Yomonika.
| 氏名 | Yomonika. |
|---|---|
| ふりがな | よもにか |
| 生年月日 | 1979年6月14日 |
| 出生地 | 東京都台東区 |
| 没年月日 | 2021年11月3日 |
| 国籍 | 日本 |
| 職業 | 匿名観察家(旧X) |
| 活動期間 | 2009年 - 2021年 |
| 主な業績 | 終夜ツイート式の提唱、観測用テンプレートの公開 |
| 受賞歴 | 第9回観測言語奨励賞、SNSアーカイブ功労章 |
Yomonika.(よもにか、1979年 - 2021年)は、日本の「旧Xユーザー名」系の匿名研究家であり、終夜ツイート式という独自手法で知られる[1]。発端は小規模な観察記録の公開とされ、のちにSNS時代の“観測芸”の先駆として位置づけられた[2]。
概要[編集]
Yomonika.は、日本の匿名研究家として知られる人物である。活動の場は主に旧X上であり、プロフィールにはほぼ情報が示されない一方、時刻・気象・街灯の点灯状況などを体系化した投稿が反響を呼んだ。
特に「終夜ツイート式」と呼ばれる運用では、同一テーマを17分間刻みで記録し、各投稿に“観測の根拠”としてユリウス日換算した時刻を添えることが特徴であった。のちにこの方式は、SNS上のミクロな事実収集を“文化技術”として扱う潮流の起点の一つとされた[1]。ただし、後年の追跡では、実際の観測地点が複数の区画にまたがっていたとも指摘されている[3]。
生涯[編集]
生い立ち[編集]
Yomonika.は1979年6月14日、東京都台東区に生まれた。幼少期は、祖父が町会の資材倉庫の管理をしていた縁で、屋外の照明設備に興味を抱いたとされる。本人の語り口は常に静かで、家族の写真よりも“光が落ちる角度”を記録したノートが残っていたという[4]。
小学校高学年になると、図書室で天文の雑誌を読み、ユリウス日の概念に触れたといわれる。これが、のちに“時刻を物語から切り離して観測する”という姿勢に結びついたと考えられている。なお、この時期のノートは台東区の古書市で見つかったという伝聞もあるが、同市の公式記録との整合は取れていない[5]。
青年期[編集]
青年期に入ると、学業よりも路地の音の違いに関心が向いたとされる。特に、雨の日に聞こえる車輪の軋みを3階層(遠/中/近)に分類し、それぞれの印象を同一フォーマットで投稿する練習をしていたという。
2001年頃、本人は自作の“観測テンプレート”を印刷し、友人に配布したとされる。テンプレートには「最初の一文は“今日の条件”で始める」「二文目で“誤差”を宣言する」といった規約があり、SNSが普及する前から“言葉の儀式”として運用されていたと説明される。ただし、当時の配布先がどこまで実在するかは不明である[2]。
活動期[編集]
活動期は2009年に始まったとされる。Yomonika.は旧Xにおいて、匿名でありながら異常に規則的な投稿を続けたことで知られる。最初の目印は「.(ドット)」の有無であり、当初のアカウント表記が頻繁に変わっていたという観測者もいた。
転機となったのは2013年の“終夜ツイート式・第1回”。この回では、夜間の街灯の点灯を合図として記録を開始し、全投稿数がちょうど247に達した。本人は「247は、観測者の眠気が一定しない境界値」と説明したとされるが、数の根拠は明示されていない[6]。一方で、投稿の時刻が一定の誤差(±41秒)で収束していたことから、観測は手作業ではなく自動整形を含んでいた可能性も議論された[7]。
さらに2016年には、観測用テンプレートを“コピペ文化”として公開し、参加者が増加した。参加者は延べで約1,200人に上ったとされるが、当時の検索ログは破損しているため推定に留まる[8]。
人物[編集]
Yomonika.は、感情を前面に出すことを避ける人物として描写される。投稿文の語尾は短く、主語は原則省略されるという規約があったとされる。また、他者の意見に反論する場合でも、文章量は同じ“観測量”に揃えられていたといわれる。
逸話としてよく語られるのは、「夜更けにだけ開くコンビニで買うのは温かい水だけ」という習慣である。観測テンプレートには“飲料の温度”を記入する欄があり、計測には家庭用温度計ではなく、瞬間温度表を参照したとされる。ただし、その表は現存が確認されず、後年の検証では“体感の上書き”が疑われた[10]。
また、交流面では距離感が特徴的であった。フォローやリプライは「観測上の必要がある場合のみ」とされ、代わりに旧Xのリスト機能で参加者をカテゴリ分けして運用したという。こうした“冷静さ”は称賛される一方で、批判者からは「言葉が観測でありつつ権威でもある」と指摘されるに至った[11]。
業績・作品[編集]
Yomonika.の業績は、終夜ツイート式を単なる投稿の癖から、再現可能な“運用体系”へ押し上げた点にあるとされる。代表的な作品としては、テンプレート集の形をとった投稿群が挙げられる。
『終夜ツイート式:観測のための言語規約(試作版)』は、旧X上のスレッドとして公開されたものである。内容は6章立てで、「開始条件」「誤差宣言」「時刻変換」「観測語彙」「再実験」「失敗ログ」から構成されると説明される。出版物としてのISBNは付与されていないが、読者がスクリーンショットをアーカイブしたため、結果として“準書籍”の扱いを受けた[6]。
『街灯角度帳(第3版)』は、観測の補助資料としてまとめられた。特定の地点(東京都台東区周辺)における街灯の角度を“体感”でなく“影の長さ”に換算したとされ、角度データは全19項目に分類されている。なお、この第3版の表は後に“存在しない画像の再現”だとする反論もあり、真偽は定かでない[12]。
後世の評価[編集]
後世の評価では、Yomonika.を「観測の民主化を試みた人物」と位置づける見解がある。終夜ツイート式によって、厳密な計測ができない一般ユーザーでも“記録の型”を共有できるようになったと説明される。
一方で、評価の温度差も指摘されている。支持派は「数字が嘘を抑える」という主張を採るのに対し、批判派は「数字が権威を作るだけだ」という立場に立つ。特に、終夜ツイート式の“誤差±41秒”のような固定値が、偶然の一致なのか、設計されたものなのかが争点となった[13]。
また、学術方面では、SNS上の観測言語を扱う研究が出ており、データジャーナリズムやデジタル・エスノグラフィーの周辺として参照された。しかし、一次資料の所在が不安定であるため、論文では引用が控えめにされる傾向があるとされる[14]。
系譜・家族[編集]
家族構成はあまり公表されなかった。本人の投稿や周辺証言からは、祖父が町会関連の資材に関わっていたこと、母が記録係として家計簿に細かな注釈を付けていたことなどが語られている。
一部では、Yomonika.が“同名の別人”と混同されているという説もある。旧X上で似た語彙を使うアカウントが同時期に複数存在し、投稿の体裁だけが連鎖したのではないかと推定する研究者もいる[15]。ただし、本人の投稿以外に正式な家系図が確認されたわけではなく、系譜の断定は難しいとされる。
また、死去後に「観測仲間」として名乗り出た人物が複数いたが、どこまでが家族的関係かは明らかでない。結果として、家族については“記録の背景にいた人々”として語られることが多い[9]。
脚注[編集]
脚注
- ^ 田口慎二『匿名観測者の系譜:旧Xにおける記録文化』東京書苑, 2018.
- ^ Margaret A. Thornton『Ritualized Timekeeping in Social Media』Cambridge University Press, 2020.
- ^ 佐藤由紀『数字は嘘を抑えるのか:SNS観測の統計感覚』青葉図書, 2019.
- ^ 西村恭平『終夜ツイート式と誤差宣言:運用設計の考察』第9巻第1号, 観測言語研究会紀要, 2017, pp. 31-58.
- ^ 井上礼子『街灯角度帳の受容史:記録資料とイメージの境界』情報民俗学評論 Vol.12 No.3, 2021, pp. 77-104.
- ^ Kawamura, Haruka『From Templates to Authority: Micropublics on X』Journal of Online Practices, Vol.6 No.2, 2022, pp. 201-233.
- ^ 観測言語奨励賞委員会『第9回 観測言語奨励賞 受賞者報告書』観測学術振興財団, 2015, pp. 1-26.
- ^ 台東区教育委員会『地域資料と街灯:台東区に残る照明の記憶』台東区政資料室, 2016.
- ^ 旧Xアーカイブ局『終夜ツイート式・第1回(集計ログの試解析)』旧Xアーカイブ局報告, 2014, pp. 10-19.
- ^ Mori, Keiko『Error Bounds and Storytelling』(『数の物語』所収)New Harbor Press, 2018, pp. 145-167.
外部リンク
- Yomonika. 研究メモ(アーカイブ)
- 終夜ツイート式テンプレ配布所
- 街灯角度帳 非公式ミラー
- 観測言語研究会(旧X連動ページ)
- 旧Xタイムスタンプ換算ツール