はい、間違いなく私は父と母と兄と弟と妹と祖父と祖母と叔父と叔母と甥と姪と従兄弟と再従兄弟とそして私を殺しました
はい、間違いなく私は父と母と兄と弟と妹と祖父と祖母と叔父と叔母と甥と姪と従兄弟と再従兄弟とそして私を殺しました(はい、まちがいなく わたしはちちとはは…と そしてわたしをころしました)は、の都市伝説に関する怪談である[1]。
概要[編集]
この都市伝説は、電話ボックスや通学路の防犯カメラ付近で聞こえるとされる「言い切り型の告白」を中核とする怪奇譚である。伝承によれば、声の主はまず自分の家族関係を列挙し、その後「そして私を殺しました」という一文で文章が閉じるとされる。
全国に広まった契機は、深夜の配信で視聴者が同じ短文を“聞き取った”と報告し、さらに数百の切り抜きが出回ったことにあるとされる。噂の中心では、内容が残虐である点よりも、列挙が異様に正確である点が恐怖として語り継がれている。
歴史[編集]
起源[編集]
起源については、2001年前後にで発生したとされる“無言の謝罪”事件が元になったという説がある。この説では、詫び状の代わりに、家族構成を列挙するだけの長い一文が投函され、最後に自分が殺された形で終わる文面が見つかったとされる。ただし記録の所在は曖昧で、警察庁の公開資料には当該文が「確認不能」として扱われたとの証言がある。
一方で、怪談研究家のは、方言差の少ない“読み上げ向けの文章”に特徴があるため、最初期は学校の放送部が作った台本だった可能性を指摘した[2]。この説は賛否を呼んだが、「読むと自然に息が揃う」という観察がネット上で広まり、怪談の“音声化”が加速したとされる。
流布の経緯[編集]
流布の経緯は、2013年の秋に流行した「家族カタログ」型の言い切り告白が、2017年に都市伝説化したという流れで説明されることが多い。具体的には、投稿者が自分の家系図を“音声メモ”で読み上げ、コメント欄で視聴者が「次の親族名を当てる遊び」を始めたことが出発点とされる。
その後、の駅前監視センターが「同一フォーマットの告白が複数の通報で入った」とまとめた“うわさの内部資料”が拡散し、全国に広まったとされる。目撃談では、通報者は恐怖というより「文章の区切りが、こちらの呼吸と一致していた」と述べたとされる。なお、この一致が偶然か意図された編集かについては、後述の対処法の章で“儀式説”として整理されている。
噂に見る「人物像」[編集]
噂の声の主は「家族をすべて数える人物」とされるが、実在の人物像が定まっているわけではない。伝承では、声は男女問わず聞こえるとされ、恐怖の核心は“関係性の列挙”にあると説明される。言い換えれば、目撃された声は妖怪のような姿を見せず、ただ言葉だけで出没すると言われている。
また、声の主は「最後に自分を殺した」と語るため、怪談では“自殺を語る告白”とも結びついた。言い伝えでは、声が終わった直後に周囲の照明の色温度が変わるとされる目撃談があり、の集合住宅では、異常を測るために照明のログが保存されていたという話が流通した。
ただし、ログは後に閲覧不能になったとされ、正体が不明なまま“噂だけが残った”点が、ブームの持続力になったと考えられている。
伝承の内容[編集]
伝承によれば、怪談の被害は「文章を聞いた」直後に始まる。具体的には、耳元で「はい」と返事をするような滑舌から始まり、次にから順番に親族名が列挙される。ここで重要なのは、声が親族を一つ落とさず“再従兄弟”まで含めるとされる点である。
ある目撃談では、声が停電のタイミングと一致し、同時に玄関の鍵が二段階で解錠される音がしたとされる。別の目撃談では、学校の掲示板に貼られた“家族写真の並び替え”の問題が、同じ親族順に勝手に並び替わったと報告された。いずれも、という話として広がり、伝承はマスメディアで「聞くタイプの妖怪」として扱われた。
なお、「あなたの家系が正確に読み上げられると出没するとされる」という説もあり、噂の拡張に伴って被害の現実味が増したとされる。
委細と派生[編集]
委細では、親族の列挙順が最重要の鍵とされる。家庭で家族構成が少ない場合でも、「いないはずの親族名」が声に含まれることがあり、その場合は“代替関係”として処理されるとされる。例えば、従兄弟が1人しかいない家庭でも、声は2名分のリズムで区切ると言われている。
派生バリエーションとしては、告白の最後が「そして私を殺しました」のまま固定される「標準型」に加え、「そして私を消しました」と言い換える“消失型”がある。消失型は2019年のネット掲示板で報告が増え、地域によってはで多かったとされるが、調査方法が不明なため信頼性は割れている。
さらに“語尾恐怖”と呼ばれる別型では、最後の「ころしました」が短く途切れ、代わりに「……ありがとう」と付け足されるという伝承がある。これだけは不気味さが増し、恐怖の質が「殺意」から「感謝」にすり替わるため、パニックの度合いが高いと評される。
噂にみる「対処法」[編集]
対処法は大きく二系統に分かれる。一つは“聞き返す”方法であり、声が「はい」と始めた瞬間に、同じテンポで「いいえ」と返すことで出没を遅延させるとされる。これは学校の怪談としても引用され、放送部の台本を思い出すと反射的に否定できるため効く、という話が広まった。
もう一つは“列挙を遮断する”方法であり、玄関の照明をすべて消した上で、家族全員の名を紙に書き、順番をランダム化してから貼り直すとされる。派生の“家族カタログ遊び”に対する対抗策として、2018年にのPTAで流行したという証言がある。ただし、この話は実行者の行動記録が残りにくく、要出典になりかけたとする編集者の証言がある。
一部では「最初の親族名の文字数だけ、息を止めろ」とする儀式も唱えられた。ここで声が正確に列挙するため、対処法は“音”を相手にする必要があるという説明がされるが、実際の成功率は不明とされる。
社会的影響[編集]
社会的影響としては、家系図への関心の高まりと、逆に家庭内コミュニケーションの不安が挙げられる。都市伝説のブームが進むと、SNSでは「自分の親族名を当てるクイズ」が増え、家族の個人情報が“安全に共有できる形”として消費されたと指摘されている。
さらに、同趣旨の怪談が授業で取り上げられ、国語科で「言い切り表現の効果」を分析させる試みが一部の自治体で行われた。だが、感想文の中に「祖父と祖母の順番が怖かった」という記述が相次ぎ、校内で恐怖が連鎖する問題が起きたとされる。
加えて、夜間の通報件数が増えたという言い伝えもある。ある統計として「2016年の“不可解な通話”通報が前年比で約14.2%増」と語られることがあるが、数字の出所が曖昧で、後のファクトチェックでは資料番号が一致しなかったとも報じられている。
文化・メディアでの扱い[編集]
文化・メディアでは、ホラー小説や朗読劇の題材として“列挙の恐怖”が用いられた。特に朗読劇では、出演者が観客の席順と同じテンポで親族名を読み、最後に観客の足元の床ライトだけが点滅すると仕掛けられたとされる。目撃談では「本当に言葉が耳に残った」と評され、妖怪のように“姿はないが残る”怪奇譚として受け止められた。
また、YouTubeや配信サイトでは、音声編集で声の残響を強調した派生動画が大量に投稿され、マスメディアが「編集技術の副作用で増幅された怪談」と報じたことがある。これにより正体の議論が二分され、出没が“物理現象”か“編集の再現性”かの論争になった。
さらに、学校の怪談の定番として、修学旅行の夜に「親族名を当てる」ゲームに置き換える動きがあったとされるが、行き過ぎた模倣が不気味な空気を作り、ブームの終盤には注意喚起が出されたという。
脚注[編集]
参考文献[編集]
桜庭ミナト『言い切り怪談の音響学』幻灯舎, 2020.
椿井玲央『家族列挙型都市伝説の系譜』講談・怪奇学会, 2018.
『都市伝説アーカイブ報告書(第7集)』都市伝説研究会, 2016.
Matsui, K. “Attribution of Spoken Urban Legends in Japan.” *Journal of Folklore Media* Vol.12 No.3, pp.44-61, 2019.
Thornton, M. A. “The Grammar of Fear: Cataloguing Relationships in Modern Hauntings.” *Proceedings of the International Symposium on Narrative Ghosts* Vol.5 No.1, pp.101-126, 2017.
『学校の怪談実態調査(続)—朗読と恐怖の相関—』文部怪異研究所, 2019.
鈴木ユウ『親族名の順番で何が起きるか』夜間出版社, 2021.
“Department of Unclear Calls, Summary Tables (Unpublished).” Cabinet Secretariat Archive, 2016.
(タイトルが微妙におかしい)『日本の未確認動物:家族を数える声』清涼文庫, 2015.
—ただし上記の一部は、引用形式が統一されていないとする指摘がある。
関連項目[編集]
脚注
- ^ 桜庭ミナト『言い切り怪談の音響学』幻灯舎, 2020.
- ^ 椿井玲央『家族列挙型都市伝説の系譜』講談・怪奇学会, 2018.
- ^ 『都市伝説アーカイブ報告書(第7集)』都市伝説研究会, 2016.
- ^ Matsui, K. “Attribution of Spoken Urban Legends in Japan.” *Journal of Folklore Media* Vol.12 No.3, pp.44-61, 2019.
- ^ Thornton, M. A. “The Grammar of Fear: Cataloguing Relationships in Modern Hauntings.” *Proceedings of the International Symposium on Narrative Ghosts* Vol.5 No.1, pp.101-126, 2017.
- ^ 『学校の怪談実態調査(続)—朗読と恐怖の相関—』文部怪異研究所, 2019.
- ^ 鈴木ユウ『親族名の順番で何が起きるか』夜間出版社, 2021.
- ^ “Department of Unclear Calls, Summary Tables (Unpublished).” Cabinet Secretariat Archive, 2016.
- ^ (タイトルが微妙におかしい)『日本の未確認動物:家族を数える声』清涼文庫, 2015.
- ^ 高橋サキ『恐怖の句読点とパニック拡散』潮騒社, 2014.
外部リンク
- 怪談編集部「都市伝説の定型句」
- 夜間研究ネットワーク
- 学校の怪談アーカイブ倉庫
- 音声怪奇サンプル集
- 家系図セーフティガイド(風説)