定方陽子
| 名前 | 定方陽子 |
|---|---|
| 本名 | 定方(さだかた)陽子(読みは同一とされる) |
| ニックネーム | ヨウコ判定(ようこはんてい) |
| 生年月日 | 1987年6月14日 |
| 没年月日 | - |
| 出身地 | 東京都江東区 |
| 血液型 | O型 |
| 身長 | 158 cm |
| 方言 | 江東区の標準寄り(と本人は称する) |
| 事務所 | 株式会社サンライズ企画 |
定方陽子(さだかた ようこ、〈19年〉 - )は、[[日本]]の[[お笑い芸人]]、[[司会者]]、[[脚本家]]。[[東京]]出身。[[株式会社サンライズ企画]]所属である[1]。
概要[編集]
定方陽子は、体温の高いツッコミと、異常に制度的な言い回しを武器にする[[ピン芸]]で知られている。舞台上では「感情」よりも「仕様書」を先に読み上げる癖があり、そのギャップが“現場の空気を判定する”笑いとして定着したとされる[2]。
彼女のネタは一見すると恋愛・職場・日常会話に見えるが、途中から突然「ルール」「免責」「監査日程」といった言葉に切り替わり、観客が自分の常識を棚卸しさせられる構造になっている。結果として、テレビの情報番組や深夜バラエティで“説明がうますぎるのに、説明してはいけないことを言う人”として話題を呼んだ[3]。
略歴/来歴[編集]
定方は東京都江東区で生まれ、幼少期から図書館に通い詰めたとされる。本人によれば、児童コーナーの「分類番号」を覚えるために、毎週土曜日の来館スタンプを合計43個集めるまで帰らなかったという逸話がある[4]。
高校時代、彼女は演劇部ではなく「校内放送の事務局」に所属した。ここで培われた“原稿の言い切り”が、後のピン芸における断定調のリズムへと繋がったとされる。なお、当時の校内放送の原稿用紙は、彼女が勝手に「陽子規格」と呼んだ独自フォーマットに変更されたという記録が残っている(同級生談)[5]。
[[東京]]進出は[[2009年]]ごろとされる。劇場見学のために一人で通い続け、入館記録が月に17回を超えた時点でスタッフから「あなた、単に客じゃなくて監査員ですか」と声をかけられたことが契機だったと語られている[6]。
その後、[[株式会社サンライズ企画]]に所属し、[[2012年]]から定期的に浅草系の小劇場へ出演。そこで“仕様を読みながら人間を落とす”型が完成したとされる[7]。
人物[編集]
定方陽子は、本人の自己紹介時に必ず「本日の判定条件」を挿入することで知られる。例として「本日は笑いの合格基準を10点満点中7点、ただし遅刻者は減点」といった具合であり、ファンの間ではそれが“予告芸”と呼ばれている[8]。
また、彼女は食への執着が強い。特に[[納豆]]をネタ作りの“糖化装置”として扱うことで有名で、楽屋の机に小分け容器を並べ、混ぜる順番を「1-3-2(時間は24秒)」のように数値化してから台本に向かうという。周辺スタッフは「恋の話より、混ぜの話を聞くときが一番怖い」と証言した[9]。
一方で、収録現場では礼儀正しさが評判である。[[テレビ]]のリハでは、台本の誤字を見つけると“謝罪”ではなく“訂正申請”の形式で報告するため、現場が妙に事務的な空気になるという[10]。
芸風/作風[編集]
定方の芸風は、[[漫才]]ではなくピン芸として設計されている。基本形は「日常の会話→条項の導入→例外の多発→最後に“判定”を下す」である[11]。
ボケ担当の意識は弱く、代わりに“観客の理解プロセスを採点する”ことを目的としているとされる。たとえば恋愛ネタでは、告白の直前に「この発言は、相手のプライバシー権を侵害しないか」を言い出し、観客が一瞬だけ法律ドラマに迷い込むようなズレが生まれる[12]。
一部の批評家は、定方陽子の作風を「説明芸の皮を被った監査コント」と評している。さらに深夜ラジオでは、番組内でリスナーから届いた感想を“監査報告書”として読み上げ、誤読には罰則を、丁寧な読みには加点を与える方式を採用したとされる[13]。
ただし彼女の独特さは、単なる奇抜さに留まらない。台詞の区切りが統一されており、息継ぎの位置がほぼ一定(平均0.72秒間隔)であるという計測が、ファンの音声解析から報告されている[14]。
受賞歴[編集]
定方は[[M-1グランプリ]]のような大会には“出場しない方針”だったとされる。理由は「コンビには免責がつくが、ピンには自己責任が付く」ため、という本人の名言がある[15]。
その代わり、[[R-1ぐらんぷり]]では“点数の概念自体をいじる”ネタで勝ち上がった。[[2017年]]、ファイナリストとして報じられ、最終ラウンドでは「笑い声のデシベルは測れないが、笑いの沈黙は測れる」を題材にしたと記録されている[16]。なお、一次予選での持ち時間は10分だが、彼女は9分38秒で着地し、残り22秒は黙っていた(会場スタッフの回想)[17]。
また、司会面では、[[2019年]]の[[地方創生]]特番で“進行の言い回しが規格化されすぎている司会”として抜擢された。地元自治体の説明コーナーを、本人の判定用語に置換しながら成立させた点が評価されたとされる[18]。
出演[編集]
テレビでは、バラエティの[[冠番組]]として『判定の時間です』(架空)に出演した。内容は“街の困りごとを規格化して解決した気になる”もので、VTRの最後に定方が「本件は暫定合格」と言い、視聴者に判定スタンプを配布する演出が話題となった[19]。
ラジオでは『ヨウコ判定室』を担当し、リスナー投稿を“仕様変更依頼”として扱うコーナーが人気であった。番組の放送時刻は深夜2時台とされ、彼女は開始前に必ず「本日は2,000名の心を採点します」と宣言したという[20]。なお、この宣言がスポンサーに嫌われかけたが、最終的に「採点」ではなく「応援」に言い換えられ、事なきを得たとされる[21]。
舞台では、ソロライブ『監査と恋のあいだ』を定期的に上演。会場ごとに“観客の笑いの遅延時間”を調べ、その数値に合わせて最後の間(ま)を調整するというこだわりがあると報じられた[22]。
映画出演は限定的で、短編のオムニバス『深夜の条項』に参加したとされる。役柄は“条項を読み上げるだけの受付嬢”で、セリフが全編で7行しかないにもかかわらず、劇中の重要度は最上位だった、という奇妙な評価が残っている[23]。
脚注[編集]
関連項目[編集]
脚注
- ^ 定方陽子『沈黙の間は7点である』サンライズ企画出版, 2018.
- ^ 佐藤慎二『笑いの条項化:説明芸の系譜』音笑学会出版, 2020.
- ^ Margaret A. Thornton『Comedic Compliance in Japanese Solo Acts』Kuroshio Academic Press, 2021.
- ^ 井上麻実『ピン芸は測定できる:音声解析から見る定方陽子』放送技術研究会, 2017.
- ^ 田中敬太『江東区の放送文化史—校内アナウンスと“陽子規格”』江東文庫, 2012.
- ^ 鈴木コウ『深夜2時台の心拍:ラジオ番組設計論』夜間編集局, 2019.
- ^ 『R-1ぐらんぷり公式記録集2017』日本ピン芸協会, 2018.
- ^ 『地方創生特番の司会術:規格化された進行の実務』自治体放送研究所, 2020.
- ^ 定方陽子『混ぜ順の倫理:納豆と台本のあいだ』検算堂, 2016.
- ^ 松本ユリ『条項で笑わせる政治学(第1巻第2号)』芸能社会学雑誌, Vol.12 No.4, pp.33-58.
外部リンク
- ヨウコ判定室 公式ファンサイト
- サンライズ企画 タレントページ
- 浅草小劇場アーカイブ
- 音笑学会(説明芸研究会)
- 夜間編集局 出版部