遠藤チャンネルの乱(2019年7月〜2020年8月末)
遠藤チャンネルの乱(2019年7月〜2020年8月末)(えんどうちゃんねるのらん(2019ねん7がつ〜2020ねん8がつまつ))とは、2019年に始まった反・不謹慎逆張りムーブメントの“戦争ごっこ”を指す和製英語・造語である。〇〇を行う人は乱闘ヤーと呼ばれる。
概要[編集]
とは、が2019年7月から展開した「不謹慎は悪くない」という逆張り型の動画運営をめぐり、視聴者コミュニティがSNS上で“戦争”を再現するようになったサブカル現象である。2020年8月末に、いわゆる「3代目ch」が凍結されたことにより、視聴者側の抗争演出が収束したとされる。
インターネットの発達に伴い、この現象は単なる炎上ではなく、反省芸を拒むスタイルとして体系化された。明確な定義は確立されておらず、関連語の変遷も複雑であるが、主要モチーフは「禁止されるべきは“気持ち”ではなく“編集の言い訳”である」という独特の倫理観に置かれているとされる。なお、当初から“戦争”という比喩は誇張として共有されていたが、次第に比喩がゲームルールのように運用されるようになった点が特徴とされる。
定義[編集]
は、「YouTube運営をめぐる争い」を“乱”と称し、逆張りの正当化を目的としたサブカルの作法をまとめて指すものとされる。具体的には、問題視された表現(と当事者が認識したもの)を“悪ではない”と擁護し、その擁護をエンターテインメントとして頒布する行為を含む。
〇〇を行う人をと呼ぶとされるが、乱闘ヤーは必ずしも出演者ではない。コメント欄、考察スレ、切り抜き職人、さらには「謝罪の構文」を研究する訂正文職人まで含む広義の呼称として運用されてきた。また、この乱は“勝敗”よりも“合図”が重視された。合図とは、動画タイトルの語尾に付ける「無罪です」「許可下りてます」等の定型句や、サムネに埋め込まれた謎の方角記号(例:南南東12.6度)などを指す。
一方で、乱闘ヤーの活動は「炎上の延命」だと批判される場合もあった。もっとも、当事者は「炎上ではなく“儀式”である」と主張し、儀式の定義には「謝罪文を3行で終えること」「弁明の主語を“編集者”に寄せること」などの細則が含まれていたともされる。
歴史[編集]
起源:2019年7月、語りの戦争が始まったとされる[編集]
起源は2019年7月の新企画に求められるとされる。初期の動画は「不謹慎ch」と自称し、視聴者に対して“正義のふりをする人ほど負ける”というゲーム感覚を与えた。ここで重要だったのが、視聴者がコメント欄で“法廷”を模倣できるように、発言の根拠をあえて曖昧に設計していた点である。
当時、運用スタッフの一人とされる(自称“言い訳監査官”)が「謝罪は必要だが、謝罪の語彙は戦争の弾薬である」と投稿したことが、乱闘ヤーの合言葉へ繋がったとされる。さらに、サムネの隅に毎回出る小さな天気アイコンが「南西雨・湿度73%」のように毎回違う仕様になっており、視聴者はこれを“戦線の気圧配置図”として読み解いたという[1]。
年代別の発展:2019年秋〜2020年初頭、3部隊と“合図テンプレ”が確立[編集]
2019年秋には、乱闘ヤーが3部隊に分かれたとされる。第1部隊は「逆張り証拠収集隊」で、切り抜きの際にBGMの頭出しだけを揃える“証拠同期”が特徴とされた。第2部隊は「無罪です文書係」で、擁護コメントを定型化してコピペ運用することで“勝ち筋”を共有した。第3部隊は「編集者責任転嫁研究会」で、引用元と脚色率の整合だけを追うニッチな統計派として知られた。
この時期、コミュニティは「合図テンプレ」を作り始めた。例として、動画公開から14分以内に「否定は悪ではない」「悪は沈黙のほうに宿る」とセットで投稿すると、アルゴリズム上の表示順が安定すると言い伝えられた。明確な因果関係の裏付けはないものの、乱闘ヤー内では“投稿は儀式、回数は祈り”とされ、2020年1月までに合図投稿は平均で月間約4,820回(当時の集計スプレッドシートによる)に達したとされる[2]。
インターネット普及後:2020年春、凍結予告が“第3代ch”へ継承された[編集]
2020年春には、乱がより物語的に拡張したとされる。遠藤チャンネル側は「不謹慎は悪くない」を繰り返しつつ、表現の輪郭を“攻撃”ではなく“教材”として語った。結果として、賛否は分かれたが、逆張りの語り口がテンプレ化し、勝手に他チャンネルへ移植されるようになった。
2020年夏にかけては、所謂「第3代ch」へ凍結予告が“継承”されたという伝承が広まった。具体的には、7月末のライブ配信において、遠藤チャンネルが「もし止められるなら、次は三代目の扉が開く」と不意に言ったことが拡散され、視聴者は配信後に公式SNSへ“鍵番号”を投稿し始めたとされる。鍵番号は合計で13桁が多く、例として「0429-7-2-0911-88」のように区切りが入っていたと記録されている[3]。
特性・分類[編集]
乱は、単なる主張ではなく「語りの作法」によって分類されるとされる。第一の分類は「反省じゃない謝罪型」である。謝罪をするが、謝罪の対象を“行為”ではなく“気持ち”から切り離す語りが特徴とされる。
第二の分類は「悪くない指数型」である。動画の最後に“悪くない指数”として、0〜100のスコアを出す形式が流行した。当時のスコアは統一されていなかったが、乱闘ヤーの掲示板では「悪くない指数が62以上なら勝ち」「61以下なら次回に“言い訳パンチ”を足す」というルールが暗黙に共有されたとされる[4]。もっとも、指数の計算根拠はほぼ毎回改変され、統計的妥当性より“決めの勢い”が重視された。
第三の分類は「頒布儀礼型」である。反対意見が出ても、切り抜きや要約を“頒布”と呼び、拡散の行為そのものを儀式化した。インターネットの発達に伴い、儀礼は海外コミュニティにも翻訳され、言い回しのズレがむしろ面白さとして受容されたとされる。なお、明確な定義は確立されておらず、同一動画でも「分類A/B両対応」とされることがある。
日本における〇〇[編集]
日本では乱の中心に、の“語りの速度”が置かれた。テンポの良い反論を連射し、視聴者が追従することで「擁護が身体化する」ような感覚が共有されたとされる。特に、内の撮影スタジオで収録された回では、BGMの音量が毎回-7dBに揃えられていたと主張され、音声解析勢がこぞってチェックしたという[5]。
また、視聴者参加の形として「合図コメントのマップ化」が行われた。集計はの同人イベント会場で試験的に行われ、参加者はスマートフォンで方角記号を投票し、投票結果を“戦線の潮目”としてスレッドに投下したとされる。さらに、地方局向けの軽いミームとして、やでも“乱の地域版”が生まれたが、地域版は必ずしも遠藤チャンネルの直接関与がない場合もあった。
この過程で、逆張りの免罪符が“笑い”として定着した一方、倫理の境界が曖昧化したとも指摘された。もっとも乱闘ヤーは、境界を曖昧にすることこそが芸術だと主張し、明確な定義がない状態をむしろ武器にしていたとされる。
世界各国での展開[編集]
世界各国への展開は、切り抜きの多言語化と字幕翻訳の速度によって加速したとされる。英語圏では、乱が“bad manners”を否定する文化ではなく、“bad mannersを自分で許可する儀式”として理解されたことが大きいとされる[6]。
特に、ドイツ語圏のコミュニティでは「逆張り証拠収集隊」を“Counter-Evidence Militia”と呼ぶ和製英語の誤訳が定着し、結果として誤訳がブランド化した。フランスでは、合図テンプレの一部が詩として読まれ、スコア制度が“美学の点数化”として再解釈された。なお、世界各国での展開においても、凍結という出来事は物語の終止符として再編集され、2020年8月末は“終戦記念日”としてカレンダーに刻まれたとされる。
ただし、翻訳の段階で「不謹慎ch」の意味が揺れた。英語圏では“uncivilized channel”と誤記され、結果として“文明化されないことが肯定される”という別の解釈が生まれたとも伝えられる。こうした誤読が、多様性として受け入れられた点が、世界への広がりを支えたとされる。
〇〇を取り巻く問題(著作権/表現規制)[編集]
乱が注目を集めるにつれ、著作権と表現規制の問題が避けられなくなった。乱闘ヤーの間では、切り抜き素材を用いる場合でも「テンプレ化しているから“新しい語り”になる」と主張され、根拠のない正当化が広がったとされる[7]。
表現規制の面では、遠藤チャンネルの不謹慎ch的な語り口が“注意喚起”に該当するのではないかという指摘が出た。とはいえ、当事者側は「注意喚起は悪ではない」と繰り返し、問題点を“意図の問題”にすり替えることで議論を消化したとも言われる。ここで細かい争点として、サムネの小さな天気アイコンが規約に触れる可能性があるのではないかという噂が生まれ、アイコンを丸ごと差し替えた回が一時期あった。
さらに、2020年8月末に「3代目ch」が凍結されたことは、コミュニティにとって“戦争終結”として語り継がれた。一方で、凍結の直接原因が何であったかは明確にされていないとされる。要出典タグが付く可能性があるほど情報が揺れているが、乱闘ヤーは「凍結は勝利のフラグ」として再演を試みたとされ、結果として問題の蒸し返しが起きたという指摘もある[8]。
脚注[編集]
関連項目[編集]
脚注
- ^ 渡邊精一郎『炎上の語彙監査学:謝罪を武器にする法』海霧出版, 2020.
- ^ 佐伯ユウキ『逆張りはなぜ勝つのか:悪くない指数の社会学』東京メディア研究所, 2020.
- ^ Megan R. Thornton “Ritual Apologies and Counter-Evidence Communities” in Journal of Internet Subcultures, Vol. 12, No. 3, pp. 41-58, 2021.
- ^ 亀田ミナト『切り抜き頒布の文化史:頒布という語の発明』新潮ミーム館, 2019.
- ^ Jung-Hoon Park “On Mis-Translation as Brand Equity: The Case of ‘Uncivilized Channel’” in International Review of Meme Studies, Vol. 7, Issue 1, pp. 9-27, 2022.
- ^ 志村ノリオ『戦線の気圧配置図:サムネ記号の読み解き論』風見文庫, 2020.
- ^ Elena Kovács “The Zero-to-One Scale of ‘Harmlessness’ in Online Video Discourse” in Digital Ethics Letters, Vol. 5, No. 2, pp. 120-139, 2021.
- ^ 遠藤チャンネル運営委員会『第3代ch凍結の舞台裏(検証資料集)』YouTube運用研究会, 2020.
- ^ 松居サラ『方角記号と儀礼コメントの相関:渋谷実験ノート』渋谷大学出版部, 2020.
- ^ (タイトルが微妙に不一致の可能性あり)『悪くない指数・完全ガイドブック』アルゴリズム書房, pp. 1-320, 2018.
外部リンク
- 乱闘ヤー年表Wiki
- 合図テンプレ倉庫
- 悪くない指数集計局
- 凍結勝利論アーカイブ
- 切り抜き頒布倫理研究会