ハリケーン村山
| 名前 | ハリケーン村山 |
|---|---|
| 本名 | 村山 漣太(むらやま れんた)とされる |
| ニックネーム | 台風手帳マン/風の司令官 |
| 生年月日 | 1989年9月13日 |
| 没年月日 | - |
| 出身地 | 延岡市 |
| 血液型 | A型 |
| 身長 | 173 cm |
| 方言 | 日向弁(「〜しごつ」)とされる |
| 最終学歴 | の専門学校「九州笑学院」 |
| 師匠 | 皿回しの故・[[河童亭リュウジ]] |
| 事務所 | [[東風エンタープライズ]] |
| 活動時期 | 2012年〜 |
| 芸種 | 漫談・即興コント・災害寸劇 |
| 受賞歴 | R-1ぐらんぷり2018ファイナリスト、同年「即席気象芸」特別賞 |
| 公式サイト | 東風エンタープライズ内ページ |
ハリケーン村山(はりけーん むらやま)は、の[[お笑い芸人]]、[[司会者]]。海沿いの自治体広報と奇妙に結びついた災害“あるある”を武器に、独特のテンポで人気を博している。なお本名や出自には、複数の説があり議論の対象とされている[1]。
概要[編集]
ハリケーン村山は、風向きや避難情報の“読み上げ”を笑いに変換するスタイルで知られるお笑い芸人である。特に、電話の自動音声や防災無線を模した語り口を用いることで、会場の空気を「緊急放送モード」へ引き込む点が評価されている[2]。
一方で、その芸名は気象用語由来と説明されることが多いが、本人は「村山」は名字ではなく“村の山=避難所”を指す古い方言だと述べたことがある[3]。この種の説明は真偽不明とされるものの、村山の語りはなぜか説得力を伴い、結果としてキャラクター性が強化されたとされる。
村山の活動は、全国の劇場だけでなくの広報イベントとも接点があると報じられており、ここが“笑いと行政の境界”としてしばしば話題になる。なお、本人は「笑いは避難訓練より先にやるべき」とも発言している[4]。
略歴/来歴[編集]
九州笑学院と「風量メートル」科[編集]
村山は、専門学校「九州笑学院」に在籍していたとされる。校内にはコント科とは別に「風量メートル」科が存在し、初期課題として“台風情報を1分間で誤読しない”練習が課されていたと語られる[5]。
この授業の成績は、測定器であるはずの簡易風速計がなぜか落語の記録用紙に紐づけられており、最終レポートでは「風は吹くが、笑いは吹かないので風に似た笑いを吹かせる」と書いた学生が表彰されたという。村山はその表彰を受けた年が2012年の“第0回”だったと説明したとされる[6]。
さらに、当時の担任である講師・[[山際サブロー]]は、風向きが変わるたびに生徒が台本を捨てる演習を実施していたと伝えられる。村山はこの経験を「即興の原点」と位置付け、のちに自分のネタ作りにも反映させたとされる[7]。
東京進出と「避難所コール」ブーム[編集]
2015年に村山は東京へ活動拠点を移し、近辺の小劇場で「避難所コール」と称する漫談を披露した。演目は“避難所の呼び名を10種類暗記し、客が一言発するたびに呼び名を変える”形式だったとされる[8]。
このネタが話題となった背景として、同時期に放送作家の[[遠藤カズノリ]]が、視聴者参加型コールを“避難訓練の擬似体験”として提案したことが挙げられている[9]。ただし、遠藤は後に「訓練ではない、文化祭の延長だ」と釈明したとも言われ、ここが村山の説明と食い違うと指摘されている[10]。
村山は2017年頃から、台本ではなく「天気図の余白」に書いた走り書きを読み上げるようになった。その結果、観客は“今この人の頭の中で進行中の災害”を見ているような錯覚を覚える、と評論家から評された[11]。
人物[編集]
村山は、普段から小型の発泡スチロール製のカードホルダーを持ち歩き、ネタの合間に「風向きの整合性チェック」をすると称されている。本人は「笑いは風の流れに乗るので、カードがないと笑いが迷子になる」と説明している[12]。
また、食のこだわりが強いことで知られ、出番前に必ず“塩気のある飴”を舐めるという習慣がある。芸人仲間の[[香取ハチベ]]は、塩飴を舐める村山の顔が「台風の目」みたいだと評したとされる[13]。
一方で、災害をネタにする姿勢については、冗談の境界が難しいと本人も認めており、2019年に「救助を笑うのではなく、手順を笑う」と方針を明確化したと報じられた[14]。この発言は一見真面目だが、村山は同日に“手順を笑うなら、手順書を持ち歩くべき”と冗談を重ねたため、報道は微妙に誤解を含んでいたとされる。
芸風/作風[編集]
漫談:気象レポート型のツッコミ[編集]
村山の主な芸風は漫談であり、[[気象情報]]の文体を模したツッコミが特徴である。たとえば、ボケの内容を「〜と考えられます」ではなく「〜である(確定)」と言い切り、最後に「ただし、こちらの確定は観測誤差を含みます」と畳み掛ける手法が用いられる[15]。
この構造は、本人が“台本の誤差=笑いの余白”として扱っていることと関連づけられている。会場の拍手が止まった瞬間に、わずか0.7秒遅れて天気予報を再開するのが村山の癖だとされ、同席した演出家の[[西園ミネ]]が「止めるんじゃなく遅らせる」と分析している[16]。
また、ネタの語尾には必ず「〜にございます」を挿入するルールがあり、これが行政文書の乾いた感じを笑いへ転換しているとされる。なお、村山はこの語尾を「出囃子の代わり」と呼んだことがある[17]。
即興コント:客の一言を「震度」に変換[編集]
即興コントでは、客が発した単語を独自の“震度換算表”に当てはめる。換算表はA〜Eの5段階で、たとえば「お腹すいた」は震度3、「やばい」は震度5、「どうでもいい」は震度1として扱うと説明される[18]。
この方式の出典は明確でないものの、村山は“幼少期に聞いた家庭内の天気会話”が元だと語っている。ただし、一部の記録者は村山が換算表を2016年に[[防災科学技術研究所]]のイベントで見た資料から作ったのではないかと推定している[19]。本人は否定しているが、否定の仕方が「資料は見ていない、雰囲気だけ吸った」と曖昧であるとして、芸人ファンの間では“半分本当”扱いになっている[20]。
さらに、村山の即興コントは最後に「避難所の定員は何人か?」という質問で終わることが多い。ここで村山が口にする人数は毎回変わるが、ある公演では「定員64名、うちスリッパ当日配布は7足」と細かすぎる数字が出たとされる[21]。
エピソード[編集]
村山の代表的なエピソードとして、「出囃子の代わりに予報を鳴らす」試みがある。2018年、彼は舞台袖で携帯ラジオを分解し、短いモールス信号のような音を鳴らした上で登場したとされる[22]。結果として音が出過ぎ、司会が慌てて“非常時対応”の立ち位置になったため、会場は笑いと混乱の境界を味わう形になったという。
また、冠番組『[[村山の風向き教室]]』では、視聴者から届いた「避難所で詰みそうなもの」をランキング形式で扱った。第1回のランキングは、意外にも「電池があるハンディ扇風機」が“最適解”として紹介されたと報じられている[23]。この結果、番組スポンサー側が「扇風機の安全確認は?」と問い返したことで、番組は一度だけ“手順トーク祭り”へ逸れたとされるが、逸れた回ほど視聴率が高かったとも言われる[24]。
さらに、村山は地方営業で地元の商店街に入ると必ず、床面積の広い場所に立って「ここは避難のしやすさで言えば3点」と評価する癖がある。商店街側は最初困ったが、のちに“避難しやすさチェック”が観光ガイドに取り込まれた。これにより、村山は一部で「笑いによる防災支援」の象徴として扱われるようになったとされる[25]。
もっとも、最も笑われた出来事は、村山が生放送中に「本日は震度が…4だと思われます」と言いかけて放送事故寸前になった件である。直後にテロップで「震度4=気持ちのテンポ」と注釈が出たが、視聴者の間では「テンポって震度あったっけ?」が拡散し、結果として村山の名はネット上で一気に定着したとされる[26]。
賞レース成績・活動[編集]
村山は2018年の[[R-1ぐらんぷり]]でファイナリストに選出されたとされる。ネタの題目は「避難所コール—誤読しないはずの一言—」であり、気象レポート型のツッコミが高評価になったと報じられた[27]。
同年、別枠で“即席気象芸”特別賞を受けたとも記録されているが、受賞理由が「天気図の余白を笑いで埋めたため」と表現されており、審査員の語彙が独特だったとファンが話題にした[28]。
以降は、冠番組を中心にメディア露出が増えた。2019年には『[[村山の風向き教室]]』が地方局で再放送され、2021年にはラジオ『[[台風手帳ラジオ]]』で“読まない防災”というコーナーを担当したとされる[29]。
ただし、村山は受賞後に“災害を軽く扱っているように見える”という指摘も受け、2020年以降は必ず最後に防災の注意点を短く添えるようになった。ここが真面目さと滑稽さを両立させる工夫として評価されている一方、形式的だという批判もあるとされる[30]。
出演[編集]
テレビでは『[[村山の風向き教室]]』(冠番組)を中心に出演し、ゲストには地元消防団出身者や気象予報士見習いが呼ばれることが多いとされる。過去には『[[ご当地非常口バラエティ]]』の準レギュラーを務めた記録もある[31]。
ラジオでは『[[台風手帳ラジオ]]』で、リスナーの“気になる避難所ルール”を募集して即興で芝居化するコーナーが人気になったと報じられている。特に、投稿が1週間で年間平均の3.2倍に膨らんだ回があり、その要因として「笑いながら避難所の場所を覚えた」という声が多かったとされる[32]。
映画や配信では大きな主演は少ないとされるが、短編配信『[[風向きの裏切り者]]』ではナレーションを担当した。配信上の字幕が“気象っぽい語尾”に統一されており、視聴者から「芸風が字幕にまで感染してる」と評された[33]。
作品[編集]
村山の作品としては、CD『[[台風手帳〜読む前に笑え〜]]』(2019年)とDVD『[[避難所コール完全版]]』(2020年)が知られている。DVDには、舞台袖でのNG集が収録されているが、NGの多くは“テンポの遅延”に関するものであり、遅延が村山の武器だと示す資料としてファンに受け止められている[34]。
また、2022年には書籍『[[震度でわかる人生の順番]]』を刊行したとされる。内容は防災読本の体裁を取りつつ、読み終えたころに「順番は笑いで覚える」という結論へ誘導される構成である。なお、一部ページでは“避難所の定員”をモデルケースとして出すが、その数値が作品ごとに変わるため、編集部が「同じ災害は来ない」旨の注記を入れたと報じられた[35]。
さらに、2023年には音声コンテンツ『[[ハリケーン村山の即席コール]]』がサブスクリプションで配信された。音声でも“0.7秒遅延”が再現されているとされ、再生速度を変えると笑いが変質するという指摘がある[36]。
脚注[編集]
関連項目[編集]
脚注
- ^ 『芸能要覧2020』日本放送出版社, 2020.
- ^ 村山漣太『震度でわかる人生の順番』東風エンタープライズ出版, 2022.
- ^ 遠藤カズノリ『視聴者参加型コールの設計』テレビ構成社, 2017.
- ^ 西園ミネ『即興の余白—0.7秒遅延の技法—』舞台演出研究会, 2018.
- ^ 山際サブロー『風量メートル科の教育成果』九州笑学院紀要, 第3巻第2号, pp.45-62, 2013.
- ^ 『R-1ぐらんぷり公式記録集2018』よしもと競技委員会(編), Vol.12, pp.110-133, 2018.
- ^ Margaret A. Thornton『Disaster Humor in Japanese Media』International Journal of Comedy Studies, Vol.6 No.1, pp.23-41, 2021.
- ^ 田中遼介「自治体広報におけるナラティブ設計と笑い」『地域情報学会誌』第19巻第4号, pp.1-17, 2020.
- ^ 河童亭リュウジ『台風の目と皿回し』河童亭文庫, 1998.
- ^ ‘Reading the Wind: Tempo as “Severity” ’『Journal of Broadcast Timing』, Vol.9, pp.77-88, 2019.
外部リンク
- 東風エンタープライズ 公式プロフィール
- 台風手帳ラジオ 特設ページ
- 村山の風向き教室 公式アーカイブ
- 避難所コール 完全版(配信案内)
- 即席気象芸 データベース(架空)