ごまだんご滑り台
| 分類 | 滑り台型の都市伝説(怪談・妖怪の一種とされる) |
|---|---|
| 出没地 | 主に公園・児童遊園(全国に広まったとされる) |
| 特徴 | ごま団子の匂い/油膜/金属音のような嗚咽 |
| 被害の型 | 転倒・滑落・夜間不眠(恐怖による二次被害を含む) |
| 対処法(伝承) | 砂を撒き、名前を呼ばないことが推奨されるとされる |
ごまだんご滑り台(ごまだんごすべりだい)は、の都市伝説の一種である[1]。噂では、滑り台の表面にの油膜のようなものが広がり、子供の霊が「次の一人」を誘うという怪奇譚として語られている[2]。
概要[編集]
とは、地方の公園に「いつの間にか」設置され、いつの間にか消えるとされる都市伝説の総称である[1]。
噂では、滑り台の欄干がまるで菓子の表面のようにテカテカし、近づくほど不気味な甘い匂いが強まるという[2]。さらに、子供の霊が遊具の下から手招きする姿が目撃されたという目撃談が、全国に広まったとされる[3]。
怪談としては、危険。事故多発。子供の霊が出る、という方向性で語られることが多く、学校や自治会の注意喚起のネタにもされてきたとされる[4]。
歴史[編集]
起源(という話)[編集]
起源は、昭和後期の「団子塗り」遊具改修構想に遡る、と言われている[5]。当時、の一部で子供の指先の乾燥を防ぐ目的として、滑り台の手すりに米糠と油を混ぜた保湿材を塗る試験が行われたとされるが、その副産物として「ごまだんご状の粘り」が発生したという話がある[6]。
この粘りが、油膜のように薄く広がり、転倒事故が相次いだとされる[7]。その後、事故の調査を担当したとされるの児童安全監視局は「原因不明の滑走現象」とだけ記録し、詳細を伏せた、と伝えられている[8]。
また、事故現場に近い神社の古い札に「滑り台は誘うものではない」と読める文言が刻まれていたという伝承もあり、「そこに残った子供の感情が、匂いと油膜に吸い寄せられた」と解釈された、とされる[9]。
流布の経緯(噂の拡散)[編集]
「ごまだんご滑り台」という名称が全国的に知られるきっかけは、1998年の冬、の小学校で撮影されたとされる心霊写真の拡散にあると言われている[10]。写真には、滑り台の影が団子の串のように伸び、下から手が出ているように見えたという[11]。
その直後、の地方窓口では「危険な遊具がある」とする相談が同月中に約312件寄せられた、と噂される[12]。ただし実際の統計は公開されていないため、数値は伝承側の誇張と見られる一方、「相談が“数字ごと”語られる」点が都市伝説のリアリティを強めたと指摘されている[13]。
さらに、掲示板で「滑り台を一度すべると、次の夜に“名前を呼ばれる”」といった対処法が流れ、全国に広まったとされる[14]。
噂に見る「人物像」/伝承の内容[編集]
この都市伝説では、滑り台に宿る存在は「子供の霊」と呼ばれ、姿は見えにくいが“匂い”と“滑り”で確かめられるとされる[15]。
伝承によれば、出没は夕方の気温が急に下がる時間帯に偏るという。目撃された/目撃談では、滑り台の表面が一瞬だけ白く曇り、次にの香りが強くなると描写される[16]。その直後、遊具の下からかすかな金属音のような嗚咽が聞こえ、「まだ滑れるよ」と言われたように感じる、と語られてきた[17]。
また、「子供の霊は“呼ばれる子”を選ぶ」とも言われている。噂の中には、実際に現場で子供が転倒した直後、周囲の大人が名前を呼んだためにパニックが連鎖した、という話があり、恐怖が連鎖するとされる[18]。
委細と派生/派生バリエーション[編集]
滑走パターンと“転倒の型”[編集]
派生では、転倒の型が細かく分類される傾向がある。例として「右肩から落ちるタイプ」「靴底だけが先に滑るタイプ」「すべり終わるのに3秒以上かかるタイプ」などが挙げられ、言い伝えでは平均所要時間が“7.3秒”だったとする集計記事が回覧されたとされる[19]。
この数値が独り歩きした結果、「7.3秒を超えたら、すでに追従されている」と解釈され、学校の避難訓練に“遊具を避ける”項目が増えた、と語る者もいる[20]。ただし、その訓練記録が現存するかは不明とされる一方、噂の“計測感”が説得力を生んだとみられている[21]。
呼称のゆらぎ[編集]
ごまだんご滑り台は、地域によって別名でも語られている。たとえばでは「黒ごま呼び台」、では「白餡の滑り台」と呼ばれた、という伝承がある[22]。また、滑り台が消える現象が強調される場合は「消え滑り」とも言われる[23]。
さらに、噂の中には「滑り台そのものが“食べ物の形をした影”である」とする説があり、正体を単なる事故とは見なさない解釈が広がっているとされる[24]。このため、同じ公園でも語り部の立場により、妖怪として扱われたり、怪談としてのみ扱われたりする。
噂にみる「対処法」[編集]
対処法は、恐怖を増幅させないための“儀礼”として語られることが多い。第一に、滑り台に近づく前に砂を撒くべきだとされる。砂は油膜を“吸う”ため、滑走感が弱まると説明される[25]。
第二に、子供の霊に対して名前を呼ばないことが推奨される。噂では、呼ばれた瞬間に「呼ばれ返し」が起き、翌日から夢の中で遊具が出現する、と言われている[26]。実際の目撃談として「親が“ほら、○○ちゃん!”と叫んだら、周辺の子が同時に振り向いた」とする話があり、パニックの連鎖が強調される[27]。
第三に、夜間は現場へ戻らないことが求められる。言い伝えでは、二度目の訪問時に滑り台の色が“ごまだんごの焦げ色”に変わり、不気味な甘い匂いが残るとされる[28]。
社会的影響[編集]
この都市伝説は、事故多発を想起させるため、遊具の安全点検に影響したとされる。自治体によっては、滑り台の表面に異物が付着していないかを確認する点検項目が増えたという噂がある[29]。
また、学校の怪談として扱われることで、子供たちの遊びの場が変化したとも言われる。休み時間に「ごまの匂いがしたら近づくな」といった暗黙のルールができ、逆に“確かめたがる子”が増えたという指摘もある[30]。
一方で、過剰な警戒が逆効果になった例として、「怖くて遊具を使わなくなり、運動不足が増えた」とする保護者の声が出た、と噂される[31]。もっとも、これらは地域差が大きく、ブームとしての面もあったと見られている[32]。
文化・メディアでの扱い[編集]
マスメディアでは、怪談特集やローカル番組の検証コーナーとして取り上げられることがある。たとえば、深夜帯の特番で「滑り台の匂い成分を分析した」とする企画が放送された、と語られている[33]。
番組内では、甘い香りがする理由として「油性成分にが混入した可能性」が示唆されたとされるが、同時に「子供の霊が関与したとしか説明できない記録映像がある」とナレーションされた、という噂がある[34]。このように、起源の説明は科学寄りに見せつつ、最後に恐怖へ着地する構成が定番化したと指摘されている[35]。
また、インターネットでは創作が加速し、「滑り台を歌うと霊が踊る」「ごまだんごを供えると消える」といった二次創作が増えたとされる[36]。ただし、危険を煽る方向の投稿も混じり、自治体が注意喚起を出したという話もある[37]。
脚注[編集]
参考文献[編集]
※すべて架空の文献である。
[1] 佐伯楓『滑り台の怪奇譚と油膜説:都市伝説の統計的読解』中央夜話出版社, 2001.
[2] 霧島緑『匂いで来る妖怪:接触型怪談の記述様式』春陽学芸社, 2006.
[3] 黒瀬紗良『公園の下から聞こえる声:全国目撃談の照合』青嵐書房, 2010.
[4] 山根一馬『自治会が恐れる“学校の怪談”:注意喚起文の変遷』地域防災研究会, 2013.
[5] 鈴木正矩『昭和児童遊具と保湿材の試験記録(未刊稿)』遊具史資料館, 1995.
[6] 田中真澄『食品香気の転写と接触事故:いわゆる団子塗りの検証』日本香粧科学会誌, Vol.12第3号, pp.44-58, 1999.
[7] 森川澄人『転倒事故と“滑走時間”の経験則:7.3秒の系譜』安全工学研究, 第7巻第1号, pp.101-119, 2004.
[8] 児童安全監視局『地方記録集:原因不明の滑走事象(抜粋)』厚生資料編纂局, 1987.
[9] 菅原光『神社札の文言と記憶の継承:都市伝説の語彙論』比較民俗学会紀要, Vol.28, pp.210-233, 2012.
[10] Nguyen, T.『Urban Legends in Winter Nightscapes: Evidence of Handcall Echoes』Journal of Folkloric Media, Vol.5 No.2, pp.77-91, 2002.
[11] 渡瀬和希『写真の影が伸びるとき:心霊画像の編集分析』映像怪談研究所, 2008.
[12] 徳永涼介『相談件数は真実か:怪談ブーム時の行政応答の言語』日本行政語用論叢, Vol.19第4号, pp.1-20, 2016.
[13] Kameda, R.『Quantification and Credibility in Ghost Narratives』International Review of Urban Myth, Vol.11, pp.33-52, 2014.
[14] 大谷由紀『インターネットの文化化:対処法テンプレートの拡散』メディア民俗学研究, 第3巻第2号, pp.55-73, 2018.
[15] 「黒ごま呼び台」口述資料(筆者不詳)『愛知湾岸の怪談録』編者不明, pp.12-19, 2007.
[16] 北村玲『音と匂いの二重誘導:出没描写の心理学』東北心理怪異学会, 2005.
[17] Evans, M.『Metallic Weeping and Sliding Apparitions』Folklore Acoustics, Vol.2 No.1, pp.9-24, 2009.(邦訳監修名が誤記されているとされる)
[18] 田辺真理『恐怖の連鎖:目撃談の場面転換分析』怪談学通信, 第1号, pp.60-81, 2020.
関連項目[編集]
脚注
- ^ 佐伯楓『滑り台の怪奇譚と油膜説:都市伝説の統計的読解』中央夜話出版社, 2001.
- ^ 霧島緑『匂いで来る妖怪:接触型怪談の記述様式』春陽学芸社, 2006.
- ^ 黒瀬紗良『公園の下から聞こえる声:全国目撃談の照合』青嵐書房, 2010.
- ^ 山根一馬『自治会が恐れる“学校の怪談”:注意喚起文の変遷』地域防災研究会, 2013.
- ^ 鈴木正矩『昭和児童遊具と保湿材の試験記録(未刊稿)』遊具史資料館, 1995.
- ^ 田中真澄『食品香気の転写と接触事故:いわゆる団子塗りの検証』日本香粧科学会誌 Vol.12第3号 pp.44-58, 1999.
- ^ 森川澄人『転倒事故と“滑走時間”の経験則:7.3秒の系譜』安全工学研究 第7巻第1号 pp.101-119, 2004.
- ^ Nguyen, T.『Urban Legends in Winter Nightscapes: Evidence of Handcall Echoes』Journal of Folkloric Media Vol.5 No.2 pp.77-91, 2002.
- ^ 渡瀬和希『写真の影が伸びるとき:心霊画像の編集分析』映像怪談研究所, 2008.
- ^ Kameda, R.『Quantification and Credibility in Ghost Narratives』International Review of Urban Myth Vol.11 pp.33-52, 2014.
外部リンク
- 公園怪談アーカイブ
- 夜間目撃談データベース
- 自治会向け注意喚起テンプレ倉庫
- 匂いと霊の照合ラボ
- 都市伝説検証Wiki(噂まとめ)