世界肛門封鎖機構を巡る一連の騒動
| 名称 | 世界肛門封鎖機構(仮説上の連合体) |
|---|---|
| 略称 | WASSM |
| 設立/設立地 | 頃 / ・近郊 |
| 解散 | 正式な解散は不明とされる |
| 種類 | 秘密結社(とされる) |
| 目的 | 人々の「排出」を通じた情報循環を支配する、という主張 |
| 本部 | ・湾岸の地下施設(とされる) |
| 会員数 | 諸説あり(数千〜数万) |
| リーダー | 「均衡局長官」職の人物(複数説) |
世界肛門封鎖機構を巡る一連の騒動(せかいこうもんふうさきこうくをめぐるいちれんのそうどう、英: The Series of Incidents Surrounding the World Anus Sealing Mechanism)とは、肛門という象徴的部位を「封鎖」する装置計画が世界の統制に転用されるとする陰謀論と、それに端を発した一連の騒動として語られている[1]。
概要[編集]
本項目は、陰謀論の語りとして成立している「世界肛門封鎖機構(WASSM)」をめぐる一連の騒動を扱う。主張では、封鎖機構は衛生や医療とは別の目的に転用され、社会の「外部からの排出」を止めることで人々の意思決定を誘導する、とされる。
とくに有名なのは、派閥があり、統制系の主張が噛み合わず壊滅的な内部抗争へ発展した、という筋立てである。さらに「派閥は分裂を繰り返し最大に至った」という諸説が流通し、現在はその一部が結合して新組織を結成したとされる。なお、こうした数字は“現場資料”と称される偽書が根拠にされることが多い[2]。
背景[編集]
陰謀論の語りでは、WASSMは単なる一組織ではなく、衛生技術、港湾物流、心理操作広告、さらに教育用の掲示物までをつなぐ“隠れた回路”だと説明される。信者は、肛門を「最も忘れられやすい出口」と位置づけ、そこが封鎖されれば、個人は自己検閲を学習すると主張した[3]。
この陰謀論が支持を集めた理由としては、日常の不快感と大規模な支配を結びつける比喩が強かったことが挙げられる。つまり、人々がニュース記事で見落としがちな医療・衛生の話題を起点にして、いつの間にか政治・経済へ接続していく“連想の鎖”が作られたのである。
また、WASSMの“封鎖”は物理的な閉塞だけでなく、言葉の封鎖、就労の封鎖、そしてSNS上の発言規制(とされる)までを含む多層構造として語られた。こうして、証拠の不足は「隠蔽の証拠」として回収され、反論よりも“物語の整合性”が優先される構造ができあがったとされる。
起源/歴史[編集]
起源:架空の起点「臨港肛門計画」[編集]
陰謀論では、WASSMの起源として頃の「臨港肛門計画」が語られる。この計画は本来、港湾での衛生事故を減らす目的の“排出管理”研究として紹介されていたが、実際には情報通信の暗号化プロトコルに転用されたとされる[4]。
語りの中で重要なのが、の薬学者を名乗る「リュト・ヴァルツハイマー(Lüt Valzheim)」が残したとされる“手帳”である。手帳には、放射線遮蔽材の配合比がで記され、さらに「出口の閉じ方には階層がある」との文がある、と主張された。もっとも、その手帳の所在は一貫して不明とされ、偽造を疑う声もある。
一方で、信者は“所在不明”を隠蔽の成功例として扱った。結果として、科学的に検証可能な部分はどんどん切り捨てられ、物語の核だけが成長していく形になった、とされる。
拡散:各国へ—「便器型サイン」の同時多発[編集]
起源が語られた後、陰謀論は各国のローカルな出来事へ“接続”されることで広がった。たとえばでは、の公的施設改修のニュースに対し「便器型サインの統一」があったと解釈された。信者は“サインの高さがで揃っている”ことを根拠の一つに挙げるが、これは実測ではなく、ネット上で配布された寸法推定図に由来するとされる[5]。
またでは、ローマの鉄道駅周辺に同じ図柄のポスターが貼られた件が「封鎖の宣伝」だとされた。ポスターには肛門を直接描かないにもかかわらず、代わりに“渦巻き状の出口”の記号が入っていたとされ、読者は記号の反復性に引き込まれることになった。
では、肛門封鎖を連想させる言い回しがメディア番組のスポンサー契約に紐づく、といった“契約地図”の作成が流行した。こうしてWASSMは、実体のない世界政府のように振る舞い、国ごとの不満をまとめて吸い上げる装置として機能したと語られる。
主張[編集]
主張の骨格は、WASSMが「肛門」という象徴を“最終出力”として管理し、それを止めることで人々の情報循環を変える、という点にある。信者は、排出に関する不安が増えるほど自己統制が進み、政治的には“穏健化”する方向へ誘導されると説明した。
さらに本方向性指定に沿って、WASSMにはの派閥があるとされ、派閥間の利害対立が混乱状態を生み壊滅状態へ至った、と語られる。諸説では派閥はさらに細かく分裂し最大になるが、そうなると「相互に矛盾する封鎖仕様」が続出し、現場が崩壊するのだという。
ただし“壊滅”もまた物語の都合で再解釈される。支持者の間では「壊滅は、表向きの失敗を装った再編の合図である」とされ、残存派閥の一部が結合して新組織を結成したとされる。植林は“出口の代替”として機能する、つまり土の中の循環が人々の頭の中で連想回路を作る、という説明がしばしば付随した。
その他の主張として、機構が作る“管理用語”が広まり、一般の会話まで侵食する、といったものがある。たとえば「封鎖」を避けるために「均衡保全」や「出口調律」という婉曲語が増える、と語られるが、具体例は捏造データからの引用と疑われている。
批判・反論/検証[編集]
批判側は、WASSMの主張が“同時に何でも説明してしまう”点を問題視している。たとえば、証拠が出ない場合は「隠蔽」とされ、出た資料が疑わしい場合は「偽情報」とされ、結局、否定が検証されない構造になっているとされる[6]。
また、派閥がで、最大に増えたという数字は、出典が統一されていない。反論では、派閥数の計算が“投稿スレのコメント件数”を転用している可能性が指摘され、根拠がデータではなくコミュニティの盛り上がりに依存している点が笑い話として扱われることもある。
検証の試みとして、湾岸で“地下施設”があったという噂が調査対象になったが、現地調査に基づく確証は得られないと報告された。にもかかわらず信者は、地下施設の存在は「発表されないだけ」として維持されるため、科学的に検証可能な条件が常に後回しになった、との指摘がなされている。
一方で、陰謀論を否定する立場にも弱点があるとされる。というのも、陰謀論コミュニティが作る“偽書”や“プロパガンダ”が一部の広告・デザインの特徴と偶然に一致し、偶然の一致を“証拠”にしてしまうからである。ここに、否定と信じの両方が同じ素材(強い物語性)を使ってしまうというジレンマがある。
社会的影響/拡散[編集]
この騒動は、陰謀論としての拡散にとどまらず、コミュニティの行動様式を変えたとされる。特に、過去の“衛生・医療・施設改修”の話題が政治化され、討論の中心が事実検証から物語の整合性へ移ったと指摘される。
信者の間では、が“救済側”として語られ、植林活動の寄付やボランティアが急増した(と主張される)。ただし、資金の流れは公開されにくく、「寄付は隠蔽の回収装置にもなる」との過激な解釈も混ざった。
その結果、周辺地域では“同じロゴの苗木ラベル”の配布が話題になり、SNS上では写真加工のテンプレが量産された。こうした現象は、偽情報/偽書を生みやすい土壌を作ったとされる。一方で、反対に「植林は実際に役立つ」との声もあり、議論は単純な否定・肯定に収まらなかった。
最終的には、WASSMの物語がインターネット・ミーム化し、肛門封鎖という言い回しが“曖昧に権力を揶揄する単語”として転用されるに至った。真相よりも面白さが優先され、フェイクと皮肉が同居する形で定着した、とまとめられることが多い。
関連人物[編集]
陰謀論の語りには、実在の研究者とは断定しにくい人物が多数登場する。たとえば「均衡局長官」を名乗った人物として、の学術団体“欧州計量文書研究連盟”の顧問と称する「マリウス=レオン・デュフール(Marius-Léon Dufour)」が挙げられる。本人の正体は確認できないとされるが、派閥間の再編を語った“公開メモ”が転送され続けたとされる。
また、の匿名アーカイバーが発掘したとされる「臨港肛門計画図面第号」は、封鎖仕様を示すと主張された。もっとも、図面のフォーマットが既存のフリー素材に酷似しているとの指摘があり、捏造やプロパガンダの可能性が論じられた。
さらに、で流通した“出口調律マニュアル”の編者として「須刈 鳴海(すかり なみうみ)」が登場する。編集者名の一致が確認できないとされつつも、文章のテンポが陰謀論コミュニティの読み筋に合っていたため、信者が引用しやすかったと説明される[7]。
関連作品(映画/ゲーム/書籍)[編集]
物語の拡散には、文化作品の果たした役割も大きい。架空の映画『』(公開年は複数説あり)では、壊滅状態に陥った秘密結社が植林を通じて再起する展開が描かれるとされる。観客は“48”の数字が画面上にごとに点滅する演出に気づくよう作られた、と語られがちである。
ゲーム『WASSM: Dusty Port Protocol』(発売年は説と説がある)では、港湾の衛生設備を調整して“排出ルート”の確率を操作することで勝利する、というルールが陰謀論を思わせると評された。もっとも、ゲームデータの出所は不明であり、ネット上では“偽書をゲーム化した”というデマが流通した。
書籍では『肛門封鎖機構と統計の魔術』が、検証という名の引用作業を延々と続ける体裁で人気になったとされる。ただし、章末の参照文献のうち一部は架空雑誌の形式を真似ているだけではないか、という批判がある。なお、最終章で“世界植林会”の設立が語られることから、信者の入会導線になったとする指摘もある。
脚注[編集]
参考文献[編集]
関連項目[編集]
脚注
- ^ リュト・ヴァルツハイマー『臨港肛門計画図面手帳(第12号)』チューリッヒ港湾文書館, 1941.
- ^ マリウス=レオン・デュフール『出口調律と階層封鎖:WASSM断章』パリ・ミラージュ出版, 1998.
- ^ 須刈 鳴海『世界植林会の成立条件:寄付と統制の相関』東京植字研究所, 2006.
- ^ A. Kovacs, “Factionalism in Symbolic Lockdown Networks: The WASSM Case,” Journal of Port Mythography, Vol.12 No.4, pp.77-101.
- ^ S. Nakamura, “Faked Dimensions and the Logic of Verification in Internet Conspiracies,” International Review of Pseudoscientific Claims, Vol.8, pp.33-59.
- ^ M. R. Thompson, “Hygiene Rhetoric and Exit Metaphors in Global Propaganda,” Global Communication Quarterly, Vol.21 No.2, pp.210-242.
- ^ 欧州計量文書研究連盟『欧州における図柄一致の統計(非公開草稿)』ハンブルク地下アーカイブ, 2001.
- ^ 市河 凪人『派閥数はいかにして増殖するか:48から125へ』新潮数理叢書, 2015.
- ^ L. Valzheim, “The 7:3 Shadow Ratio and the Sealed Channel Hypothesis,” Proceedings of the Imaginary Society of Applied Seams, Vol.3, pp.1-18.
- ^ 一ノ瀬 真琴『陰謀論の引用はなぜ止まらない:嘘ペディア調査報告(※題名は一部誤記あり)』文理カタログ社, 2022.
外部リンク
- WASSMアーカイブ掲示板
- 世界植林会ファンサイト(寄付透明度ガイド)
- 出口調律テンプレ保管庫
- 派閥48→125 計算機(ミーム版)
- 港湾神話翻刻プロジェクト