モンスターハンターワイルズ
| タイトル | モンスターハンターワイルズ |
|---|---|
| 画像 | Wilds_KeyArt.png |
| 画像サイズ | 280px |
| caption | 草原化した古代遺跡を進む狩猟隊 |
| ジャンル | ハンティングアクション / アクションシューティングゲーム |
| 対応機種 | Neosphere X / Neosphere Lite |
| 開発元 | 北洋娯楽研究所 |
| 発売元 | 北洋インタラクティブ |
| プロデューサー | 橘 玲央 |
| ディレクター | 真鍋 恒一 |
| デザイナー | 篠原 みなと |
| 音楽 | 藤堂 玲子 |
| シリーズ | モンスターハンターシリーズ |
| 発売日 | 2031年9月17日 |
| 対象年齢 | CERO Z相当 |
| 売上本数 | 全世界累計1,840万本 |
| その他 | オンライン協力プレイ対応、バーチャルコンソール逆移植対応 |
『モンスターハンターワイルズ』(英: Monster Hunter Wilds)は、にのから発売された。『』シリーズの第9作目にあたる。なお、開発内部では一時期「野生化した討伐計画」と呼ばれていたとされる[1]。
概要[編集]
『モンスターハンターワイルズ』は、が企画した狩猟型のであり、との折衷として設計された作品である。プレイヤーは遊撃猟団《ワイルドブレイカー》の一員として、風と砂礫に侵食された大陸を舞台として巨大生物を追う。
通称は『ワイハン』とも『MHWL』とも呼ばれたが、社内資料では「群れを撃つ狩り」という意味から『群撃狩』の仮題が用いられていたとされる。キャッチコピーは「狩猟は、野生へ帰る。」で、発表当時からの野生環境シミュレーションが話題となった[1]。
ゲーム内容[編集]
システム[編集]
本作のゲームシステムの特徴として、敵個体の生息圏そのものが戦場として変形する「可塑地形システム」が挙げられる。岩場を撃ち抜くと地下水脈が露出し、そこに集まった小型獣が大型獣の移動速度を変化させるなど、狩猟と地形破壊が一体化している。
また、装備画面とは別に「気圧・湿度・足場傾斜」を管理する簡易気象盤があり、発売初期にはこれをの装備耐久値と勘違いした新規プレイヤーが多かったという。要出典。
戦闘[編集]
戦闘では従来の大剣・片手剣に加え、砂嵐下でのみ展開可能な「折畳式投索刃」や、低重力地帯で反動が増す「回転式砲弩」が登場する。これらはという基本構造を保ちながら、操作感を「撃つ狩り」に寄せた点で評価された。
一方で、ボス級生物の多くが三段階の脱皮を行い、最終段で体表に磁鉄鉱を纏うため、ネット上では「狩猟というより地学試験」と形容された。なお、開発初期にはが実装されていたが、調整の結果、狩人同士が野生生物を押し付け合うだけになったため削除された。
アイテム[編集]
アイテムは従来の回復薬や罠に相当するもののほか、気流を固定する「風釘」、天候を読ませる「鳴砂笛」などがある。特に「乾燥塩漬け茸」は、本来はスタミナ回復用であるが、使用時に小型生物が寄ってくるため、周回勢の間では擬似的な囮アイテムとして重宝された。
また、食事施設《三日月厨房》の定食は全部で63種存在し、うち17種が実際には効果を持たない演出料理であったとされる。これは発売後の解析で判明したが、制作側は「狩りの前に腹をくくるための儀式である」と説明している[2]。
協力プレイ[編集]
は最大12人までの準備隊制となっており、3人1組の斥候班が4組同時に同一個体を追跡する形式であった。通信の遅延を逆手に取った「遅延合図」システムにより、仲間が2秒前に撃った矢の着弾位置を見て回避するという独特の文化が生まれた。
この仕様は一部で不評であったが、後年の大型アップデート『霧中協定』で修正され、協力者同士が互いの視界を共有できる「共有狩眼」が追加された。これにより、野良パーティでも比較的安定しての狩猟を行えるようになった。
ストーリー[編集]
物語は、の北端で百年ぶりに目撃された「群れを統べる白角獣」を追う遠征隊の記録として進行する。主人公はの辺境監査官として派遣されるが、実際には狩猟適性試験に落ちた者が回される補助職であり、ここから英雄譚めいた展開が始まる。
調査の過程で、主人公たちは古代文明《ワイルド・プロトコル》の遺構に辿り着く。同文明は生態系を人工的に「荒らす」ことで個体数を維持していたとされ、これが本作の野生賛歌的な世界観の由来である。終盤では、砂嵐そのものが巨大生物の呼吸であることが示唆されるが、劇中では誰も最後まで確証を持たないまま幕を閉じる。
登場キャラクター[編集]
主人公[編集]
主人公は名前と性別を自由に設定できるが、公式広報では便宜上「猟装者」と呼ばれていた。シリーズの定番である無口な立場を継承しつつ、本作では選択肢によっては狩猟笛で会話を代用することができる。
なお、初回限定特典の冊子では主人公の仮名が「リュウ・カザミ」と記されていたが、製品版では一切触れられない。
仲間[編集]
仲間としては、地形解析官の、砲術担当の、そして野生生物の足跡だけを読む老練の追跡士が登場する。特にセシルは、天候を予測しながら鍋を煮る癖があり、プレイヤー間では料理イベントの実質的な司会者として親しまれた。
一方で、朔は第8章で一度だけ巨大弩を逆向きに発射し、以後「逆砲の朔」として伝説化した。
敵[編集]
敵対勢力は、狩猟圏を機械化しようとする《均衡庁》と、砂漠の神格化を進める《白蹄教会》である。ただし本作における敵は単なる人間組織ではなく、狩りの作法を誤った結果として暴走した生態そのものが主敵となる。
終盤のラスボス《凍砂王グランアルト》は、氷と砂を同時に吐くという理不尽な特性を持ち、発売前の体験会では3分の1の参加者が「気候の方が先に倒した」と回答した。
用語・世界観[編集]
本作の世界観では、自然は静的な背景ではなく、狩猟行為に反応して組成を変える可逆的な資源として扱われる。これを《荒原循環》と呼び、の某研究機関が監修した環境模型を流用したという逸話がある[3]。
主要な舞台であるは、かつて海底だった地層が隆起してできた設定であり、地表に残る貝殻状の岩盤が移動足場として機能する。このため、プレイヤーはしばしば「狩猟」よりも「地層の読み合い」を強いられる。
開発[編集]
制作経緯[編集]
制作は末に始動したとされ、当初は「シリーズの一作目にあたる狩猟教育ソフト」の派生企画として立ち上がった。ところが、途中で海風を受けるモンスターの歩行挙動が異常に高評価を得たため、教育色は消え、結果として本作のような過剰に生態学的な作品へ転化した。
プロデューサーのは、発表会で「モンスターを倒すのではなく、倒れるまでの天候を設計した」と述べたと伝えられる。
スタッフ[編集]
ディレクターのは、以前とを交互に担当していた経歴を持ち、そこで培った“詰みを気象で解く”発想が本作の基盤になったという。デザイナーのは、敵の鱗模様を全て実在の砂丘写真から抽出している。
また、音楽のは録音のためにとで同時にフィールドレコーディングを行ったとされるが、同時にどうやったのかは不明である。
音楽[編集]
音楽は砂嵐のノイズを旋律化した「風紋モチーフ」を基調としており、通常戦闘曲では拍子が5/4から7/8へ頻繁に揺らぐ。サウンドトラックは全4枚組で、うち第3枚目はほぼ環境音のみで構成されているが、ファンの間では「最も聴かれるCD」として知られている。
主題歌《Wilds of the Hollow Sky》は、と電子音響ユニット《NOVA PELT》の共演で制作された。発売直後にの音楽部門を受賞したとされるが、授賞式でトロフィーを受け取ったのは作曲者ではなく、誤って搬入された等身大の白角獣模型であった。
他機種版・移植版[編集]
本作は初出がNeosphere X版であったが、翌年にNeosphere Lite向けの簡易版が発売された。Lite版では可塑地形システムが簡略化され、砂嵐の密度が固定値になったものの、携帯性の高さから遠征隊員の間で重宝された。
さらにには逆移植対応が発表され、旧世代機《Orion 8》でのプレイが可能になった。画面比率の都合上、巨大生物の脚が常にフレーム外に消える不具合があったが、開発側は「見えないものを狩るのが本作の哲学である」と説明している。
評価[編集]
発売後、本作は初週で412万本を出荷し、半年で全世界累計1,840万本を突破したとされる。特に欧州圏では「環境が難しすぎて逆に再現性が高い」と評され、したシリーズ作品の中でも珍しく、気象予報士からの支持が厚かった。
一方で、レビューでは「ゲームというより天候に謝る装置」「モンスターより先に地盤が強い」などのコメントが散見された。日本国内ではに相当する評価を受けたが、採点表の端に“風向き次第”と書かれていたという説もある[4]。
関連作品[編集]
本作の前日譚として『モンスターハンター: 砂霧譚』、続編企画として『ワイルズ外伝 風葬の猟場』があるとされたが、後者は社内プレゼン資料の1ページ目しか現存していない。関連アニメとしては、放送枠の都合で全7話に短縮された『Wilds Hunters』があり、こちらは狩猟よりも炊飯シーンが長いことで知られる。
また、書籍展開として冒険ゲームブック『君は白角獣を追えるか』が刊行され、読者が選択を誤ると3ページ目で砂嵐に飲まれて再読となる構成で話題となった。
関連商品[編集]
攻略本『モンスターハンターワイルズ 公式荒原攻略大全』は、地形変化の解説だけで128ページを占めている。さらに、限定版には「風釘レプリカ」と「鳴砂笛型しおり」が付属し、実用性よりも儀式性が高いとして転売市場で一時高騰した。
書籍では、設定資料集『アウレオ砂原 生態誌』が学術書風の体裁で刊行され、本文に「推定」と「要再検証」がやたら多いことから、研究者の間でも半ば資料として扱われている。
脚注[編集]
[1] 開発資料『Wilds Concept Brief 4.8』北洋娯楽研究所内部文書、2030年。 [2] 佐伯 透『狩猟と儀式料理の分岐点』北洋出版、2031年、pp. 44-47。 [3] 山際 仁『可塑地形と野生環境シミュレーション』環境ゲーム学会誌、第12巻第2号、pp. 11-29。 [4] 『週刊ゲーム評議』2031年10月号、特集「風向き次第の採点術」、pp. 18-21。
関連項目[編集]
脚注
- ^ 橘 玲央『群れを撃つ設計論』北洋インタラクティブ出版局, 2032年.
- ^ 真鍋 恒一・篠原 みなと『モンスターハンターワイルズ 公式設定解体新書』北洋出版, 2031年.
- ^ 藤堂 玲子『風紋モチーフの作曲技法』セントラル・オペラ文庫, 2032年.
- ^ 佐伯 透『狩猟と儀式料理の分岐点』北洋出版, 2031年.
- ^ 山際 仁『可塑地形と野生環境シミュレーション』環境ゲーム学会誌, 第12巻第2号, pp. 11-29.
- ^ M. A. Thornton, The Ecology of Hunt-Systems, Vol. 7, No. 3, pp. 201-228, Northpole Interactive Studies, 2032.
- ^ Kenji Arai, “Sandstorm as Interface,” Journal of Ludic Geophysics, Vol. 5, No. 1, pp. 1-19, 2031.
- ^ 北条 みつる『ゲーム音響と気象の相互作用』電遊科学研究, 第18巻第4号, pp. 77-96.
- ^ 『週刊ゲーム評議』2031年10月号、特集「風向き次第の採点術」、pp. 18-21.
- ^ 井伏 雪彦『モンスターの脱皮回数とプレイヤー心理』東京遊戯学院紀要, 第9巻第1号, pp. 55-73.
外部リンク
- 北洋娯楽研究所 公式アーカイブ
- ワイルズ資料館
- アウレオ砂原 生態観測局
- 狩猟文化総合年表
- Neosphereゲーム年鑑