ポピーライフル
| コンビ名 | ポピーライフル |
|---|---|
| 画像 | (架空)ネオン色の出囃子幕と小型望遠器 |
| キャプション | 『発射ではなく“発声”します』を合言葉に活動 |
| メンバー | 榎本 コスモ(えのもと こすも)、白鳥 マキア(しらとり まきあ) |
| 結成年 | 2009年 |
| 解散年 | — |
| 事務所 | ポピーライフル事務所 |
| 活動時期 | 2009年 - 現在 |
| 芸種 | 漫才・コント |
| ネタ作成者 | 榎本が構成、白鳥が“測定ギャグ”監修 |
(英: Poppy Rifle)は、所属のお笑いコンビである。9月結成。NSC4期生で、「小道具の扱いが異様に精密」とされ、爆発的な話題となった。
概要[編集]
ポピーライフルは、舞台上で小道具を分解・再組立するように言葉を組み替える漫才と、架空の銃器“ポピーライフル”をめぐる手続き芸で知られるお笑いコンビである[1]。
コンビ名は、2009年当時に流行した「象徴的に危険そうな名前ほど場が温まる」という若手研究会の成果として、当初は“謎の気象観測ユニット”の通称として社内資料に登場したとされる[2]。ただし、本人たちは後に「実在の兵器ではない。あくまで“笑いの発射手順書”の比喩」と語っている[3]。
メンバー[編集]
榎本 コスモは出身。計測器のような間取りの脚本づくりを得意とし、ボケ担当であるとされる[4]。
白鳥 マキアは出身。計算よりも“計算している風”を正確に見せるツッコミ担当であり、「秒針の音が聞こえるツッコミ」を信条としているとされる[5]。
両者は24歳同士で結成したことが話題となり、当時の週刊誌では「平均身長173.4cm、体重は2人とも“ネタの尺で増減”する」とまで報じられた[6]。
来歴/略歴/経歴[編集]
結成とNSC経由の“手順書文化”[編集]
榎本はNSC4期生、白鳥は同校5期との噂もあるが、本人たちは「同じ“測定芸のゼミ”に所属していた」と説明している[7]。ゼミの課題は、架空の装置のマニュアルを読ませる形式で、最後は観客が誤読した箇所だけツッコむというルールだったとされる。
2009年9月、2人はの小劇場で初の30分連続舞台を敢行し、観客に配布した紙に“誤差許容範囲:±0.2笑点”と印字されていたことが転機になったとされる[8]。なおこの“笑点”は、当時の深夜ラジオで用いられた独自単位であるとされ、のちに学園祭の模擬審査で模倣が増えた。
東京進出と“ポピーライフル”商標騒動(誤解含む)[編集]
2011年、ポピーライフルは東京進出後に、深夜番組で披露したコント「安全装置は心の中にある」で知名度を得た。しかし商標の話が一度だけ噴き出し、局側のテロップ案に“ライフル=銃器”の注釈が入ったことで、SNS上で「実在兵器の取材が入っているのでは」という誤解が広がった[9]。
このとき、事務所はに“笑いの手順書”を分類するための照会を行ったとされるが、実際には書類の提出日が週末をまたいだため、担当者が誤って差し戻したという“書類コント”が発生し、逆に人気を呼んだと報じられた[10]。
芸風[編集]
ポピーライフルの芸風は、漫才では「発射の前に読み上げる手順」が主題となり、コントでは“ポピーライフル”という架空の装置が毎回仕様変更される点に特徴がある[11]。
たとえば漫才では「点検:全機能A=合計7回」「点検:全機能B=合計11回」といった数字を連呼し、白鳥が“測定の結果を言い切るまで絶対に笑わない”という不自然な律儀さで受け止める構造になっているとされる[12]。
一方で、観客が笑った直後に榎本が「笑いは反応です。反応は誤差です。誤差は次の手順で補正します」と小難しく締めることで、笑いが冷める前にもう一段階加速する、という手順芸が定式化したとされる。
エピソード[編集]
2013年、地方局の特番収録で2人は“音の測定”を謳うネタを行い、舞台裏で測定したはずの「笑いのピーク時刻:21時14分06秒」を読み上げた。ところが実際の時計は5分遅れていたため、白鳥が「ズレています!だから今日は“正しい笑い”の日です!」と宣言し、会場は逆に沸いたとされる[13]。
さらに同年、で行われた公開収録では、客席に向けて“安全半径:3.1m”の注意札を配布した。注意札の裏に「この3.1mは“落語の間”に換算されます」と書かれていたことが話題になり、のちに若手芸人の間で「半径=間」という換算が流行したとされる[14]。
ただし当人たちは「ポピーライフルは“物”じゃない。手順書の記号化だ」と繰り返しており、数字の細かさも“嘘に見えない嘘”のためだと説明している[15]。
出囃子[編集]
出囃子は、榎本が自宅で録音したというカエルの鳴き声を、白鳥が楽譜に起こして“安全確認の節”にしたものとされる[16]。正式名称は「確認旋律 第0号」で、イントロが16小節、ブリッジが4小節、最後の“間”が13拍であるとされる。
なお、テレビ出演時に出囃子が流れるタイミングがズレると、白鳥が即座にツッコむため、スタッフ間では「音は舞台装置の一部」として扱われるようになったとされる[17]。この結果、以後の番組ではSEの制作フローに“笑い合わせ”の項目が追加されたという指摘もある[18]。
受賞歴・賞レース成績[編集]
ポピーライフルは、2012年に“手順書漫才”の形で準決勝まで進出した。翌年の2013年大会では、審査員が「数えるだけのボケが面白い」と評したとされ、ファイナリスト相当の扱いで取り上げられたという[19]。
また、2014年にはに出場し、“ポピーライフル安全点検”をテーマにしたコントで準優勝同等の評価を得たとされる[20]。ただし公式記録では当該大会の成績表が「照明トラブルにより集計方法が変更」と注記されており、細部は“現場の伝承”と一致しない部分があるとされる[21]。
出演[編集]
テレビでは、深夜枠の冠番組として『』(2016年4月〜2018年3月)が放送され、特番『安全装置は心にある』が複数回企画されたとされる[22]。
ラジオでは『』が長寿番組として知られ、リスナー投稿の“誤読報告”をネタ化するコーナーが人気を博したとされる[23]。
舞台では、2019年にの劇場で単独ライブ『発射より先に読む』を上演し、チケット完売後も追加公演が組まれたとされる[24]。
作品[編集]
CD『ポピーライフル点検集』(2015年発売)では、ネタの言い回しを“規格化”した音声が収録されているとされる[25]。
DVD『ポピーライフル 安全確認(映像規格版)』(2017年発売)は、コント内で出てくる架空の器具の組み立て手順を字幕で再現した点が特徴とされた[26]。
また、書籍『誤差で笑わせる技術』(2021年刊行)は、数字の使い方を“心理的負担の最小化”として解説する体裁で話題になったとされる[27]。なお一部の章では「誤差許容範囲:±0.2笑点」を現実の単位として扱っているように見えるという批評もある[28]。
脚注[編集]
関連項目[編集]
脚注
- ^ 田中 朔『笑いの安全規格—若手芸人の手順書文化』東京メディア出版, 2019.
- ^ 榎本 コスモ『発射ではなく発声する—ポピーライフル技術論(第1巻)』ポピーライフル事務所出版部, 2021.
- ^ 白鳥 マキア『確認旋律 第0号とその13拍』音響芸研究会, 2018.
- ^ 山川 玲音「深夜番組における“誤差”演出の定量化試論」『放送芸能研究』第34巻第2号, pp. 77-96, 2017.
- ^ Martin H. Caldwell「Procedural Humor and Audience Timing: A Micro-Offset Study」『Journal of Comedy Mechanics』Vol. 12, No. 1, pp. 1-19, 2016.
- ^ 杉崎 風馬『SNS誤解の拡散経路—商標の誤読が生む熱量』講談箱, 2014.
- ^ Lee Min-joon「Theatrical Pseudo-Technology in Japanese Manzai」『International Review of Stage Comedy』第9巻第4号, pp. 201-223, 2020.
- ^ 『NSC芸人白書 42校編』NSC広報局, 2010.
- ^ 星野 貫太「“半径=間”換算の合理性と弊害」『寄席間学ジャーナル』Vol.3, No.2, pp. 55-63, 2015.
- ^ 浅倉 皓「ポピーライフルの語源—架空装置命名の実務」『日本表現史概説』第2巻第7号, pp. 300-315, 2022.
外部リンク
- ポピーライフル公式サイト
- 測定の余白(番組アーカイブ)
- 手順室ラジオ掲示板
- 確認旋律ライブラリ
- 誤読報告ギャラリー