検索してはいけないがしたらしたらで得する言葉
| 名称 | 検索してはいけないがしたらしたらで得する言葉 |
|---|---|
| 分類 | 情報衛生・ネット俗語 |
| 成立 | 1998年頃 |
| 提唱者 | 三好 玄一郎 |
| 主な活動地域 | 日本、北米、韓国 |
| 関連分野 | 検索心理学、注意資源研究、ネットロア |
| 代表的な媒体 | 匿名掲示板、早期ブログ、検索補助ツール |
| 現在の扱い | 半ば都市伝説、半ば実務用語 |
検索してはいけないがしたらしたらで得する言葉(けんさくしてはいけないがしたらしたらでとくすることば)は、上での閲覧を意図的に抑制しつつ、検索行為そのものを通じて限定的なやが得られるとされる特殊な語群である[1]。主にとの境界領域で発達した概念として知られている[2]。
概要[編集]
検索してはいけないがしたらしたらで得する言葉とは、検索結果に危険・不快・無駄が混在する一方で、検索することでのみ到達できる有益な抜け道や限定資料が存在するとされた語の総称である。利用者は「見ないほうがよい」と警告されながら、実際には、、あるいはに行き着くことがあり、この矛盾が名称の由来になったとされる[3]。
この概念は、単なるの一覧ではなく、検索行為に対する半ば儀礼的な自己統制として発達した点に特徴がある。特にの個人サイト群では、「検索してはいけない語」を収集する趣味と、「しかし検索した者だけが得られる利益」を並置する編集方針が流行し、そこから現在の二重否定的な命名が定着したという説が有力である[4]。
歴史[編集]
起源[編集]
起源は、神田の中古書店街近くにあった情報交換会「検索倫理研究会」に求められるとされる。中心人物の三好 玄一郎は、当時の粗い絞り込み機能を逆手に取り、危険語の探索過程でのみ表示されるやを収集していた[5]。
彼が配布した小冊子『見てはいけないが、見た者が勝つ索引術』は、のちのネット掲示板で「検索してはいけないがしたらしたらで得する言葉」の原型とみなされている。ただし、初期版の半数以上は単なるの回避法であり、当時の参加者の間でも「実用書なのか冗談なのか判然としない」と評されたという。
掲示板文化との結びつき[編集]
になると、匿名掲示板では「危険だが検索すると役に立つ言葉」を投稿する遊びが体系化された。投稿者は、語を直接書かずに「灰色の語」「戻り値が多い語」などの婉曲表現で示し、読者は推理しながら検索することを求められた。
この時期に特に影響力を持ったのが、のLANカフェから現れた投稿者「もなみ駅前」である。彼は「検索したら負けだが、検索したやつは得をする」という逆説的なルールを提案し、以後、危険性と有益性を同時に備える語彙を「得する言葉」と呼ぶ流れが生まれた。なお、この命名はの一部ログ解析で確認できるとされるが、原本の保存状態が悪く、断定は難しい[要出典]。
制度化と流通[編集]
には、検索補助ツールやレコメンド機能の普及により、この言葉は半ば実務用語化した。特にやで、あえて直接のテーマ名を避けつつ資料を探す際の注意喚起として用いられるようになった。
の外部委託調査では、同種の語を含む問い合わせのうち、約17.4%が「不快情報の回避」と「限定資料への到達」を同時に目的としていたとされる。また以降は、検索結果から得られるクーポン、公開PDF、非公開に近いが実際には公開されている報告書を指す意味でも使われるようになり、語義がさらに拡張した。
分類[編集]
この語群は、内容よりも検索後に得られる利益の性質によって分類されることが多い。一般に「回避利益型」「限定入手型」「知識補完型」「精神衛生型」の4類型に整理されるが、実際には重複が多い。
また、利用者の年齢層によっても意味が揺れ、の間では「怖いが役立つもの」、社会人層では「危険そうに見えるが業務資料があるもの」と理解される傾向がある。これらの差異は、検索履歴の匿名化技術の普及によってむしろ可視化されたと指摘されている。
代表的な言葉[編集]
回避利益型[編集]
「電子レンジ 異音 対処」は、この分類の代表例である。名称だけを見ると故障話題のようであるが、実際にはメーカー別の安全確認ページにたどり着きやすく、の保守マニュアルを見つける入口として重宝された。
「赤い虫 正体」も同系統で、検索すると画像注意のページが大量に出る一方、自治体のが出している害虫同定表が意外に充実していたため、園芸愛好家のあいだで「嫌だが助かる語」として知られた。
限定入手型[編集]
「旧版 PDF 公開」は、特定の学会誌や企業年史の旧版にたどり着くための呪文として扱われた。とりわけの古書イベントでこの語を含む検索術が紹介され、参加者の半数がその場で自分のメモ帳に書き写したという。
「学内限定 研究報告」は、通常なら閉じた資料を探るための語であるが、実際には執筆者の個人サイトや研究室アーカイブが検索結果に混ざり、予想外に有益であることが多かった。これにより、検索してはいけないのに検索したほうが得、という評価が定着した。
精神衛生型[編集]
「深夜 相談先」は、閲覧者の不安を煽るように見えて、自治体の相談窓口や系の案内に接続しやすいことから、ネット上で静かな支持を得た。とくに以降、生活不安の高まりとともに検索回数が増えたとされる。
「眠れない 文章 読み物」は、危険ワードの体裁を取りながら、実際には短いエッセイや朗読素材を集めたページに誘導されるため、夜更かし中の利用者に「危険に見えて安全」という妙な安心感を与えた。
社会的影響[編集]
この言葉の普及により、検索者は「見ないこと」と「知ること」を同時に意識するようになった。結果として、単純な好奇心を抑制しつつ、必要情報だけを取りに行く検索習慣が一部で育ったとされる。
一方で、危険語を過度に神秘化したことで、実際には無害な資料や公的情報へのアクセスまで避けてしまう例もあった。これに対し系の啓発資料では、「検索の禁止ではなく、検索の設計が問題である」とする説明がなされ、以後、教育現場では“得する言葉”を見分ける訓練が行われるようになった。
批判と論争[編集]
批判の多くは、この概念が曖昧すぎるという点に向けられている。ある語は「検索してはいけない」とされながら、実際にはやへの導線であることがあり、危険性の根拠が編集者の主観に依存していた。
また、にの研究会で行われた発表では、得する言葉の約6割が実は「検索すべきでない語」ではなく「検索語の組み立てがうまい語」にすぎないと指摘された。これに対して支持派は、「語の価値は危険度ではなく、到達できる情報の密度にある」と反論している。
脚注[編集]
関連項目[編集]
脚注
- ^ 三好玄一郎『見てはいけないが、見た者が勝つ索引術』神田情報出版, 1999.
- ^ 田辺里緒『検索倫理と匿名文化』データ通信社, 2008.
- ^ Margaret A. Thornton, "Paradox Keywords and User Benefit in Early Search Culture", Journal of Synthetic Media Studies, Vol. 12, No. 3, pp. 44-68, 2014.
- ^ 佐伯隆志『検索語の禁忌化に関する覚書』情報社会評論社, 2011.
- ^ Kenji Watanabe, "The Utility of Unsafe Queries", Proceedings of the East Asian Web Folklore Conference, pp. 103-119, 2016.
- ^ 『検索してはいけない語彙集 第3版』東京レファレンス研究所, 2017.
- ^ 森下絵里子『注意資源とネット不安』港北書房, 2020.
- ^ Robert L. Haskins, "Beneficial Prohibition: A Study of Query-Driven Avoidance", Internet Culture Review, Vol. 8, Issue 2, pp. 211-229, 2019.
- ^ 『検索してはいけないがしたらしたらで得する言葉ハンドブック』日本情報習慣協会, 2021.
- ^ 小泉一馬『検索補助語の社会史』北洲出版, 2023.
- ^ Yuko Arai, "Oddly Helpful Forbidden Terms", Digital Folklore Quarterly, Vol. 5, No. 1, pp. 9-31, 2022.
- ^ 『深夜の検索術とその副作用』中央検索文化研究会, 2005.
外部リンク
- 検索語民俗学アーカイブ
- 全国検索倫理研究会
- 仮想索引データベース
- 夜間情報探索フォーラム
- 得する言葉研究所