『18TRIP』
| タイトル | 18TRIP |
|---|---|
| 画像 | 18TRIP_jacket.png |
| 画像サイズ | 300px |
| ジャンル | 都市回遊ロールプレイング(協力型アドベンチャー/ハンティング要素) |
| 対応機種 | カイザーバス(携帯端末)/デスクトップ互換端末 |
| 開発元 | 株式会社オーバル航宙機構 |
| 発売元 | 内海メディア流通 |
| プロデューサー | 秋津海斗(あきつ かいと) |
| ディレクター | 渡辺精一郎(わたなべ せいいちろう) |
| シリーズ | TRIPシリーズ(第1作) |
『18TRIP』(英: 18TRIP、略称: 18TR)は、にのから発売された用。通称は「都市回遊系アドベンチャーロールプレイング」であり、の第1作目にあたる[1]。
概要/概説[編集]
『18TRIP』は、プレイヤーが「時間切符」を収集しながら、都市の地下回廊と地上商店街を往復することで“同じ場所を18回違う条件で巡る”ことを主眼としたである。制作側は本作を「冒険ゲームブックのデジタル同居型」と説明し、当時の販促資料では通称「18回分岐都市」とも呼ばれた[1]。
本作の成立経緯は、宇宙航宙教育用のシミュレータを転用した社内研究「TRIP-18計画」にあるとされる。オーバル航宙機構の技術資料では、18という数は宇宙食の“噛み心地プロファイル”を18段階に分けた試験結果から採られたと記されていたが、開発当時のインタビューでは「単に縁起が良かった」「18時の帰宅行動ログを学習した」など複数の説明が併存しており、真相の確定には至っていない[2]。
発売直後、の一部店舗では限定ステッカーが配布され、購入者が“切符を擦る回数”を競う謎のキャンペーンが自然発生した。結果として、ゲームの評価はシナリオの出来よりも、街歩きの動機付けやコミュニティ形成の面で先に注目されることになったと論じられている[3]。
ゲーム内容/ゲームシステム[編集]
ゲームシステムの特徴として、移動が段階的に制限される「縦横分割ルート」が採用されている。プレイヤーはまず地上エリアで目的地の座標を“宣言”し、その宣言が地下回廊では別の意味に変換される仕組みである。たとえば地上の座標(商店街の交差点)に対し、地下側では同じ座標が「温度」「音量」「匂い」へ変換されるため、攻略は地理ではなく“状況読解”へ寄っていくとされる[4]。
戦闘はハンティングアクション寄りで、敵は「TRIP生物」と呼ばれる亜種の群体として出現する。プレイヤーは弓や銃ではなく、都市設備を即席武器化する「配管改造器」を用いて攻撃する。武器の耐久は回数制(18回)で管理され、18回の“適合”を超えると火花ではなく街灯の点滅パターンが乱れる。この点は攻略ガイドでしばしば説明されるが、ゲーム内では実装理由が一切語られないまま放置されているという指摘もある[5]。
アイテムは「時間切符」「匂いメモリ」「騒音カートリッジ」「路面チップ」の4系統に大別される。特に時間切符は、プレイヤーの行動順に紐づき、同じ敵でも発見する順番でドロップが変わる。仕様として“全行動のうち正確に12.6%だけ成功する秘密調整”があるとされ、攻略コミュニティでは検証動画が2万本以上共有されたと報告されている[6]。ただし開発元は「乱数である」とのみ回答しており、数字の真偽は確定していない。
対戦モードとして「18分間往復合戦」が搭載された。これは相手プレイヤーの時間切符を“すれ違い条件”で妨害する仕組みで、協力プレイと対立が同時に発生する設計となっている。なお、オンライン対応は発売初期で不安定だったとされ、暫定パッチでは“都道府県単位の同期”へ切り替えたとも報じられた[7]。オフラインモードでは独自の敵AIが作動し、協力時とは別の生態系グラフが採用される。
ストーリー[編集]
ストーリーは「18TRIP司令室」から届く招集状で始まる。招集状の宛名は主人公の実名ではなく、プレイヤーが最初に登録した“好きな曲のイントロ秒数”である。このため、当時の実況動画では「自分のイントロ何秒?」「それ初期設定じゃない?」と混乱が起き、ゲームの導入が話題になった[8]。
舞台は架空の都市であり、地上の観光名所と地下回廊が“同じ路線図”で接続されている。物語の要点として、TRIP生物は本来「時間の迷子を食べる存在」とされるが、後半で司令室の目的が“迷子を減らすこと”ではなく“迷子を分類して保管すること”にすり替わっていると描写される。
第3章で、主人公は18枚目の時間切符を破り捨てる選択を迫られるとされる。選択肢の文言は「投棄」ではなく「返却」であり、直後に地下回廊の照明がわずか0.3秒だけ遅れる演出が入る。この“遅れ”がラスボスの本体現象と関連付けられるため、演出が伏線として機能する構造だと評価された[9]。
エンディングは3種類(完全回収/半回収/未回収)だが、半回収の条件が細かすぎるとされる。具体的には「依頼書の既読率が74%」「町内放送の聞き返し回数が2回」「地下湧水の誤飲が1回」など、プレイヤーの癖まで問われる。完成版の検証では、半回収に到達するプレイヤーは全体の8.1%程度と推計され、公式サイトは“達成率は測定していない”としつつ後日「推定値を出したスタッフがいた」と曖昧に認めた[10]。
登場キャラクター/登場人物[編集]
主人公は「無名の回遊者」と表記されるが、イベントでは“掌に浮かぶ刻印”の色によって立場が変わる。刻印の色は初期設定で、プレイヤーが最初に装備した「路面チップ」の材質によって決まるとされる[11]。仲間として同行するのは、情報屋のと、配管改造器の職人である。
鈴木紗霧は「街の匂い」を言語化する能力者で、戦闘では匂いメモリを“詩”として発火させる。久我堂ノイズは無口だが、会話テキストの行間にだけ笑える誤植が混ざる。初期ローカライズの段階で誤植が残り、後にファンの間では「ノイズの沈黙は翻訳事故が正義だった」という評価が定着したという[12]。
敵役は司令室の監査官。メトロは都市交通の監査を名目に、TRIP生物の“分類学的価値”を利用する。終盤では「あなたは救いではなく、管理の道具だ」と告げるとされるが、公式の台本にはその台詞の手直し履歴が複数残っており、どれが正式かは明確にされていない[13]。
また、重要な役割を担うのが「18TRIP生物」の群体である。回廊シンフォニーは声の形を変え、プレイヤーの歩幅に合わせてリズムを取り始める。対話は成立しないが、プレイヤーが立ち止まると“拍手”のような音が返ってくるため、会話不能の敵でありながら癖になる存在として知られた。
用語・世界観/設定[編集]
は、都市の配管網や交通広告の“読み取り残響”から発生するとされる。設定資料では、発生源は「人が2秒以上見つめた看板」とも「雨粒が3回弾んだ場所」とも書かれており、どちらが正しいのかは統一されていない[14]。
はプレイヤーの状態を“18スロット”に割り当てる鍵アイテムである。切符は物理カードとして見た目は同一だが、裏面のQRに紐づく暗号が別物である。さらに切符には刻印があり、1回の擦過で微細な文字が変化する。攻略班は変化速度を測定し、平均で「1擦過あたり14.2文字分の更新」が発生すると報告した[15]。
は、地上の移動方位と地下の移動方位が連動しない設計概念である。地上で北を向いていても地下では南が“危険方向”として処理されるため、プレイヤーは方位磁針に頼れない。公式チュートリアルでは「方位は嘘をつく」と説明されたとされるが、当時の動画ではチュートリアル音声が機種依存で欠落しており、噂だけが独り歩きした。
また、世界観の核としてが存在する。司令室は神浜市役所の地下にある“旧型放送局”だとされるが、建物の登記上は存在しないとされており、住民の間では「聞こえない放送局」という通称で呼ばれていた[16]。
開発/制作[編集]
開発はの社内プロジェクト「TRIP-18計画」から始まったとされる。最初の試作は携帯端末向けのナビゲーション用シミュレータであり、宇宙航宙教育の教材を街歩きに転用した経緯がある。プロデューサーの秋津海斗は「宇宙でも地球でも、人は迷う。なら迷いをゲームにするしかない」と述べたと記録されている[17]。
ディレクターの渡辺精一郎は、戦闘の即席武器化システムを“廃材マナー講座”から抽出したと主張している。資料によれば、当初武器耐久は無限にする予定だったが、社内の清掃担当が「無限は育たない」と一喝し、18回制になったとされる。最終的にはこのエピソードが半ば伝説化し、ファンが「清掃担当は実在するのか?」と検証するまでに至った[18]。
スタッフ構成は、ゲームデザインが稲垣理紗、シナリオが三浦カレン、戦闘AIが神田レイナ、ローカライズが福岡言語調整室(架空部門)であるとされる。なお、福岡言語調整室は実在の部門に見える名称であるが、社内登記の照会記録が残っておらず、編集者はしばしば「架空の役職を実在のように書く癖がある」と指摘している[19]。
音楽を担当したのはで、サウンドのコンセプトは「都市の呼吸音」であった。実装では、地下回廊の環境音を44100Hzで収録し、さらに小数点以下の位相揺れを数値化してパーカッションへ転換したという。なお、この“位相揺れ”の規格値は公式には公開されず、ファン解析では0.00013秒幅と推定された[20]。
音楽(サウンドトラック)[編集]
サウンドトラックは『18TRIP OST - 都市回廊の18拍』として発売された。曲調はジャズ寄りの反復と、環境音サンプリングを混ぜる構成が特徴である。特にエリア曲「神浜・第七交差点の黙祷」は、プレイヤーの歩数に応じてテンポが変わる隠し実装があるとされる[21]。
作曲者の海老澤トモミは、歌詞を持たないメロディにすることで“理解できない感情”を残したいと語ったとされる。一方で、公式ブックレットの対談には「歌詞がある」と記されており、担当者が会話を噛み合わせた結果だと推測されている[22]。
また、協力プレイ時には「合奏モード」が発動し、複数プレイヤーの行動リズムが一致すると特定の和音が鳴る。録音ではなく生成音として処理されるため、同じ曲でも毎回違いが出るとされ、配信者の間では“同調の運”が話題になった。サントラの売上が好調だったこともあり、後に派生イベントのBGMにも流用されたと報じられている[23]。
他機種版/移植版[編集]
発売から約1年後、カイザーバス向けに最適化した「18TRIP: Route18」がリリースされた。変更点はフレームレート制御の改善と、地下回廊のライト演出の補正である。これにより、初期版で発生していた“0.3秒遅れ”の個体差が縮小したとされる[24]。
その後、デスクトップ互換端末への移植では、セーブデータの互換を巡って論争が起きた。互換性は「完全に一致」と公式発表されたものの、実際には時間切符の暗号テーブルだけが別になっており、同じプレイヤーでも半回収エンディング条件が変動することが報告された[25]。
2029年にはクラウドストリーミング版が提供された。クラウド版では一部の環境音が圧縮されるため、“匂いメモリ詩”の発火タイミングがずれる問題が生じ、プレイヤーが苦戦したという。開発元は「雰囲気の問題」と説明したが、コミュニティは“仕様変更”として再計測を行った[26]。
評価(売上)[編集]
発売初週で国内販売が約42.7万本に達し、累計では同年末までに100.3万本を突破したと報じられた[27]。さらに北米向けのローカライズ販売は、同時期における都市探索ジャンルの中で最速の立ち上がりを記録したとされる。
日本ゲーム大賞では、審査員特別枠(都市回遊設計部門)を受賞したと説明されている。受賞理由として「歩行行動とゲーム状態の因果を、説明しすぎずに設計した点」が挙げられた[28]。一方で批評家は、説明不足により“儀式”のように見える箇所があるとして、プレイヤーの理解度に格差が出たとも論じた。
売上については、媒体ごとに数値が異なる。週刊誌側は「全世界累計120万本」と記したが、公式決算資料では「出荷ベースで118万本」とされ、さらに派生グッズ売上を含めると「総合売上で150万相当」とする解釈もあった。なお、公式は「数字は意味があるが、意味は一つではない」と曖昧に締めた[29]。
関連作品[編集]
TRIPシリーズの続編として、18TRIPの後日譚を扱う『18TRIP: 返却不能の夜』が2029年に発売された。内容は前作の“未回収”ルートを別角度で描くとされる。
また、メディアミックスとしてテレビアニメ化された『18TRIP - 交差点が語る』がある。アニメでは主人公の名前が明かされるが、ゲーム本編との整合性が取れていないとされ、ファンは「アニメは司令室の別編集」と呼んでいる[30]。
さらに、小説版『時間切符の作法』が出版された。小説では時間切符を“食べない”ことが強調されるが、ゲーム内には“誤飲”の演出が存在するため、両者が矛盾しているという指摘もある[31]。
関連商品(攻略本/書籍/その他の書籍)[編集]
攻略本『18TRIP 完全路面方位図(改訂版)』は、地上と地下の対応表をページごとに図示している。特徴として、座標を方位ではなく“匂いの級数”へ変換する手順が細かく掲載されており、読者は「これ地図じゃなく鑑定書では?」と評した[32]。
公式設定資料集『TRIP生物図鑑 第1巻』も発行され、回廊シンフォニーの“拍手音”の解析値(推定)として「平均拍間隔 0.612秒」が掲載された。なお、この数値はサウンド側の資料と不一致であると指摘されている[33]。
その他として、スマートフォン向け連動アプリ『18TRIP 刻印タイマー』が存在する。アプリは時間切符の擦過を通知するだけのはずが、実際には街中の広告をカメラで読み取らせる仕様が追加され、プライバシー面で軽い波紋を呼んだという。開発元は「撮影データは処理しない」と回答したが、利用者の端末にログが残ることが確認され、要望が出た[34]。
脚注[編集]
関連項目[編集]
脚注
- ^ 渡辺精一郎「TRIP-18計画における時間切符の暗号テーブル設計」『日本ゲーム開発年報』第34巻第2号, pp.12-48, 2030.
- ^ 秋津海斗「都市回遊を“説明せずに成立させる”設計原則」『インタラクティブ都市論叢』Vol.19, pp.201-233, 2029.
- ^ 鈴木紗霧「匂いメモリ詩の実装とプレイヤー行動」『サウンド×ゲーム研究』第8巻第1号, pp.55-88, 2031.
- ^ 神田レイナ「Hunting型AIにおける拍手音同期の確率モデル」『戦闘システムジャーナル』Vol.5, No.4, pp.77-109, 2030.
- ^ 三浦カレン「“返却”という語の物語機能—未回収ルートの言語学的分析」『物語工学レビュー』第12巻第3号, pp.301-326, 2031.
- ^ 海老澤トモミ「都市の呼吸音を生成する位相揺れ手法」『デジタル音響通信』Vol.42, Issue 1, pp.9-39, 2028.
- ^ 福岡言語調整室「ローカライズにおける誤植の意図的温存(仮説)」『翻訳実務紀要』第27巻第2号, pp.140-155, 2029.
- ^ M. A. Thornton「Routing without North: Misleading Orientation in Urban RPGs」『Proceedings of Imaginary Play Systems』Vol.7, pp.1-16, 2030.
- ^ K. Tanaka「The 0.3-second paradox: Timing-dependent cutscenes」『Journal of Game Empiricism』Vol.3, No.9, pp.88-103, 2029.
- ^ オーバル航宙機構『18TRIP Route18 仕様書(社内版)』内海メディア流通, 2029.
- ^ 内海メディア流通『都市回遊系RPGの経済学(第1版)』第2刷, 2030.
外部リンク
- 18TRIP 公式回遊掲示板
- TRIP生物図鑑アーカイブ
- オーバル航宙機構 開発日誌
- 神浜市・地下回廊のファンマップ
- 刻印タイマー 解析コミュニティ