国取り合戦ズ
| コンビ名 | 国取り合戦ズ |
|---|---|
| 画像 | 甲冑姿の2人(公式プロフィール写真) |
| キャプション | 「国取り合戦」ネタで着用する軽鎧(試作) |
| メンバー | 椀(わん)/陣鐘(じんしょう) |
| 結成年 | 2020年 |
| 解散年 | 未定 |
| 事務所 | 登城企画 |
| 活動時期 | 2020年 - 現在 |
| 芸種 | 漫才・コント |
| 公式サイト | 登城企画 公式ページ |
国取り合戦ズ(くにとりがっせんず、英: Kunitori Gassen Zu)は、[[登城企画]]所属のお笑いコンビ。[[2020年]]結成。NSC58校12期生であり、戦国時代の甲冑を着て登場することで知られている[1]。
メンバー[編集]
国取り合戦ズは、椀(わん)と陣鐘(じんしょう)の2名からなるお笑いコンビである。両者はいずれも戦国武将風の甲冑を着用し、舞台上で「軍議」や「布陣」を模した所作を行う点が特徴とされる[1]。
椀は主にツッコミ担当であり、甲冑の中で発声しやすいように「喉当て」用の滑り止めスポンジを自作した経緯があるとされる[2]。陣鐘は主にボケ担当であり、掛け声や効果音を口だけで再現する「甲冑擬音(かっちゅうぎおん)」を得意とする[3]。
コンビ名の由来は「国取り合戦」を“物語”として扱うよりも“手続き”として扱う姿勢にあると説明されているが、実際には制作段階で意味が何度も変わったことが番組内で語られている[4]。
来歴/略歴/経歴[編集]
東京進出までの経緯[編集]
2人はともに[[NSC58校]]の同期であったが、出会いは大阪ではなく[[北海道]]の地方劇場であったとされる[5]。椀は当時「小道具倉庫の番人」としてアルバイトをしており、そこで甲冑の“残響”を拾う練習をしていたという[6]。
陣鐘はNSC58校在籍中、ネタ作成に用いるメモ帳を「陣中日誌(じんちゅうにっし)」と呼び、1日あたり最低37行を書き、見直しは“午(ひる)12時から13時17分の間”に固定していたと伝えられる[7]。のちにそのルーティンが、漫才のテンポにも反映されていると指摘される。
2020年、登城企画の企画部が行った「甲冑コント回収コンテスト」にて最終選考に残り、同年4月にデビューライブを実施した。デビューライブの動員数は関係者によって「96人」と「100人弱」の2説があり、細部が揺れる点も“伝説化”につながったとされる[8]。
デビュー後の発展[編集]
デビュー後は、効果音制作に強い理系スタッフを引き込み、甲冑を軽くするために試作パーツを[[東京都]][[台東区]]の板金工房で作らせたとされる[9]。この工房には「打音(うちおと)でネタの間を作る」という独特の発想を持つ職人がいたと、雑誌対談で語られている[10]。
また、ネット配信でも人気が伸び、冠ラジオ枠「布陣のラジオ便」で、毎回“取り合うもの”を変える企画が好評だったとされる。最初の取り合いは「天下」ではなく「冷めない水」であり、リスナーが家庭用保温ボトルを投稿した結果、番組スタッフが採用した案が放送で紹介された[11]。
2022年からは、[[テレビ東京]]系の深夜バラエティに不定期出演し、甲冑のまま机を並べ替える動作が“視聴者参加型”として定着したといわれる。出演回では視聴者投票の集計が「合戦の勝敗」風に表示され、番組側がわざと読み上げを噛ませる演出をしたとも報じられた[12]。
芸風[編集]
国取り合戦ズの芸風は、甲冑姿のまま行う[[漫才]]と、軽装具を活用した[[コント]]を中心とする。とくに、会話の合間に「布陣図」を小型の投影機で出し、その場の空気を地図の縮尺として表現する手法が特徴とされる[13]。
ネタでは“国”を国家として扱うより、生活に密着した資源として扱うことが多いとされる。たとえば「取り合うもの」を“洗濯ばさみの数”“冷蔵庫の奥行き”“駅の階段の順番待ち”に置き換えることで、笑いが具体物へ落ちる設計がなされている[14]。
ただし、甲冑は単なる衣装ではなく、間の取り方の道具として計算されているとされる。椀は「鎧の胸板が鳴るまでに0.62秒、次の言葉を置く」と語ったことがあるが、後日その数字が「0.68秒」に訂正されたという情報もあり、正確さより“それらしさ”を優先する姿勢がうかがえる[15]。
エピソード[編集]
結成直後、2人はネタ帳に“合戦の議事録”という題名を付けていたが、読み返すと誤字が多く、椀が「戦国って漢字が多いから」と言い訳したことがあるとされる[16]。一方で陣鐘は「誤字は敵の伏兵」としてわざと残し、舞台上では誤字を“攻め筋”に変える展開を披露したとされる[17]。
また、甲冑を着たまま楽屋でおにぎりを食べる際、海苔を貼る位置を「武器庫の符(ふ)」として決めていたという細かい逸話がある。関係者によれば、貼り方の規定は“右肩上がりに斜め45度、端から3ミリ”で統一されていたという[18]。
2023年の単独ライブでは、客席に「陣取りカード」を配布し、ネタ中に“攻めてよい領域”が更新される演出が行われた。客が勝手に領域を広げるハプニングもあったが、スタッフは「笑いは既成領域から生まれない」として処理を取りやめたとされる[19]。この判断が評価され、以後も“参加の余白”を残す方針が続いているとされる。
出囃子・賞レース成績・受賞歴[編集]
出囃子は通常の和太鼓ではなく、甲冑同士を軽く打ち合わせて作る「鎧打(よろいうち)」である。陣鐘は太鼓の代わりに“声の音程”でそれっぽく鳴らす技術も持ち、音源データを作っていないのに毎回同じ間が出るとして、楽器店の店員が驚いたという逸話がある[20]。
賞レースでは、2021年の[[M-1グランプリ2021]]にてファイナリストへ進出したとされるが、詳しい順位は当時の媒体によって「8位」「12位」のように揺れて記載されている。準優勝を逃した際、椀が「敵は審査員ではなく、沈黙の長さ」と言い放ったことが一部で引用され、以後のネタ作り方針に影響したとされる[21]。
一方で、キングオブコントでは「領地申告型コント」が評価され、2022年に準優勝相当の枠に選ばれたとする資料もある。関係者間では“準優勝”か“敢闘賞”かの呼称が混在しており、百科事典的には整合しない部分が残されている点が、かえって時代の手触りとして伝えられている[22]。
出演・作品[編集]
テレビ/特番/ラジオ[編集]
テレビでは、[[フジテレビ]]のバラエティ特番「家臣の雑談会」に出演し、甲冑の“袖”部分を折りたたみパネルに変える即興コントが話題になったとされる[23]。また、[[NHK]]の短いコーナー番組にも“音の歴史”を題材にした形で出演したとされるが、放送日は『冬』とだけ覚えている視聴者が多いと報告されている[24]。
ラジオでは「布陣のラジオ便」で長くレギュラーを務めたとされ、台本なしの“領地相談”を行った回が好評だったとされる。相談テーマが「家のWi-Fiが弱い」から「実家の冷蔵庫の地形」へ急に飛ぶ回もあり、陣鐘が“地図に折り目をつける”比喩でまとめる技術が評価された[25]。
なお、放送後に番組公式が出した“領地地図テンプレ”は、ダウンロード数が月間で約2万件に達したとされる。集計の出所は番組スタッフの内部メモであると説明されており、外部公開が限定的である点もファンにとっては「謎」として残っている[26]。
舞台・単独ライブ・映像作品[編集]
単独ライブは「領国(りょうこく)をめぐる小争い」を第1弾として、以後は「鎧打交渉(ごうだきょうしょう)」「城下町の誤報」など、合戦語彙を生活に接続するタイトルが続いている。特に、ライブグッズのTシャツは甲冑の胸板部分の塗装を再現した模様入りで、受注生産として約3,400枚が用意されたという記録がある[27]。
映像作品としてはDVD「国取り合戦ズ甲冑大全」が発売され、収録は全13話とされる。なお、1話の尺が媒体により「9分」と「10分」で表記が揺れているが、椀が“沈黙を含めて9分”としているためではないかと推測されている[28]。
配信では、短編コント集としてネットプラットフォームにて週替わりで公開された時期があり、視聴者が“攻めたい領地”をコメントで投票すると、その投票に合わせて翌週のネタが調整される仕組みがあったとされる。調整がどの程度行われたかは明示されていないが、「投票が強い回ほど袖が鳴る」という感想が多数寄せられた[29]。
脚注[編集]
関連項目[編集]
脚注
- ^ 椀川千里『甲冑ネタのテンポ設計:沈黙0.62秒の理論』登城出版, 2021.
- ^ 陣鐘恵司『国取り合戦というコミュニケーション:生活資源を領地化する技法』演芸学研究所, 2022.
- ^ 佐久間貴之「お笑いコンビの衣装が間に与える影響」『日本芸能技法論集』Vol.4 No.2, pp.33-48, 2022.
- ^ 中村楓馬『バラエティ番組における擬音表現の実装例』電波社会学会, 2023.
- ^ Dr. Akiro Tanaka『Sounding Steel in Modern Comedy』Tokyo Comedy Press, 2021.
- ^ Claire Morel『Why Audiences “Map” Jokes: The Territorial Metaphor Framework』Journal of Performance Humor, Vol.12 Issue1, pp.101-129, 2023.
- ^ 星野礼央「合戦語彙を日常へ翻訳する字幕の研究」『映像言語研究』第7巻第1号, pp.55-70, 2024.
- ^ 森島慎哉『甲冑DIYの現場:板金工房から舞台へ』台東工房叢書, 2020.
- ^ 小池咲耶『笑いの地図帳:投票で変わる脚本術』西風企画, 2023.
- ^ 国取り合戦ズ公式台本編集部『国取り合戦ズ甲冑大全』登城企画, 2022.
外部リンク
- 登城企画 公式プロフィール
- 布陣のラジオ便 番組アーカイブ
- 甲冑擬音 記録サイト
- 国取り合戦ズ 単独ライブ 受注ページ
- 鎧打 研究メモ(非公式)