かまちょピーピーピーランド
| 名称 | かまちょピーピーピーランド |
|---|---|
| 種類 | 遊園地兼音声参加型ミュージアム(テーマランド) |
| 所在地 | 南浜ニュータウン |
| 設立 | 11年(1999年) |
| 高さ | ピーピー放送塔 38.7 m |
| 構造 | ドーム型・連結回廊方式(免震床を採用) |
| 設計者 | 横手音響建築研究所 監修:横手 精一郎 |
かまちょピーピーピーランド(よみ、英: Kama-Cho Pī Pī Pī Land)は、にある[1]。
概要[編集]
かまちょピーピーピーランドは、現在では「聞く」「押す」「跳ねる」だけで体験が完結する参加型施設として知られている[1]。
園内は音声合図によって回遊ルートが変化する仕組みを採用しており、訪問者が“間(ま)”をつくるほど演出が増える点に特徴がある[2]。
同施設は地元放送局のスポンサーに名を連ね、年間延べ来場者を約一千万人規模まで押し上げたとされる[3]。
名称[編集]
名称の「かまちょ」は、開業前の公募で集められた方言風の擬音語が、音響担当者の手で“ちょん”と“ピピピ”に分解されたことに由来すると説明されている[4]。
「ピーピーピー」は館内放送の開始合図(通称“三点拍子ピーピー”)として定着し、出口付近の音響調整板で来場者の歩幅に合わせて変調される仕組みがある[5]。
なお、ランドの公式ロゴは口笛記号を図案化したもので、字体がわずかに左右非対称であることが観測されているが、設計者は「非対称は迷子を減らす」と回答している[6]。
沿革/歴史[編集]
構想の発端[編集]
施設は、沿岸部の再開発計画に紐づく“海辺の余白文化”事業から派生したとされる[7]。
企画会議では、遊園地を「乗り物の多さ」ではなく「音の手触り」で勝負させる案が採用され、音声合図が地図と連動する設計が早期に決まった[8]。
その後、民間企業が“テレビ向けの告知尺”を毎日10分ずつ確保し、ランドのキャラクターが放送に登場する契約が結ばれたと報じられる[9]。
運営上の転機[編集]
開業から3年目、園内の小型精霊(後述の「ちっちゃい うーちょす」)と来場者が“同時刻に同じ音階で笑う”現象が観測され、スタッフ間で“同期保守”という呼称が広まった[10]。
この現象は、音響天井の反射率が湿度に応じて変わることと関連づけられたが、当初の報告書には「原因の特定は不要」との一文が残されているという[11]。
さらに20年(2008年)には、スポンサー枠の拡張により、深夜帯のラジオ番組『ピピピ航海便』との共同キャンペーンが実施され、園内回廊の“押しボタン”が一時的に一般投票型へ移行した[12]。
登録の経緯[編集]
施設は“音声建築”の実装例として扱われ、の文化事業に関する審査で実験性が評価された[13]。
結果として、ランド内のピーピー放送塔が相当の扱いで審査対象に挙げられ、後に「音響装置の意匠」が理由として言及された[14]。
ただし公開資料では、指定年が複数の版で1年ずつ揺れていると指摘されている[15]。
施設[編集]
主要エリア[編集]
園内は「南浜ドーム」「回廊ギャラリー」「放送塔広場」「小さな湿りの庭」の4ゾーンで構成される[16]。
南浜ドームでは、入口から半径120 m以内にある“反応パネル”が足音を解析し、三種類の“待ち時間演出”に自動分岐するとされる[17]。
回廊ギャラリーには、押すたびに異なる声が返る“返歌ベンチ”が100基配置され、総押下回数が累計で約640万回に達していると館内掲示で案内されている[18]。
ちっちゃい うーちょす[編集]
ランドの人気は、暗い通路の隅で見つかる「ちっちゃい うーちょす」と呼ばれる小型の存在にある[19]。
公式説明では“妖精的な生き物”とされ、体長は平均3〜7 cm、色は光の角度によって薄水色から乳白色へ変化するとされる[20]。
一方で、園内スタッフの記録には「証拠写真は撮影成功率が27%で頭打ち」とあり、成功しない日は“うーちょす”側が撮影者の声を先に覚えてしまう、と半ば冗談めかして記されている[21]。
放送塔と音声参加[編集]
ピーピー放送塔は地上38.7 mの円環構造で、風向きに応じて音がわずかに前方へ偏向される装置が内蔵されている[22]。
参加型要素として、来場者が「ピーピー」を所定の長さで口にすると、回廊のランプが順に点灯し、最後に“合図が合っていた”ときだけ回収できる小メダルが配られる仕組みになっている[23]。
なお、メダルの表面には来場者の呼気量に応じた細い線が浮かび、約0.42秒で消えるとされるが、これは運用上の安全配慮として扱われている[24]。
交通アクセス[編集]
最寄りは沿いの「南浜泉佐野駅(仮称)」とされ、園側は駅から徒歩12分を案内している[25]。
ただし、時期によっては“音響信号の発生タイミング”がずれることがあり、徒歩ルートの一部区間が迂回指定になる場合がある[26]。
バスはのコミュニティ循環で運行され、運賃は片道210円(交通系IC利用で205円)と説明されている[27]。また、団体向けには到着前に予告音を送る「ピーピー先乗り便」が用意されている[28]。
文化財[編集]
園内のピーピー放送塔は、音響装置の意匠を含む点が評価され、「音声建築の保存事例」として登録候補に挙げられたとされる[29]。
また、回廊ギャラリーの一部区画では、旧海運倉庫の鉄骨を転用した“逆さラッパ梁”が残されており、梁の刻印が造形資料として扱われている[30]。
さらに、ランド開業当初から設置された「三点拍子の床タイル」について、滑り止めとしてではなく“躓きが少しだけ増えるように調整された”と記した技術報告が見つかっている[31]。この点は、保存の観点からは肯定的に受け止められた一方で、来場者安全の観点からは議論を呼んだとされる[32]。
脚注[編集]
関連項目[編集]
脚注
- ^ 横手精一郎『音声建築の回廊論』横手音響建築研究所, 2001.
- ^ 『南浜ニュータウン再開発年報(平成11年度版)』泉佐野市企画部, 1999.
- ^ Margaret A. Thornton『Acoustic Participation in Civic Attractions』Journal of Sound & Play, Vol.12 No.3, pp.41-63, 2007.
- ^ 中村すみれ『テーマランドのスポンサー戦略と放送枠』放送文化政策研究所, 2009.
- ^ 小森田和也『妖精的来園体験の統計的観察:成功率27%の壁』関西観光行動学会誌, 第5巻第1号, pp.12-29, 2013.
- ^ 『ピピピ航海便 共同キャンペーン資料集』ラジオ浪漫企画, 2008.
- ^ 佐伯隆光『音響反射率と湿度の連動制御』建築環境技術研究, 第18巻第2号, pp.77-95, 2005.
- ^ 『登録候補物件調書(ピーピー放送塔)』近畿文化審査局, 2016.
- ^ 李承浩『Why Asymmetry Reduces Lostness in Public Spaces』Proceedings of the International Wayfinding Forum, Vol.9, pp.201-218, 2010.
- ^ 福永アヤ『“躓き設計”は安全なのか?』日本公共施設安全学会, 2011.
外部リンク
- Kama-Cho Land公式アーカイブ
- 南浜音響設計資料室
- 泉佐野市 観光運行掲示板
- 放送塔保存プロジェクト
- うーちょす観察ノート