タモリのallnightnippon SUPER!
| 放送期間 | 1999年10月4日 - 2001年3月25日 |
|---|---|
| 放送時間 | 22:00 - 24:00 |
| 放送局 | ニッポン放送 |
| 放送形態 | 生放送中心(曜日により録音回を含むとされる) |
| パーソナリティ | タモリ(名目上) |
| 主な企画 | 夜更けの“風景採集”と架空の相談室 |
| 制作部署(当時) | 編成局 深夜編成第3室(仮) |
| 関連番組 | allnightnipponシリーズ(姉妹枠) |
(たもりの おーるないとにっぽん すーぱー!)は、系の深夜ラジオ番組として放送されていたとされる枠である。からまで、からにかけて放送された[1]。なお、同番組は「深夜の雑談を“社会インフラ”として設計した」試みとして語られることがある[2]。
概要[編集]
は、深夜のリスナー投稿を“音声データベース”として蓄積し、番組内で再編集する運用が特徴とされた枠である[3]。
当該期間(〜)において、毎週の放送はの時報直後から、一定の手順で「夜の地域差」を測る“聞き取り儀式”へ移行していったとされる[4]。この儀式は、聞こえた環境音を分類し、翌週のオープニングに反映するという、実務的な“笑いの統計学”に近い発想であったとされる[5]。
一方で、番組が社会へ与えた影響としては、沈黙を恐れない会話の作法を、労働終わりの市民に提供した点が挙げられている[6]。この作法は、自治体の広聴施策にまで引用されたと主張する資料も存在するが、真偽は定かである[7]。
概要(番組としての設計思想)[編集]
同枠は「深夜は“情報”ではなく“温度”が必要である」という理念から編成されたとされ、最初の15分で温度指標を作る工程が存在したとされる[8]。
温度指標とは、リスナーの投稿件数だけでなく、投稿の語尾・言い淀み・無言の間(パーセンテージで計測)を加味し、番組側が“今夜の空気”を数値化する仕組みである[9]。番組スタッフはこれをと呼び、スタジオに「夜の記憶録音盤」を置いたという証言が残っている[10]。
また、名目上のパーソナリティであるは、進行のたびに“音の穴埋め”を求められたとされる。穴埋めの具体例として、番組内で突然「本日の架空道路の渋滞予報」を読み上げるコーナーがあり、台本のない箇所だけが録音されて再利用されたと語られる[11]。なお、この仕組みが著作権的に問題にならなかった理由として、録音が「放送用の民俗資料」と見なされたためだとする説明もあるが、出典の確認は難しいとされる[12]。
歴史[編集]
誕生:1999年の“夜間公共圏”構想[編集]
に放送開始した背景には、郵便や行政手続のような“昼の制度”に対して、深夜には別の制度が必要だという空気があったとされる[13]。
当時、内のでは、大学の社会心理学者を招き「雑談の継続が不安を下げる」という仮説をもとに、深夜枠を“相談窓口”として再設計する議論が起きたとされる[14]。そこで提案されたのが、投稿を単なる読み上げではなく、会話の温度変換として扱う枠組みであり、これがに組み込まれたとされる[15]。
この構想に関わったとされる人物の一人に、放送技術部門の(仮名)が挙げられている。工藤は“夜間公共圏は、マイクの前でしか成立しない”と述べ、22:00の立ち上がりを最適化するため、音声帯域を単位で調整したという逸話を残したとされる[16]。ただし、このという値は、後年の回顧録が誤記している可能性もあると指摘されている[17]。
発展:風景採集と“架空の交通情報”[編集]
番組は放送開始直後から、都市部のリスナー投稿に偏りが出たため、地域の“聞こえのズレ”を補正する必要があったとされる[18]。そこで導入されたのがのルールで、投稿に出てきた地名や音源を、当時の地形図に照合して分類したとされる[19]。
例えばでは、在住リスナーの投稿が多い回に「夜の坂の数え方」が盛り上がり、結果として「実在しない道路名」を読み上げる即興コーナーへ発展したとされる[20]。架空道路の例として「第三芝浦トンネル仮出入口」や「神谷町“無音”交差点」などが言及されたが、これらは地図上に存在しないとされる[21]。
なお、社会的な波及としては、交通情報の代わりに“迷いの共有”を促すスタイルが、企業の深夜コールセンター研修に引用されたという主張がある[22]。ただし引用文書の現物が確認できず、番組スタッフによる創作の可能性も指摘されている[23]。
終焉:2001年3月の“時刻のズレ”論争[編集]
まで放送されたとされるが、終盤には「の到達が実質的にになっている」という内部観測が広まり、外部からの問い合わせが増えたとされる[24]。
この件は、放送設備のタイムコードがの同期方式へ移行した時期と重なり、番組が“時刻のズレを笑いに変換していた”のではないかという疑義が生まれたとされる[25]。番組は釈明として「ズレはリスナーの生活に合わせたものである」と述べたが、いくつかの新聞記事は「制度の信頼を損ねた」と批判したとされる[26]。
また、ラストウィークに限って、投稿の採用率が通常のからへ跳ね上がったとする資料が残っている[27]。この数字は、スタッフの選書基準が“共感の偏り”を狙って調整されたことを示唆する一方で、集計表の集計漏れがあった可能性もあるとされる[28]。
批判と論争[編集]
には、いわゆる“深夜の過剰な親密さ”が、リスナーの生活に影響を与えるのではないかという批判があったとされる[29]。
特に議論になったのは、投稿の温度指標が“個人の心理状態の推定”へ踏み込んでいるのではないかという点であり、匿名投稿者の扱いが不透明だと指摘された[30]。一方で、番組側は「温度指標は統計の形を借りた会話の装置であり、個人の診断ではない」と説明したとされる[31]。
さらに、架空の交通情報や地名の即興が、地理教育に与える影響について論争になった。ある教育関係者は「架空地名の多用は地図の読み取りを歪める」と述べ、別の研究者は「むしろ“地図外の発想”を育てる」と反論したとされる[32]。結果として、番組企画の一部は翌年以降、学校向けの“メディア・リテラシー”授業に取り込まれたという証言があるが、裏取りは不十分とされる[33]。
脚注[編集]
関連項目[編集]
脚注
- ^ 高橋ソウイチ『深夜公共圏の音声工学』暁星書房, 2004.
- ^ マリン・ファルカス『Listening as Infrastructure: The Late-Night Model』Oxford Academic Press, 2002.
- ^ 【編集】鈴森アユム『ニッポン放送 編成資料集(1998-2002)』ニッポン放送出版部, 2003.
- ^ 工藤ルイ『風景採集と温度指標—実務メモからの復元』放送技術叢書, 2005.
- ^ 田辺ミナト『架空交通情報の社会的効用』日本都市雑談学会誌, 第12巻第1号, pp. 33-51, 2001.
- ^ 佐倉ヨシカ『深夜の沈黙を恐れない会話法』聴取心理研究所紀要, Vol. 7 No. 2, pp. 201-219, 1999.
- ^ 森島クレハ『匿名投稿の統計倫理』情報倫理年報, 第4巻第3号, pp. 77-96, 2006.
- ^ Dr. H. K. Watanabe『Broadcast Timing Drift in Analog-to-Digital Transitions』Journal of Media Synchrony, Vol. 3, No. 4, pp. 10-28, 2000.
- ^ 北條エリカ『ラジオは地図を超える—即興地名の教育効果』教育メディア研究, 第9巻第2号, pp. 145-163, 2007.
- ^ 堂島ユウト『“時刻のズレ”と視聴者信頼』放送社会学レビュー, 第1巻第1号, pp. 1-19, 2001.
外部リンク
- 夜の温度指標アーカイブ
- 風景採集研究会(旧サイト)
- 放送タイムコード資料室
- 架空地名コレクション
- 深夜公共圏・リスナー証言集