ファイナルファンタジー114514
| タイトル | ファイナルファンタジー114514 |
|---|---|
| 画像 | FinalFantasy114514_cover.jpg |
| 画像サイズ | 256px |
| caption | 北極海沿岸版パッケージ |
| ジャンル | コンピュータRPG |
| 対応機種 | ドリームボックス |
| 開発元 | セレスティアル・アーク |
| 発売元 | ムーンリバー・ソフトウェア |
| プロデューサー | 桐生院 司 |
| ディレクター | 真柴 玲 |
| デザイナー | 北條 みなと |
| プログラマー | 相馬 恒一 |
| 音楽 | 久世 透 |
| シリーズ | 星葬戦記 |
| 発売日 | 2004年11月4日 |
| 対象年齢 | CERO B相当 |
| 売上本数 | 全世界累計514万本 |
| その他 | 初回特典に紙製の星暦年表が同梱 |
『』(ファイナルファンタジーいちいちよんごいちよん、英: Final Fantasy 114514、略称: FF114514)は、にのから発売された用。の第8作目[1]。
概要[編集]
『』は、シリーズの第8作目として制作されたである。シリーズの中でも特に「数字の呪文」と呼ばれる独特の命名法で知られ、発売当時は雑誌広告の見出しにの数字だけが大書され、詳細は最後まで伏せられていた[2]。
作品名の由来については諸説あるが、開発初期に用いられた社内コード「114-5-14」を、企画会議の席でが「語感が良い」としてそのまま採用したとされる。一方で、都市伝説的には、内のスタジオで偶然発生した電磁ノイズがタイトルロゴに焼き付いた結果であるともいわれている[要出典]。
本作は巨大都市と、海底神殿を往復しながら進行する群像劇であり、プレイヤーは「記憶税」を徴収する旅団の一員として操作する。戦闘はを基調としつつ、シリーズでも珍しい的な照準補助を採用したことが特徴である。
ゲーム内容[編集]
ゲームシステム[編集]
ゲームシステムの特徴として、通常攻撃とは別に「第114符号」と呼ばれる補助入力が存在し、特定の数字列を短時間で入力すると、味方全体に微量の経験値補正が発生する。これは開発途中、デバッグ用の乱数表が誤って本編に流用された名残であるとされる。
また、フィールド上のセーブポイントはと呼ばれ、接触するたびに主人公の装備重量が0.114kgだけ軽くなる。プレイヤーの間では、これを利用して終盤の移動速度を最大化する「軽量化走法」が流行した。
戦闘[編集]
戦闘は最大4人編成のターン制であるが、敵の詠唱中のみ画面左下に弾幕レーンが表示され、プレイヤーはスティックでその弾幕を避けながらコマンドを決定する。これは開発資料上では「半リアルタイム式選択戦闘」と記されていたが、テストプレイ参加者の多くは「会議資料を読みながら避けるゲーム」と呼んでいた。
一部のボスはに対応しており、2人目の参加者が接続すると敵のHPが1.14514倍になる代わりに、ドロップ率もわずかに上昇する。なお、オンライン対応版ではこの倍率が小数第5位まで記録され、解析勢の間で半ば宗教的に扱われた。
アイテム[編集]
アイテムは「鉱石」「文書」「食料」「儀礼具」の4系統に分かれている。中でも回復アイテムのは、HP回復量が1145、MP回復量が14という端数のない設計で、当初は偶然の産物と見られていたが、後にが「数字の均衡を取るために意図した」と証言した。
また、レアアイテムのは、所持しているだけで宿屋の宿泊費が下がるが、街の住民の会話がすべて敬語になる副作用がある。これにより、終盤の金策よりも会話ログの収集を目的に装備する者が続出した。
対戦モード[編集]
対戦モードは、シリーズでは異例の外伝的要素として追加された。2人対戦では、互いに召喚獣を奪い合う「召喚収奪戦」と、制限時間内に都市を整備する「都市税率レース」の2種類が存在する。
特に後者は、住民満足度を上げるほど相手の行動範囲が狭くなる設計で、eスポーツ化を前提にしていたともいわれる。ただし、公式大会では税率計算が複雑すぎたため、審判が電卓を3台持ち込む事態がたびたび発生した。
オフラインモード[編集]
オフラインモードでは、ネットワーク接続を切断した状態でのみ発生する隠しイベントが6種類ある。その中でも「無音の港」は有名で、ゲームを48時間以上放置すると、港町の背景だけが1コマずつ手書きアニメに置換される。
この仕様は本来、ロード遅延対策のテスト画面だったが、発売後にファンが「孤独表現の完成形」として高く評価し、後の作品にも引き継がれた。
ストーリー[編集]
物語は、の記憶徴収局に勤める青年が、海底に沈んだ王国の消失記録を追うところから始まる。彼は任務の中で、失われた年月を保存する装置の存在を知り、世界の歴史そのものが会計処理によって改竄されていることを察する。
中盤では、仲間のが「星の利息」を返済できなければ都市ごと記憶抹消されると告白し、以後の展開はほぼ借金と神話の折衷で進む。終盤、主人公一行はという数字が、古代文明における暦ではなく、実は海流の干満を示す符丁であったことを知るが、誰もその説明を最後まで理解しきれない。
エンディングは3種類存在し、真エンドでは世界が救われる代わりに全登場人物の名前が漢数字に置換される。この演出は賛否を呼んだが、「シリーズ史上最も読みにくい感動」として一部の評論家に絶賛された。
登場キャラクター[編集]
主人公[編集]
は、記憶徴収局の下級監査官であり、剣よりも帳簿の扱いに長けた主人公である。武器は折りたたみ式の細剣で、攻撃を当てると敵の所持金が端数だけ減る。
開発初期は無口な寡黙型として設定されていたが、後半から急に「税率とは何か」を長演説する人物に変更され、結果としてシリーズ屈指の説明台詞キャラになった。
仲間[編集]
は潜水考古学者で、海底遺跡の扉を開けるたびに必ず紅茶を飲む習慣がある。は元軍用プログラマーで、戦闘中に味方のコマンド欄を勝手に整列させる癖がある。いずれもプレイヤー人気は高く、発売後の投票ではサイモンが「一番説明が長い男」として1位を獲得した。
なお、隠し仲間のは条件を満たすと加入するが、加入後は一切戦闘に参加せず、ただ街の掲示板を修理し続ける。そのため、攻略本では「ほぼ都市計画担当」と記された。
敵[編集]
敵勢力はと呼ばれる宗教会計組織であり、彼らは「歴史は未払いである」という教義のもとに各地の年表を封鎖している。首魁のは、作中で唯一114514回以上の台詞バリエーションを持つとされ、実際には1145種類しかないのではないかという指摘もある[要出典]。
中ボスのは、敗北すると必ず「この戦いは四則演算では説明できない」と言い残して退場するため、ファンの間ではミーム化している。
用語・世界観[編集]
本作の世界は、と呼ばれる独自暦によって管理されている。1年は114日ではなく514日で構成され、うち中間の4日間は「無記録日」として誰にも記憶されない。これは制作陣が暦計算の簡略化を試みた結果であるとされる。
また、は国家の根幹をなす制度で、言葉を多く覚えるほど納税額が増えるという奇妙な法体系である。この設定は、発売直後に教育関係者から「学習意欲をそぐ」と批判された一方、家庭用ソフトとしては珍しく漢字学習に役立つと評された。
世界観の象徴としてがあるが、実際には鐘ではなく巨大な計算機であり、潮の満ち引きを弾くことで未来の景気を予測する。この装置の精度は82.3%とされているが、翌年には「ほぼ気分」と判明した。
開発[編集]
制作経緯[編集]
制作は、社内で「次世代RPGに必要なのは、剣と帳簿と数字である」という提案書が採択されたことに始まる。もともとは海洋貿易を題材にした経済シミュレーションの企画であったが、が「戦闘がないと売れない」と判断し、RPG要素が急増した。
タイトルのは、当初はテストパスワードだったが、会議室のホワイトボードに誤って残され、それを見たが「リズムがある」と主張したことで採用されたという。実際には、数字の並びが社内の電話内線番号と一致していたという説もある。
スタッフ[編集]
スタッフは少人数ながら、各人の職掌が極端に細分化されていた。たとえばはプログラミングのほか、ロード中に流す注意文の句読点配置まで担当し、は敵キャラクターの靴底の厚みまで監修した。
また、制作終盤には外部校閲としてが参加し、世界観の整合性を確認したとされる。ただし、校閲報告書の多くが「面白いが説明不能」と結ばれており、実質的な助言は少なかった。
音楽[編集]
音楽はが担当し、管弦楽と8ビット音源を同時再生する「二層合成方式」を採用した。代表曲の「」は、序盤の町で流れるにもかかわらず、曲長が7分14秒あり、宿屋に入る前にプレイヤーが離席することで知られている。
サウンドトラックは発売から2週間で再生回数が累計114万回を超え、限定版には曲ごとのコード進行を分析した解説冊子が付属した。なお、終盤曲の「」は、当初は実験音楽として扱われていたが、後に葬式用BGMとして一部の地方自治体に採用されたという逸話がある。
他機種版・移植版[編集]
には携帯機向けに縮小移植版が発売された。画面解像度の都合で主人公の帽子が常時正方形になったが、逆にそれが親しみやすいと評され、移植版独自の人気を得た。
さらにには向け完全版が登場し、追加ダンジョンが収録された。なお、海外版はタイトルが『Final Fantasy 114514: Ocean of Receipts』に変更され、レシート文化への過剰なこだわりが批評家の注目を集めた。
評価[編集]
発売当初の初週販売本数は約41万本で、最終的にはを突破したとされる。特に相当の賞を受けたことで一般層への認知が広がり、年末商戦ではとして扱われた。
一方で、難解な用語と説明過多な台詞回しは賛否を呼び、レビューでは「壮大だが請求書のようだ」「世界観が会計でできている」といった評が並んだ。それでも、数字を題材にしたゲームとしては珍しく、教育機関の展示会で「算数への抵抗を下げる作品」として紹介された例がある。
関連作品[編集]
派生作品として、小説版『』、ドラマCD『』、および携帯向けパズル『』が制作された。また、テレビアニメ化企画も進んだが、第1話の時点で帳簿の説明に10分を費やしたため、全13話構成から全3話構成へ縮小されたといわれる。
メディアミックス展開の中では、舞台版『』が最も異色で、客席に税務申告書が配布された。観客の半数以上が記入方法を尋ねたため、上演後に簡易説明会が開かれたという。
関連商品[編集]
攻略本としては『』と『』が刊行され、前者は全832ページに及ぶ。とくに「隠しパラメータ一覧」の章は、ゲーム本編よりも読了に時間がかかることで有名である。
書籍関連では、『』という設定資料集のほか、なぜか料理本『』も発売された。その他の商品として、タイトル数字を立体化した置時計、真珠灯を模した卓上ランプ、そして114514枚限定の紙製しおりが販売された。
脚注[編集]
関連項目[編集]
参考文献[編集]
外部リンク[編集]
脚注
- ^ 桐生院司『114514という数字の設計思想』ムーンリバー出版, 2005年.
- ^ 真柴玲「半リアルタイム式選択戦闘の実装」『ゲーム研究年報』Vol. 12, No. 4, pp. 88-103, 2006年.
- ^ 北條みなと『星葬戦記 美術設定資料集』セレスティアル文庫, 2004年.
- ^ 久世透「港に降る114514の雨と反復旋律」『月刊サウンドノート』第18巻第2号, pp. 14-27, 2005年.
- ^ 相馬恒一『ドリームボックスにおける小数点処理と幻覚バグ』東都工学出版, 2007年.
- ^ M. L. Wren, “Receipts as Myth: Fiscal Fantasy in Final Fantasy 114514,” Journal of Interactive Absurdity, Vol. 3, No. 1, pp. 1-19, 2011.
- ^ A. Thornton, “Oceanic Ledgers and the Politics of Memory Tax,” Digital Fiction Studies, Vol. 9, No. 2, pp. 44-66, 2014.
- ^ 関東文理大学 星間文化研究室『海底鐘楼の暦法に関する覚書』研究報告書, 2005年.
- ^ 山崎涼『ゲームと税制の境界線——FF114514に見る記憶徴収制度』中央評論社, 2008年.
- ^ Elena Voss, “The Square Hat Problem in Portable RPG Ports,” Portable Media Review, Vol. 5, No. 3, pp. 77-81, 2010.
- ^ 『ファイナルファンタジー114514 攻略大全』電脳遊戯社, 2004年.
- ^ 『潮煮スープの作り方114種』料理と幻想の会, 2006年.
外部リンク
- 星葬戦記公式資料室
- ノクス港観光局アーカイブ
- セレスティアル・アーク社史館
- ゲーム保存協会 114514研究ページ
- 海底鐘楼音楽堂