カンピンタン
| 名称 | 国際乾燥調整協会 |
|---|---|
| 略称 | IKC |
| ロゴ/画像 | 乾燥棚を模した青と象牙色の円環章 |
| 設立 | 1978年4月12日 |
| 本部/headquarters | 東京都港区芝公園四丁目 |
| 代表者/事務局長 | マルグリット・A・ソーンダーズ |
| 加盟国数 | 41か国 |
| 職員数 | 1,284人 |
| 予算 | 年額約82億円 |
| ウェブサイト | ikc.int |
| 特記事項 | 設立根拠は国際乾燥基準協定および港湾気流調整覚書 |
国際乾燥調整協会(こくさいかんそうちょうせいきょうかい、英: International Kampintang Council、略称: IKC)は、食材および生活用品の乾燥状態を国際基準で調整・監査することを目的として設立されたである[1]。設立。本部はに置かれている。
概要[編集]
は、食材や繊維製品の“乾きすぎ”と“湿りすぎ”を避けるために設けられた国際的な調整体系、およびそれを管轄するの通称である。協会としての正式名称は前述のとおりで、加盟各国の、常設の、ならびに地域別の監査局によって運営される。
一般には乾物流通の管理機関として知られているが、創設当初は港湾倉庫の結露対策から始まり、その後、調味料・紙類・衣類・楽器まで対象が拡大したとされる。なお、事務局内部では「カンピンタン」という呼称は、書類の端に押される乾燥判定印の音写から広まったと説明されている[2]。
歴史・沿革[編集]
創設以前の前史[編集]
起源は、の倉庫群で発生した「麦芽の逆戻り現象」にあるとされる。当時、輸入穀物の保管をめぐり、港湾食糧監督班と民間倉庫連盟が共同で湿度管理の実験を行っていたが、試験区画ごとに乾燥状態の評価基準が異なり、同じ麦が3回も別判定を受けた事件が記録されている。
この混乱を収拾するため、気象学者のと港湾行政官のが、乾燥度を「棚上げ時間」「通風角度」「塩袋の配置」の三要素で数値化する案を共同提出した。後にこれは“カンピンタン式三軸判定法”と呼ばれ、のちの協会憲章の基礎になったとされる。
協定の締結[編集]
、で開催された「第1回国際乾燥保全会議」において、が署名され、は国際機関として発足した。署名国は当初17か国で、食料保存のほか、港湾労働者の制服乾燥、文書保管室の湿度管理、茶葉の輸出検査なども所管対象に含まれた。
発足直後、協会はへの本部移転を決定したが、これは当時のに「乾燥日照率の年間ばらつきが少ない」という独自の地政学的評価があったためである。もっとも、実際には周辺の官庁街に近く、各省庁との折衝が容易だったことが大きいとされる。
制度拡張と国際化[編集]
には加盟国の要請を受け、協会は食品以外の部門にも事業を拡大した。特にとの設置は画期的であり、これにより各国の外交文書、海図、紙幣試験片に至るまで「カンピンタン基準」による分類が導入された。
一方で、の年次総会では、北欧諸国から「湿度に寛容すぎる」との批判が出され、判定基準をめぐって2日半に及ぶ採決が行われた。最終的には「平均風速4.2m/s以上で、かつ塩分の沈着が月1回以下の場合のみ上位等級とする」という妥協案が可決されたが、この数値の根拠は議事録に明記されていない[要出典]。
組織[編集]
組織構成[編集]
協会の最高機関はであり、全加盟国が年1回、分室と本部を結ぶ同時中継方式で参加する。総会では基準改定、予算承認、監査官の任命が行われる。議決は原則として「完全乾燥票」で算定され、投票用紙に折り目がついた場合は無効になるという独特の慣行がある。
常設機関としてが置かれており、地域代表12名と技術委員4名で構成される。理事会の下にはがあり、これらはそれぞれ調整・監査・研究・啓発を担う。
主要部局[編集]
とりわけ重要とされるのがである。同局は港湾の倉庫、パン工場、博物館収蔵庫、さらには楽器店の試奏室まで巡回し、湿度計の設置角度や扇風機の向きまで点検することで知られる。職員の一部は「乾き判定官」と呼ばれ、白手袋と木製クリップボードを携行する。
または、年2回の「風抜け実験週間」を実施し、建材・衣類・海産物の乾燥速度を比較する。1980年代後半に同研究所が開発した「三段棚式回転通風法」は、加盟国の学校給食室にも導入され、結果として給食の揚げパンが異常に軽くなったという逸話が残っている。
活動[編集]
カンピンタンの主たる活動は、加盟国における乾燥基準の策定、検査機材の認証、ならびに「過乾燥」被害の国際通報制度の運用である。特にと呼ばれる5段階評価は広く用いられ、A級は「素手で持っても粉が落ちない」、E級は「触れる前に崩れる」と定義される。
協会はまた、毎年を「国際均湿の日」と定め、各地で屋外の棚干し展示、乾物の復元講座、湿度計の公開調整を行っている。2021年の行事では、で展示された干し椎茸が予定より18分早く復元し、来場者から拍手が起きた一方、近隣の温室では警報が鳴り止まなかった。
さらに、と呼ばれる技術支援事業を通じて、加盟国の港湾・内陸倉庫・古文書館に対して送風設備の貸与を行っている。特筆すべきは、設備貸与の条件に「現場担当者が年1回、協会指定の木枠で名刺を干すこと」が含まれている点であり、この条件は創設者の趣味が反映されたものとされる。
財政[編集]
予算は、民間団体からの委託試験費、ならびに「乾燥認証ラベル」発行収入で賄われている。直近公表資料によれば、年間予算は約82億円で、そのうち34%が監査局、27%が研究所、19%が各地の実地検査、残りが広報と国際会議費に充てられる。
もっとも、協会の財政はたびたび議論の的となる。特にには、加盟代表が「文書乾燥室の冷房費が高すぎる」として特別監査を要求し、これを受けて本部7階の空調が年4回から年6回の点検対象に増えた。なお、理事会議事録では、空調点検費と「試料煎餅の保存費」が同一科目に計上されていたことが確認されている[要出典]。
加盟国[編集]
加盟国はであり、など、港湾物流と穀物保管に関心を持つ国が多い。地域別では、との参加率が高く、逆にでは「乾燥の必要性が年内で変動しすぎる」として慎重な姿勢が目立つ。
加盟条件は、国内に1か所以上の「公認均湿倉庫」を設けること、乾燥判定官を3名以上任命すること、ならびに年1回の相互査察を受け入れることである。なお、は当初「魚介類の自然乾燥文化が高度すぎる」として準加盟扱いだったが、に完全加盟へ移行した。
歴代事務局長・幹部[編集]
歴代事務局長[編集]
初代事務局長はで、在任期間はからまでであった。彼は元々の気象学出身で、風向きを「政策資源」と呼んだことで知られる。
第2代のはからまで務め、協会を事務局中心の官僚組織へと改編した。第3代のはからまで在任し、南米の高地乾燥技術を取り入れたことで評価された。現事務局長は再びソーンダーズであり、復帰人事としては異例である。
主要幹部[編集]
副事務局長には、、らが名を連ねる。とくに松井は「棚干し外交」の提唱者として知られ、各国の倉庫事情を比較した600ページ超の内部報告書を提出した。
理事会議長は任期1年で輪番制であるが、以降は「湿度が安定している月のみ交代」という内規が追加され、実務上は毎年5月の第2月曜日に就任するのが慣例化している。
不祥事[編集]
、本部地下の試料保管庫から、各国の乾燥見本として収集された干し豆、古紙、昆布、靴紐が一斉に消失する事件が発生した。調査の結果、夜間警備会社の倉庫管理システムが「風通し良好」を異常と誤認し、試料を自動的に外部へ移送していたことが判明した。回収された試料のうち約3割は、なぜかの民間コレクター宅で額装されていた。
またには、カンピンタン認証を受けたとする偽造ラベルが、、で相次いで流通し、協会は緊急通達を出した。特に問題視されたのは、偽ラベルの一部に「A++(超乾)」という未承認等級が印刷されていたことである。協会は翌年、認証ラベルに微細な穴を3,812個開ける新方式へ変更したが、かえって複製技術の研究を刺激したとされる。
脚注[編集]
[1] 国際乾燥基準協定第4条、第7条。
[2] IKC事務局広報室『カンピンタン用語集改訂版』2019年版、pp. 14-19。
関連項目[編集]
脚注
- ^ Margaret A. Saunders, "Standardization of Drying Equilibrium in Port Facilities", Journal of International Storage Studies, Vol. 12, No. 3, 1981, pp. 41-66.
- ^ 渡辺精一郎『港湾風速と乾燥判定』日本気象政策研究叢書, 1974年.
- ^ H. Rosales, "On the Comparative Dryness of High-Altitude Grains", Bulletin of Applied Hygrometry, Vol. 8, Issue 2, 1998, pp. 105-129.
- ^ IKC事務局調査局『加盟国における均湿倉庫の実態』内部報告書第17号, 2006年.
- ^ 松井久美子『棚干し外交論序説』国際倉庫文化出版社, 2012年.
- ^ エリザベス・R・モーガン『乾燥行政の成立と港湾監督』港湾政策評論社, 1979年.
- ^ Sofia Berg, "The Politics of Over-Drying", Nordic Journal of Commodity Control, Vol. 21, No. 1, 2015, pp. 3-28.
- ^ 国際乾燥調整協会編『カンピンタン基準年鑑 2023』, 2023年.
- ^ Ibrahim Al-Haris, "Microperforation and the Future of Certification Labels", Review of Regulatory Materials, Vol. 5, No. 4, 2019, pp. 88-97.
- ^ 『カンピンタンと乾きすぎの文明史』世界均湿学会出版局, 2001年.
- ^ マルグリット・A・ソーンダーズ『再び、風は政策である』IKC出版室, 2008年.
外部リンク
- 国際乾燥調整協会 公式年次報告アーカイブ
- カンピンタン基準データベース
- 世界均湿倉庫連盟
- 港湾気流調整研究センター
- カンピンタン認証ラベル照合室