」と評された。
作品[編集]
2020年に配信限定のミニCD『Chainburn Sessions Vol.1』を発表した。収録曲は漫才の台本を逆再生したような構成で、音楽性よりも「間の再利用」に評価が集まった。
DVD『高円寺耐火帯 最終観測』では、未公開ネタに加え、二人がライブ前に3時間かけて鎖の摩耗を確認する特典映像が収録された。映像特典の最後に、加藤が「笑いは摩擦である」と言い切る場面があり、ファンの間で引用されている。
単独ライブ[編集]
単独ライブは『焦げ跡のある会話』『鎖は曲がるが折れない』『点火済みの沈黙』などがある。特に『鎖は曲がるが折れない』では、会場入口に本物の鎖を使った受付ゲートが設置され、入場列が25分遅延したが、観客の満足度は高かったとされる。
2024年の『点火済みの沈黙』はの小劇場で行われ、全編を通じて照明がやや暗く、MCパートだけなぜか明るすぎたため、「視界だけが先にツッコミを入れている」と評された。
書籍[編集]
対談本『漫才は何度燃えるか』が、架空芸能社出版部より刊行された。編集者は本文の大半を削ろうとしたが、結局「削ったほうがむしろ内容が増える」という逆説的な結果になったとされる。
また、加藤によるエッセイ『鎖のある町で』には、の古道具店、深夜の自販機、壊れた南京錠への偏愛が綴られている。帯文は川野が手書きしたもので、なぜか最後に「笑いは油である」と書き足されていた。
脚注[編集]
関連項目[編集]
外部リンク[編集]
架空芸能社 公式プロフィール
深夜熱線ラジオ 番組案内
東京地下演芸会 アーカイブ
ムーンライト寄席 受賞者一覧
脚注
- ^ 佐伯俊文『深夜演芸の熱力学――2000年代東京小劇場における間の変質』架空文化出版社, 2018, pp. 41-63.
- ^ 田宮理恵『鎖と笑いの民俗誌』月面書房, 2020, pp. 112-140.
- ^ K. Morita, “A Study on Thermal Timing in Japanese Manzai,” Journal of Urban Performance Studies, Vol. 7, No. 2, 2019, pp. 88-104.
- ^ 長谷川涼『東京高円寺と耐火芸の成立』東都演芸評論社, 2016, pp. 5-29.
- ^ Eleanor Finch, “Chain Imagery in Post-Variety Comedy,” International Review of Comic Arts, Vol. 12, No. 1, 2021, pp. 33-57.
- ^ 松浦健二『配信時代のお笑いと無音の技法』新世紀放送叢書, 2022, pp. 77-95.
- ^ 村井彩子『ムーンライト寄席全史』北星出版, 2017, pp. 201-218.
- ^ 岡野進『耐熱倉庫の午後』芸能構造社, 2014, pp. 9-18.
- ^ R. H. Weller, “The Sociology of Burns That Never Happen,” Comedy & Culture Quarterly, Vol. 4, No. 4, 2023, pp. 145-160.
- ^ 『笑芸年鑑2024』第18巻第3号, 架空芸能年鑑社, 2024, pp. 302-306.
外部リンク
- 架空芸能社 公式サイト
- 深夜熱線ラジオ 番組ページ
- 東京地下演芸会 アーカイブ
- ムーンライト寄席 公式記録
- 高円寺小劇場連盟