イオンレイクタウン小鹿
| 名称 | イオンレイクタウン小鹿 |
|---|---|
| 種類 | 複合商業施設(湖畔型モール) |
| 所在地 | |
| 設立 | (開業) |
| 高さ | 最大 38.6 m |
| 構造 | 鉄骨造(一部免震)・ガラスドーム |
| 設計者 | 株式会社伊豆臨海設計共同体(通称:I-RAC) |
イオンレイクタウン小鹿(いおんれいくたうん おしか、英: Aeon Lake Town Oshika)は、にある[1]。現在では、人工湖を中心とした回遊導線と、地域防災を兼ねた“水面循環型”空調で知られている[1]。
概要[編集]
イオンレイクタウン小鹿は、静岡市北西部の丘陵に所在する複合商業施設である。施設は人工湖を核に、買い回り導線と滞留空間を一体化させた設計として知られている。
周辺には、かつてスマートIC周辺にあったとされる大型物流転用跡地があり、本施設はその“空白”を埋める形で計画されたとされる。ただし計画当初から、通常のモールではなく「水害時の避難兼用空間」を前提に置いた点が特徴とされる。
現在では、施設内の気流制御が“湖面からの逆噴流を利用する”と説明されることが多い。もっとも、この説明がどこまで工学的に厳密かについては議論が残っている。
名称[編集]
「イオンレイクタウン小鹿」の名称は、運営母体の商標に加え、敷地内の景観要素である“レイク(湖)”と、旧地名に由来する「小鹿」によって構成されたとされる。
「小鹿」は、明治期に開墾された細長い谷筋が、遠目に鹿の首の形へ見えたことから仮に呼ばれていたという伝承に由来する。市史編纂担当のが資料調査した結果、少なくとも大正期の地籍図には「小鹿畑」との記載があるとされる[2]。
一方で、「レイクタウン」は海外のウォーターフロント開発を参照したとして、当時の企画担当であるの部会議事録に登場することが確認されている。ただし、議事録の一部は「誤記」として差し替えられたという指摘もある。
沿革/歴史[編集]
建設計画はに始まったとされ、当初の想定は「普通の大型店」だった。しかし、敷地が地下水位の影響を受けやすい地形であったことが判明し、最終的に“水との共生”をコンセプトに転換されたと説明されている。
転換の契機として、が実施した試験が挙げられる。同試験場は、施設予定地周辺における降雨時の地下流速を、1時間あたり平均0.014 m/sと推定したという[3]。これに基づき、湖面を介した水の滞留を設計へ組み込む方針が採用されたとされる。
さらに、計画は「地域の防災拠点として機能すること」を条件に、国の補助制度へ申請された。採択の鍵になったのが、避難導線の床材に含まれる“濡れた状態で滑りにくい微粒子”であるとして、審査で配点されたという逸話が残っている。ただし、微粒子の正体は公表されず、社内で「ブルー・セラミクル」とだけ呼ばれていたとされる。
開業はである。開業初月の来館者数は「約1,146,200人」とされ、日次では月曜日が最少で約33,800人、土曜日が最多で約56,900人となったと報告された[4]。この“最小・最大の差”があまりに綺麗なため、統計調整を疑う声が出たことも事実として扱われている。
施設[編集]
イオンレイクタウン小鹿は、湖畔に沿って商業棟が段階的に配置されるレイアウトが採用されている。中心部にはガラスドーム状の「水面回廊」があり、ここが施設の象徴として扱われている。
商業ゾーンは大きく4系統に分けられるとされる。すなわち、(1)湖面を見下ろすダイニング帯、(2)子育て支援を前面に出したファミリーモール、(3)工具・日用品を集めたライフスタイル棟、(4)夜間利用を想定したナイト・マーケット広場である。
さらに“水循環型空調”と称される設備があり、湖の水位変動をセンサーで捉え、空気の温湿度を調整する方式が採用されたとされる。なお、この方式はの論文に引用されたことがあるが、元となったデータの一部が未公開である点が問題視されたとされる[5]。
景観面では、湖に落ちる照明を「星屑反射」と呼ぶ演出が採用され、来館者の写真撮影が促されるよう導線が設計されている。これは初期段階で「撮影者が増えるほど滞留が延び、結果として売上効率が上がる」ことを想定したと説明されている。
交通アクセス[編集]
交通アクセスは、最寄りの路線バスと、敷地外周を迂回するシャトル運行で構成されている。施設の玄関口からバス停まで徒歩約7分とされ、実測では6分台に収まったとする利用者報告もある。
また、車利用ではスマートICから「約3.2 km」と掲示されている。もっとも、建設時の測量では距離が3.18 km、3.24 kmの2案が併記され、最終的に丸めが行われたという。交通計画担当のは、丸めの理由を「ナビ精度のばらつきに合わせるため」と説明している。
敷地内の駐車は平面と立体の混合で、区画数は「約2,840台」とされる。内訳は普通車2,610台、軽自動車170台、バス20台、身障者用40台であるとされるが、開業後に改修で増減したとの噂もある。
文化財[編集]
イオンレイクタウン小鹿は文化財としての性格を持つわけではないが、関連する“登録物件”が複数存在するとされる。具体的には、湖畔に残された旧基礎杭の一部が「景観遺構」として扱われ、敷地内の展示スペースに転用されたという経緯がある。
とくに注目されるのが「小鹿の水理図屏風」と呼ばれる展示である。これは、施設建設の際に発掘された古い測量帳票を模した大型パネルで、当初はテナント向け研修資料だったものが、来館者向けに再編集されたとされる[6]。
さらに、施設の夜間照明は、地元の光害対策団体と協議された結果として、点灯パターンが段階化されたと説明されている。ただし、協議記録の公開範囲は限定的であり、照明計画の一次資料に関しては「企業秘密」とされた部分があるとされる。
脚注[編集]
関連項目[編集]
脚注
- ^ 【静岡市役所】『静岡市地籍図資料集(小鹿畑編)』静岡市役所, 1997.
- ^ 【都市景観開発局】『水辺型商業施設の名称設計ガイド』日本都市計画協会, 2006.
- ^ 【静岡県工業試験場】『地下流速推定報告(第2次)』静岡県工業試験場, 2004.
- ^ 【イオンレイクタウン小鹿】『開業初月来館者動向(速報)』社内報告書, 2009.
- ^ K. Nakamura, “Lake-Interface HVAC Control in Suburban Retail Complexes,” 『Journal of Applied Comfort Engineering』, Vol.12, No.3, pp.41-58, 2011.
- ^ M. Thornton, “Retail Urbanism and Evacuation-Integrated Public Space,” 『International Review of Commercial Urban Systems』, Vol.7, No.1, pp.9-27, 2013.
- ^ 【道路交通政策室】『スマートIC連絡導線の評価手法』国土交通政策研究所, 2008.
- ^ S. Delacroix, “Light Pollution Mitigation in Large Enclosed Waterfronts,” 『Proceedings of the Coastal Illumination Society』, Vol.2, No.6, pp.101-119, 2010.
- ^ 【環境デバイス研究機構】『水循環型空調の試験結果一覧』環境デバイス研究機構, 2008.
- ^ 渡辺精一郎『日本の商業建築史(第六巻)』建築資料社, 1972.
外部リンク
- レイクタウン小鹿 公式アーカイブ
- 静岡市・防災導線モデル
- 水面回廊 設計図の読み解き
- 光害対策協議の要旨
- 開業初月データ集(閲覧制限)