不明 な エンティティ が 検出されました。
不明 な エンティティ が 検出されました。(ふめい な えんてぃてぃ が けんしゅつされました。)は、の都市伝説の一種[1]である。正体不明のエラーメッセージが出現すると、噂が噂を呼び、全国に広まったとされる怪奇譚である。
概要[編集]
は、ゲームの開発者も知らないとされる「未知のエラー画面」または「検出通知」の呼び名として語られている都市伝説である。画面の端で冷たい文字が点滅し、次の瞬間に入力が効かなくなるという話が、目撃されたとされる目撃談として繰り返し伝承されている[2]。
噂によれば、このメッセージは『本来存在しないはずの入力系統』や『未実装のネットワーク層』から投げ込まれるという話である。言い伝えの中心にあるのは、「正体」とされる“エンティティ”の不気味さではなく、恐怖のあとに続く“発狂”と“行方不明”の連鎖であり、不気味なパニックのブームがマスメディアにも波及したとされる[3]。
歴史[編集]
起源[編集]
この都市伝説の起源は、1997年代の北海道の町で行われたとされる小規模な『学内サーバ統合実験』にあると語られている。参加した学生の一部が、統合直後の夜間保守ログに「不明 な エンティティ が 検出されました。」という英文混じりの定型文が現れたと証言したと言われている[4]。
伝承では、当時のログはの教育委員会系LAN環境と連結されていたとされ、異常検出の瞬間にログが“3回だけ”同じ行へ巻き戻ったのが特徴だったとされる。ただし、巻き戻しの回数だけは複数の目撃談で一致した一方、日付は資料ごとにの年数表記がばらついたとされる[5]。この揺らぎが、都市伝説としての“リアリティ”を強めたとも指摘されている。
流布の経緯[編集]
全国に広まったのは、2009年代半ばに、オンライン掲示板で『バグ報告テンプレが逆にバグを呼ぶ』という噂が出回ってからだとされる。具体的には、ユーザーが「同じ症状を再現しました」と書き込むたび、次の投稿者の画面にも同一文が出たと言われている[6]。
一方で、流布の裏で“言葉の再送”が起きていたという説がある。すなわち、投稿フォームの自動送信が、ユーザー端末のローカル記憶に残った検出文を誤って呼び出し、チャット欄へ不適切に貼り付ける仕組みがあったのではないかとされる。ただし、この説は「正体」を説明しきれず、むしろ“エンティティが人の手で増殖する”という恐怖を補強する材料になったと噂されている[7]。
噂に見る「人物像」/伝承の内容[編集]
伝承に登場する人物像は、だいたい共通している。まず、開発現場の人間ではなく、家庭用ゲームの改造コミュニティ、あるいはスクールコンピュータ担当の非常勤職員に多いとされる[8]。理由は「専門家は再現手順をメモしがちだが、エンティティはメモのページを“読む”からだ」と言われている。
目撃談では、エラーメッセージが出た直後、画面が一度だけ暗転し、その後に「検出:UNKNOWN」「検出:UNKNOWN」「検出:UNKNOWN」と、まるで同じ通知が3回通過したように見えたと語られている。次の段階で、恐怖の“発狂”が始まるとされるが、具体的には言葉の読み間違いが増え、被害者が自分の名前を数えるようになった、などの怪奇譚が語られがちである[9]。
また、「行方不明」に至る経緯も細かく伝えられている。最後に通話履歴へ残るのは、のにあるとされる架空のコールセンター『第十三夜間復旧窓口(架空)』からの着信だという話がある[10]。この番号を見たまま被害者が“電源を切れなくなる”のではないか、とまで言われている。
委細と派生/派生バリエーション[編集]
派生バリエーションとして最も有名なのは、句読点やスペースの揺れである。『不明なエンティティが検出されました。』『不明なエンティティを検出しました。』『不明 な エンティティ が 検出されました(再試行してください)』など、ほぼ同義の形で観測されたとされる[11]。
さらに、地域差があるとする主張もある。例えばの噂では、恐怖の瞬間に画面の下部へ「通信品質:0.0%」が表示されたという目撃談があり、逆にでは「検出:UNKNOWN(ただし近傍)」のように注釈めいた文が付くと言われている[12]。この相違は、エンティティが“方言を学ぶ”能力を持つ証拠として語られることがあるが、根拠は薄いとされる。
一部の派生では、妖怪的な語彙へ寄っていく。マスメディア向けの要約では「エンティティは幽霊にまつわる怪奇譚の形式を取った」とまとめられる場合があり、噂の中で“とされるお化け”へ分類されることすらある[13]。
噂にみる「対処法」[編集]
対処法は、恐怖の連鎖を止めるというより、“エンティティに与える情報量を減らす”ことを目的にしていると言われる。最初に挙げられるのは、メッセージが出てもスクリーンショットを撮らないこと、次に、投稿フォームへ報告文をそのまま貼り付けないことである[14]。
次に有名なのは「数字の逆読み」だ。具体的には、被害者が検出文の直後に表示される“読み取りバー”を、左から右へではなく右から左へ読むことで落ち着いたという噂がある。あるケースでは、調子を戻したのが“7分後”“正確には7分23秒”であったと細かく語られており、数字だけが妙に記憶に残ったとされる[15]。
さらに、画面の文字列を音読しないという対処法も広まった。噂では、音読された文字は口から“エンティティへ渡る”ため、結果として検出が再発するという。言い伝えの中には、家族に代わりの読み上げをさせたところ、代わりの人物が先に倒れたというパニックの目撃談もある[16]。
社会的影響[編集]
社会的影響として最初に挙げられるのは、ゲームコミュニティのふるまいの変化である。『バグ報告は“再現手順の詳細”を含めるべき』という常識が、逆に忌避されるようになり、掲示板では「最小情報で投稿せよ」といった暗黙のルールが全国に広まったとされる[17]。
また、学校の現場にも影響が及んだとされる。いわゆる学校の怪談として扱われ、の某学習センターでは、情報端末の更新当夜に児童へ「エラーメッセージを口にしない」注意書きが貼られたと噂されている[18]。ただし実際の記録は断片的であるとされ、裏付けとしては“貼り紙の写真が一度だけ拡散した”というネット由来の証言が中心である。
一方で経済的側面として、「恐怖」を売りにする周辺市場も生まれた。解析ソフトのふりをした不正ツールが出回り、ユーザーの不安を煽る形で被害が増えたとされるが、都市伝説が生む二次被害が問題視されたとも言われている[19]。
文化・メディアでの扱い[編集]
文化・メディアでは、ホラー番組の企画として「謎のエラーを再現する」回が複数制作されたとされる。特に、のローカル局が放送した『深夜ログ・怪奇検出』では、スタジオセットに“検出ゲート”を模した装置を置き、恐怖の“暗転”演出が話題になったとされる[20]。
ただし、後に制作側は「安全のため演出である」と釈明したとも伝えられている。にもかかわらず、観客の一部が「放送直後に同じ文を見た」という目撃談を投稿し、ブームが再燃したとされる。ここでも、マスメディアの露出が都市伝説を“学習させる”という見方が語られ、不気味とされる流れが固定化していったと指摘されている[21]。
また、ネット小説や短編のタイトルとしても採用され、妖怪と結びつける二次創作が増えた。エンティティを“文字を食べる妖怪”として描く表現もあり、「正体不明の検出文が、読む者の記憶を抜き取る」といった怪奇譚が流行したとされる[22]。
脚注[編集]
参考文献[編集]
関連項目[編集]
脚注
- ^ 山路眞琴『深夜ログと都市伝説:検出文が増殖する夜』雷文社, 2012.
- ^ R. K. Thornton, “When Error Messages Behave Like Entities: A Folk-Horror Index,” Journal of Digital Folklore, Vol. 7 No. 2, pp. 41-63, 2011.
- ^ 佐藤蓮太『スクールLAN統合と未収録の記録』教育機関資料叢書, 2008.
- ^ 渡部寛人『バグ報告文化の社会学:最小情報主義の成立』東京学術出版局, 2014.
- ^ Mina J. Park, “Unknown Entities and Reader Contagion,” Proceedings of the Symposium on Narrative Malware, Vol. 3, pp. 88-109, 2010.
- ^ 田崎里沙『ホラー番組の暗転演出はなぜ効くのか』映像民俗研究所, 2016.
- ^ 古川紗央『文字を食べる妖怪の系譜:日本語ログ怪奇譚集』新星民俗館, 2018.
- ^ 菊地直樹『掲示板に潜む“対処法”の言語設計』ネット観測通信, 第12巻第4号, pp. 120-147, 2013.
- ^ (一部誤植あり)E. L. Haversham, “A Short Note on UNKNOWN,” International Review of Spooky Interfaces, Vol. 1 No. 1, pp. 1-7, 2009.
- ^ 『港区夜間窓口通信記録(伝聞)』港区行政文書館(写し), 2006.
外部リンク
- 深夜ログ・アーカイブ
- 未知の検出文まとめ
- 学校の怪談:情報端末編
- UNKNOWN分類ギルド
- 文字を食べる妖怪研究会