ウタイスト
| 名前 | ウタイスト |
|---|---|
| 画像 | ウタイスト集合写真(架空) |
| 画像説明 | 1999年インディーズ期の路上ライブ撮影 |
| 画像サイズ | 250 |
| 画像補正 | 0 |
| 背景色 | #E4002B |
| 別名 | UTA / 音程の反逆者 |
| 出生名 | (バンド名のためなし) |
| 出身地 | (結成はとする資料もある) |
| ジャンル | メロディック・ロック/劇伴ロック |
| 職業 | ロックバンド |
| 担当楽器 | 作曲・編曲:ギター/キーボード、作詞:ボーカル、ドラム:リズム設計 |
| 活動期間 | 1997年 - 2014年(以後断続的に活動) |
| レーベル | |
| 事務所 | |
| 共同作業者 | (劇伴作家)、(作詞校正) |
| メンバー | 荒木マサト(ボーカル/作詞)、白石ノゾム(ギター/作曲)、榊ユウキ(ベース/編曲)、水野ルカ(ドラム/サウンドデザイン) |
| 旧メンバー | なし(ただし2001年のみ短期サポートあり) |
| 公式サイト | ウタイスト公式サイト(架空) |
ウタイスト(うたいすと)は、の4人組である。所属事務所は。レコード会社は。1997年に結成、2003年にメジャーデビュー。略称および愛称は「UTA」。公式ファンクラブは「音程の友」。
概要[編集]
は、感情の起伏よりも「音程の揺らぎ」を主題に据えた、メロディック・ロックとして知られた4人組である。結成当初から、スタジオ録音ではなく路面音響(足音・信号待ちの残響)をサンプリングする手法が採用され、通称「残響ドラム理論」と呼ばれた[1]。
2000年代前半にリリースされたシングルは、オリコン集計上の最高順位よりも「着うた」経由の再生回数が話題になったことで広く認知され、国民的とも評される一方、楽曲の構造が学習教材に近いという批判も同時に生んだ[2]。なお、ウタイストという名称は、音楽家ではなく“街の音を集計する役目”を想定していた社内プロジェクト名から転用されたとされる[3]。
メンバー[編集]
荒木マサトはボーカルおよび作詞を担当し、言葉の語尾を意図的に「半音下げ」に揃える作法が特徴である。本人は「歌詞はリズムで、拍は意味だ」と発言したと伝えられ[4]、インタビューではしばしば“音程メトロノーム”の擬似装置を指し示したという。
白石ノゾムはギターと作曲を担当し、和音を積み上げるよりも、音の“置き去り感”を設計することで知られた。榊ユウキはベースと編曲を担当し、1998年から使われたとされるカセットテープ式の編集メモリにこだわりがあったとされる。
水野ルカはドラムとサウンドデザインを担当し、「残響ドラム理論」に基づいて、叩いた後の余韻の長さを揃えるようチューニングした。ライブでは叩く回数を数えるのではなく、拍の間隔を0.01秒単位で“踊らせる”調整が行われたとされる[5]。
バンド名の由来[編集]
バンド名の「ウタイスト」は、英語風の呼びやすさを狙った造語に見えるが、実際には事務所の新人営業が提出した企画書に由来するとされる。企画書は“Utaist(歌の統計係)”と題され、楽曲制作の会議を「街の音程を集計する作業」と見立てた比喩がそのまま採用されたとされる[6]。
一方で、1999年の地方局番組で白石が「ウタイストは“歌が得意な人”ではなく、“歌を通路に変える人”のこと」と語ったとする記録もある[7]。このため、名称は能力者を指すのではなく、技術を指す比喩として解釈されることも多い。
来歴/経歴[編集]
結成[編集]
は1997年、の廃倉庫で開かれた“半音合わせ会議”から始まったとされる。荒木が持ち込んだとされる鍵盤(本来は研究用途の簡易同調器)を中心に、4人が「一晩で曲を半音ずらす」練習を行った記録が残されている[8]。
このとき、白石は和音の数を“7つに限定”すると主張し、榊はベースラインを“語尾の高さ”と同期させる実験を提案した。さらに水野は、ドラムのスネアに貼ったテープの幅を厳密に12mmと決めた。インディーズ時代の資料では、そのテープが現在もライブ演出に転用されていると書かれている[9]。
デビュー[編集]
2000年に自主制作盤『残響の路地』が近郊で配布され、路上での即売は“計算上の需要より60%少ない”と社内で記録された。のちに宙返りオーディオのA&Rが、この「需要の誤差」を面白がって試験的に音源を引き取ったとされる[10]。
2003年にシングル『信号待ちの旋律』でメジャーデビューを果たした。当初は「着うた1週間で累計120万ダウンロード」という数字が大きく取り沙汰され、同年末にはオリコンでもトップ10入りを果たしたとされる[11]。
2005年[編集]
2005年にはアルバム『半音図鑑』を発表し、収録曲のうち3曲が“授業用の音程教材”として学校現場で利用されたという逸話が報じられた。具体的には、付属の視聴覚資料室が、特定の音程進行を抜粋した音声ファイルを提供したとされる[12]。
この動きは歓迎される一方で、音楽を学習用に固定化する行為だとして、いくつかの批判記事が出たとも記録されている。
2008年[編集]
2008年のシングル『夜更け、調律します』は、街頭ビジョンで流すための短尺版が同時に制作された。短尺版は「尺が18秒であること」が話題になり、観客がカウントを合わせる即興が横浜の路面イベントで発生したとされる[13]。
この年、ストリーミング再生は月間で約3,480万回に到達し、社内資料では“4,000万の手前で止めた”と記されている。本人たちは「多すぎる数字は曲を冷やす」とコメントしたという。
2010年〜2012年[編集]
2010年に行われた全国ツアーでは、会場ごとにドラムのリバーブの長さを変える方針が採られた。これは「会場の残響が半音のズレを生む」ためだと説明された[14]。
2012年には、榊が編曲面で神経を使いすぎたとして一時的な制作休止が発表された。しかし同年の年末に配信限定シングル『冬のヘッドホン』(全3トラック)が出され、制作休止は“宣伝のために必要な沈黙”だったと見る向きもあった[15]。
音楽性[編集]
ウタイストの音楽性は、メロディック・ロックでありながら、劇伴的な展開を持つ点が特色とされた。とりわけ、歌メロのピッチ変化を“ドラマのカット割り”に見立て、1曲の中で同じ感情を別の音程で再現する手法が用いられたとされる[16]。
また、2006年頃からは「音程の統計」を制作の指針にする考え方が浸透した。具体的には、曲ごとに“半音上行率”を算出し、上行率が一定以上になるとギターの歪みを浅くするというルールが採用されたという[17]。
一方で、作品によっては構造があまりに規則的であるため、音楽性が“学習システム”のようだと評されたこともある。実際、ファンの間では歌詞カードが「穴埋め問題」風に見えるとして話題になった。
人物[編集]
荒木マサトは表舞台では軽口を叩きつつ、作詞の段階では必ず“語尾の高さ”をメモ用紙に書き込むとされる。本人は歌詞を一晩で作らず、翌朝に読み返しながら“0.5秒だけ早口になる行”を探す作業を行うと語ったと伝えられる[18]。
白石ノゾムは機材へのこだわりが強く、コイン型のピックを“直径23.4mm”に加工したものを長く使用したとされる。榊ユウキは編曲の際に、録音済みのドラム素材を必ず「裏拍で3回だけ鳴らす」手順を踏むとされ、手順書がファンにも公開されたことがあるという[19]。
水野ルカは、ライブで使用するスティックの材質を年度ごとに変え、その材質が音の“残響の温度”に影響すると説明した。科学的妥当性は薄いとされるが、説明の巧みさは高く評価されていた[20]。
評価[編集]
ウタイストは、批評家からは“感情の反射神経”という評価軸で語られることが多かった。たとえば『半音図鑑』は、旋律の導線が明確であるため聴衆が自然に口ずさめるという点が評価されたとされる[21]。
国民的現象とされるきっかけは、2008年以降のライブ映像の切り抜きが、家庭用ゲーム機内のコミュニティで二次利用されたことにあると指摘されている。これにより、ファンが自作の“音程実況”動画を投稿する文化が生まれたともされる[22]。
ただし、音程を統計化しすぎた結果として「聴く側の自由が奪われる」との反論も一部に存在した。特に学校で扱うことへの是非が議論になり、音楽と教育の境界が揺れたとされる[23]。
受賞歴/賞・記録[編集]
ウタイストは、複数の音楽賞にノミネートされ、2006年に新人賞相当の部門で評価されたとされる。ただし受賞の詳細は年によって資料の表記が異なり、「新人賞と同等の特別選定」とする記述もある[24]。
記録面では、ストリーミング認定が先行したことが知られている。2011年の楽曲『調律師のための帰り道』は、リリース後わずか97日で再生回数1億回を突破したとされる。社内通信では“99日ではなく97日にした”とされ、ライブでの演出計画と連動していたのではないかと推測されている[25]。
また、NHKの特番におけるパフォーマンスが、音程を視覚化するCGと同時に放送され、視聴者アンケートで「歌っている自分を想像できた」との回答が多かったとされる[26]。
ディスコグラフィ[編集]
シングルとしては、2003年の『信号待ちの旋律』、2004年の『半音だけの約束』、2008年の『夜更け、調律します』、2010年の『帰路のオクターブ』が知られている。配信限定シングルは2012年の『冬のヘッドホン』、2013年の『無音の前奏(サイレント・プレビュー)』がある。
アルバムでは、2005年『半音図鑑』、2009年『残響の座標』、2011年『感情の平均律』が代表作とされる。ベスト・アルバムとしては2014年に『UTA ベスト:音程の友よ』が発売されたとされる。映像作品としては、ライブドキュメンタリー『残響ドラム理論(完全版)』と、短尺映像集『18秒の夜』がリリースされたとされる[27]。
また、同時期に一部楽曲のリミックス盤が“街の音”シリーズとして配布され、特定の商店街でのみ受け取れたという逸話がある。配布枚数は「合計2万枚、内訳は横須賀市が7,420枚」と社内メモに残るとされる[28]。
ストリーミング認定[編集]
日本国内のストリーミング認定では、ウタイストの楽曲が長期にわたって高い再生を維持したとされる。『夜更け、調律します』は“累計で約2億回”に達し、これを記念して制作されたアコースティック版『夜更け、調律します(木製回路)』が追加配信されたとされる[29]。
一方で、再生回数の算出方法が変更された年があり、ファンの間では「旧基準では再生が1.6倍に見える」などの計算議論が起きたともされる。こうした議論が、ウタイストの“統計の語り口”と結びついて定着し、結果的に楽曲理解の入口になったという指摘がある[30]。
タイアップ一覧[編集]
テレビ番組では、2006年のバラエティ番組のテーマソングとして『半音だけの約束』が採用された。放送中のコーナーで視聴者が音程を当てる企画があり、番組側が音程カードを配布したとされる[31]。
また、の観光キャンペーンでは『帰路のオクターブ』がBGMとして使用され、キャンペーンサイトに音程地図が掲載されたとされる。サイトには「耳で読む」説明があり、訪問者が坂道の曲線に合わせて歌う動画が公式に紹介されたとされる[32]。
さらに、2011年には携帯端末向けの学習アプリに『調律師のための帰り道』が組み込まれた。アプリの説明文では「学習効率を高めるため」とされていたが、音楽ファンからは違和感も示されたとされる[33]。
ライブ・イベント/ライブ・コンサートツアー[編集]
全国ツアーとしては、2004年の『路地の四季』、2007年の『残響の座標を歩く』、2010年の『帰路のオクターブ全国巡礼』がある。ライブの演出では、会場の残響測定のためにステージ脇へ小型のマイクが設置され、測定値に基づいて各曲のエフェクトが自動調整される方針が取られたとされる[34]。
また、インディーズ時代から続く“90分前入場”の慣習があり、開演の1時間半前にリハ音が流され、その中でファンが歌詞の語尾をそろえる練習をすることが知られていた。練習は毎回「合計6回の半音合わせ」で終わるとされ、終了後に水が配られた記録も残る[35]。
出演[編集]
テレビ出演としては、での特番『残響ドラム理論入門』が挙げられる。番組ではCGで音程の分布が表示され、メンバーが“音程の山”に向かって歌うような構図で撮影されたとされる[36]。
ラジオでは、荒木がパーソナリティを務めた番組『語尾の午後便』があり、リスナーから寄せられた“語尾の迷い”を電話で半音補正する企画が人気になったとされる。もっとも、技術的に可能かどうかは当時から疑問視されていたとも報じられている[37]。
映画への関与としては、2013年に公開された『帰路は調律する』で主題歌の監修を担当したとされるが、役割の範囲は資料により揺れがある。
NHK紅白歌合戦出場歴[編集]
は2011年に紅白歌合戦へ出場したとされる。曲目は『感情の平均律』と報じられ、音程可視化CGが導入されたことで話題になった[38]。
一方で、出場年については「2010年説」もあり、放送局側の資料が一部欠けていると指摘されている。編集者の間でも“紅白の年だけが曖昧”であるという認識があり、信頼性に揺れがあるとされる[39]。
脚注[編集]
関連項目[編集]
参考文献[編集]
脚注
- ^ 田中ユリ『音程を統計する時代:ウタイストの制作思想』青藍社, 2008.
- ^ 鈴木カズト『半音図鑑の読み解き方』宙返り出版, 2006.
- ^ Margaret A. Thornton『Pitch as Narrative in Japanese Rock』Routledge, 2012.
- ^ 市川リョウ「路上音響サンプルの再現性に関する一考察」『日本音響学会誌』第61巻第4号, pp.55-68, 2009.
- ^ 榊ユウキ『作曲の手順書(非公開版の写し)』星屑レコード工房, 2010.
- ^ 白石ノゾム「短尺18秒が生む記憶の遷移」『サウンドデザイン研究』第12巻第2号, pp.101-117, 2013.
- ^ 荒木マサト『語尾の午後便:歌詞は拍である』講談書房, 2011.
- ^ 小林誠司『学校現場とポップスの境界線』教育音楽研究会, 2007.
- ^ 『ウタイスト年表(増補改訂版)』オリコンアーカイブ編集室, 2015.
- ^ (タイトルが一部不自然なため注意)『NHK紅白と音程CGの歴史』NHK出版, 2011.
外部リンク
- ウタイスト公式サイト
- 宙返りオーディオ カタログ倉庫
- 星屑レコード工房 アーカイブ
- 音程地図プロジェクト(横須賀)
- 残響ドラム理論 解説ポータル