のこぎりワイパー
| コンビ名 | のこぎりワイパー |
|---|---|
| 画像 | 掲載なし(本人たちの“刃物ポーズ”写真が多用された時期がある) |
| キャプション | 「ワイパーが先、のこぎりが後」の決め台詞で知られる |
| メンバー | 刃田(はだ)ソウ、棚橋(たなはし)グリット |
| 結成年 | 2016年 |
| 解散年 | —(活動継続) |
| 事務所 | 株式会社カンカン企画(所属) |
| 活動時期 | 2016年 - 現在 |
| 芸種 | 漫才 |
| ネタ作成者 | 主に棚橋(グリット)が担当(刃田が検品役) |
のこぎりワイパー(英: Nokogiri Wiper)は、所属のお笑いコンビ。2016年9月結成で、ファイナリストに選出された[1]。出囃子は「刃の鳴るワルツ」と称され、掃除道具の擬音を軸にした漫才で知られる[2]。
概要[編集]
のこぎりワイパーは、を“危険物”として扱う理屈型ギャグと、道具の構造を擬音化する漫才で知られるお笑いコンビである。彼らの代名詞は、のこぎりとワイパーの動作を順番通りに再現する「刃走(がそう)ロジック」と呼ばれる手順芸である[1]。
コンビ名の由来は、関係者が語るところによれば「最初に床を引き裂き、次に現実を拭き取る」という“清掃的宇宙観”から来たとされる[2]。一方で当人たちは、名称そのものが業界内で流通した架空の特許商品名であり、会場の楽屋で聞いた雑談が元になったとも述べている[3]。
メンバー[編集]
刃田ソウ(本名:刃田宗、生まれ)はボケ担当であり、発明メモ風の台詞を大量に投下する役割を担う。両手を“刃の角度”のように広げ、回転数を言いながら歩く癖があるとされる[4]。
棚橋グリット(本名:棚橋綾人、生まれ)はツッコミ担当であり、間違い検知のような鋭い指摘で場を回収する。特に、相手の台詞に含まれる“刃の言い回し”の文法誤差を数えることで笑いを成立させるとされる[5]。
また、二人は舞台上で互いの道具を“点検”する動作を必ず行う。刃田が「点検番号:17B」と言い、棚橋が「17Bは規格外」と否認する、という定型がライブで定着したとされる[6]。
来歴/略歴/経歴[編集]
出会いと結成の経緯[編集]
二人の出会いはの清掃機器展示会に遡るとされている。2014年、棚橋はメーカー社員として短期バイトに入り、その会場で刃田が“即席漫才用の擬音セット”を拾い集めているところを目撃したとされる[7]。
当時の展示会は近隣で開催され、刃田はなぜか「のこぎりは15分以内に人格を持つ」と真顔でメモに書いていたと回想されている[8]。その紙が後にコンビ名の候補になったと、編集者によっては“半分本気の怪文書”として扱われた[9]。
2016年9月、二人は主催の新人寄席に揃って出演し、コンビ名を「のこぎりワイパー」に統一した。披露初日に審査員が“刃物と拭き掃除が同居する違和感”を評価し、以後の路線が固まったとされる[10]。
東京進出とブレイク要因[編集]
東京進出は2017年春とされ、彼らは同年のネタ会議を毎週の喫茶店で行ったと報じられた[11]。理由は、窓ガラスが曇りやすく、ワイパーの擬音が自然に聞こえたためだと説明されたとされる[12]。
ブレイクの直接原因は、2019年に放送されたの深夜枠で「刃走ロジック」を誤作動させる企画が当たったことである。台本では3工程だったが、刃田が“9工程目の人生”を喋ってしまい、会場が沈黙後に爆笑したという[13]。
なお、視聴者投票では同放送の同時間帯で獲得票が全国平均の112%を記録したと発表されたが、裏で“集計表が刃物の形をしていた”という話もあり、真偽が揺れている[14](要出典を求める声もあったとされる)。
芸風[編集]
のこぎりワイパーの漫才は、日常の掃除工程を“物理法則”として語り直す作りである。刃田が「接触面積:2.6平方センチメートル、角度:31度」といった数値を口にし、棚橋が「その数値は説明になっていない」と即座に突っ込む[15]。
特に「刃走ロジック」は、(1)のこぎりの往復、(2)粉塵の仮想発生、(3)ワイパーによる回復、の3段階として提示される。ところが舞台では“回復”の手前に必ず間違いが挿入され、観客が訂正を期待した瞬間に棚橋が「訂正禁止」と言い切るため、笑いの期待がひっくり返るとされる[16]。
また、二人はネタ作成で音響にこだわる。ワイパーのゴムを叩く音を録音し、波形のピークが“笑いの立ち上がり”と一致するまで取り直したと語られたことがある[17]。この話はやや誇張とも受け止められたが、少なくともライブ映像では音の切れ味が特徴になっている。
エピソード[編集]
彼らの代表的な一幕として、「楽屋の棚が“刃の方程式”を拒否した」という逸話がある。ある日、機材置き場の棚が異常にきしむため、刃田が棚の脚に油を差そうとしたところ棚橋が「油は第2工程」と制止した。結果として“第2工程を飛ばした油差し”が起き、きしみが止まるどころか増したとされる[18]。
その後、二人は反省会として“粉塵の誤差”を1日で測り直す企画を始め、測定回数を「全12回、うち異常値1回」と記録した。さらに、異常値の発生時刻がだったと講演で語られ、SNSで一時的に拡散された[19]。
また、2021年の地方特番では、刃田が観客から借りたワイパーを勝手に分解しようとして止められるハプニングがあった。棚橋は慌てて「これはネタの“前説”です」と言い、会場の子どもが「前説ってなに?」と聞いたことに対して、刃田が真剣に「刃が来る前に拭く心」と返して場が落ち着いたという[20]。この回答は後日、番組サイトのスタッフ日誌として“謎の名言”扱いで引用された。
出囃子/受賞歴・賞レース成績[編集]
出囃子は「刃の鳴るワルツ」とされ、録音には紙ヤスリの摩擦音が混ぜられていると説明された[21]。ライブによっては、開演15分前に棚橋が「今日は工程を減らします、3工程で勝負です」と告げる儀式も行われる。
賞レース成績としては、ファイナリストに選出された。さらに同年の準決勝では“数値ツッコミ”が審査員の理科系嗜好に刺さり、得点が各審査員で0.5点ずつブレたと報じられた[22]。
キング系の大会でも、擬音の再現度を評価されて上位に入ったとされるが、公式発表の細目は媒体ごとに異なり、同じ試合で「3位」「4位」と書かれた資料が並行して存在したという指摘もある[23](編集の揺れとして扱われることが多い)。
出演[編集]
テレビでは系の深夜バラエティ『清掃条例バラエティ』に準レギュラーとして出演したとされる[24]。該当回では、掃除道具メーカーの“公式擬音”を当てるコーナーで優勝し、そのまま冠っぽく扱われたと報じられた。
ラジオではの特番『夜の工程会議』でパーソナリティを務めたとされる[25]。二人は番組冒頭で必ず「本日の点検:異常なし」と読み上げ、リスナーに“今日の自分の拭き方”を募集していたと記録されている。
ほか、舞台では単独ライブ『拭いて切る夜更けの三工程』をで開催した。ライブDVD『刃走、回復不能』は発売初週で売上が1,430枚を記録したとされるが、流通事情により“数字の桁が一度だけ入れ替わった”という笑い話が残っている[26]。
作品/単独ライブ/書籍[編集]
代表的な単独ライブとしては『拭いて切る夜更けの三工程』(2020年)、『刃の文法、ワイパーの矛盾』(2022年)が挙げられる。内容は“掃除の手順”を論理パズルに見立てる構成であり、終演後に観客へ「工程表の折り方」が配布されたことがある[27]。
CD『刃走ロジック〜擬音の定義〜』は2021年にリリースされたとされる。なお同作のジャケットに、なぜかの架空の工場番号「第0号」が印字されていたと指摘されており、ファンが真相を探したが資料が見つからなかったとされる[28]。
書籍では、棚橋が編集協力した『清掃のように見える哲学』がある。刃田が付した「刃の隙間の計測法」章が地味に人気となり、書店のフェアで“測り方だけ売れた”と報告された[29]。
脚注[編集]
関連項目[編集]
脚注
- ^ 山路カイ『“刃と拭き”が笑いになるまで』新月出版社, 2022.
- ^ 中原ユキ『漫才の工程表:手順ギャグ分析』Vol.3, 芸能評論社, 2021.
- ^ 棚橋グリット『清掃のように見える哲学』カンカンブックス, 2023.
- ^ 刃田ソウ『刃の文法:定義の作り方』pp.41-58, 右往左折出版, 2020.
- ^ 『M-1グランプリ2019年公式記録』第7巻第2号, 全国漫才協会, 2020.
- ^ 佐藤マナ『擬音の音響学と観客反応の相関』Vol.12, 笑学研究, 2019.
- ^ E. Thornton, “Sweeping as Logic: A Performance Study,” Journal of Japanese Comedy, Vol.8 No.1, 2021, pp.12-19.
- ^ M. Hernandez, “Acoustic Signatures in Joke Timing,” Proceedings of Stagecraft, Vol.5 No.4, 2020, pp.77-85.
- ^ 『ラジオ番組編成メモ(夜の工程会議)』TBSラジオ運用資料, 2022.
- ^ 加藤リオ『掃除道具メーカーの“公式擬音”集』pp.3-9, 音響サプライ書房, 2018.
- ^ (書名が微妙に違う文献)『清掃条例バラエティの軌跡』芸能編纂局, 2021.
外部リンク
- 刃走ロジック研究所
- 株式会社カンカン企画 公式ページ
- のこぎりワイパー 検品メモアーカイブ
- 刃の鳴るワルツ 公式視聴(音源)
- 夜の工程会議(アーカイブ)