インコ真理教
| 名称 | インコ真理教 |
|---|---|
| 略称 | PTC |
| ロゴ/画像 | 緑の円環に止まり木を配した紋章 |
| 設立 | 1978年4月12日 |
| 本部/headquarters | 東京都港区芝公園 |
| 代表者/事務局長 | 久世 玲子 |
| 加盟国数 | 14か国 |
| 職員数 | 238人 |
| 予算 | 年額約4億7,200万円 |
| ウェブサイト | www.ptc.or.jp |
| 特記事項 | の観察機関であった前身をもつ |
インコ真理教(いんこしんりきょう、英: Parakeet Truth Church、略称: PTC)は、とを通じて集団内の意思伝達を最適化することを目的として設立されたである[1]。設立。本部は。に置かれている[2]。
概要[編集]
インコ真理教は、鳥類、とりわけの群れにみられる反復的な鳴き声と順応行動を、人間社会の合意形成に応用することを掲げる民間組織である。公式にはの普及団体とされるが、実際には内の小規模な研究会が拡大したものと説明されている[3]。
設立当初はの外郭団体に似た体裁をとっていたが、のちにへ再編され、現在はの準加盟機関として活動している。なお、同教団名にもかかわらず宗教法人ではなく、内部文書では一貫して「真理教」を比喩的呼称として扱っていることが知られている[4]。
歴史/沿革[編集]
設立以前[編集]
起源は、の周辺で行われた非公式な観察会にさかのぼるとされる。当時、鳥類飼育家のと音声学者のが、インコの「人の言葉を真似るが、文脈は必ずしも真似ない」性質に着目し、これを社会調停のモデルにできると主張した[5]。
1976年にはの貸会議室で「反復発話研究会」が発足し、参加者が互いの発言を一定間隔で復唱する儀礼的手法が試みられた。会合の終盤で飼育中のインコが議事録の一部を先に覚えてしまい、発言者より先に要点を復唱した事件が転機となった、と教団側は説明している。
創設と拡大[編集]
4月12日、の小さな雑居ビルで正式設立された。初期の名称は「鳴声調停連絡会」であったが、初代事務局長の久保田省吾が、提出書類の余白に書かれた「真理は反復する」という標語をそのまま採用したため、現在の名称になったという[6]。
には、、に支部が置かれ、1987年にはの鳥類保護団体との共同声明が発表された。これにより、国外では「鳥の鳴きまねを政治哲学に転用した珍しいNGO」として紹介されることが増えた。
一方で、1992年に開催された第8回総会では、議題が「オウム返しと意思決定の限界」に集中し、丸二日間にわたり全員が前席者の発言を復唱するだけで閉会したため、議事進行規則が大幅に改定された。
近年[編集]
以降は翻訳と音声解析を導入し、インコの発声パターンを多言語会議の同時通訳補助に用いる事業を拡大した。2016年にはの関連会合に観察参加し、「反復は合意の敵ではなく、合意の初期形である」とする決議草案を非公式に提出したことで注目された[7]。
ただし、2021年に公開された内部報告書では、会員の約18%が「教義を深く理解していないが、受付で鳴き声をまねると資料が早くもらえる」と回答しており、組織としての宗教性と実務性がしばしば混同されている。
組織[編集]
組織構成[編集]
組織は、、、および「鳴声監査室」から成る。総会は年1回、理事会は原則として月2回開催され、議事録には発言者の要旨とともに「復唱回数」が記録されるのが特徴である。
また、教団内部では役職名に鳥類由来の呼称が用いられ、事務局長の下に「枝止まり官」「羽音調整官」「種子分配官」が置かれている。特に羽音調整官は、会議中の沈黙時間を鳴き声の間隔に換算する職務を担う[8]。
主要部局[編集]
主要部局としては、、、、がある。教義局は「正確にまねること」と「同じに見えて違うこと」の区別を管理し、調査局は各地のペットショップにおけるインコの語彙数を年次調査している。
国際連携局は海外のと協働し、教育普及局は小学校向けに「3回復唱すると覚える」教材を配布する。なお、調査局の2019年報告では、東京都内の飼育インコのうち約31.4%が人名よりも宅配便の呼び鈴を正確に模倣したという結果が示されたが、算出方法には一部疑義がある[9]。
活動/活動内容[編集]
インコ真理教の活動は、大別して、、、の4分野に分かれる。研究分野では、音節の反復が集団意思決定に与える影響を解析し、教育分野では「鸚鵡返しを恥としない」ことを掲げた教材を作成している。
調停活動では、地域の町内会やマンション管理組合において、対立当事者が互いの主張を3回ずつ復唱してから反論する「三唱方式」が用いられる。この方式は一部で高い評価を受けたが、反対に「議論が長くなるだけである」との批判も多い。
啓発事業としては、の到着ロビーで年1回開催される「正しいオウム返し講座」がよく知られている。2022年の講座では参加者412人のうち387人が途中で自分の名前をインコに言い直すよう求められ、運営側は「自己同一性の訓練である」と説明した。
財政[編集]
財政は会費、寄付、講演収入、および鳥類関連書籍の印税によって支えられている。予算は年額約4億7,200万円であり、うち約42%が教育普及、21%が研究、13%が本部維持費、残余が「緊急用止まり木整備費」とされる[10]。
また、会計報告書には「種子費」「鏡面清掃費」「反復録音費」といった独自の勘定科目が並ぶため、外部監査ではしばしば説明を要した。2018年には、広報予算の一部が巨大な鳥かご型展示物に充てられたことが判明し、理事会で「象徴性が高い」として追認された経緯がある。
歴代事務局長/幹部[編集]
初代事務局長はで、設立から1989年まで在任した。彼は「真似ることは服従ではなく、観察の完成形である」と説いた人物として知られる。
第2代のは、1990年代の国際化を進めた。彼女はでの展示会において、飼育インコに8言語の挨拶を覚えさせたが、実際には「こんにちは」と「おはよう」の区別がつかなかったとされる。
現事務局長の久世玲子は2024年時点で在任12年目であり、理事会では「最も落ち着いて鳴ける人物」と評されている。なお、副事務局長のは財務と広報を兼務しているが、本人は「肩書が多すぎて止まり木が足りない」と述べた記録がある。
不祥事[編集]
2004年、内の支部で配布された啓発冊子に、会話例として掲載されたインコの台詞がすべて事務局員の手書きであったことが発覚し、演出の過剰さが批判された。教団側は「実際の鳴き声を活字化したにすぎない」と釈明したが、要出典とする記者も多かった[11]。
2013年には、国際会議で使用するはずだった録音資料の一部が、誤って近隣のクリーニング店の業務連絡と混ざって配布され、参加者が「ポケットのボタンを外してください」という指示を教義文と誤認する騒動が起きた。これにより、教団は音声資料の校閲体制を強化した。
さらに2020年、内部監査で「一部役員がインコの名を借りて議決権を二重取得していた疑い」が指摘されたが、最終報告書では「鳴き声の独立性が保たれている限り問題なし」とされ、処分は見送られた。
脚注[編集]
[1] インコ真理教設立準備委員会『音声倫理と反復合意の基礎』1978年。 [2] 東京都港区役所『芝公園周辺団体一覧』1981年版。 [3] 佐伯浩一「都市飼育鳥における模倣行動の社会的転用」『比較行動学年報』Vol.12, No.3, pp.44-61。 [4] 久保田省吾『真理は二度鳴く』鳴声文化出版, 1980年。 [5] 大町千鶴「反復発話研究会の成立経緯」『日本音声学会誌』第9巻第2号, pp.18-29。 [6] 鳴声調停連絡会『設立総会議事録』第1号, 1978年4月。 [7] United Nations Paralinguistic Forum, Committee Note 16-7, 2016. [8] インコ真理教事務局『役職名運用規程』改訂第4版。 [9] 東京都鳥類調査室『令和元年度 都市圏セキセイインコ語彙調査』。 [10] インコ真理教『2023年度収支報告書』。 [11] 大阪市民新聞編集部「オウム返し冊子騒動の真相」『週刊都市文化』第28巻第14号, pp.5-7。
関連項目[編集]
脚注
- ^ 久保田省吾『真理は二度鳴く』鳴声文化出版, 1980年.
- ^ 大町千鶴『反復発話研究会の成立経緯』日本音声学会誌, 第9巻第2号, pp.18-29.
- ^ 佐伯浩一『都市飼育鳥における模倣行動の社会的転用』比較行動学年報, Vol.12, No.3, pp.44-61.
- ^ 安西勇三『上野会議室のインコたち』都心動物文化研究叢書, 1983年.
- ^ M. R. Ellington, "Parrot-Based Mediation and Collective Repetition," Journal of Civic Zoology, Vol. 7, No. 1, pp. 101-126.
- ^ Carla Benitez, "A Grammar of Repeated Chirps," Proceedings of the International Forum on Avian Communication, Vol. 3, pp. 55-79.
- ^ インコ真理教事務局『役職名運用規程』改訂第4版, 1999年.
- ^ 東京都鳥類調査室『令和元年度 都市圏セキセイインコ語彙調査』, 2020年.
- ^ 久世玲子『鳴声外交入門』港区学術出版会, 2008年.
- ^ Peter Holloway『The Little Parakeet of Truth』Northbridge Press, 1991年.
- ^ 大阪市民新聞編集部「オウム返し冊子騒動の真相」『週刊都市文化』第28巻第14号, pp.5-7.
外部リンク
- インコ真理教公式サイト
- 鳴声調停資料館
- 芝公園アーカイブ
- 国際鳴声調停会議
- 東京都鳥類調査室データベース