佐藻有南
| 選手名/氏名 | 佐藻 有南 |
|---|---|
| 画像 | Samo_Arinan_2024.jpg |
| 画像サイズ | 280px |
| 画像説明 | 2024年の国際親善試合での佐藻有南 |
| 愛称 | さもさん、アリナン |
| 生年月日 | 1996年4月17日 |
| 出身地 | 愛知県豊橋市 |
| 身長 | 183cm |
| 体重 | 79kg |
| 国籍 | 日本 |
| 背番号 | 1 |
| ポジション | ゴールキーパー |
| 所属チーム/クラブ | 名古屋アクアヴィアーズ |
| 利き手/利き足 | 右投左打 |
| medaltemplates | 世界選手権 銀 2023年 / アジア選手権 金 2022年 |
佐藻 有南(さも ありなん、[[1996年]]〈[[平成]]8年〉[[4月17日]] - )は、[[愛知県]][[豊橋市]]出身の[[プロ水球選手]]([[ゴールキーパー]])。右投左打。[[日本水球リーグ]]の[[名古屋アクアヴィアーズ]]所属。[[世界選手権]]での最多セーブ賞を2度獲得し、[[2020年東京オリンピック]]では日本代表の守護神として8位入賞に貢献したことで知られる[1]。
経歴[編集]
プロ入り前[編集]
佐藻はの市営屋内プールを中心に育ったとされる。小学校時代は競泳部に所属していたが、着水音が大きすぎることから当番コーチのに「水球向き」と見込まれ、へ移った。中学3年時には、地区大会で1試合平均17.4本のシュートを受けながら失点2.1に抑えた記録が残っており、この数値が県内の強豪校のスカウト資料に引用されたという[2]。
高校・大学時代[編集]
では1年から正GKに定着し、3年次には東海大会で72分間無失点を続けた後、最後の1本で顔面セーブを決めて逆転を呼び込んだ。本人は後年、この場面について「当時は目の前のボールしか見えていなかった」と語っている。卒業後はに入学し、の最優秀守備選手に2年連続で選出されたほか、同年の合宿で右肩を痛めたにもかかわらず自己ベストを更新したことが話題になった。
クラブ経歴[編集]
プロ入り後はにへ加入し、初年度から控え選手ながら終盤戦での起用が増えた。特にの戦では、1試合で28本のシュートを止めてクラブ記録を塗り替えたとされる。なお、同年オフにはへの移籍が報じられたが、最終的には育成型契約の再締結により残留し、この経緯が「契約書の余白に名前を書くタイプの交渉」と揶揄された[3]。
代表経歴[編集]
日本代表にはに初選出され、では初出場を果たした。予選リーグでは強豪相手にセーブ率0.684を記録し、チームの守備的戦術を支えた。翌では準決勝進出を経て銀メダルを獲得し、同年の大会終了後に代表キャプテンを務めたことでも知られている。
選手としての特徴[編集]
佐藻は、水球選手としては珍しく「止める」だけでなく「流れを読む」能力に優れると評されている。特にロングパスの軌道を先読みして味方のカウンターを誘発する技術は、現役時代のコーチから「水中の将棋」と形容された。
また、利き手が右でありながら左打ちとされる珍しいフォームを持ち、シュートモーションの途中で体幹の向きをわずかに変えるため、相手フローターがコースを誤認しやすいという。本人はこの癖を「中学時代に左手でノートを取らされていた名残」と説明しているが、専門誌では要出典扱いのまま半ば定説化している。
一方で、以降は肩関節の可動域改善に取り組み、1試合あたりの平均セーブ数を前年の9.8本から11.6本へ伸ばした。クラブ関係者は「数字にうるさい選手で、練習後にプールサイドで自分の反応時間を10ミリ秒単位でメモしていた」と証言している。
人物[編集]
佐藻は寡黙な人物として知られるが、試合後のコメントだけは妙に長いことで知られる。とくにの国際試合後、「水は静かに見えて、実は全員の動きを覚えている」と発言し、スポーツ紙の見出しが翌日だけ詩的になった。
私生活では、の実家で飼っていた金魚に守備動作を見せていたというエピソードが有名である。本人によれば、金魚鉢の反射でボールの軌道を学んだというが、この話は家族の証言が食い違っており、母・は「ただの暇つぶしであった」としている。
また、試合前に必ずを二切れ食べる習慣があり、遠征先でも同じ銘柄を取り寄せるため、クラブのマネジャーが空港で「スポーツ栄養補助食品」として通関説明をしたことがある。
記録[編集]
タイトル・表彰[編集]
最優秀守備選手:3回(、、)[4]。
最多セーブ賞:2回(、)。
優勝()により大会ベストイレブンに選出されたが、水球では珍しいことに「ベストイレブン」の人数が毎回微妙に増減する制度であるとされる。
代表歴[編集]
日本代表:国際Aマッチ 86試合出場、うち先発71試合。
8位、準優勝、1位通過。
なお、の親善大会では、交代出場からわずか19秒でPKを止めた記録が残っており、これは当時の国内報道で「秒単位の芸術」と称された。
個人記録[編集]
1試合最多セーブ:28本(・対戦)
通算無失点時間:412分33秒(リーグ公式記録)
1シーズン最多指示回数:1,144回(本人は記録を知らされていなかった)
出演[編集]
佐藻は競技外でも露出が多く、の地域向けCM「水のある街」シリーズにから出演している。CMではプールサイドで無言のままボールを受け止めるだけであるが、放映後に問い合わせが増えたため、制作会社は急きょ字幕で「この人物は本当に止めています」と補足を入れた。
テレビ番組ではのスポーツドキュメンタリー『泳ぐ壁』、の情報番組『スイムの流儀』などに出演した。特に『スイムの流儀』では、佐藻がスタジオの机を見て「水中ではこの角は危険だ」と真顔で指摘し、共演者を困惑させた回がよく知られている。
ほかに、の観光キャンペーンポスターにも起用され、の巨大水槽の前でポージングした写真が、翌年の市内水球大会の応募者数を前年比23%押し上げたとされる。
著書[編集]
佐藻は現役選手でありながら、2冊の著書を刊行している。
1冊目は『ゴールの前で考えること』(、)で、守備位置の取り方と試合中の心理調整を平易に説いた実用書である。出版後、の講習会で副読本として扱われたが、巻末の「水面の揺れは心の揺れではない」という一文だけが妙に引用された。
2冊目は『さもありなん、止める理由』(、)で、題名の語感を理由に編集部が半ば押し切る形で決まったとされる。本人はあとがきで「止めることは攻めることより静かで、しかし同じだけうるさい」と書き、文学誌でも取り上げられた。
背番号[編集]
背番号は一貫してを着用している。高校時代は欠番扱いだったこともあり、本人は「最初から空いていた数字は好きだ」と語っている。
ただし、大学の練習試合では一度だけを着けたことがあり、これについてはマネジャーが洗濯後に番号を取り違えたためであるとされる。本人はその試合で無失点だったため、一部ファンの間では「13番の呪いを破った試合」として語り継がれている。
脚注[編集]
注釈
[1] 2020年大会の代表登録名簿に基づく。 [2] 地区大会の詳細記録は一部欠落しており、数値には異説がある。 [3] 契約更改の経緯はクラブ広報と地元紙で説明が異なる。 [4] 2024年時点のリーグ公式アーカイブによる。
出典
- 佐藤健一『現代水球の守備学』スポーツ評論社、2024年、pp. 88-96。 - 山本理香「ゴールキーパーの反応時間と心理負荷」『日本水泳研究』Vol. 18, No. 2, 2023, pp. 41-57。 - Timothy R. Vale, “Goalkeeping in Aquatic Sports: A Comparative Study,” Journal of Coastal Athletics, Vol. 7, No. 1, 2024, pp. 12-29. - 中島由紀『水面下の戦術史』河出書房新社、2022年、pp. 201-219。 - 名古屋アクアヴィアーズ広報部『2024シーズン選手名鑑』、2024年、pp. 6-7。 - 近藤真一「名古屋圏における水球競技人口の増加要因」『地域スポーツ研究』第12巻第4号、2025年、pp. 3-18。 - Margaret L. Haines, “Quiet Hands, Loud Water,” International Review of Aquatic Games, Vol. 11, No. 3, 2024, pp. 77-85。 - 『豊橋スポーツ年鑑 2024』豊橋市スポーツ振興財団、2024年、pp. 144-149。 - 斎藤歩『一瞬で止める技術』ベースボール・マガジン社、2021年、pp. 55-68。 - 白井宏子「試合前習慣とパフォーマンスの相関」『運動文化論集』第9巻第1号、2023年、pp. 101-110。
関連項目[編集]
外部リンク[編集]
日本水球リーグ公式選手プロフィール 名古屋アクアヴィアーズ選手紹介ページ 日本代表アーカイブ 豊橋スポーツミュージアムデジタル展示 スポーツ人物伝データベース
脚注
- ^ 佐藤健一『現代水球の守備学』スポーツ評論社、2024年、pp. 88-96.
- ^ 山本理香「ゴールキーパーの反応時間と心理負荷」『日本水泳研究』Vol. 18, No. 2, 2023, pp. 41-57.
- ^ Timothy R. Vale, “Goalkeeping in Aquatic Sports: A Comparative Study,” Journal of Coastal Athletics, Vol. 7, No. 1, 2024, pp. 12-29.
- ^ 中島由紀『水面下の戦術史』河出書房新社、2022年、pp. 201-219.
- ^ 名古屋アクアヴィアーズ広報部『2024シーズン選手名鑑』、2024年、pp. 6-7.
- ^ 近藤真一「名古屋圏における水球競技人口の増加要因」『地域スポーツ研究』第12巻第4号、2025年、pp. 3-18.
- ^ Margaret L. Haines, “Quiet Hands, Loud Water,” International Review of Aquatic Games, Vol. 11, No. 3, 2024, pp. 77-85.
- ^ 『豊橋スポーツ年鑑 2024』豊橋市スポーツ振興財団、2024年、pp. 144-149.
- ^ 斎藤歩『一瞬で止める技術』ベースボール・マガジン社、2021年、pp. 55-68.
- ^ 白井宏子「試合前習慣とパフォーマンスの相関」『運動文化論集』第9巻第1号、2023年、pp. 101-110.
外部リンク
- 日本水球リーグ公式サイト
- 名古屋アクアヴィアーズ公式サイト
- 日本水球連盟選手名鑑
- 豊橋市スポーツアーカイブ
- 世界水泳統計年鑑