4位赤星、はあ?
| 読み | よんいあかぼしはあ |
|---|---|
| 発生国 | 日本 |
| 発生年 | 1938年 |
| 創始者 | 赤星重蔵 |
| 競技形式 | 対話型採点競技 |
| 主要技術 | 順位判定、赤星投射、反問発声 |
| オリンピック | 非正式競技 |
4位赤星、はあ?(よんいあかぼし、はあ?、英: Fourth Red Star, Huh?)は、で生まれた、順位札と発声判定を用いるのスポーツ競技である[1]。もともとは周辺の倉庫労働者が即興的に行っていた順位確認遊戯に由来し、のちにによって公式化されたとされる[2]。
概要[編集]
は、四人から六人で行われるであり、各回に提示される順位札と赤星札をもとに、選手が「自分が何位にいるのか」を言語と身振りで争う競技である。得点は単純な順位だけでなく、他者の発言に対する即応性、赤星札の保持時間、審判の再確認要求への応答速度によって加算される。
この競技は初期ので、倉庫番と船員の間に広まった「いま何位だ」「はあ?」という掛け合いが競技化したものとされる。後年、の演芸場で上演されたことから一般化し、地方を中心に学校行事や町内会大会へと浸透した[3]。
歴史[編集]
起源[編集]
競技の起源は、第七码庫の荷役現場で、積み荷の優先順位を巡る口論を簡略化した遊びにあるとされる。記録によれば、荷札の色分けに赤い星印を付けたことから「赤星」が生まれ、誤認した者が「はあ?」と聞き返した瞬間の間合いが、のちの採点基準の核心になったという[4]。
創始者としては、元港湾事務員のがしばしば挙げられる。重蔵はの夜学で修得した速記法を応用し、順位を口頭ではなく短い定型句で伝える方式を考案したとされる。ただし、重蔵本人の履歴については一次資料が少なく、同名の荷受け台帳が存在するだけであるとの指摘もある[5]。
国際的普及[編集]
にはの興行師・が「赤星問答」として巡業化し、、、さらにへと輸出された。とくにの開催の前夜祭で、海外関係者が「4位なのに赤星とは何か」と誤解したことを契機に、競技名が英訳不能なまま国際記録に残ったとされる[6]。
その後、にがで設立され、アジア各国の大学サークルを中心に普及した。なお、同協会の加盟国一覧にはとが含まれているが、実際の活動報告は年1回のオンライン審査のみで、現地リーグの実在性については要出典とされている。
ルール[編集]
試合場[編集]
試合は×の長方形コートで行われる。床面には、中央の赤星円と四隅の順位台が設置され、各台にはからまでの番号灯が埋め込まれている。試合場の一辺にと呼ばれる審判補助席があり、選手の発声が不明瞭な場合にのみ使用される[7]。
公式試合では、コート上の照度がからに保たれる。これは赤星札の反射率が低く、照度が不足すると「はあ?」の声量評価が揺らぐためであるとされる。地方大会では体育館の蛍光灯を流用することが多く、そのため同じ試合でも地域によって赤星札の見え方が異なる。
試合時間[編集]
標準試合は3セット制で、各セットは30秒の実動時間との再確認時間からなる。選手は自陣の順位札を更新しながら、相手の「はあ?」を誘発し、審判が誤認を宣告した瞬間に赤星を獲得する。
延長戦は「赤星サドンデス」と呼ばれ、最初に3回連続で正しい順位を言い当てた側が勝利する。ただし、連続成功の間に一度でも観客席から拍手が起こると流れが切れるため、ベテラン選手は静かな会場を好む。
勝敗[編集]
勝敗は、獲得した赤星数と最終順位の複合点で決定される。4位で終わった者が必ずしも不利ではなく、むしろ「4位で赤星を保持した状態」を最も高く評価するため、タイトル名の由来になったとされる[8]。
なお、審判が「はあ?」を3回以上発した場合、相手側に心理優勢点が与えられる。これに対し、選手が無言で帽子を直すだけで応答した場合は「沈黙反撃」として別途0.5点が加算されるが、この規定はの改定で導入されたものである。
技術体系[編集]
競技技術は大きく、、の三系統に分かれる。順位読みは、相手の視線と足運びから次の順位変動を予測する技法で、の民俗スポーツ研究会はこれを「半歩先読み理論」と呼んでいる[9]。
赤星投射は、直径の赤星札を胸元または肩越しに掲げ、相手の視界に入る角度を調整する技術である。上級者は札を回転させて星の角度を変え、審判の視認を惑わせる。とりわけ系統の流派では、札を投げずに「落ちそうで落ちない」位置に保持する所作が重視される。
反問発声は、本競技の象徴的技術である。単なる「はあ?」ではなく、語尾の上げ下げ、間、唇の開き方によって8段階の評価があり、の音声分析ではの遅延が勝率を押し上げると報告された。ただし、この研究は被験者が全員演劇部員であったため、信頼性には議論がある。
用具[編集]
公式用具は、赤星札、順位台、記録笛、そして「聞き返し判定板」である。赤星札はに似た繊維を圧着した厚紙で、表面の赤い五芒星はの特殊印刷所でのみ製造されるとされる。製造ロットごとに星の角がわずかに異なり、熟練選手はその違いで相手の技量を見抜くという[10]。
記録笛は通常の笛と異なり、吹かれた際に審判席へだけ高周波が届く構造になっている。これにより、観客は静かなまま進行を見守ることができるが、全国大会では笛の鳴き声が会場のに吸われてしまい、しばしば誤審の原因になった。なお、補助用具として「赤星マフラー」が存在するが、これは防寒具ではなく、首元に掛けて順位札の落下を防ぐためのものである。
主な大会[編集]
最上位大会はであり、毎年ので開催される。優勝者には金色の星札と、副賞として「4位指定席」への優先入場権が与えられる。なお、優勝者が4位に座らされるという伝統はの大会運営ミスが起源とされるが、その後も慣例として継続されている。
国際大会としてはとが知られている。前者は、、を持ち回りで開催し、後者は競技研究発表と実演試合が同時に行われる珍しい大会である。とくにのローザンヌ大会では、会場案内板の英訳が「Fourth Star, What?」と誤記され、かえって観客動員がに増えたという[11]。
競技団体[編集]
統括団体はで、本部はの旧倉庫を改装した事務局に置かれている。会員数は時点で約とされ、学校部門、町内会部門、社会人部門、演芸部門に分かれて運営されている[12]。
国際組織としてがあり、ルール改定、審判講習、赤星札の規格統一を担当する。一方で、同協会は以降、年次総会の議事録を公開していないため、実務はの分科会が握っているとの見方もある。なお、同協会の「倫理規定」には『4位を過度に賞賛しないこと』という珍しい条文があるが、これは創設会合での長老の発言をそのまま成文化したものと伝えられる。
脚注[編集]
[1] 競技名の英訳については諸説ある。
[2] 赤星重蔵を創始者とする説は所蔵の未整理メモに基づくとされる。
[3] 町内会行事としての普及はに最盛期を迎えたとされる。
[4] 第七码庫の所在については異説もある。
[5] 同姓同名の人物が複数いた可能性が指摘されている。
[6] 国際大会での誤解が競技名の固定化に寄与したとする説がある。
[7] 聞き返し席の設置基準は地方団体によって異なる。
[8] 4位を重視する得点制度は改定で導入された。
[9] 半歩先読み理論は学術的には未確立である。
[10] 赤星札の製造元は毎回入札が行われるが、落札企業は公表されない。
[11] 会場案内板の誤記は記録映像にも残っているとされる。
[12] 連盟の会員数には休眠会員を含む。
関連項目[編集]
脚注
- ^ 赤星重文『港湾余興の成立と順位札文化』神戸港史研究会, 1989年, pp. 14-37.
- ^ 村井貞夫『赤星問答巡業記』関西芸能出版, 1961年, pp. 102-119.
- ^ Margaret A. Thornton, "Dialogic Scoring in Postwar Japan", Journal of Comparative Sport Studies, Vol. 18, No. 2, 1994, pp. 55-81.
- ^ 佐伯七郎『聞き返しの美学――4位赤星競技論』北辰書房, 1978年, pp. 9-64.
- ^ Kenji Morita, "On the Acoustic Valuation of 'Huh?' Responses", Proceedings of the Kyoto Colloquium on Folk Athletics, Vol. 7, No. 1, 2008, pp. 211-228.
- ^ 赤星協会編『公式規則 第12版』日本赤星競技連盟出版局, 2017年, pp. 3-29.
- ^ 中島光夫『赤星札の印刷技術と神戸港』姫路工芸研究, 第23巻第4号, 2001年, pp. 77-90.
- ^ Evelyn J. Cross, "The Fourth Place Phenomenon in Competitive Call-and-Response Sports", International Review of Unusual Games, Vol. 5, No. 3, 2019, pp. 1-26.
- ^ 渡辺精一郎『近畿圏における反問発声の民俗誌』大阪民俗大学出版会, 1999年, pp. 88-133.
- ^ 『第四星、はい? という競技の社会史』神戸現代文化叢書, 2012年, pp. 201-244.
外部リンク
- 日本赤星競技連盟
- 国際赤星協会
- 神戸港文化スポーツ資料室
- 全日本赤星選手権アーカイブ
- 近畿対話型競技研究会