あたろうちゃん
| 名前 | あたろうちゃん |
|---|---|
| 本名 | 安田 太朗(やすだ たろう) |
| ニックネーム | 豆電球の人 |
| 生年月日 | 1991年6月17日 |
| 出身地 | |
| 血液型 | A型 |
| 身長 | 170 cm |
| 方言 | 名古屋弁(語尾が「〜ですもん」化) |
| 最終学歴 | 卒業 |
| 事務所 | 笑速(しょうそく)プロダクション |
(英: Atarou-chan)は、のピン芸人である。あまりにも間の悪いボケが話題となり、時に観客が笑う前に警察官が会場へ到着したとされる[1]。本人は「芸は投げない、投げられる」と語っている[2]。
略歴/来歴[編集]
あたろうちゃんはにで生まれたとされる[3]。本人の証言によれば、幼少期のあだ名は「当てろうちゃん」であり、当時の祖母が“当て勘”を鍛える目的でトイレの壁にカレンダーを貼っていたことに由来するとされる。
芸人としての最初の活動は、内の小規模イベントにおいて「湿度当てゲーム漫談」を行ったことだとされる。観客が“笑うタイミング”を見失うように設計された手順が話題となり、のちに「笑いが来ない」こと自体が売りになっていった。
なお、東京進出の決断はの“33秒遅れ”に端を発する。開演ベルを鳴らす係が誤ってベルを半分に切ってしまい、あたろうちゃんはその場で「半分ですもん。残り半分の笑い、ください」と叫んだ。関係者の間で「切れたベルに合わせて狂う才能」として評価され、の小劇場に出演枠が回ってきたとされる[4]。
人物[編集]
あたろうちゃんは自称「暗算型ボケ」として知られている。舞台上では電卓を持ち込むが、計算はせず、キー音のテンポだけで笑いの“予告編”を作るとされる。本人いわく「答えはいつも“未回答”でいい。未回答のまま観客が勝手に補完するから」である。
愛称および略称は「豆電球」。これは相方を持たない代わりに、照明のON/OFFを自分の意思で行うことにこだわった結果、劇場スタッフから“点滅担当”として呼ばれたのが始まりとされる[5]。
一方で、本人の公式プロフィールには「警察沙汰には積極的に関わらない」とも記載されている。もっとも、過去にトークイベントの進行が不明瞭すぎたため、の会場では緊急出動が行われたとの噂がある。本人はこれを「笑いの誤作動検知」と称しているが、実際の経緯は不明とされる。
芸風/作風[編集]
芸種は主に漫談・ミニコントであり、ツッコミは基本的に観客が担当する形式が多い。たとえば「あ、今の“あ”で笑う人、いるでしょ?」と客席へ投げかけ、反応が薄い場合は「じゃあ拍手、未来に置いときますね」と言い切って時間をずらす。反応が強い場合は「それは笑いじゃなくて警戒です」と即座に格下げするなど、場の温度を操作する意図があるとされる。
なお、出演時には“注意書き”として「笑ってください」ではなく「笑える状態ですか?」と確認する。形式ばった依頼に変えることで、観客の心理的抵抗を減らす設計だと説明されている[7]。
漫談としての“間”設計[編集]
芸風は主に漫談であり、「間の長さ」と「言い直し回数」によって構成される。典型的な型は、(1)前振り0.8秒、(2)説明42.0秒、(3)“関係ない単語”を1個挟み、(4)最後に謝罪だけを3回繰り返す、というものであるとされる[6]。特に謝罪の言い方は、毎回同じイントネーションから逸れることで“逆に可笑しさ”が立つ、と本人が解説したことがある。
言葉の科学:未完成日本語[編集]
あたろうちゃんのボケは、語尾が常に途中で切れる“未完成日本語”で知られる。本人の台本には、語尾に「…ですもん」のみが置かれ、主語と述語が毎回入れ替わるように印刷されているとされる。関係者によれば、これを採用した背景には期の街頭紙芝居師が“人の脳内で補完させる”手法を編み出した、という学術的主張があったとされるが、出典は確認されていない。
この手法の結果、観客は理屈の穴埋めを始めるため、笑うか混乱するかの二択に分かれる。ファンの間では「笑いの前に思考が先に滑る」と表現されることがある。
エピソード[編集]
地下芸人としてのレジェンド性は、あまりにもつまらなさすぎて警察を呼ばれたことがある、という逸話で語られることが多い。もっとも本人は「呼ばれたのは警察ではなく、“笑いの搬送係”だ」と冗談めかす。
その出来事は、の深夜ライブハウスで起きたとされる。あたろうちゃんは新ネタとして「世界の中心は椅子の裏」というテーマを掲げ、椅子を裏返してから42分間“裏返しの説明”を続けたとされる[8]。最終的に観客のうち1名が「営業妨害ではないか」と訴え、会場には警備員経由で通報が入った。警察官は到着したものの、場内の騒動が“何も起きていないのに静かに進む”タイプだったため、確認後にそのまま帰還したという。
別のエピソードとして、地方営業での失敗がある。あたろうちゃんは台本に「町名を3回言う」としか書いておらず、で“3回目の町名”だけがなぜか「給食センター」になっていたことがある。その瞬間、司会者が笑い、本人だけが真顔のまま会場を見回したという[9]。この“噛み合わなさ”が、のちにファン層へ刺さっていったとされる。
賞レース成績・受賞歴[編集]
受賞歴は賛否両論の中でも積み上がっているとされるが、本人は「賞は“遅刻の証明”みたいなもの」と述べることがある。代表的な記録としては、の「全国間(ま)選手権」予選突破、の「R-1改(あらため)」ファイナリストなどが挙げられる。
特に奇妙な実績として、の「キングオブ間違い」準優勝がある。審査員は“意味の通るボケ”を嫌い、“意味の通らなさが一貫しているか”を評価する方式だったとされる[10]。あたろうちゃんは決勝で、時計の針を見ながら「いま何時ですか?(未回答)」と言い切り、観客のスマホのタイムラインがほぼ同時に更新されるという現象が起きたと報道された。
一方で、審査基準が不透明であることから、審査員の主観が強すぎるとの批判もある。
出演[編集]
テレビ番組としては、深夜枠のバラエティで不定期に出演することが多いとされる。代表的にはの『』およびの『テスト放送で本放送を呼ぶ』に出演したとされる[11]。どちらも企画名の段階で“笑いが成立しない状態”を前提にしていたとされ、あたろうちゃんはその条件を最大化する役割を担った。
ラジオでは系の『間違いの周波数』に月1で登場し、投稿コーナー「未回答川柳」を担当した。番組のルールは、投稿者が必ず“答えを出さない”こと。結果、メールの件名が平均して12〜18文字に収束したと報告されている[12]。
舞台では単独ライブ『椅子の裏からこんにちは』をにで行い、開演前に椅子の位置を観客と再配置する演出を採用した。観客が帰宅する頃には椅子が通常位置に戻っているため、“何を観に来たのか”が曖昧になる構造になっていると説明されている。
作品[編集]
作品としてはCD『未回答リズム(全42曲)』があるとされる[13]。ただし収録曲は実際には「ボケの前振り音声」「謝罪の抜粋」「無音(45秒)」などで構成され、音楽として聴くと違和感が強い内容になっているとされる。
また、DVD『椅子の裏は世界だ。—あたろうちゃん観測記—』がリリースされたとされる。特典映像では、会場スタッフが「この無音は異常ではない」と告げる場面が複数回収録されているとファンの間で知られている。
書籍としては『あたろう式:間の事故調査報告書』があり、そこでは“間のズレ”を統計化している。たとえば「謝罪3回のとき、観客の笑いまでの平均遅延は2分14秒±37秒」といった記述がある。ただし、この数値は本人が“体感で記録した”とされ、統計的妥当性は検証されていないと注記されることがある[14]。
脚注[編集]
関連項目[編集]
脚注
- ^ 安田太朗『未回答リズム(全42曲)ライナーノーツ』笑速プロダクション, 2021.
- ^ 鈴木和馬『深夜バラエティにおける間の計測:未回答者の反応時間』日本コメディ研究会, Vol.12 No.3, 2020, pp.41-58.
- ^ Margaret A. Thornton『Timing Failure in Contemporary Stand-up: A Field Report』Journal of Unfinished Humor, Vol.7 No.1, 2019, pp.13-29.
- ^ 田中啓介『椅子の裏現象と観客心理:横浜会場の事例』演芸社会学会年報, 第5巻第2号, 2018, pp.77-96.
- ^ 佐伯真琴『“謝罪3回”の構文論:あたろうちゃん式ボケの言語特徴』言語笑学研究, Vol.3 No.4, 2022, pp.201-223.
- ^ Rodolfo Mendes『The Audience as Co-Author: When Silence Becomes a Cue』International Review of Stagecraft, Vol.19 No.2, 2021, pp.90-104.
- ^ 『笑いの未完成 公式パンフレット』テレビ局外制作委員会, 2020, pp.1-12.
- ^ 北村宗一『間の事故調査報告書(当事者の回想)』文庫嘘出版社, 2023, pp.5-33.
- ^ 『間違いの周波数:番組統計(2022年版)』TBSラジオ編, 2022, pp.88-101.
- ^ 山田隆司『キングオブ間違いの審査基準:透明性の検討』お笑い審査学会誌, Vol.1 No.1, 2021, pp.1-15.
外部リンク
- 笑速プロダクション(公式)
- 未回答川柳アーカイブ
- 椅子の裏観測所
- 間の計測メモ(ファンサイト)
- R-1改(あらため)出場履歴