ザ!鉄腕!脱臭!!
| 番組名 | ザ!鉄腕!脱臭!! |
|---|---|
| 画像 | 架空の番組ロゴ |
| ジャンル | バラエティ(体験型科学+大食い風検証) |
| 構成 | 脱臭実験コーナー/におい測定対決/視聴者臭(くさ)申告 |
| 演出 | 特撮合成と実験VTRを融合する「臭点(しゅうてん)演出」 |
| 司会者 | 時雨レンタロウ |
| 出演者 | 比良山(ひらやま)ミチル、鴨志田(かもしだ)サキト ほか |
| 企画 | 臭学(しゅうがく)促進局 |
| 製作 | 名古屋都市放送 制作局バラエティ部 |
| 放送期間 | 2003年7月7日 - 2016年9月29日 |
| 放送時間 | 毎週月曜19時台(JST) |
『ザ!鉄腕!脱臭!!』(ざ てつわん だっしゅう だぶだぶ)は、[[2003年]][[7月7日]]から[[2016年]][[9月29日]]まで[[名古屋都市放送]](NUT)系列の毎週[[月曜日]]19時台([[日本標準時|JST]])に放送されていた[[バラエティ番組]]である。司会は[[時雨(しぐれ)レンタロウ]]。全621回で長寿番組として知られた[1]。
概要[編集]
『ザ!鉄腕!脱臭!!』は、日用品や食品に含まれるとされる「臭点(においの“核”)」を、家庭用レベルの装置と番組独自の計測法で“脱臭”する体験型の[[バラエティ番組]]として紹介された。
番組が一躍注目された理由は、司会の[[時雨(しぐれ)レンタロウ]]が“科学っぽい言葉”を真顔で連発し、そのたびにスタジオの空気が実際に改善したような演出を施した点にあるとされる。また、視聴者から送られた紙封筒を即席処理する「視聴者臭申告」コーナーが人気を得て、[[名古屋都市放送]]の視聴者参加型枠を決定づけたと語られる[2]。
番組開始当初は「においは測れるのか」という疑問を掲げつつ、後期には“測定してから脱臭”よりも「脱臭してから測定」をあえて行う逆転検証が増え、視聴者の間では「もはや臭(にお)いは物理ではなく儀式」との評価も出た。なお、いくつかの回では“鉄腕”の由来が実験装置の腕ではなく、番組のスポンサー契約により「鉄」の字が必須になったという説も流通したとされる[3]。
放送時間/放送時間の変遷[編集]
放送は[[2003年]]の創立記念特番として始まり、その後[[2004年]]春改編で毎週[[月曜日]]19時台へ定着した。番組は当初、同時間帯の競合が深夜アニメの再放送で固定客を得ていたため、対抗策として“生放送風の収録”を導入したとされる。
[[2007年]]に入り、スタジオ照明の更新に伴い「においは影にも宿る」との演出方針が提案され、収録時間が月曜夜の2時間前倒しになったという社内記録が残っているとされる[4]。これにより一部の回で視聴率が落ちたが、視聴者が「前倒しだからこそ間に合う脱臭術がある」とSNSで解釈したことで巻き返したと報じられた。
[[2012年]]には[[ハイビジョン放送]]への全面移行が進む一方、脱臭効果は機器より“画角”に依存するという批判も出た。そのため番組は、測定器の表示をわざと大きくし、字幕に「数値は変わる前提です」と添える方針へ転換したとされる。ただし、視聴者には「変わる前提って何」と突っ込まれた[5]。
出演者[編集]
司会の[[時雨(しぐれ)レンタロウ]]は、腕章に“鉄腕”と書かれているにもかかわらず、実際の出番では力仕事をほとんどせず、脱臭の“宣言”だけを担当したといわれる。番組スタッフは「脱臭は声の振動で加速する」という仮説を採用したと説明したが、本人は「俺はただ看板だ」と笑っていたと報じられた[6]。
レギュラーには、臭点推定の担当として[[比良山(ひらやま)ミチル]]、計測器の校正と称して“数値遊び”を行う[[鴨志田(かもしだ)サキト]]がいた。比良山は衣装替えのたびに香りの係数を変え、鴨志田は「校正は恋愛だ」と真顔で語ることで、スタジオの空気を“甘くした”とする逸話が残っている[7]。
ほかに、視聴者参加枠として全国の応募者から「臭(くさ)申告師」が数回だけ登場した。彼らは毎回くじで決められ、脱臭前のにおいを“読み上げる”役に回されたとされる。この読み上げが視聴者の家の換気扇スイッチを同時に押させる効果があったという研究報告が、局の広報室資料として残っているとされる(ただし出典表記は曖昧である)[8]。
番組史[編集]
番組の発端は、[[2001年]]に[[東海地方]]の住宅メーカー連盟が「消臭広告が効かない」という苦情を受け、原因究明のために“家庭用臭点測定プロトコル”を探す会議を開いたことにあるとされる。その会議の議事録が偶然、[[名古屋都市放送]]の企画部に流れ込み、バラエティ化する案が出されたという筋書きが語られている。
企画名は当初「臭点の鉄腕検証」であったが、スポンサー調整で「鉄腕」「脱臭」「ザ!」の順番が固定され、現在のタイトルに至ったとされる。さらに、番組開始の[[2003年]]に公開された自治体向け冊子「におい対策は文化である」に、番組スタッフの協力者名が載っていたと後年判明した。しかし、その冊子は“協力者の実在が確認できない”と指摘され、逆に都市伝説として強化されたとされる[9]。
[[2010年]]からは「鉄腕リサイクル脱臭」が導入され、古いハンガーや洗濯物ネットを即興改造して脱臭する回が増えた。これにより生活雑貨のDIY市場が刺激されたと評価された一方、番組が“改造の正当性”を軽視しているとして、安全面の問い合わせが局に月平均[[214件]]寄せられたと、局の監査資料に記載されている[10]。
番組構成/コーナー[編集]
メインの構成は「[[臭点(しゅうてん)演出]]」と呼ばれる演出フローに基づく。まず被検体のにおいを近距離で吸わせ、次に計測器を反時計回りに回し、最後に脱臭装置を起動する。ここでのポイントは、起動の前後に同じ呼気を使わず、スタッフが“別の人の呼気”に差し替えることで再現性を誤魔化すことだとされる(番組内では“においは人を選ぶ”と説明された)[11]。
コーナーの一例として「鉄腕スニッフィング・バトル」がある。視聴者から送られた小包を、[[比良山(ひらやま)ミチル]]が“香りの色”に喩えて説明し、鴨志田が数値を紙に手書きで書き、司会の[[時雨(しぐれ)レンタロウ]]が最後に『脱臭!』と叫ぶと、スタジオの換気量を一時的に増やす“裏演出”が動作する。
また、後期には「データ放送連動・家の脱臭応援」が行われ、視聴者は番組内で表示された“推奨換気分”に合わせて生活音を記録するよう促された。実際には公式に“推奨”であり義務ではないとされたが、番組スタッフは「義務に近い熱量で動いてほしい」と述べたとされる[12]。なお、ある回では換気推奨が[[13分]]と表示されたが、実際のテロップは[[12分]]になっていたと指摘され、「数字は放送事故ではなく脱臭の揺らぎ」と弁明された。
受賞歴[編集]
『ザ!鉄腕!脱臭!!』は“臭”を扱う番組でありながら、演出と視聴者参加の工夫で評価されたとされる。[[2011年]]に「生活工学バラエティ推奨」賞を受賞したと報じられ、表彰理由として“清潔感の演出を数値化した点”が挙げられた。
[[2014年]]には放送技術分野で「字幕とハイビジョンの整合性」が評価され、特別賞が授与された。ただし、会場で流れたVTRが一部の回の編集と一致しないとして、記録係の誤入力ではないかという疑いも出たとされる[13]。
一方で、番組が長寿番組として知られるにつれ、脱臭効果の“再現性の薄さ”や安全性の説明不足が時折批判された。そのため、受賞講演の最後に司会の[[時雨(しぐれ)レンタロウ]]が「科学は信じる人の量で変わる」と言い切り、聴衆の笑いを誘ったという。これが「議論を逃げた」と捉える声もあったが、「議論の前に番組を成立させた」と擁護する声が上回ったとする見解が残っている[14]。
批判と論争[編集]
番組が最も争点になったのは、脱臭の成果指標が測定器の表示に依存している点であった。視聴者団体「におい監査会」は、番組の“臭点係数”が毎回異なる基準で更新されている可能性を指摘した。監査会は、ある時期の係数が平均で[[0.62]]から[[0.41]]へ急減しているのに、同時期の生活条件の説明がないと主張したとされる[15]。
また、安全面では「古材脱臭回」で、[[消防署]]の立ち合いが必要ではないかという問い合わせが[[名古屋市]]の窓口に届いたとされる。ただし番組側は「立ち合いは“見学”であり“許可”ではない」と回答したと伝えられ、視聴者の怒りと笑いが同時に起きた。
さらに、終盤には“逆転検証”が増えたことで、科学教育的価値が毀損したとの批判が出た。教育評論家の[[白銀(しろがね)カナエ]]は「脱臭を先に起こし、測定を後にするのは“結果を先に決める癖”である」と述べたとされるが、番組プロデューサーは「結果を先に決めているのではなく、視聴者の心拍が測定器になる」と反論したと報じられた[16]。
脚注[編集]
関連項目[編集]
脚注
- ^ 山根ユウリ『臭点測定とバラエティ編集の相互作用』名古屋都市放送出版局, 2008.
- ^ Greene, Lydia. 'Fictional Deodorization Metrics and Audience Behavior' in *Journal of Domestic Spectacle*, Vol. 12, No. 3, pp. 41-66, 2010.
- ^ 比良山ミチル『においは人を選ぶ—スタジオ換気の裏側—』新東海生活書房, 2012.
- ^ 鴨志田サキト『校正は恋愛だと認めないと始まらない』計測文化研究会, 2015.
- ^ 時雨レンタロウ『鉄腕は腕ではない:生放送風収録の技法』赤色放送芸術社, 2013.
- ^ 白銀カナエ『結果の後に説明する技術:テレビ科学の誤読』学術図書センター, 2014.
- ^ 名古屋都市放送制作局『番組台本における「脱臭!」コールの統計』名古屋都市放送, 第7巻第2号, pp. 12-27, 2011.
- ^ 東海住宅メーカー連盟『消臭広告の苦情分析(局所地域版)』東海環境啓発機構, pp. 3-58, 2002.
- ^ 『テレビ番組アーカイブ2016』放送史資料館, 2017.
- ^ Kobayashi, Haruto. 'Substitution of Breath Samples in On-Air Experiments' in *International Review of Media Oddities*, Vol. 5, No. 1, pp. 88-99, 2009.
外部リンク
- 臭点計測アーカイブ
- 名古屋都市放送・研究部ログ
- 視聴者臭申告データベース
- 鉄腕脱臭装置コレクション
- 字幕整合性研究会ポータル