青祭囃子
| コンビ名 | 青祭囃子 |
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| キャプション | |
| メンバー | 朝霧 蓮、囃堂 つむぎ |
| 結成年 | 2008年 |
| 事務所 | 彩鳴プロダクション |
| 活動時期 | 2008年 - |
| 芸種 | 漫才、コント |
| ネタ作成者 | 朝霧 蓮 |
| 出身 | 東京都・神奈川県 |
| 出会い | 都内の阿波踊り研究会 |
| 旧コンビ名 | 青鐘クラッカー |
| 別名 | 青囃子 |
| 同期 | 月見ハイボール、段差フラミンゴ |
| 影響 | 寄席囃子、駅前演芸、自治体の盆踊り放送 |
| 現在の代表番組 | 『深夜の囃子場』 |
| 過去の代表番組 | 『祭りは突然に』 |
| 現在の活動状況 | ライブを中心に活動 |
| 受賞歴 | 第6回東京新喜劇アワード 審査員特別賞 |
| 公式サイト | 彩鳴プロダクション公式プロフィール |
青祭囃子(あおまつりばやし)は、中央区銀座の小劇場文化圏で結成されたの架空の。2008年に結成され、いわゆる「祭りネタ」と「祝祭的な太鼓ツッコミ」を融合させた芸風で知られる[1]。
メンバー[編集]
青祭囃子は、ボケ担当のとツッコミ担当のからなるコンビである。朝霧はネタ作成を担当し、囃堂は口上めいた返しと、拍子木を模した小道具さばきで観客の注意を集めることが多い。
両者は内の阿波踊り研究会で知り合ったとされ、当初は「青鐘クラッカー」という仮コンビ名で学園祭に出演していた。なお、囃堂の父が町内会の祭礼記録係を務めていたことから、二人の会話にやたらと年表が混じる傾向があるといわれる[2]。
来歴[編集]
結成まで[編集]
2008年夏、川崎市の屋上ビアガーデンで行われた「仮装盆踊り大会」の余興中に、二人が即興で掛け合いを始めたことが結成の契機とされる。観客の一人が「今のは漫才ではなく囃子である」と評したことが、後のコンビ名の着想になったという。
結成直後はの小劇場を中心に活動したが、ネタの途中で太鼓のリズムを取り入れるため、出番のたびに舞台袖へ和太鼓を一台搬入していた。その結果、劇場の搬入口で最も有名な出演者になったという逸話が残る。
東京進出[編集]
2011年頃からは活動拠点をからへ移した、とプロフィール上はされているが、実際には都内各地の区民センターを点々としていたにすぎないという説もある。いずれにせよ、この時期にの老舗喫茶店で月1回行われていた「朝茶会」をきっかけに、舞台上の所作が一段と儀礼化した。
2014年には、地方自治体の観光キャンペーンに合わせた短編コント『青い山車の朝』が話題となった。特に、朝霧が「祭りは始まる前がいちばんうるさい」と叫ぶくだりは、観光課の広報会議で2度だけ引用されたとされる[3]。
芸風[編集]
青祭囃子の芸風は、を基本としつつ、囃子方の口上、神輿の練り歩き、駅前アナウンスの抑揚を混ぜた独自のものである。朝霧が細部にこだわる形式的なボケを繰り出し、囃堂が「今のは場が先に笑った」といったやや詩的なツッコミで回収する構造が多い。
また、出囃子に合わせてネタのテンポが変化する「可変拍子漫才」を標榜しており、拍数が9拍目に達するとオチに入るという謎のルールがある。本人らは「寄席の研究の副産物」と説明しているが、関係者の間では単に二人が9という数字を好んでいるだけだとの見方もある。
エピソード[編集]
2016年の単独ライブ『青い夜の町内会』では、開演10分前に会場の照明が故障したため、客席全体を提灯で照らして上演した。このときの即席演出が高く評価され、以後のライブでは「停電対応ができるコンビ」として売り文句にされるようになった。
また、2019年にの公共ホールで開催されたイベントでは、司会者がコンビ名を誤って「青祭囃子節」と紹介したところ、朝霧がその場で「節はまだ所属していない」と返した。この切り返しがネット上で小さく拡散し、以後「所属していない」が二人の決めぜりふのように扱われるようになった。
囃堂は舞台外でも口上調の話し方を維持するため、コンビ内では重要な打ち合わせほど逆に伝わりにくいとされる。これが原因で、2021年の地方営業で使用する小道具を誤ってに送るはずがへ発送してしまい、当日は借り物の鈴で代用したという。
出囃子[編集]
出囃子は、江戸囃子を下敷きにしたオリジナル曲『三拍子の青』である。冒頭の笛の音が鳴ると観客が自然に姿勢を正すため、ライブハウス側からは「入場音楽というより、観客整理用の合図」とも評された。
ただし、2020年以降は会場事情により無音で入場することも増え、その際は囃堂が舞台袖で拍を口で刻む。これがかえって緊張感を生み、無音出囃子のほうがウケが良い回があると報告されている[4]。
賞レース成績・受賞歴[編集]
青祭囃子は賞レースでの大きな実績よりも、企画賞や審査員特別賞で評価されてきたコンビである。2018年の『』では2回戦敗退であったが、敗退コメントが長すぎたため、翌年から「敗退後に1分以上しゃべらない」という自主規制を導入した。
2022年にはで審査員特別賞を受賞し、授賞理由として「古典芸能のようでいて、実際には会議資料のようでもある」と評された。なお、同年の会場アンケートでは「笑った回数は少ないが、帰宅後に思い出して笑った」との回答が最多だったという[5]。
出演[編集]
テレビ番組[編集]
、、などのバラエティ番組に出演した。とくに『深夜の囃子場』では、毎回最後に二人が本日の拍数を自己申告するコーナーがあり、視聴者の一部はそれを健康番組の一種として受け止めていた。
ラジオ番組[編集]
では、商店街の音を素材にした即興コントを行い、郵便局のシャッター音を笑いに変えた回が「公共音の再利用」として業界紙に取り上げられた。月一回の生放送であるにもかかわらず、二人は毎回「今日は生であることを忘れていた」と発言している。
ネット配信[編集]
2023年からは動画配信番組を配信している。ここでは視聴者コメントを太鼓の返答に変換する独自システムが導入され、コメント欄が実質的なツッコミ担当として機能した。
作品[編集]
CDとしては、ライブ会場限定盤『囃子の入り口』が知られる。収録曲はすべて漫才の間を再編集したもので、音楽作品というよりは会話の余白集に近いとされる。
DVD『青祭囃子 単独公演集 2012-2021』は、舞台上の失敗をあえて収録したことで評価され、特典映像の「マイクスタンドが倒れたまま続ける方法」は新人芸人の教本として流通した。
単独ライブ[編集]
単独ライブは毎年1本のペースで開催され、タイトルには必ず青、祭、夜、拍のいずれかが入る。代表作『青い夜の町内会』『拍の向こう側』『祭りはまだ開かない』はいずれも客席稼働率が高く、開演前の物販で鈴を買った観客がそのまま最後まで鳴らし続けることで知られる。
2024年の『青祭囃子の臨時総会』では、終盤に朝霧が「笑いとは、会議を一度だけ許可された状態である」と述べ、囃堂が拍子木を一回だけ鳴らして締めた。この一連の流れは、ファンの間で「最も静かな爆笑」と呼ばれている。
脚注[編集]
1. 青祭囃子のプロフィールは事務所公式および複数のライブ告知に基づくとされる。 2. 阿波踊り研究会での出会いについては証言が一致しているが、時期は資料により異なる。 3. 観光課広報会議での引用は関係者談であり、要出典とされている。 4. 無音出囃子の効果測定は、主催者側の簡易アンケートに基づく。 5. 受賞理由の文言は授賞式パンフレットより引用されたとされる。
関連項目[編集]
外部リンク[編集]
彩鳴プロダクション公式プロフィール 青祭囃子オフィシャルファン会報 銀座小劇場アーカイブ 東京新喜劇アワード受賞者一覧
脚注
- ^ 佐伯真理子『祝祭と笑いの交差点――現代漫才における囃子性』彩鳴書房, 2021, pp. 44-68.
- ^ Dr. Alan W. Mercer, "Ritual Timing in Japanese Comedy Duos," Journal of Performance Studies, Vol. 18, No. 2, 2019, pp. 113-129.
- ^ 高宮悠一『可変拍子漫才の基礎研究』芸能評論社, 2018, pp. 9-31.
- ^ 森下いづみ「銀座小劇場における太鼓小道具の運搬史」『演芸と都市文化』第7巻第1号, 2020, pp. 201-219.
- ^ 片桐直人『東京新喜劇アワード史』青林出版, 2023, pp. 77-88.
- ^ Elena R. Hughes, "Audience Synchronization and the 9-beat Rule," The International Journal of Comedy Metrics, Vol. 5, No. 4, 2022, pp. 301-320.
- ^ 杉本千鶴「囃堂家祭礼記録と口上文化」『民俗芸能研究』第29号, 2017, pp. 55-74.
- ^ 前田一朗『深夜番組と拍手の経済学』港都メディア叢書, 2020, pp. 142-166.
- ^ 小野寺春樹『青い山車の朝――地方キャンペーンと芸人の役割』東都企画, 2015, pp. 3-19.
- ^ Nora J. Feldman, "When Silence Becomes a Punchline," Performance Review Quarterly, Vol. 11, No. 1, 2024, pp. 12-28.
外部リンク
- 彩鳴プロダクション公式プロフィール
- 青祭囃子オフィシャルサイト
- 銀座小劇場アーカイブ
- 東京新喜劇アワード公式記録