リークにより企画が立ち消えになった仮面ライダーの一覧
| 対象 | リークにより消滅した仮面ライダー企画 |
|---|---|
| 成立時期 | 1971年-2019年頃 |
| 主な制作母体 | 東映テレビ事業部、石森プロ、玩具メーカー各社 |
| 掲載基準 | 公式発表前に外部流出が確認され、企画変更または中止に至ったもの |
| 件数 | 確認記録34件、うち主要項目15件 |
| 通称 | 漏洩消滅案件 |
| 関連分野 | 特撮企画史、番組広報、玩具試作管理 |
| 編集方針 | 放送可否よりもリーク経路の特定を重視 |
リークにより企画が立ち消えになった仮面ライダーの一覧は、の特撮企画史において、社外流出した設定資料や玩具見本の写真が原因で正式展開に至らなかった関連企画を整理した一覧である。業界内では「漏洩消滅案件」とも呼ばれ、の初期草案からの配信企画まで散発的に発生したとされる[1]。
概要[編集]
この種の企画流出は、末期には主に印刷見本の持ち出しとして起こり、以降は試作玩具の撮影と匿名掲示板経由の拡散へと様式を変えたとされる。特にの旧倉庫街にあった下請け彩色工房からの流出が多く、1998年には同一日に3件のリークが連鎖したため、業界では「中野三連漏れ」と呼ばれた[要出典]。
一覧[編集]
昭和期[編集]
・ - 体制の初期再編案として知られ、全身を銀箔で覆った「夜光改造人間」として提出されたが、胸部の発光ギミック写真が週刊誌に掲載され、玩具化が先に進みすぎたため没になった。流出元はの撮影小道具倉庫とされる。
・ - 「V」が入ることから後年の作品と混同されるが、実際はのメモ帳にだけ存在した案である。変身ポーズの絵が児童誌に転載され、タイトルの新鮮味が失われたため、急遽系統へ吸収された。
・ - 氷属性の敵対ライダーを主役に据える異色案で、ロケ地にが予定されていた。雪面を走るためのブーツ底の溝構造が模型写真で確認され、スポンサーが「寒冷地感が強すぎる」と難色を示し、封印された。
・ - ベルトではなく首輪状の変身機構を採用するはずだったが、設計図が米国向け商談資料に紛れ込み、海外の玩具見本市で先に噂になった。なお、流出後に開発チームは正式に「犬型ではない」と説明するメモを残している。
・ - のスタジオで撮影された素体テスト映像が深夜番組に誤送信され、機械生命体路線であることが露見した。放送局側の記録では「J-9」という表記のみが残り、後に別作品へ転用されたとされる。
平成初期[編集]
・ - 地図記号をモチーフにした胸部意匠が特徴で、の外注資料に誤って添付されたことで発覚した。あまりに情報量が多かったため、逆に「説明しない方が強い」と判断され、全体構想ごと中止となった。
・ - 地中戦を主題にした作品で、変身ベルトの試作品がのイベント会場で先行展示され、子どもが回転音を鳴らし続けた結果、翌週にはネットニュースに写真が出回った。制作陣は露出度の高いデザインを修正したが、最終的に別のライダーへ統合された。
・ - 音楽モチーフの怪人退治案で、変身音声がオペラ調であったことから、収録スタジオの見学者が録音を持ち帰ったとされる。流出した音声ファイルが「長すぎる」と批判され、子ども向け番組としての適性に疑義が呈された。
・ - 忍者風の外装をまとった新世代ライダーで、マスクの複眼が実は可動式だったことが玩具カタログで判明した。発売前に商品名が出たため、制作側は「忍ぶ前に売れた」と自嘲したという。
・ - 神話大戦ものとして企画されたが、の展示会で敵組織名が先に拡散し、視聴者層よりも考察勢が騒いだ。会議録には「北欧臭が強すぎる」との一文が残っており、後の世界観設計に大きな影響を与えた。
平成後期から配信期[編集]
・ - 連動を前面に出した企画で、変身コード表がサンプル端末にプリインストールされたまま市場に出回った。流出後は、変身アイテムの起動音だけが独り歩きし、正式採用の前に「音だけ知っているファン」が増えた。
・ - 時間ではなく結晶を扱う設定で、スーツの肩装甲に埋め込まれた透明樹脂がレンズ越しに識別されてしまった。なお、この件は「見た目は地味だが、設定が重い」として企画会議が三度延長された末に消滅した。
・ - レース競技を題材にした異色案で、マシン型サポートメカの模型がの搬入経路で撮影された。写真の背景に搬入業者の社名が写り、むしろリーク経路の特定が早すぎたため、制作委員会は慎重姿勢に転じた。
・ - 過去作品の要素を再編集するメタ企画で、脚本第1稿がPDFのまま関係者外に転送された。細かい設定が多すぎて要約が困難であったため、流出後に「企画を説明しきれない企画」と評された。
・ - 配信専用の短編として準備されたが、主題歌の仮歌が音楽配信サービスの下書きに誤登録され、翌日にはファンが歌詞を復元していた。制作側はこれを最終的に「未来より先に来た」と表現したが、配信そのものは見送られた。
リーク経路の類型[編集]
確認されている流出経路は、大きくの4系統に分けられる。中でも最も多いのは玩具試作であり、全体の約43%を占めるとされる。試作は外観が完成品に近いため、箱絵がなくても商品名だけで企画の輪郭が推測されやすく、これは系の管理部門を長年悩ませた[3]。
一方で、企画中止の直接原因が常にリークだったわけではない。中にはスポンサー調整や放送枠変更が主因であっても、後年のファンコミュニティが「先に漏れたから消えた」と再解釈した案件も含まれる。こうした再解釈が積み重なり、実際の消滅理由と伝承上の理由が食い違う現象が生じたのである。
なお、のある倉庫では、リーク対策として試作パーツにわざと偽名を振る運用が行われたが、逆に偽名の方がかっこよすぎて次の年のシリーズ名に採用されたという記録がある。
社会的影響[編集]
本一覧の存在は、特撮ファンの情報収集姿勢を大きく変えたとされる。従来は放送後に作品を評価する文化が主であったが、以後は「流出した段階で作品を読む」鑑賞法が一般化し、未公開段階のデザインに対する観察眼が異様に発達した。
また、周辺では、企画書の右下に小さく「この資料は写真撮影を許可しない」と書くようになったが、ファンはその文字のフォントサイズまで拡大して解析したため、対策としては限定的であった。結果として、注意書き自体が半ば伝説化し、同社の内部では「警告が売り文句になる」逆転現象が起きた。
さらに、の玩具店では、リーク騒動のたびに予約棚が一時的に満杯になることから、業界紙はこれを「未発売景気」と呼んだ。消費者行動の観点からは、発売中止の失望よりも、存在しなかった商品への愛着の方が長く残るという示唆を与えたとされる。
批判と論争[編集]
本一覧には、ファン側の伝聞を広く取り込んでいることへの批判がある。特にやのように、実在性の確認が困難な案件は、後年の二次創作や掲示板の書き込みが混入している可能性が指摘されている。
また、制作関係者の一部は、リークを理由とする中止の語りは「現場の調整失敗を美談化している」と反発している。もっとも、そうした反論自体が次の年の検証記事の材料になるため、結果として一覧の肥大化を止めることはできなかった。
一方で、2020年頃には「リークを前提に企画を逆に公開する」実験的な宣伝手法も検討されたが、初回会議で資料がまた漏れたため、企画担当者は「もう公開戦略である」と記録したとされる。
脚注[編集]
関連項目[編集]
脚注
- ^ 黒田一馬『特撮企画流出史―資料管理と未放送化の研究』映像文化出版社, 2009.
- ^ 佐伯みのり「平成仮面ライダー前史における試作玩具の漏洩」『日本特撮学会誌』Vol.12, No.3, pp.44-61, 2013.
- ^ Margaret L. Thornton, “Prototype Leakage and Broadcast Revisions in Tokusatsu Production,” Journal of Media Artifacts, Vol.18, No.2, pp.112-139, 2016.
- ^ 高橋善之『東映資料室の失われた棚』東京記録出版, 2011.
- ^ 中村悠介「匿名掲示板と番組企画の早期死」『情報文化研究』第8巻第1号, pp.5-27, 2018.
- ^ Hiroshi V. Tanaka, “Toy Fair Shadows: Unreleased Rider Concepts, 1971-2009,” East Asian Popular Media Review, Vol.9, No.4, pp.201-238, 2020.
- ^ 石川真理子『リーク対策の社会史』青葉書房, 2017.
- ^ 小林啓介「未発売景気の発生条件について」『流通と想像力』第4巻第2号, pp.88-104, 2019.
- ^ 山岸拓也『仮面ライダー企画中止年表』港北文化資料室, 2022.
- ^ Ernest P. Weller, “When Silence Sells: The Economics of Canceled Hero Shows,” Media Economics Quarterly, Vol.7, No.1, pp.1-19, 2015.
- ^ 渡辺由佳「『この資料は写真撮影を許可しない』の書体学的分析」『書式研究』第3巻第4号, pp.66-79, 2021.
外部リンク
- 東映未公開企画アーカイブ
- 仮面ライダー資料散逸研究会
- 特撮リーク年表データベース
- 未発売ヒーロー博物館
- 設定資料流出監視センター