メッサモッチャ
| 分類 | 茶系発酵飲料(極小粒抽出) |
|---|---|
| 原材料(とされる) | 茶葉・乳酸菌群・黒糖抽出液 |
| 特徴 | 直径0.9〜1.3mmの“モッチャ核粒”を含むとされる |
| 主な製法(とされる) | 二段発酵→超微粒化→低温“戻し” |
| 生産開始(とされる) | 1987年 |
| 監督機関(とされる) | 消費庁 茶質適合検査室(別称:茶質室) |
| 販売形態 | 粉末スティック/小型瓶 |
| 関連規格 | MMS-11“核粒密度”基準 |
メッサモッチャ(英: Messamoccha)は、で流通するとされた「極小粒発酵飲料」規格に基づく茶系飲料である。家庭用抽出器の普及とともに、官民の検査網が整備されていったとされる[1]。なお、語源については複数の説があり、どれも決定打に欠けるとされている[2]。
概要[編集]
は、茶系飲料の一種として語られることが多く、特に“飲んだ瞬間の香り立ち”と“口当たりの粘性”を両立させた商品として説明されることがある[1]。一見すると抹茶の亜種にも見えるが、規格上は「極小粒発酵飲料」として扱われ、抽出器側にも微細構造が要求される点が特徴であるとされる。
この名称は、1980年代後半に策定されたとされる民間規格「MMS-11“核粒密度”基準」に由来するという説明が一般的である[2]。一方で、由来語の“モッチャ”は地域方言の混入により変形した可能性があるともされ、研究者のあいだでは語源の揺れが残っている[3]。なお、商品写真では必ずと言ってよいほど赤い封緘印が押されており、消費者団体が「安心の赤印」と呼んだことが普及の一因だったと記録されている[4]。
概要(詳細:規格と抽出体験)[編集]
製品ラベルには「核粒密度:1mLあたり1.42×10^9個」など、妙に理系の数値が併記されることが多いとされる[5]。これらは実測の統計値であると説明されるが、統計母数(何杯分を測ったか)が製造者ごとに異なることから、当時から“数値の語り”が先行していたのではないかという指摘もある[6]。
抽出器は標準的に、所在の試験機関(後述)で「噴霧角:42°、内部流路幅:0.7mm」といった条件を満たすよう設計されたとされる[7]。そのため、同じ粉末を使っても、別メーカーの抽出器では香り立ちが弱いとされ、結果として“器と中身のセット購買”が定着したとされる。
また、飲用直後の粘性は“ティースプーン1杯分の沈降速度”で評価されるという独特な指標があり、沈降速度0.31cm/s以下(個人差補正あり)で「メッサモッチャらしい」と言われたとされる[8]。この指標が当たるとされる一方で、後年には体温・湿度の影響が大きいのではないかとも議論された[9]。
歴史[編集]
発案と規格化:“核粒”をめぐる官民協定[編集]
1980年代前半、の製茶企業数社が、海外向けの高級茶飲料で「口に残る粉感」がクレームになっていることを問題視したとされる[10]。そこで、の外郭に近い形で設置された「茶質品質研究会」が、1995年にまとめられる最終報告書に先行して、1984年から“核粒”という概念を試験的に導入したとされる[11]。
当初の発想は、粒子を大きくするのではなく、逆に分散を乱さない程度まで微細化し、さらに発酵で“粒の表面性状”を整えるというものであった[12]。ここでキーマンになったのが、会議資料に頻出した(当時、食品微粒化研究の技術顧問)であるとされる[13]。ただし、渡辺は「数字を並べると現場が楽をする」とも語っていたと伝えられ、結果として現場の測定項目が“多すぎる”方向へ膨らんだともされる[14]。
この経緯から、1987年にMMS-11基準の試行版ができ、翌1988年にの検査プロトコルへ組み込まれた、と説明されることが多い[15]。なお、同基準には「核粒の直径は0.9〜1.3mm、ただし例外的に1.6mmでも“香りが良ければ可”」という、当時としては破天荒な但し書きが含まれていたとされる[16]。
普及:“赤印封緘”と港区の試験機関[編集]
普及の転機は、1991年にの「核粒適合試験センター(仮称)」が営業を開始したことだと語られる[17]。同センターは、抽出器の流路内に微量の染料を流し、香りの立ち上がりを光学的に測る手順を整備したとされる[18]。その際、試験合格品にのみ貼れる赤い封緘印が“安心の印”として受け入れられ、メッサモッチャは一気に「計測されている食品」として定着したとされる。
また、当時の販売現場では「封緘印がないと“核粒が逃げる”」という比喩が半ば流行し、子どもの購買意欲を刺激したとされる[19]。この語りは科学的根拠が薄いと後年に批判されたが、同時に広告コピーとしては強力だったため、メーカー側はあえて訂正しなかったとされる[20]。
一方で、赤印封緘の仕様は何度も変更された。初期ロットでは封緘印の光反射率が0.72を下回る製品が混入し、2000年に一度“赤印リコール”が話題になったという[21]。ただしこのリコールは重大事故ではなく、あくまで「見分けやすさ」向上のための回収であったと説明されることが多い[22]。
転機:海外輸出と“数値の独り歩き”[編集]
2003年ごろから、メッサモッチャは“核粒密度”の数値が国際輸出の販促資料に使われたとされる[23]。実際には、輸入国ごとに水質や保存温度が異なるため、香り立ちの再現性は揺れやすいはずだと指摘されていた[24]。それにもかかわらず、パンフレットでは「1杯あたりの核粒接触率:96.3%」のような数値が独り歩きしたとされる[25]。
この状況に対し、では「測るほど食体験が死ぬ」という趣旨の消費者レポートが出され、製造者が“数値の出し方”を見直したとされる[26]。さらに2008年、MMS-11の改訂版で例外条件(1.6mmでも可)が縮小され、香り以外の要件が増えたとされる[27]。
その後、メッサモッチャは“科学っぽいが、結局は飲み物”という二面性を抱えたブランドとして長く続いたとされる[28]。なお、語源の“モッチャ”については、当時の試験センターで使われた「モジュラー・サンプル秤(MOC)の通称」が転じたという説もあるが、確証はないとされる[29]。
批判と論争[編集]
メッサモッチャには、いわゆる健康食品的な誇大表現が混じったのではないかという疑義が繰り返し指摘されたとされる[30]。特に「発酵によって“胃の表面張力が整う”」といった表現は、当時の栄養学の常識から外れているとして、の審査部会で問題視されたとされる[31]。ただしメーカーは、これは医学的主張ではなく“比喩”だと反論したと記録されている[32]。
また、核粒密度の測定法に関しても、装置較正の手順が公開されていなかった時期があったとされる[33]。この結果、同じロットでも測定値が1桁変わるケースがあったという証言が出回り、ネット上では「メッサモッチャは飲むより換算する商品だ」と揶揄されたとされる[34]。この発言は一部の研究者により「測定を嫌悪する偏見」であると否定されたが、同時に、数値に依存した購買行動は実際に広がっていたとする調査報告もある[35]。
さらに、赤印封緘が“ブランドの信仰”を作ったという批判もある。封緘印がないと品質が落ちるのではなく、心理的安心を補強しているだけではないか、という論点である[36]。この見方に対し、支持側は「安心は品質の一部である」とする立場をとり、議論は収束しなかったとされる[37]。なお、最終的に和解の形として、封緘印に小さく「本印は識別目的です」と印字するようになったとされるが、いつからかは資料により食い違うとされる[38](要出典)。
脚注[編集]
関連項目[編集]
脚注
- ^ 消費庁 茶質適合検査室『MMS-11核粒密度測定手順(暫定版)』第3版, 2001年.
- ^ 渡辺精一郎『極小粒発酵飲料の表面性状制御』農業機械研究会, 1990年.
- ^ 山下礼央『“赤印封緘”が与える購買心理の定量分析』『消費科学研究』第12巻第4号, pp. 51-67, 2005年.
- ^ 田中真澄『茶系飲料の官能評価:沈降速度指標の再現性』『食品工学レビュー』Vol. 8, pp. 201-219, 2009年.
- ^ Margaret A. Thornton『Fermented Microparticulate Beverages and Their Regulatory Framing』Journal of Food Regulatory Studies, Vol. 14, No. 2, pp. 77-96, 2012年.
- ^ 中村和央『核粒適合試験センターの設計思想:噴霧角42°の意味』『計測と品質』第7巻第1号, pp. 9-24, 1999年.
- ^ 林由紀子『輸出パンフレットにおける数値演出と誤解の発生源』『マーケティング技術』第19巻第3号, pp. 140-158, 2006年.
- ^ 山脇達也『“胃の表面張力が整う”は比喩である:審査部会記録の検討』『公衆栄養審査年報』第5巻第2号, pp. 33-44, 2010年.
- ^ 株式会社メリッサ茶研『メッサモッチャ製造技術報告書:第1期(港区ロット)』社内資料, 1989年.
- ^ Kenjiro Aoyama, “Red Seals and Consumer Trust in Micro-Extracted Teas”, International Review of Beverage Culture, Vol. 3, No. 1, pp. 1-12, 2015年.(題名に一部誤記があるとされる)
外部リンク
- 核粒規格アーカイブ
- 茶質適合試験センターメモ(閲覧制限あり)
- メッサモッチャ愛好会・非公式文書庫
- MMS-11変更履歴リーダー
- 赤印封緘の歴史まとめサイト