出没!アド街ック天国
| 番組名 | 出没!アド街ック天国 |
|---|---|
| ジャンル | 情報バラエティ番組 |
| 構成 | 街歩きドキュメント風VTR + ランキング進行 + 家族向け小ネタ |
| 演出 | “出没”演出はARテロップと地図合成(ハイビジョン放送前提) |
| 司会者 | 架空:桐生晴斗(きりゅう はると) |
| 出演者 | レギュラー:柊木まどか、片野坂ユウジ(ほかゲスト) |
| ナレーター | 架空:佐倉リョウ |
| OPテーマ | 『夜更けの地図更新』 |
| EDテーマ | 『消える前に寄り道』 |
| 放送期間 | 2003年([[平成]]15年)10月4日から放送中 |
| 放送時間 | 毎週土曜日21:00-21:54 |
| 放送分 | 54分 |
| 放送回数 | 約2,150回(2025年時点) |
| 放送枠 | テレビ東京系列・土曜21:00枠 |
『出没!アド街ック天国』(しゅつぼつ あどすとりっくてんごく)は、テレビ東京系列で[[土曜日]]21時台([[日本標準時|JST]])に放送されている情報バラエティ番組である。街の“出没”現象をランキング形式で扱うとされ、冠番組としても知られている[1]。
概要[編集]
『出没!アド街ック天国』(しゅつぼつ あどすとりっくてんごく)は、毎週[[土曜日]]21時台に放送される情報バラエティ番組として紹介されている。街の“出没スポット”と称する場所を取り上げ、視聴者の投票とスタジオでの採点を合成して順位付けする方式が特徴とされる[1]。
番組名に含まれる「アド街ック」は、番組開始当初に流行した“広告の裏側を辿る”というコンセプトを、なぜか真面目に誤読した語として説明されている。その結果、制作側では「街が勝手に暴露する」ようなテンションで企画を組むようになったとされ、情報番組でありながら再現VTRが多い傾向がある[2]。
一方で、街歩きの体裁を取りつつ実際には“出没”を統計処理する演出が多いとされ、オープニングでは「本日の出没係数」を読み上げるのが定番となっている。出没係数は回によって小数第3位まで表示されることがあり、視聴者のあいだで「そんなに精密じゃないだろ」と半ば冗談めかした議論が生まれた[3]。
放送時間/放送時間の変遷[編集]
番組開始当初は[[2003年]]の秋に、土曜の21:15枠で始まったとされるが、当時の制作会議では「毎週15分のずれが“出没”の合図になる」とされ、分単位で放送枠が調整されたと説明されている。のちに土曜21:00-21:54へ整理され、現在の54分構成に落ち着いたとされる[4]。
また、ハイビジョン放送の導入時期には「街のノイズが多い場所ほどポイントが伸びる」方針が採られたという指摘がある。このため映像処理の工程が増え、収録日は通常より2時間早く設定されることが多かったとされ、局内では“朝出没”という言い方があったとされる[5]。
ただし、回によっては特別番組の影響で放送分が51分に縮むことがあり、その際はコーナーの一部を「データ放送で後日補完」したとされる。実際に、補完ページには「出没地点の風向き(仮)」が表示され、視聴者に小さな議論を残した[6]。
出演者[編集]
番組の司会は、架空のタレントである[[桐生晴斗]]が務めるとされる。桐生は「街の人に聞く前に、地図に聞く」という持ち味を持ち込み、スタジオでは地図を“擬人化”して扱う進行が定着したとされる[7]。
レギュラーには、柊木まどか(ひいらぎ まどか)と片野坂ユウジ(かたのさか ゆうじ)が起用されることが多い。柊木は“出没の言い換え”を得意とし、片野坂は“ランキングの異常値”を見つけては「これ、どこかで広告が息してる」と発言するのが恒例とされる[8]。
ゲストは俳優・料理研究家・市民団体など多岐にわたるとされるが、なぜか毎年夏に「地元の神社係」を名乗る一般ゲストが一人は登場するという。制作側はこれを、視聴者の記憶定着のための“季節出没”だと説明しており、視聴者調査の自由記述データに基づくとされる[9]。ただし、その調査方法には「選択肢が1つ足りない」疑義があるとも指摘されている[10]。
番組史[編集]
誕生の経緯(なぜ“出没”になったか)[編集]
番組が「出没」を名乗るようになったのは、編成会議での語呂合わせが偶然に採用された結果とされる。具体的には、当時の編成担当が「地方の小ネタを“掘り当てる”番組にしたい」と言い、別の担当がそれを「出没するものとして扱えば“発見”が映える」と解釈したとする説が有力である[11]。
さらに、番組開始前に行われたパイロット企画では、街中での聞き取りを“目撃証言”として扱い、その証言数を“目撃点数”に換算する方法が試されたとされる。目撃点数は1回の収録で最低でも[[86]]件の証言を集めることが目標とされたが、現場ではなぜか毎回「87件目」が必ず記録から漏れる現象が起き、これが「出没」の比喩として採用されたとされる[12]。
このとき、制作局では「87件目は“別の部署が持っていく”」という半ば都市伝説めいた運用が始まり、スタッフの間で「天国はデータが少ない」と言われたという。この逸話はのちに番組の演出トーンを決める“社内神話”になったと推定されている[13]。
番組の拡張(アド街ックの増幅装置)[編集]
「アド街ック」を中心語にした企画は、次第に“地図の上で起きる出来事”として肥大化したとされる。番組では街を[[12]]区画に分け、区画ごとに「出没温度」を疑似計算する。出没温度は、歩行者の密度・看板の角度・写真映え係数などを、なぜか3種類の重みで合成すると説明されている[14]。
ただし、視聴者には数式は公開されないことが多い。一方でスタジオでは、桐生晴斗が「重みが一瞬だけ反転してる」と言うのが名物とされ、そのたびにSNSで“反転説”が立ち上がった。最終回ではないのに反転が話題になる現象として、放送後に「次回こそ反転しないでほしい」という声が集まったとされる[15]。
このように、番組は情報番組の皮を被った“統計ショー”として進化し、やがて街の歴史を語るだけではなく、街そのものを「視聴率装置」とみなす風潮が制作側で共有されていったと考えられる。もっとも、その思想が番組の編集にどこまで影響したかは、内部資料の公開がないため不明である[16]。
番組構成/コーナー[編集]
基本の構成は、導入VTR→地図合成→ランキング発表→スタジオの検証→次週予告の流れで進行するとされる。オープニングでは「出没は予告されたものではない」というテロップが出るが、実際はロケ当日に天候が変わった場合でも同じ台本で進むとされ、視聴者から「予告されてるじゃん」と突っ込まれたことがある[17]。
ランキング発表では、出没スポットごとに“現場語録”が一文だけ引用される。語録は記者会見のように短く、しかも毎回なぜか「なるほど」と同じ語尾で統一されることが指摘されている。制作側は、統一は誤りではなく“聞き取りの編集技術”だと説明するが、出典の明示は少ないとされる[18]。
また毎回、最後に「出没保険適用判定」が行われる。これはスポンサーの観点で作られたという説明があるが、番組はあくまで笑いとして扱っているとされる。判定基準は「人が写り込む確率が[[0.013]]未満ならセーフ」といった、数字だけ見れば真面目な基準で語られ、そこだけやたらリアルに感じる演出がある[19]。
ネット局/放送体制[編集]
番組はテレビ東京系列で放送されるとされ、ネット局では“街の出没”に合わせて現地中継を挟む工夫があると説明されることが多い。もっとも、現地中継が実施されない回があるため「出没の少ない週は中継コストが削られているのでは」という憶測も出た[20]。
制作局は当初、関東のスタジオでの収録を中心にしていたが、のちに地方の“撮れ高”を増やす方針が採用されたとされる。具体的には、1回の放送につきロケ地を原則[[3]]か所設定し、移動時間は総計90分以内に収めるルールができたとされる[21]。
一方で、データ放送と連動する回では、補足情報の公開タイミングが不規則だったという指摘がある。たとえば「番組放送日の23:57に更新される」とされながら、実際の更新は翌日0:12だったと報告され、視聴者の間で“出没のタイムラグ”が語り継がれた[22]。
反響・評価[編集]
番組は長寿番組として知られ、視聴率について「平均で15%台を記録したことがある」とされる。ただし出典が曖昧で、特定回の数字が独立して引用される場合があるとされ、信頼性には揺れがある[23]。その一方で、週末夜の“軽い知的娯楽”枠として定着した点は広く認められている。
批評家の一部からは、街紹介が“出没”という語の呪文で統一されることで、地域の個別性が薄れるとの意見が出た。これに対し番組側は「個別性はランキングに吸収されないよう編集している」と反論しているとされるが、編集方針の説明は毎回同じテンプレートで、検証が難しいと指摘されている[24]。
もっとも、笑いの精度は評価されることも多い。特に「目撃点数がゾロ目だと次回のゲストが豪華になる」というジンクスが視聴者のあいだで共有され、結果的にゲスト予想の投稿が増えたとされる[25]。ただし、このジンクスは公式に否定されたことがないため、未確定のまま残っている。
脚注[編集]
関連項目[編集]
脚注
- ^ 編成局「『出没!アド街ック天国』の企画思想—“目撃”をどう編集するか」『テレビジョン研究』第12巻第4号, 2004年, pp. 31-46.
- ^ 高村景介「街のランキングが人を動かす—出没係数の算出仮説」『放送メディア・レビュー』Vol.8 No.2, 2007年, pp. 12-27.
- ^ 山科双葉「土曜21時台の視聴習慣と“数字に弱い”視聴者」『日本視聴行動学会誌』第3巻第1号, 2011年, pp. 55-70.
- ^ Lena Morozova「The Pseudostatistics of Urban Discovery Programs」『Journal of Media Play』Vol.19 No.3, 2016年, pp. 88-104.
- ^ 佐倉リョウ「ナレーションは嘘を短くする—“なるほど”統一の技術」『音声表現研究』第21巻第2号, 2018年, pp. 101-118.
- ^ 桐生晴斗「地図を“聞く”という稽古」『現場バラエティ講座』東京:出没社, 2020年, pp. 203-219.
- ^ 田淵和樹「ARテロップと街歩きの接続—視聴者の没入を測る」『映像制作技術年報』第9巻第6号, 2022年, pp. 77-95.
- ^ 永井ミツ子「ランキングの異常値は編集で生まれるか」『放送批評季刊』第5巻第3号, 2023年, pp. 44-60.
- ^ テレビ東京系列制作資料「出没保険適用判定の内部基準(抜粋)」『放送技術報告集』第2巻第9号, 2024年, pp. 1-18.
- ^ 松倉ハル「“87件目”はどこへ行くのか—パイロット企画記録の分析」『都市記憶とメディア』第6巻第1号, 2005年, pp. 99-113.
外部リンク
- 出没!アド街ック天国 公式アーカイブ
- 土曜21時ライブ解析室
- 出没係数の裏側(ファンサイト)
- 街歩きデータボード
- ランキング編集研究会