13月を作る会
| 名称 | 13月を作る会 |
|---|---|
| 略称 | 13か月会 |
| ロゴ/画像 | 青地に「13」と、月の輪郭を模した十三角形 |
| 設立(設立年月日) | 1997年11月3日 |
| 本部/headquarters(所在地) | |
| 代表者/事務局長 | 事務局長:イザベラ・ヴォルフ=マルタン |
| 加盟国数 | 38か国 |
| 職員数 | 約214名 |
| 予算 | 年間約41億スイス・フラン(2024年度案) |
| ウェブサイト | 13monthsngo.org |
| 特記事項 | 暦法提案の実験として「13月礼拝週間」制度を運用している |
13月を作る会(じゅうさんがつをつくるかい、英: Association for Making Thirteen Months、略称: 13か月会)は、暦法の再設計を通じての実装を目的として設立されたである[1]。設立。本部はのに置かれている。
概要[編集]
は、既存の12か月暦では「学校・企業・自治体の締切」が周期的に集中してしまうという問題を前提に、という追加の暦月を社会に導入するための制度設計と実証を行っている国際NGOである[2]。
同会は、暦そのものを単なるカレンダーではなく、災害対応・会計年度・教育課程・住民手続の「調整装置」と捉え、加盟国の行政実務へ段階的に移植できる形式で研究成果をまとめるとされる[3]。活動を行う際には、暦法学、統計学、組織論、行動経済学の混成チームが編成され、理事会の下で「13月導入ガイドライン」が作成される運営になっている。
同会の特徴は、提案書のほかに、暦の運用を疑似体験するための「月間シミュレーション卓上装置」や、実務者向けの「締切再配分カード」を配布する点にある。これらは年末の監査季にあわせて配布され、配布数が細かく記録されているとされる(たとえば2023年は「締切再配分カード」計173万枚が配布されたと報告されている)[4]。
歴史/沿革[編集]
「13月」の最初の構想と前身[編集]
同会の前身は、1990年代初頭の欧州で「会計処理渋滞」を統計的に説明しようとしていた小規模な研究会とされる[5]。研究室の所管は、大学の業務暦と自治体の手続暦のズレに関する分析であり、研究者の一部が“12か月の癖”を「締切の波形」と呼んだことが契機になったとされる。
また、1994年の春に近郊で開催された「締切の力学」公開セミナーでは、参加者に対して「もし月が13個なら、波形はどう分散するか」を即席で計算させるワークショップが行われた。講師の一人は、月の追加は宗教的象徴ではなく、工学的な周期分割にすぎないと説明したとされる[6]。この出来事が後に「13月を作る会」という名称へと結びついた、とする記録が存在する。
ただし、当時の資料は“13月”という呼称がまだ定着しておらず、「余剰月」「分散月」と表記されていた時期があると指摘されている。理事会では、その用語ゆれが内部文書の改ざんではないかという議論になったが、結局は「当時の計算が未確定だったため」とされ、決議で用語統一が図られた[7]。
設立からガイドライン化まで[編集]
1997年に正式に設立されたのは、設立総会の決議に基づき、暦法学会と企業の人事部門の双方が参加する“社会導入試験”を開始するためだったとされる[8]。設立時の設置法に相当する文書としては、に基づく運営が確認されたと記載されている。もっとも、この「法」の実体がどの国のどの制度に対応するかについては、同会自身が「暫定の運用枠組み」と説明しており、外部からは曖昧だとの批判も出た。
その後、2002年に「13月導入ガイドライン(第1版)」が理事会で採択され、加盟国へ配布された。活動を行う際には、加盟国の行政実務へ段階的に移植できるよう、住民手続の締切を「T-60日」「T-30日」「T-10日」に分けるような運用ルールが定められたとされる[9]。一方で、暦の変更が生活習慣へ与える影響を過小評価していたとの指摘もあり、2007年には改訂版で“祝日反復回数”の目標値が上方修正された。
なお、ガイドラインの策定を支えた統計は、加盟国内の職員アンケートに基づくとされるが、回収率が「52.3%」のように細かく報告されている点が特徴である[10]。同会はこの数字を“暦改革の抵抗率”として解釈し、その後の意思決定へ用いたと説明している。
組織[編集]
組織構成と主要部局[編集]
同会は、理事会と総会、ならびに事務局の階層構造で運営される。事務局はに置かれており、職員数は約214名とされる[11]。理事会は、加盟国から推薦された代表と、暦法学の専門家から構成され、総会は年1回開催されるとされる。
主要部局としては、暦法設計局、社会実装局、広報・教育局、ならびにリスク評価室がある。暦法設計局は追加月の配置パターン(例:13月を年央に置く案、学期区切りに合わせて置く案)を管轄し、社会実装局は企業・自治体の運用調整を担う。広報・教育局は「13月礼拝週間」の周知を行い、リスク評価室は導入に伴う混乱を数値化して提示する役割を持つとされる[12]。
このうちリスク評価室は、締切波形の解析だけでなく、電話問い合わせの急増を予測するモデルまで担当しているとされる。なお、問い合わせ件数の予測誤差が「±7.2%」に収まった場合のみ、次年度の追加施策が承認される運用になっているという[13]。
加盟国・分担金とガバナンス[編集]
加盟国は合意に基づき分担金を支払うとされ、予算編成では「研究費」「現場実験費」「周知費」「緊急調整予備費」に分けて計上される。分担金の計算は、各国の行政手続件数と、暦関連の障害(たとえば祝日運用ミス等)の過去発生率に基づくとされるが、詳細は毎年“秘匿付録”として理事会のみが閲覧できるとされる[14]。
総会では、暦法の修正案を決議として採択し、決議は原則として“導入の可否”だけでなく“導入速度”にも踏み込む。たとえば2021年の決議では、対象自治体の導入率を「段階1:24%」「段階2:51%」のように設定し、導入の外縁を明確にする方針が採られたとされる[15]。
一方で、ガバナンスの透明性を巡っては、秘匿付録の存在が問題視されてきた。これに対し同会は「予算の内訳は公表可能であるが、モデルの安全性のため付録は非公開である」と説明しており、対外的には同様の言い回しが繰り返されている。
活動/活動内容[編集]
同会は、暦法の再設計を目的として、加盟国の制度担当部局と連携しながら、13月の運用モデルを作成し、現場での活動を行っている[16]。具体的には、学校の学期運用、企業の決算スケジュール、自治体の申請受付期間を“余剰月”により分散させる試験が中心となる。
活動の一例として、ある年に実施された「締切分散パイロット」では、教育行政の提出期限を従来の12か月ベースから再配分し、さらに申請書類の受理日を「月の第2週水曜」に固定する運用が提案されたとされる[17]。その結果、問い合わせ窓口の繁忙が平均で「18.4%」減少したと同会の報告書は述べているが、実施自治体からの反応は一枚岩ではなかったとされる。
また、同会は暦の導入だけでなく、社会の“儀礼”を整えることも活動に含めるとしている。たとえば「13月礼拝週間」と呼ばれる周知行事では、各国で共通の“誓約文カード”を配り、住民が新しい月の存在を身体感覚として覚えることを狙う。もっとも、宗教性の誤解を招き得る点について、広報・教育局は「儀礼という語は心理的合図であり、特定宗教を指すものではない」と説明している[18]。ただし、説明資料のフォーマットが毎年同じであるため、“既視感の演出”だとの批判が起きたとも報じられている。
加えて、同会は「月間シミュレーション卓上装置」を用い、政策担当者が会議中に締切波形を“見える化”できるようにしている。装置の利用ログは細かく残され、会議室の入退室時刻まで記録されるとされる。入退室が「9:12」や「9:13」のように分単位で記録されることがあり、その記録がなぜ残るのかについて、外部の監査が一度だけ問題提起をしたとされる[19]。
財政[編集]
同会の予算は、加盟国の分担金と、暦研究助成、ならびに社会実装に関する受託業務で構成されるとされる。予算は年間約41億スイス・フランであると説明されており、内訳として「研究費が約14億」「現場実験費が約11億」「周知費が約6億」「緊急調整予備費が約10億」とされる(いずれも2024年度案)[20]。
予算の計上方式は、活動を行う部局ごとに“暦版(リリース)”単位でなされる。暦版の発行は、暦法設計局が提出した版番号に基づき、理事会の決議で確定するとされる。このため会計年度の途中でも出費が発生し、監査では「暦版の発行タイミングが会計の波形を左右している」と指摘されたことがある[21]。
職員の報酬は、職員数約214名に対し平均で年収換算約68万スイス・フランとされるが、これは役職者と研究員で差があり、差額分は“波形調整手当”として扱われるという噂が流れたことがある。もっとも同会は「手当は運用上の便宜であり、給与体系を歪める意図はない」と説明している[22]。一方で、手当の名称が毎年微妙に変わり、議事録の書式が統一されていないとの指摘も残っている。
加盟国(国際機関の場合)[編集]
加盟国は38か国であるとされ、主な参加地域は欧州、北米、アジアの行政実験都市を抱える国々である。加盟国は、暦法の実験を受け入れる自治体の数と、住民手続のデジタル化率を基準として段階的に承認されると説明されている[23]。
同会は加盟国に対して「最低実験要件」を求める。要件には、学校の学期区切りの一部、企業の会計締切の一部、自治体の申請窓口の一部を同時に“13月モデル”へ移行することが含まれるとされる。要件を満たさない場合、加盟国は総会での発言権を一部制限される運用になっているとされるが、これはあくまで“暦版の品質確保”のための措置だと説明されている[24]。
なお、加盟国リストの公表方法は年によって揺れがあるとされる。ある年の公表資料では、加盟国のうち「暦実験都市のみ加盟」の扱いが混在しており、外部からは“国としての加盟か、都市としての参加か”が曖昧だとの指摘があった[25]。同会は翌年に資料を修正し、都市参加の表記を分けたとする。
歴代事務局長/幹部[編集]
事務局長は同会の事務を統括する役職であり、理事会の任命に基づき活動を担う。初代事務局長としては、暦法研究出身のが就任したとされる[26]。次いで、運用心理学の系統に強いが事務局長を務め、13月礼拝週間の標準化を進めたとされる。
その後、2012年にはが事務局長として配置され、社会実装局の再編が行われた。さらに2018年以降は、行動経済学と行政データ分析を背景とするが事務局長を務め、暦版の発行プロセスの透明性を高めるとされた。
幹部のうち、暦法設計局長としては、社会実装局長としては、リスク評価室長としてはが知られているとされる。なお、これらの役職名は内部文書では“管轄単位の略称”で呼ばれており、外部に出る際には正式名称へ変換される運用になっているとされる[27]。
不祥事[編集]
同会には複数の不祥事が指摘されている。まず、2016年に発覚したのが「締切再配分カード」の配布ログを過剰に計上した疑惑である。内部調査では、カードの棚卸差異が「合計で0.7%」と報告されたとされるが、監査チームは“0.7%という丸めが不自然”だと主張した[28]。同会は「集計ツールの仕様による誤差」と説明したものの、疑念は完全には払拭されなかった。
次に、2020年の総会で、決議案の一部が先行リークされたとして、広報・教育局が問題視された。決議案には、特定の国で「13月礼拝週間」を“学校行事として扱う”文言が含まれていたとされるが、後に同会は「文言は教育上の儀礼に限定され、宗教を含まない」とし、修正案を提示した[29]。ただし修正案の説明資料が、前年の文面に酷似していたとして、議事の整合性が疑われたとも報道されている。
さらに2022年には、緊急調整予備費の執行が“用途不明”として一部の加盟国議会で取り上げられた。緊急調整予備費の一部が、現場ではなく「波形調整ソフトウェアの保守」に使われた可能性があるとされ、同会は「保守は現場の混乱を減らすための活動を担う」と反論した[30]。この件は、同会のガバナンスが“現場の透明性”より“暦版の安全性”を優先しているとの批判につながった。
脚注[編集]
関連項目[編集]
脚注
- ^ ベルチェンコ,E.「暦版リリースと行政負荷の相関:13か月会資料の再解析」『国際暦法研究紀要』Vol.12 No.3, pp.41-63, 2019.
- ^ ノルデン,A.-S.「13月礼拝週間の心理的効果に関する実験報告」『行動調整年報』第5巻第1号, pp.9-28, 2017.
- ^ ハルツ,C.J.「締切波形モデルの運用と誤差要因」『行政データ工学ジャーナル』Vol.7 No.4, pp.101-129, 2021.
- ^ アル=ラシード,M.S.「暦改革におけるリスク評価室の役割」『社会技術レビュー』第3巻第2号, pp.55-74, 2020.
- ^ イェリネク,M.「分散月の設計論:余剰周期を社会へ入れる方法」『暦学通信』pp.1-19, 1998.
- ^ 『13月社会導入法(仮題)』13か月会事務局, 1997.
- ^ Wolff-Martin, I.「Visibility of Decision Logs in International NGO Governance」『Journal of International Coordination』Vol.18 No.2, pp.220-246, 2023.
- ^ Legrand, J.「Calendar Engineering and Administrative Jams」『Proceedings of the World Symposia on Time Systems』Vol.2, pp.77-95, 2015.
- ^ 『13月導入ガイドライン(第2版)』13か月会、pp.1-212, 2008.
- ^ Kuroda, S.「暦の変更と住民手続の整合性:模擬導入事例」『日本社会暦学会誌』第9巻第4号, pp.300-321, 2016.
外部リンク
- 13か月会 公式アーカイブ
- 暦版シミュレーション卓上装置 導入例
- 締切再配分カード 研究室
- ジュネーヴ暦法実験都市ネットワーク
- リスク評価室 公開ダッシュボード