コーヨー
| コンビ名 | コーヨー |
|---|---|
| 画像 | (架空) |
| キャプション | 『コーヨー、住吉で眠る』の舞台写真 |
| メンバー | 渡辺リヨン(ボケ)/椿タクト(ツッコミ) |
| 結成年 | 2012年 |
| 解散年 | 活動継続 |
| 事務所 | アミューズメント住吉 |
| 活動時期 | 2012年〜 |
| 芸種 | 漫才・コント |
| ネタ作成者 | 椿タクトが主に担当(構成案は両者) |
コーヨー(英: Kōyō)は、[[アミューズメント住吉]]所属の[[お笑いコンビ]]。[[2012年]]7月結成で、[[M-1グランプリ]]2016年[[ファイナリスト]]、同2019年[[準優勝]]として知られる。結成以前から「売れる前のネタが先に出る」現象を扱う芸風で注目を集めたとされる[1]。
概要[編集]
コーヨーは、日常会話の速度をわざと0.7秒ずつ遅らせることで観客の「間」を奪い、最後に家電の取り扱い説明書のような言い回しで回収する漫才で知られている。初期の売れ方は、テレビよりも先に地域FMの深夜枠で広まり、リスナーから「笑いが到着するまで宅配より正確」と評されたとされる[1]。
「コーヨー」という名は、結成当初に名乗っていた「声量最適化研究会」の社内用スラングが略されたものだと説明されることがある。もっとも、由来については複数の異なる説がある。東京の寄席関係者でさえ「それ、誰の口から出た“ヨー”なんです?」と首をかしげるほどである[2]。
メンバー[編集]
渡辺リヨン(わたなべ りよん、1979年〈昭和54年〉10月3日 - )は、ボケ担当であり、語尾に「〜と想定されます」を頻繁に付す癖を持つ。椿タクト(つばき たくと、1981年〈昭和56年〉4月18日 - )はツッコミ担当で、会話の主語を極端に遅延させてから正確に回すことで知られる。
両者は「声量」や「位置」などの工学的比喩を好む一方で、肝心の実演では舞台上のマイク位置を毎回3センチ単位で調整していたと語られることが多い。なお、この“3センチ”が何の基準かは公式に説明されていない[3]。
来歴・略歴・経歴[編集]
地方大会の前に“賞”が来た(とされる)[編集]
コーヨーの前身は、[[奈良県]]の小劇団「住吉サウンドラボ」であるとされる。渡辺は同団体で舞台音響のアルバイトをしており、椿は照明担当として参加していた。2人が本格的にコンビとして名を決めたのは、[[2012年]]7月、当時のレギュラー番組の企画書に「コーヨー(KOYO: Kōtō Output Year)」という謎の略語が印刷されてしまったことがきっかけであるとされる[4]。
編集のミスを訂正せず、そのまま“縁起枠”として採用したところ、以後の生放送でなぜかスポンサー都合の差し替えが起きない年が続いた。関係者のあいだでは、これを「ネタが先に届いた」と表現する者もいる。もっとも、真相は不明であり、出典として「当時の付箋」が提示されたことはないとされる[5]。
東京進出と“間の計測”[編集]
東京進出は[[2014年]]春とされ、当初の活動拠点は[[東京都]][[台東区]]の小ライブハウス「アンダーグラウンド住まい」であった。椿が「間を研究する」と称して、録音アプリで観客の笑い声を周波数解析し、ネタを1本につき平均19.3回微調整した記録が残っていると語られる[6]。
また、東京の劇場スタッフからは「彼らは笑いのピークを、拍手ではなく鼻呼吸で測ってくる」と言われ、以後、楽屋では“鼻呼吸タイマー”というあだ名が定着した。これがファンの間で一種の儀式として語り継がれている[7]。
芸風[編集]
コーヨーの芸風は、漫才とコントが中心である。漫才では、最初にツッコミが「確認します」と前置きし、ボケがそれに対して説明書のように淡々と答える構図が多い。説明が過剰になりすぎると、最後の回収で「返品不可」という一言が出て、観客の記憶の“返品期間”だけが伸びたような感覚を残すとされる[8]。
コントでは、生活導線を舞台装置として扱う。「鍋の蓋の開閉」を合図にして会話テンポを同期させる試みが話題となったが、失敗回も多かったという。この“失敗”がむしろウケたため、以後は失敗も台本に組み込み、失敗率が舞台ごとに3.1%、2.9%、4.0%と変動するよう調整されたとされる[9]。なお、変動の根拠は「気分」だと両者が笑いながら答えた記録がある。
エピソード[編集]
結成間もない時期、コーヨーは賞レースの予選会場でマイクが突然不調になった。渡辺は動揺せず「本日は音量抑制モードが有効と想定されます」と言い、椿は即座に「抑制=抑えて笑え」とツッコんで場をつなぎ切った。後日、MCが「まるで最初からそういうネタだった」と述べたとされるが、本人たちは“そういう偶然”をネタにしないと誓ったはずだと後に訂正された[10]。
また、[[関東地方]]の放送局で収録した特番の編集データが一度消失し、復旧までの間に2人が別のネタを作った結果、消失したはずの音声が“BGMとして蘇った”という怪談もある。担当ディレクターが「蘇った音声は、編集前よりも聞きやすい」と語ったと書かれているが、当時のログは見つかっていないとされる[11]。
出囃子・賞レース成績・受賞歴[編集]
出囃子は、津軽三味線をサンプリングした電子音で、曲名を[[「住吉スイング・マニュアル」]]と名付けている。リハーサルでは毎回冒頭のドラム音から拍手までの時間を測定し、目標値は「笑いが発生するまで0分00秒〜0分05秒の範囲」と説明されたとされる[12]。ただし本人たちは「そんな研究テーマ、学会に怒られる」とも言うため、真意は定かではない。
賞レースでは[[M-1グランプリ]]2016年で[[ファイナリスト]]に入り、決勝前のインタビューで「コーヨーは“ヨー”が付くと良い」と発言して物議を醸したとされる。さらに[[キングオブコント]]2018年では準決勝で3本連続の同種ネタが採点に不利とされる“奇妙な傾向”が出たものの、翌年2019年に[[準優勝]]へ到達した。受賞歴の細部は年度ごとに異説があり、Wikipediaに似た記事を編集する編集者によって数字の揺れが生じたという指摘がある[13]。
出演・作品・単独ライブ[編集]
テレビ番組では[[フジテレビ]]系の深夜バラエティ「[[間借りする笑い]]」にレギュラー出演していたとされる。また、[[NHK]]の特集「[[地域FMの夜]]」では、コーナー名がなぜか「第0回」扱いだったことが話題となった。これは放送資料の表記ミスではないかと当時ネットで推測され、結果的に訂正が入らなかったため、ファンが“第0回”を卒業しない儀式を始めたとされる[14]。
作品面ではDVD『[[コーヨー取扱説明書]]』(2017年)と、音声作品『[[コーヨーの鼻呼吸タイマー]]』(2020年)が知られる。単独ライブは「住吉の椅子は3センチ浮く」(2018年)など複数があり、チケットの座席表が毎回“座席ではなく笑いが始まる場所”として配布された。なお、座席表のフォーマットは会場ごとに変わるため、ファンがコレクションしているとも言われる[15]。
批判と論争[編集]
一方で、コーヨーの“間の計測”は過度な設計だとして批判もあった。特に、観客の反応を機械的に扱っているのではないかという論点が提示され、[[サブスク]]時代のコメディの「最適化」への懸念として論じられたとされる[16]。
また、「コーヨー」という名称由来が不可解である点も論争になった。ファンの間では“声量最適化研究会の略語”説が有力とされるが、別の資料では「海苔の香り(KOYō)」から採ったという記述もあり、研究会の会計報告書が見つかっていないと指摘されている。要出典のテンプレートが貼られそうな箇所であると、ある編集者がメモに残したことがあるとされる[17]。
さらに、2021年の配信特番で終盤に「返品不可」の回収が過度に強調された結果、視聴者の一部が“日用品広告の影響が混ざっている”と感じたという反応があった。制作者は「ネタの比喩」と釈明したが、比喩の元ネタを示せなかったため、納得できない層が残ったとされる[18]。
脚注[編集]
関連項目[編集]
脚注
- ^ 山崎レン『間の研究と笑いの返却期限』住吉書房, 2018年.
- ^ 椿タクト『ネタは0.7秒遅れて届く』編集工房ミクロ, 2020年.
- ^ 渡辺リヨン『取扱説明書型コントの可能性』国民芸術出版社, 2019年.
- ^ Kenta S. Hattori, “Quantifying Audience Laughter with Micro-Delay,” International Journal of Comedy Mechanics, Vol.12 No.3, pp.41-62, 2021.
- ^ Margaret A. Thornton, “The Case of the ‘KOYO’ Brand Name in Japanese Variety,” Journal of Broadcasting Folklore, Vol.5 No.1, pp.9-27, 2017.
- ^ 佐伯ユウ『深夜番組における地域FMの役割—第0回の謎—』NHK出版, 2016年.
- ^ 田中ミツキ『舞台音響アルバイトが決める沈黙の割合』文芸評論社, 2015年.
- ^ 阿久津ハル『説明過剰芸の倫理と快感』筑波コメディ学会, 2022年.
- ^ 『M-1グランプリ公式記録集2016』スポーツリズム社, 2016年.
- ^ 井上シズカ『キングオブコント準優勝の分岐点』笑芸データ研究所, 2019年(第◯巻第◯号の表記が誤っているとされる)。
外部リンク
- 住吉芸能資料室
- コーヨー公式ファンクラブ(架空)
- 笑い工学ノート
- 地域FM深夜アーカイブ
- 取扱説明書アーカイブ