トリプルグランツァー
| タイトル | トリプルグランツァー |
|---|---|
| 画像 | TripleGlanzar_BoxArt.png |
| 画像サイズ | 220px |
| caption | 六角形の結晶「グランツァー」を模した装甲文様が描かれたパッケージ[2] |
| ジャンル | ハンティングアクションRPG(六角形結晶ギミック搭載) |
| 対応機種 | アークライト・ゲームキューブ / アークライトV / バーチャル・コンソールTG |
| 開発元 | グラステイル・システムズ |
| 発売元 | 北海流通ゲームズ(正式表記は「北海流通ゲームズ株式会社」) |
| プロデューサー | 渡辺精一郎(当時) |
| ディレクター | エヴァ・ハルトマン |
| デザイナー | 小野寺ハルカ |
| プログラマー | K.ルークス(英字表記) |
| 音楽 | 清水紺音 / The Hexa Choir Project |
| シリーズ | グランツァー・サーガ |
| 発売日 | 2003年12月12日 |
| 対象年齢 | CERO相当「C」 |
| 売上本数 | 全世界累計 142万本(2006年集計) |
| その他 | 日本ゲーム大賞 企業連動プロジェクト賞受賞(公式広報) |
『トリプルグランツァー』(英: Triple Glanzar、略称: TG)は、にのから発売された用。シリーズの第3作目とされる[1]。
概要[編集]
『トリプルグランツァー』は、用のハンティングアクションRPGであり、ゲームシステムの特徴として「六角形の結晶」を主要資源に据えている点が挙げられる[3]。
本作は、鉱脈の“鳴き”を解析しながら獲物(結晶依存の生物)を追う構造となっており、主人公はを「装備」ではなく「意思決定装置」として携行する役回りであると説明される[4]。
シリーズ第3作目として扱われる一方、発売当時の公式資料では「第2作目と誤解される余地を残した」編集方針が採られたともされ、初見の購入者がパッケージ裏の年表をめぐって店頭で揉める光景が報じられた[5]。
ゲーム内容[編集]
プレイヤーは狩人ギルドの見習いとして操作することとなり、フィールド上の敵対生物だけでなく、環境中に散在する六角形結晶の“割れ目”を観察してルートを組み立てる必要があるとされる[6]。
戦闘では、武器の攻撃パターンが「三段(トリプル)」の角度に分解され、六角形の各面(A/B/Cの3系列)に対応して命中率が変化する仕組みである。特に、プレイヤーが結晶の“歪み”を読み取ると、敵の弱点が面単位で切り替わるため、単なる火力勝負ではないと説明される[7]。
アイテムは通常の回復薬のほか、結晶を削って作る「面糊(めんのり)」が存在する。面糊は装備品ではなく、戦闘中に“面”へ貼り替えることで、被弾判定の角度を改変する用途があるとされる。なお、この仕様は開発後期に差し込まれたとする証言があり、開発室の冷蔵庫に貼られていた手書きの付箋が社内資料として残っているという話がある[8]。
対戦モードとしては「六角嵐(ロクカクアラシ)」があり、2人が同じ鉱脈を掘り進めて落ちた結晶片を“形状で”奪う。協力プレイでは、最大4人まで同時に“面”の合成を行い、結果に応じて大型生物が別個体として湧く、とされる[9]。オフラインモードでも計算結果が保存されるが、セーブデータ容量が異常に大きいことが当時の攻略記事で指摘された(後述の評価セクションで触れる)[10]。
ストーリー[編集]
物語は、沿岸の炭鉱跡に眠る巨大鉱脈「アズムート六脈」が、なぜか“笑い声のような共鳴”を発するところから始まる[11]。
主人公の旅は、ギルド本部(港に置かれた「北星狩協会」)から命じられる「三つの面を束ねよ」という依頼へと収束する。ここでいう三つの面とは、伝承上の“光の面”“沈黙の面”“逆さの面”であり、実際には六角形結晶の三系列を指すとされる[12]。
終盤では、敵対勢力が結晶の共鳴を「気象兵器」として転用しようとしていることが判明するが、公式攻略本の見出しには“気象兵器”ではなく“衛星への口笛”という比喩が使われた。編集者の間では「ここだけ要出典のまま残そう」という合意があり、後年に複数サイトで「出典は口笛の譜面だったのでは」という推測が広まった[13]。
登場キャラクター[編集]
主人公は狩人見習いのである。リュートは「六角形の結晶が発する温度を、手のひらの汗で測れる」と自称するが、作中では実際に熱源が一定でないため、プレイヤーの体感に依存してイベントが分岐する仕様があったと語られている[14]。
仲間には、地形計測官のと、結晶加工職人のがいる。ミラは「面の反射率が0.273〜0.281の範囲なら“沈黙の面”と呼べ」と細かな数値で指示するキャラクターとして知られる[15]。ハンスは面糊のレシピを握りつぶしてしまった過去があり、救出イベントでは“数え間違い”が伏線になる。
敵としては、衛星通信企業を装う組織が登場し、幹部のは結晶を「意思の形」として扱う。ドロレーンが最後に残す台詞は短いが、ゲーム内ログ上では全角文字数がちょうど37に揃っていたとされ、後のファン解析で“トリプル”の意味がさらに拡張解釈された[16]。
用語・世界観[編集]
本作の中心概念であるは六角形結晶の総称として扱われる。結晶は「A/B/Cの三面が同時に鳴ると増殖する」と説明され、物理法則ではなく共鳴伝承として片付けられている点が特徴であるとされる[17]。
フィールドに現れる鉱脈はと呼ばれ、各脈が異なる“気圧の癖”を持つ。開発側のメモでは「気圧の癖は演出であって仕様だ」と記されていたともされ、評価時に“天候がバグっている”と誤解された一因になった[18]。
また、戦闘で用いるは、落ちた結晶片を自分の六角形スロットへ重ねることでステータスが変化する仕組みである。面合成の結果は「三段階の確率テーブル」から算出されるとされるが、確率表がセーブデータに書き込まれるため、同じ行動でも序盤の軽いログ読み込みで結果が変わる“体感依存”が指摘された[19]。一部では「開発が眠い日に調整したのでは」という説が出たが、信憑性は定かでない[20]。
開発[編集]
制作経緯として、グラステイル・システムズは当初から“六角形だけでゲームを成立させる”方針を掲げていたとされる。ディレクターのエヴァ・ハルトマンはインタビューで「丸いものは回る、四角いものは止まるが、六角は“迷う”」と述べたと記録されている[21]。
スタッフの一部は、実在の鉱物標本にある六角形結晶の光学写真を参照したと主張したが、同時期に同社は札幌の教育施設で「結晶模様の学習教材」も作っており、資料の出所が曖昧に織り混ざった状態で開発が進んだという[22]。
音楽面では、清水紺音が“面の鳴き”を音階へ変換し、The Hexa Choir Projectが六人の声部で三面(A/B/C)を模した。ところが初期版のサウンドトラックには尺が長すぎるものがあり、音楽ディレクター会議で「B面だけが9分12秒に伸びている」と突っ込まれたという。最終的にB面が9分11秒へ短縮されたが、ファンが検証したところ“11秒短縮したのに熱が増えた”という感想が残った[23]。
音楽[編集]
サウンドトラック『(ヘクサ・ウィスパー)』は、戦闘曲と探索曲の境目があえて曖昧に作られたことで知られる。探索曲でも一定のテンポ変化が起きるため、プレイヤーが「今からボス戦だ」と勘違いしやすい仕様だったとされる[24]。
特に有名なのが「面糊の祈り」であり、合成成功時にだけ鳴る短いコーラスがある。コーラスの歌詞は作中言語のように見えるが、実際はスタッフの雑談を文字起こししたものだとされ、歌詞の総文字数が“ちょうど84”で揃っていたという[25]。
なお、アークライト・ゲームキューブ版ではBGMの音量がシステム設定で自動調整されるとされるが、オンライン時代のレビューでは「オフラインでこっそり小さくなる」と指摘された。要出典ではあるものの、同社の社内掲示板に「小さくすると泣く人が増える」などの文言が見つかったとされ、真偽は検証不能とされている[26]。
他機種版[編集]
2004年には携帯端末向けに『トリプルグランツァー・ポケット』が配信され、六角形スロットの操作をタッチジェスチャーへ置換したと説明される[27]。
2008年にはとして再リリースされ、オリジナルのメモリ仕様を“ほぼ再現”した。だが、この移植版ではセーブの圧縮方式が異なり、面合成の乱数系列の並びが僅かに変化したとファンコミュニティで報告された[28]。
また、PS互換機相当のファン翻訳環境では、結晶の読み取りログが日本語のまま残る現象が起きた。結果として「言語で乱数が変わるのでは」と誤解され、攻略配信が過熱するという騒ぎもあった[29]。
評価[編集]
発売直後の初週では、国内で約38万本が出荷されたとされる。翌月に関しては、地域差をならすように「港湾物流が整うまで読み込みが遅い」という注意書きが同社から出され、実売が落ち着いたとされる[30]。
全世界累計は2006年までに142万本を突破し、売上本数の割に“システム理解が遅れる層”が多かったことが分析された。ファミ通のクロスレビューではゴールド殿堂入りとされるが、当時のレビュー担当は「六角形結晶を理解するまで、勝てない」という一文を強調していたと記録される[31]。
一方で批判として、オフラインモードのセーブ容量が異常に大きい点が挙げられた。公式には「面合成の確率テーブルを完全保持するため」と説明されたが、ユーザーの検証では“テーブル以外に約1.7MBの謎データが混入している”とされる[32]。この1.7MBは後に、開発初期に没になった音声ガイドの断片ではないかと推測されたが、出典が提示されたわけではない[33]。
関連作品[編集]
本作の関連作品として、テレビアニメ『』が挙げられる。アニメでは面合成が必殺技のように描かれ、実ゲームの“貼り替え”操作とは印象が異なるとされる[34]。
漫画版『トリプルグランツァー:白い六角の章』も刊行され、リュートの汗測定が“気合い”として描き換えられたことで、原作ファンの間で議論が起きた[35]。
また、舞台化の企画が公式サイトに掲載されたが、最終的に実現しなかった。企画書のタイトルが「六角形が鳴く夜」であったことが後年に転載され、なぜかファンの間で“六角形は感情を持つ”という解釈が固定された[36]。
関連商品[編集]
攻略本として『トリプルグランツァー 面糊大全(改訂第2版)』が発売され、面合成の推奨順序が一覧表として掲載された。中でも「A面→B面→C面の順で貼ると、被弾角度補正が+12%」という記述が人気を博した[37]。
さらに、学習教材の体裁を装ったスピンオフ書籍『六角形結晶の読み方:現場メモ84』が流通した。副題の“84”はコーラス歌詞の総文字数に由来すると説明されるが、購入者からは「84ページ目に出る挿絵がやたら不気味」との声もあった[38]。
グッズとしては「面糊の祈り」再現コースターがあり、飲料販売キャンペーンに連動して全国のとの一部店舗で配られたとされる。なお、配布条件が「結晶模様のコースターを3枚揃えた者」に限られていたため、客同士で交換が起きたという報道もある[39]。
批判と論争[編集]
批判として、システムが“六角形”に依存しすぎている点が挙げられた。特に、弱点切り替えが面単位で行われるため、攻略が進むまで理不尽に感じられるという声が当時からあったとされる[40]。
また、公式では「気象兵器」ではなく「衛星への口笛」という比喩で説明されるが、作中の描写が現実の通信施設への連想を強めたとして、に近い業界団体から“不快感”が示されたのではないかという憶測が出た[41]。この件は後に否定されたものの、否定文の全文がゲーム内のログと一致していたと指摘され、余計に混乱が拡大した[42]。
さらに、移植版で乱数系列が変わる可能性が指摘され、競技的にプレイする層では「勝敗が運に寄る」との議論が起きた。とはいえ、開発側は一貫して「乱数は仕様であり、仕様は倫理である」と述べたと伝えられ、倫理という言葉の乱用が当時の風刺記事の題材になった[43]。
脚注[編集]
関連項目[編集]
脚注
- ^ 渡辺精一郎「『トリプルグランツァー』開発日誌:六角は迷う」『月刊ゲーム・アナトミー』第18巻第4号, pp.12-29, 2004年。
- ^ エヴァ・ハルトマン「面糊という発想:貼り替え戦闘の設計」『インタラクティブ・デザイン研究』Vol.7 No.2, pp.55-61, 2005年。
- ^ 清水紺音「Hexa Whisperにおける面の鳴きの音階化」『音楽計算ジャーナル』第3巻第1号, pp.101-118, 2006年。
- ^ 小野寺ハルカ「システムと物語を六角で繋ぐ」『ゲームシナリオ年報』第9巻第3号, pp.77-94, 2003年。
- ^ The Hexa Choir Project「六人声部によるA/B/C面の擬似対称」『Journal of Game Acoustics』Vol.2, pp.1-14, 2004年。
- ^ 北海流通ゲームズ「出荷・物流レポート(2003年12月〜2004年1月)」『流通統計叢書』pp.33-47, 2004年。
- ^ ファミ通編集部「クロスレビュー:トリプルグランツァー(ゴールド殿堂の条件)」『週刊ファミ通』2003年12月26日号, pp.8-9。
- ^ K.ルークス「セーブデータ圧縮と面合成テーブル:実装上の注意」『組込みゲーム工学論文集』第22巻第1号, pp.201-210, 2005年。
- ^ 村上玲子「六角形結晶ギミックの受容:体感依存の議論」『日本ゲーム文化学会誌』第11巻第2号, pp.44-59, 2007年。
- ^ 山田友樹「移植版における乱数系列の差異評価(仮)」『Proceedings of the Virtual Console Symposium』Vol.3, pp.88-93, 2009年。
- ^ 『トリプルグランツァー 面糊大全(改訂第2版)』北星出版, 2004年。
- ^ 『Hexa Whisper:サウンドトラック解読書』The Hexa Choir Project編, 2006年。
外部リンク
- グランツァー公式アーカイブ
- 面糊大全 研究サポートページ
- Hexa Whisper 視聴ラボ
- 北星狩協会 非公式資料庫
- TG対戦研究会(六角嵐)