きりもエンターテイメント
| 社名 | きりもエンターテイメント株式会社 |
|---|---|
| 英文社名 | KIRIMO Entertainment |
| 種類 | 株式会社 |
| 市場情報 | 非上場 |
| 本社所在地 | 東京都渋谷区神南二丁目7番“きりも坂”ビル3階 |
| 設立 | 2008年7月16日 |
| 業種 | 映像・イベント企画制作 |
| 事業内容 | 学習番組制作、体験型イベント運営、番組連動グッズ企画 |
| 資本金 | 3億1200万円 |
| 従業員数 | 従業員 214名(2024年時点) |
きりもエンターテイメント株式会社(きりもエンターテイメント、英: KIRIMO Entertainment)は、の企業であり、子ども向け学習番組と体験型イベントを中核として事業を展開する[1]。定款では「きりも」の語が「切り替え可能な学びの“も”」を意味すると定義されており[2]、独自の理念にもとづく企画が特徴とされる[3]。
概要[編集]
きりもエンターテイメント株式会社は、に本社を置く、映像制作と体験型イベント運営を組み合わせた企画会社として知られている[1]。同社は「視聴者を観客ではなく“参加者”にする」という方針を掲げ、番組制作段階から現場導線と景品設計を同時に行う点が特徴とされる[2]。
同社の経営は、企画の初期に必ず“語感テスト”を実施することで知られ、商品名やキャッチコピーは音節数(例:「きりも」は3音節)を基準に調整される[3]。また、社員の稟議では「拍手のタイミング推定」が必須項目とされ、会議時間を平均17分以内に抑えるためのルールも社内で整備されているとされる[4]。
沿革[編集]
発端:2008年の“切り替え式学び”[編集]
同社は、元印刷会社の企画担当が「紙芝居の次は、頭が切り替わる瞬間を設計すべきだ」と主張したことに端を発し、の小規模スタジオで設立準備が開始されたとされる[5]。当初の仮称は「キリモプロダクション」であり、語感だけ先に固め、ロゴの色も“切替黄(きりかえおう)”と呼ばれる黄色を採用したとされる[6]。
設立直前には、学習番組の台本を「第◯分岐(ぶんき)」単位で分割する試作が行われ、分岐の数は最初の企画でちょうど64本に揃えられたという[7]。もっとも、後にこの“64”は数字遊びとして社内で扱われ、実際の視聴データとの相関は薄かったと指摘する資料も残っている[8]。
拡大:2013年の“体験型スタジオ”導入[編集]
その後、に同社は体験型イベント用の簡易スタジオ「きりもLab」をの倉庫跡に建設し、撮影と体験導線を同じ床面で完結させる方式を採用したとされる[9]。きりもLabでは、参加者の動線を“水平”と“垂直”に分け、各コーナーの照明は「床反射率0.42±0.03」を目標に調整されたと報告されている[10]。
また、映像の収録日には同時に「拍手カウント係」が配置され、歓声のピークが想定より2秒早い場合にはテロップの出現位置を微調整する運用が導入されたとされる[11]。この方式が、後年の同社イベントで“驚きの再現率が高い”と評される下地になったとの説明がある[12]。
近年:2021年の海外共同企画と炎上[編集]
には、企業との共同企画で「きりも学習カー」を輸送イベントとして試験運用したが、現地での安全基準が日本側の想定より厳しく、運営マニュアルの差異が問題となったとされる[13]。社内では“差異を縮める会議”が開かれ、議事録は全篇で3万字、付箋の枚数は合計1,284枚だったと報告されるが[14]、一部の会議資料には「出典:口頭」欄が残ったという[15]。
ただし、同社は後の改善で事故率を低減させ、共同運営を継続したとされる。なお、この一件はファンの間で「きりもは学びに見せかけた運営芸だった」と揶揄される材料にもなった[16]。
事業内容[編集]
国内では、学習番組の制作に加えて、番組内容をそのまま“体験ブース”へ変換する運営を行っている。番組は月1本の本編と、週次のミニコーナーで構成され、ミニコーナーの長さは原則として「2分30秒±12秒」に収める方針があるとされる[17]。
イベントは主に、のアリーナを起点に巡回し、同社の公式運営では「受付から入場までの平均所要時間」を27分に固定する試みが行われたと報告されている[18]。また、グッズは番組の登場要素に応じて“色温度”で分類され、たとえば「きりも回転ビー玉」では色温度5400Kのパッケージが採用されたとされる[19]。
海外面では、での短尺学習コンテンツに参入し、現地スタッフが台本の“語尾”だけを変更する「語尾委員会」方式を採用したという[20]。一方で、この方式は言語学的には妥当性が検証されていないとして、学者からは“感性依存の運用”との批判も出たとされる[21]。
主要製品・サービス[編集]
同社の主要サービスは大きく3系統に分かれる。第一に映像制作であり、「きりも学びチャンネル」として配信される本編シリーズが中核とされる[22]。第二にイベント運営で、「きりも体験ワークショップ」では参加者ごとに学習カード(全48種類)が配られる方式が採用されている[23]。
第三に、番組連動の物販である。同社は“買わせない導線”を掲げ、会場では売店を通過させるのではなく、体験の達成条件と結びつけて入手できる仕組みを導入したとされる[24]。この制度により、グッズ購入率は平均で38.7%にまで上がったという社内報告があるが[25]、会計監査の資料とは数字が一致しない点が後に問題視された[26]。
なお、顧客対応では「質問受付は1日で最大99件まで」を上限とし、それ以上は翌日に回す方針があるとされる[27]。ファンからは“丁寧すぎて遅い”と評されることがある一方、同社の迅速性を疑う声もあった[28]。
関連企業・子会社[編集]
同社の関連企業としては、映像編集を担う、会場機材の保守を担うが挙げられる[29]。また、海外企画の翻訳・ローカライズを担当するが、業務委託として連携しているとされる[30]。
一方で、同社の公式資料では「子会社の範囲は業務提携契約のみに限定される」とされるが[31]、実態としては人員の相互派遣が行われていると指摘されている[32]。この点は、広告代理店との取り決め内容をめぐって、会計面の透明性を問う声が出た背景にもなったとされる[33]。
なお、同社がイベント会場の音響を管理すると長年の協力関係にあると報じられているが[34]、当該協会は同社の設立以前から存在する団体であり、協力開始時期の詳細は公表されていない[35]。
批判と論争[編集]
きりもエンターテイメントは“学びの体験化”を掲げながら、運営や演出の比重が過大であるとの批判を受けたことがある。特に、イベントの待機時間が「学習モードへの切り替え演出」として説明されるが、参加者の体感では単なる待ち時間に過ぎないとの声が出たとされる[36]。
また、同社の映像編集における“切替タイミング”の基準が内部資料に依存している点について、外部研究者からは再現性が乏しいという指摘がある[37]。さらに、の海外企画では安全マニュアルの差異が話題となったが、改善後の監査手続きがどの程度公開されているかについては不明とされる[38]。
このような状況を受け、同社は「数値は目標であり、科学ではない」との立場を取りつつ、社内では“目標値”を厳密に運用していると観測されたとする記事も存在する[39]。結果として、同社は“感性運営の企業”として一部で誤解され、逆にファンからは“数値にできないものを数値で守ろうとする企業”と擁護される構図になったとされる[40]。
脚注[編集]
関連項目[編集]
脚注
- ^ 山城ミナト『切り替え式学びの設計論:きりも体験ワークショップの実務』幻灯舎, 2019.
- ^ Dr. Keita Nakamori「Reproducible Applause Timing in Instructional Media」『Journal of Event Learning Systems』Vol.12 No.4, 2020, pp.55-71.
- ^ 田淵カズヤ『体験導線と売上の相関を“誤差”で語る方法』メディア会計叢書, 2022.
- ^ Sanae Okamoto『参加者を観客にしない放送企画』放送大学出版部, 2016.
- ^ 【要出典】「きりも回転ビー玉の色温度規格と市場反応」『照明演出研究』第33巻第2号, 2021, pp.101-118.
- ^ 石川ロキ『非上場企業が掲げる理念の法的読み替え:定款文言の再構成』商事法文庫, 2018.
- ^ KIRIMO Global Contents Ltd.『KIRIMO語尾委員会報告書(内部配布版)』, 2021.
- ^ 渡瀬ユウト『イベント待機時間27分の作り方:現場オペレーションの数字』現場工房, 2023.
- ^ 郑在勲「Localization as Rhythm: The Kirimo Method in Short-form Education」『Asian Media & Culture Review』Vol.7 No.1, 2022, pp.9-26.
- ^ 鈴木ハル『音響分岐と学習集中の考察』音響社会学会, 2017.
外部リンク
- KIRIMO 公式アーカイブ
- きりもLab 来場者ガイド
- 語尾委員会 通知板
- サウンド分岐協会 協力実績
- きりも学びチャンネル(番組一覧)