フェライトコア山川
| コンビ名 | フェライトコア山川 |
|---|---|
| 画像 | (架空) |
| キャプション | 高帯域バズーカ漫才(本人談) |
| メンバー | 山川フェライト(ボケ)/赤羽コア(ツッコミ) |
| 結成年 | 1996年 |
| 解散年 | 活動中 |
| 事務所 | 赤羽紙芝居事務所 |
| 活動時期 | 1996年 - 現在 |
| 芸種 | 漫才・コント |
| ネタ作成者 | 山川フェライト |
フェライトコア山川(ふぇらいとこあやまかわ、英: Ferrite Core Yamakawa)は、赤羽紙芝居事務所所属のお笑いコンビである。1996年に結成され、NSC14期生として知られる。音楽機材の部品名をネタの骨格にし、電波のように“オチだけ再現性が高い”芸風で人気を博した[1]。
概要[編集]
フェライトコア山川は、日常会話の語尾に電子工学の語彙を“混ぜる”ことで笑いを作るお笑いコンビとして知られている。特徴として、ツッコミが必ず「減衰」「飽和」「減磁」の擬音で締める点が挙げられる。
コンビ名の由来は「フェライトコア(通称コア)」と「山川」という、実在しそうな部品名・人名を雑に接続したことにより生まれたとされる。なお、初期の活動時に“コア山川”と呼ばれていた時期があり、後に正式表記へ整理された経緯がある[1]。
メンバー[編集]
山川フェライト(やまかわ ふぇらいと)はボケ担当であり、語感の近い単語を連結させながら話を進める手法で知られる。本人は「会話の電流を流しっぱなしにする」と述べており、オチまでに必ず“数値の皮を1枚ずつ剥がす”癖があるとされる。
赤羽コア(あかばね こあ)はツッコミ担当である。舞台上では極端に静かな口調で入ってきて、途中から急に早口になり、最後に「飽和!以上!」と断定する。審査員席の空気が重くなると、なぜか会場の照明がチカチカするように見える(スタッフ談)とも語られている[2]。
来歴/略歴/経歴[編集]
結成の経緯[編集]
1996年3月、2人は14期の同級生として出会った。同期の中でも、山川フェライトは“配線図を読み上げるような漫才”を志望していたとされる。一方で赤羽コアは、学園祭で突然スピーカーを分解し「今の笑い、周波数ズレてますね」と言い切ったことがきっかけで目立った。
同年11月、秋葉原の一角(当時は臨時の路上ライブが多かったとされる)で、山川が「フェライトコアって、名前が既にオチですよね」と言ったことに赤羽コアが「山川で締めよう」と即答したことが、命名の起点とされる。ただし当人たちは「正式な決め方は不明だが、決まった後に記録が消えた」と語っており、編集者側が“伝承の空白”として扱っている[3]。
東京進出とブレイク[編集]
1999年、彼らは拠点をへ移し、月1回の深夜枠に出演を重ねた。転機は2001年の公開録音で、ネタの冒頭に「帯域幅:12.5kHz」と書いた紙を出したところ、観客の誰かが“専門家っぽく頷いた”反応が連鎖し、以後その数値が固定ギミックになった。
2003年には“電波でオチが運ばれる”という噂が広がり、番組スタッフが「フェライトコア山川は、笑いの伝送距離が長い」と表現したとされる。もっとも公式な計測は存在せず、あくまで放送席での観測談として扱われている[4]。
芸風[編集]
フェライトコア山川の芸風は、漫才を“測定”に見立てることにより成立している。山川フェライトは、話の途中で急に「減衰率:-3.2dB」と言い出し、赤羽コアが「減らしすぎです!」と突っ込む構造が基本である。
また、コントでは“製品説明”の体裁で進行し、最後の1秒でだけ人間的な感情が混じるのが特徴とされる。例として、自己紹介の直後にいきなり「わたしは磁性体です(気持ちは人間)」と言い、客席の温度が1段階上がる間を置いてから「はい、熱暴走!」と畳む型がある。
細部のこだわりとして、赤羽コアのツッコミ語尾は必ず「〜だよ、コアだから」で終わる決まりがあるとされる。なお、司会者からは「その“だから”が毎回違う気がします」と言われたことがあり、本人は「同じだからこそ毎回違う」と返したという[5]。
エピソード[編集]
初期の代表ギミックとして「フェライトコアを頭に乗せて数える」というものがあった。これは実際には帽子の中に鈴を仕込むだけの演出であるが、観客には“本当にコアっぽい音がする”と誤解され、問い合わせが年間約48件(2006年時点、事務所集計)寄せられたとされる[6]。
さらに、2010年頃には「山川が作った“無限減衰辞典”」が話題になった。辞典はページ番号だけが増えていく仕様で、内容は毎回「同じ文を言い換えただけ」に見える。にもかかわらず、出演後にSNSで“読み進めるほど落ちが見える”と拡散され、オタク文化の導線としても注目された。
ただし、辞典の第13版は誤って印刷工程が止まり、表紙だけが先に完成した。結局、その表紙を使ってライブのパンフレット配布を行い、観客は「内容ゼロの方が笑える」と評価したとされる。制作担当の一人は「第13版の誤差は±0.7ページだった」と証言しており、数字の盛り方も含めて彼らの芸風に寄与している[7]。
受賞歴・賞レース成績[編集]
彼らは2002年ので2回戦進出を果たし、翌2003年の同大会では3回戦まで勝ち残った。その後、2005年にはキングオブコントへ挑戦し、最終的に準優勝相当の評価を得た(本人たちは“準優勝と同じ気分”と表現する)。
また、2008年には“電波ネタ”の完成度が評価され、関連の若手枠で最優秀演出賞に抜擢されたとされる。公式記録には“演出担当不明”の項目が残っており、編集者は「これは山川が最後まで自分の役割を磁化させたからだと考えられる」と勝手に注釈している[8]。
なお、2021年には舞台機材協賛の賞レース“フェライト杯”で観客の笑い声が最も安定したとして名誉賞を受けた。測定方法は、笑い声の波形を比喩的に評価するもので、技術的な再現性が保証されているわけではないが、番組内のVTRで強く印象づけられた。
出演[編集]
テレビではレギュラー番組として、系の深夜バラエティ『減衰するほど面白い』に準レギュラーとして出演していた。特番では、笑いの周波数を“見える化”する企画として、スタジオの床に色素を流す実験が組まれたが、結果は「色が増えただけ」であった。
ラジオでは『コアの夜更け便』(2004年〜2009年)のパーソナリティを務め、リスナーから「具体的に何を減らしているのか」を多数質問された。彼らは「減らしているのは沈黙です」と回答し、以後投稿フォームの設問文にまで影響したとされる[9]。
映画・舞台では、2016年のコメディ映画『磁性の恋は回り道』に一部出演したとされる。作品のあらすじは一般的には知られていないが、2人の役名が「コア担当」「山川担当」だった点だけが強く記憶されている。配信では切り抜きが伸びやすく、短尺動画の“数値オチだけ編集しても成立する”稀有なタイプとして論じられている[10]。
関連人物・社会的影響(要点)[編集]
フェライトコア山川の影響は、専門用語をそのまま笑いに転写する“低摩擦の知識化”として語られることがある。彼らのネタが広まったことで、若手芸人の間では「dB」「kHz」「飽和」を会話に混ぜる“擬似理系ツッコミ”が一時期増えたとされる。
また、2012年に結成された舞台制作会社は、彼らの手法を“台本のテンプレート化”し、再現可能なオチ設計へ寄せた。もっとも山川フェライトは「テンプレは磁化しない」と反発したとされ、両者の関係は必ずしも一枚岩ではなかったようである[11]。
一方で批判として、専門用語が“知ったかぶり”に見えるという指摘もあり、番組側は字幕フォローを増やした。結果、当人たちは逆に「字幕が増えるほどオチは重くなる」と語り、字幕の誤字までネタにしてしまうことで収拾を図ったとされる。
脚注[編集]
関連項目[編集]
脚注
- ^ 山川フェライト『フェライトコア山川の“笑い伝送”入門』赤羽紙芝居出版, 2005.
- ^ 赤羽コア『ツッコミは減衰率で決まる』東京コメディ研究所, 2007.
- ^ 佐伯亘『漫才における比喩数値の機能:dBオチ分析』『日本笑い工学ジャーナル』Vol.12第2号, pp.33-51, 2011.
- ^ Margaret A. Thornton『Performing Precision: Units in Contemporary Comedy』Comedy & Measurement Review, Vol.4 Issue1, pp.9-24, 2013.
- ^ 中野光『“磁性体の恋は回り道”撮影報告(台本だけ抜粋)』映像文化資料集, 第7巻第1号, pp.101-118, 2017.
- ^ 田村梨沙『若手芸人の擬似理系スタイルと視聴者反応』『放送と笑いの社会学』Vol.28第4号, pp.201-226, 2019.
- ^ フェライト杯実行委員会『笑い波形の測定とその誤差管理』工学寄り笑い協会, 2021.
- ^ 日本音声演出協会『ラジオ番組『コアの夜更け便』の平均投稿数について(未公開資料)』第3版, pp.1-6, 2006.
- ^ Kobayashi, Ren.『Saturation as a Punchline Mechanism: A Field Study』Tokyo Stage Studies, Vol.2 pp.55-73, 2015.
- ^ 『フェライトコア山川年表(第三暫定稿)』赤羽紙芝居事務所編, 2023.
外部リンク
- 赤羽紙芝居事務所 公式ページ
- フェライトコア山川 ファンアーカイブ
- 減衰するほど面白い 放送記録
- コアの夜更け便 アーカイブ
- フェライト杯 記録サイト