ギルガメッシュえくすたしー
| 番組名 | ギルガメッシュえくすたしー |
|---|---|
| 画像 | ギルガメッシュえくすたしー_放送ロゴ.jpg |
| ジャンル | 深夜バラエティ(“魂的後継”を標榜) |
| 構成 | 一部生放送・公開収録(隔週) |
| 演出 | 演出:紫門カオル(むらもん方式) |
| 司会者 | 楢木ミオ |
| 出演者 | レギュラー:エルド松嶺 / レギュラー:朱鷺(とき)セリ / ゲスト:週替わり2名 |
| OPテーマ | 『宵の楔(くさび)』 |
| 制作局 | 夢幻テレビ 制作局 制作1部 |
| 放送期間 | 1989年10月7日 - 1989年11月11日(計5回) |
『ギルガメッシュえくすたしー』(ぎるがめっしゅえくすたしー、英: ''Gilgamesh Ecstasy''、ローマ字表記: ''Girugamesshu Ekusutashī'')は、の深夜バラエティ枠で(元年)から毎週1時台()に放送されていたバラエティ番組である。深夜枠の冠番組として、当時のの看板司会者の冠番組でもある[1]。
概要[編集]
『ギルガメッシュえくすたしー』は、の深夜枠で放送されていたである。番組は公式には「の魂的後継を目指す」ことを掲げ、視聴者参加型の“自己投影儀式”や、スタジオ内での擬似神話朗読(ただし台本は脚本家の体温で管理されるとされた)など、娯楽の皮をかぶった儀礼として運用されたとされる[1]。
一方で、放送開始直後から「過激」「精神的に危険」といった指摘が相次いだ。特に、番組の中心コーナーであるが放送直前に改変された経緯は物議を醸し、結果として、わずか約1ヶ月で打ち切られたとされる[2]。当時の業界関係者の間では「視聴率より先に謝罪文が届く珍記録だった」と語られ、現在は都市伝説的に参照されることが多い。
放送時間/放送時間の変遷[編集]
放送開始当初、『ギルガメッシュえくすたしー』はから毎週の1:20-1:50()枠でレギュラー放送されていた。番組側は「前半30分は儀式、後半10分は“解放コメント”」と説明しており、実際の構成表にもその文言が残されているとされる[3]。
ただし、当初予定されていた“ゲストの即興朗読”は、放送回ごとに難易度が調整された。第2回では平均発声時間が8.4秒延長され(演出上の“熱量補正”と称された)、第3回からはスタジオ照度が段階的に落とされるなど、放送内容が技術面からも追い込みに近い形で変化したとされる[4]。
放送枠の変遷としては、第4回が1:15-1:45に繰り上げられた。この理由は「深夜番組の交通事故報告が増えた」ことではなく、「スポンサーの置き看板を街宣車が通過する時間帯と一致した」ためだという説明が、関係者から半ば冗談のように伝わっている[5]。結果的に全5回で終了し、公式サイトでは「深夜の安全設計見直しのため」と表現された。
出演者(司会者/レギュラー出演者/歴代の出演者)[編集]
司会はである。彼女は当時、深夜番組の進行を「台本の速度で心拍を揃える」と表現しており、番組の試験放送では“司会者の沈黙が長いほど面白い”という評価を受けたとされる[1]。
レギュラー出演者として、異国語風の語り口が特徴の、そしてステージ上で意味不明な“和音結晶”を置く役として知られるが起用された。特にセリは、スタジオセットに内の架空施設「青磁(せいじ)観測室」を模した小道具を持ち込み、番組内で“星の言葉を選別する”ような所作を繰り返したと報じられている[6]。
また、ゲストは週替わりで「神話研究者」「即興詩人」「健康器具開発者」といった一見異なる肩書が交互に配置された。第3回ゲストの肩書が事前資料で2種類表記揺れしていたこと(“儀礼心理学者”と“呪術監修”)が、後の内部資料流出の原因ではないかと推定されている[7]。
番組史[編集]
『ギルガメッシュえくすたしー』は、がに持ち込んだ「“夜の魂”を商品化し直す」企画として立案されたとされる。資料上では「古代叙事に由来する“快楽”を、現代の深夜視聴に換算する」と記されており、企画書の表紙には“楔は1日で打てる”という意味不明な文言が併記されていた[8]。
放送開始前、番組は試験的に“ゼロ視聴率”枠でテスト収録されたとされる。これは「視聴者が少ないほど、神話の効果音が拾われる」ことを検証するためだったという説明が残っており、実際に音響スタッフの記録では、スタジオ反響時間が平均0.73秒伸びたとされる[9]。
しかし第2回以降、視聴者参加コーナーが想定以上に拡張された。具体的には、視聴者の葉書(第2回で1,284通、第2回だけで延着率2.6%)を画面下部に“読み上げる順番”として反映した結果、読み上げ文の中に「恐怖を刺激する比喩」が混入した可能性が指摘された[2]。番組側は「比喩の選別は機械学習に近い“声色選別器”で行った」と説明したが、翌週には修正テロップが出たという。
最終的に、放送開始から5回目で終了となった。打ち切り理由は複数あり、公式には「安全設計の再検討」、非公式には「スポンサー契約書の条文解釈が一部“詩的”に過ぎた」ことが原因とする報道もある[5]。ただし、いずれにせよ“1ヶ月打ち切り”という結論だけは関係者の証言が一致しているとされる。
番組構成/コーナー[編集]
番組の主要コーナーは、中心となるである。視聴者が投稿した一文を、スタジオの“楔マイク”が1字ずつ拾い、朗読者が“読後の間”を計測しながら返すという形式で、台本上では「沈黙は編集されない」と明記されていた[3]。
次にがある。ここでは鏡面に映る自分を“第三者の身体”として扱う即興台詞が求められ、番組内の合図として青色レーザーが3本同時に走る演出が採用された。レーザーの走行時間は毎回に調整され、スタッフが独自に管理していたとされる[4]。
また、短いが騒がれたのがである。視聴者がSNSの代替として使っていた当時の投稿媒体(葉書・電話)から“避けるべき単語”が集計され、スタジオでその単語が「0時から逆算で消える」演出が行われた。実際には放送事故ではないものの、消えるはずの単語が一部視聴者の声で復元されたとされ、“消滅が起点依存である”という怪しい理屈が飛び交った[6]。
このほか、放送回によっては扱いのパートがあり、「収録でも生の呼吸を模す」とされる独自ルールが導入された。第4回では公開収録が地方収録に切り替わり、スタジオ床の共鳴がになったという音響メモが残されている[5]。
主要コーナー:楔(くさび)リモート朗読[編集]
朗読者が一定の“間”を保持すると、画面の左上に「楔の進行率」が表示される方式が採られた。表示率は通常前後とされるが、第2回だけを記録したとされ、視聴者掲示板では「楔が勝手に増殖してる」と笑いながら議論された[3]。
主要コーナー:自己投影の鏡室(きょうしつ)[編集]
鏡室では、出演者が“自分の声を他人の声として扱う”テストが行われた。演出上の安全基準として、視線の持続時間は以内とされたが、楢木ミオは「1.95秒でもう一歩深くなる」と発言した記録が残っている[4]。
主要コーナー:禁句(きんく)カウントダウン[編集]
禁句がカウントダウンされる際、禁句の読み上げを担当する音声合成は毎回別の声で作り直された。第5回にだけ“女性声”でなく“低い青年声”が選ばれ、これが抗議の火種になったとする指摘がある[2]。
シリーズ/企画[編集]
番組は単発企画に見えるが、内部では“7週連続で発火点を探る”という設計があったとされる。第1週は軽い儀礼(楔の角度が浅い)、第2週で儀礼が濃くなり、第3週で“快楽”を模した演出が増える計画だった。しかし実際には第2週の段階で計画を飛び越え、第3週の段取りが前倒しになったと推定されている[8]。
企画の名称として「ギルガメッシュないとの魂的後継」という言い回しが使われたことは、番組の終始一貫した“看板文句”であった。なお、企画書の添付資料では「後継とは“替え玉”ではなく“増幅器”である」とも記されており、編集者がそれを読み違えて“増幅器コーナー”が試作された結果、スタッフが一晩で作り直したという逸話が残されている[7]。
放送中に行われた番組イベントとして、本社に近い「北芝スタジオ」で公開ミニ収録が1回だけ行われた。ここでは視聴者約が参加し、参加者の入場バッジが「楔型」であったことが、後の“過激性”を語る際の具体材料になったとされる[5]。
オープニング/テーマ曲[編集]
オープニングテーマは『』である。曲は当初、スタジオの照明に合わせて拍子を変える実装が検討され、最終的にはBPMを→へ2回折り返すよう作曲されたとされる[9]。
エンディングテーマは『星屑(ほしくず)に祈る』。こちらは歌詞カードに“古代神話の固有名詞が一切入らない”よう調整されたとされ、代わりに「息の数」が歌詞の長さを決めるという設計が採られた。関係者の記録では、歌のラストの伸ばしが1回だけ長かった回があり、その回だけ視聴者の投稿数が跳ね上がったという[4]。
なお、放送当初は“テーマ曲を差し替える”予定があったとされるが、スタジオの著作権処理が遅れたため、結果として初回から最終回まで同一曲が通された。番組公式のテロップには「音の祭祀は事故を避けるため、変えない」と明記されていたとも伝えられる[1]。
スタッフ(歴代のスタッフ/歴代スタッフ)[編集]
スタッフとして特に名前が挙がるのは、演出のである。紫門は「儀式の緊張は編集で殺すな」と主張し、編集点の回数を通常のバラエティ番組の平均ではなくに減らしたとされる[8]。
制作はが担当したとされるが、実務上は側の進行管理も強かったとされる。第2回の台本差し替えは、プロデューサーの判断で“読み上げ順”を入れ替えた結果生じたとされ、以後、差し替え許可の権限が数名に分散されたと伝えられている[2]。
また、音響チームには“声色選別器”の保守担当としてが参加したとされる。ヨウタは「反響時間を音圧で測るのではなく、出演者の照れで測る」と述べた人物で、計測には温湿度センサーと同時に、スタジオ内の笑い声周波数を用いたという[6]。この発想の奇妙さが番組のカオス性の源泉だったとされる。
ネット局と放送時間/放送局・配信元[編集]
『ギルガメッシュえくすたしー』は、基幹局を中心に、近畿・中部を中心としたローカル系列で同時刻もしくは遅延放送された。遅延のパターンとしては、平均遅れが最も多く、地方局の資料には「深夜の視聴感覚を合わせる」目的が記載されていた[3]。
ネット局としては、、が挙げられる。ただし、最終回は中継設備の都合で別内容に差し替えられた可能性があるという指摘があり、視聴者録画の断片から「最後の沈黙が欠落している」という証言がある[5]。なお、配信元という概念は当時の環境的に未整備であったため、代わりに“テープ貸出”が行われたとする伝聞が存在する。
放送回ごとの放送分は、通常で推移したが、第4回のみに短縮されたとされる。短縮の理由はテロップ差し替えであり、「警告文が増えたから」とする皮肉混じりの説明も見られる[2]。番組の終了後、これらの差分はデータベース化されず、視聴者の記憶と録音テープが断片的な根拠として残ったとされる。
特別番組[編集]
打ち切り直後、番組名を伏せた形で「深夜バラエティの安全設計(仮)」が1回だけ放送されたとされる。内容は楢木ミオが“禁句の考え方”を解説する形式で、スタジオ床が一度だけ明るくなったことが視聴者の注意を集めた[7]。
また、同じ週にの深夜枠で、オムニバス形式の“儀式の誤解”特集が放送されたが、これには『ギルガメッシュえくすたしー』の映像が一切含まれていないとされる。ところが、番組後半でBGMだけが『宵の楔』と一致したため、視聴者が「編集じゃなくて逃げただけ」と揶揄した、という記録がある[4]。
関連商品(DVD/書籍)[編集]
関連商品の中心は、番組資料を寄せた“幻の台本”として流通した『楔の手引き(非売品)』である。これは印刷部数が部とされ、表紙にだけの図が掲載されたという[6]。
また、改訂版として『ギルガメッシュえくすたしー 30分の沈黙』が書籍扱いで発売されたとされる。内容は実際の台本だけでなく、沈黙の長さを巡る“技術解説”が中心であり、読者は「番組を見てないのに怒りが湧く」と評したという[2]。DVDは名目上発売されたが、音声の一部が再編集されており、元音源の追体験ができないと不満が出たともされる。
受賞歴[編集]
受賞歴については資料が割れている。一般視聴者の投票に基づく「深夜盛り上げ賞」では、初回放送が評価されの“架空の金賞”扱いが打たれたとされるが、公式記録に載っていないとする指摘もある[9]。
一方、業界内の技術評価としては、音響設計が評価された形跡がある。具体的には、音響機材メーカーの社内表彰「反響最適化賞」を受けたとされるが、受賞年がのどこかで書類上のタイポがあるとされる(昭和表記が一桁ずれる)ため、信頼性が揺れている[5]。ただし、いずれにせよ“短命ながら話題性が大きかった”こと自体は共通認識とされる。
使用楽曲[編集]
使用楽曲は大きく2系統に分かれる。第一にテーマ曲である『宵の楔』および『星屑に祈る』が挙げられる。第二に、コーナーごとに選ばれる“間(ま)補正音”があり、これらは番組制作のために短尺制作されたとされる[1]。
間補正音のうち、楔マイクの前後で鳴る効果音は「楔クリック」と呼ばれ、周波数帯がに固定されていたとされる。ただし、視聴者のテープ解析ではに聞こえる例があり、機材ロット差ではないかという疑念もある[4]。
禁句カウントダウンの場面では、毎回同じドラムパターンが流されたが、放送回ごとのテンポが前後で微妙に揺れていたという。これは音声処理の自動補正によるものと説明されたが、番組ファンは「禁句が揺れたから」とロマン化した[2]。
脚注[編集]
関連項目[編集]
脚注
- ^ 楢木ミオ『沈黙は編集されない:深夜バラエティの儀礼設計』夜鳴社, 1990.
- ^ 安達誠三「『ギルガメッシュえくすたしー』台本差し替えの運用記録」『映像運用研究』第12巻第2号, pp.41-58, 1990.
- ^ 紫門カオル『むらもん方式:演出の安全と熱量補正』紫門出版, 1989.
- ^ 田中ヨウタ「声色選別器と反響時間の経験則」『音響ジャーナル』Vol.27 No.4, pp.113-126, 1989.
- ^ 『夢幻テレビ 制作局年報(深夜枠編)』夢幻テレビ, 第3版, 1991.
- ^ 松嶺エルド『異国語風語りの成立:即興は台詞ではなく間である』冥王叢書, 1992.
- ^ 朱鷺セリ『鏡室の和音結晶:自己投影と観測のあいだ』青磁書房, 1990.
- ^ Gordon B. Helios, “Myth as Modulation: Late-Night Broadcast Rituals in Japan,” Journal of Imagined Media, Vol.5 No.1, pp.77-96, 1991.
- ^ Hiroshi S. Nakatani, “Acoustic Timing and Audience Emotion,” Proceedings of the Near-KHz Society, pp.1-19, 1988.
- ^ 西条トモ『一ヶ月で消えた深夜:打ち切りの統計と物語』第四壁書房, 1993.
外部リンク
- 夢幻テレビ 公式アーカイブ
- 深夜儀礼研究会の掲示板
- 楔マイク同好会
- 北芝スタジオ 記録庫
- 青磁観測室 断片資料