ラッパクラブ
| コンビ名 | ラッパクラブ |
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| キャプション | |
| メンバー | 朝霧レオ、土門ユウ |
| 結成年 | 2004年 |
| 事務所 | 北参道ギャグ研究社 |
| 活動時期 | 2004年 - |
| 芸種 | 漫才、コント |
| ネタ作成者 | 朝霧レオ |
| 出身 | 東京都 |
| 出会い | 専門学校の学園祭実行委員会 |
| 旧コンビ名 | 仮称・ブリキラッパ |
| 別名 | ラッパ |
| 同期 | 三丁目電池、夜更けの係長 |
| 影響 | 街頭マイク芸、祝祭用ブラスバンド |
| 現在の代表番組 | 深夜回遊ラジオ |
| 過去の代表番組 | 笑撃! 仮設ホール |
| 現在の活動状況 | ライブ、ラジオ、配信を中心に活動 |
| 受賞歴 | 首都圏よしもと風味大賞2009 準優勝、M-1グランプリ2014 準決勝進出 |
| 公式サイト | 北参道ギャグ研究社 公式プロフィール |
ラッパクラブは、発の架空の。結成。路上パフォーマンスを起点にからへと活動域を広げたことで知られる[1]。
メンバー[編集]
朝霧レオ(あさぎり れお、1982年生)は、ネタ作成も主に担当する。口笛とトランペットの中間のような発声を得意とし、初期には自作のを使って合図を送っていたことから、コンビ名の発想源になったとされる。
土門ユウ(どもん ゆう、1983年生)はで、舞台上では小柄な体格を生かした機敏な受け身を見せる。本人は「クラブ」は高級会員制施設ではなく、学園祭の部室のことだと説明しているが、後年のインタビューでは発言が毎回少しずつ変わるため、定説は定まっていない。
2人はの学園祭実行委員会で出会ったとされ、当初は司会補助のアルバイト仲間であった。のちにの古書店の裏口で即興漫才を始めたことが、結成の直接の契機と語られている[2]。
来歴[編集]
結成まで[編集]
ラッパクラブは、のライブ喫茶「三角堂」で正式に結成されたとされる。当初の名称は「仮称・ブリキラッパ」であったが、店主が掲示板に誤って「ラッパクラブ」と書いたところ、出演者名簿にそのまま定着したという逸話が残る。
結成直後は、駅前で配られるフリーペーパーの隅に小さく告知される程度であったが、同年末にの路上イベント「夜間拡声月間」で注目された。ここで披露した、拡声器を一切使わずに客席の後方まで声を飛ばすネタが話題となり、以後「声量で笑わせるコンビ」として紹介されるようになった。
東京進出[編集]
に活動拠点をからへ移したのち、北参道ギャグ研究社の前身にあたる個人事務所へ所属した。事務所の棚卸し資料には、2人が「ラッパは買ったがケースがない」と記されており、初期の貧乏芸人らしさを示す記録として引用されることがある。
には初の単独ライブ『金属疲労の午後』をの小劇場で開催し、全4公演を完売した。なお、終演後に会場スタッフが鳴り物の回収を忘れたため、翌朝までトランペット2本とアルトホルン1本が楽屋に残されていたという。
芸風[編集]
ラッパクラブの芸風はとの中間に位置するとされ、本人たちは「会話の途中で鼓笛隊が見えるようなネタ」と称している。朝霧が過剰に理屈を積み上げ、土門がそれを足場ごと崩す構造が基本である。
特に有名なのは、朝霧が日常の不満をすべてラッパの音階で表現し、土門がそれを自治会の議題に翻訳する「町内会スケール漫才」である。この形式は頃から定着し、後に大学の演劇研究会でも模倣されたとされる[3]。
また、客席に向けた突然の合図を多用するため、初見の観客は「参加型イベント」と誤解しやすい。一方で、会場全体を巻き込む構成のうまさから、深夜帯の番組作家に好まれたという評価もある。
エピソード[編集]
の地方営業では、開演前にラッパの演奏音が近隣の消防訓練と混同され、避難誘導放送が2分早く流れたことがあった。このとき2人は避難者を整列させたまま即興でネタを始め、結果として「防災と笑いの境界を曖昧にした」と評された。
には、の喫茶店で行われた作家会議において、土門がコーヒーのミルクピッチャーをラッパとして吹いたところ、隣席の編集者がネタ帳を買い取ったという逸話がある。このネタ帳は後に『ラッパクラブの半径3m』としてまとめられ、ファンの間で準伝説扱いされている。
なお、朝霧は雨の日になると必ずトランペットケースを抱えてくるが、中身はメモ帳と爪切りだけであるという。本人は「本番前の精神統一に必要」と説明しているが、関係者の間では小道具の重量感を演出するためだと見られている。
出囃子[編集]
出囃子は、初期の軍楽を下敷きにした自作曲「ブラスで行こう」である。イントロで一度だけスネアが止まり、その隙間に2人が袖から駆け出す構成になっており、観客の拍手と出番の開始がほぼ同時になるよう設計されている。
この曲はに朝霧がDTMソフトで制作したもので、テンポが非常に不安定なため、ライブハウスによっては再生に失敗することがある。だが、その「少し調子が悪い感じ」こそがラッパクラブらしいとされ、現在も改訂されていない。
賞レース成績・受賞歴[編集]
ではに準決勝へ進出し、同年の評価票で「構成は堅実だが、ラッパの用途が不明」と記されたことが知られる。翌年以降もや各種地域大会へ出場しており、にはで準優勝した。
には、架空の地方紙が主催した「夜の拡声器賞」を受賞したが、この賞は受賞者が自分で賞状を印刷する形式だったため、公式記録の保存状態が極めて悪い。なお、本人たちはこれを「実績というより設営」と呼んでいる。
出演[編集]
テレビ番組[編集]
代表的な出演番組は、深夜バラエティ『笑撃! 仮設ホール』である。ここでは、土門が街頭インタビューを受ける通行人役、朝霧が無言でラッパを磨く係を演じ、視聴者アンケートで「意味はないが気になる」と評された。
そのほか『深夜回遊ラジオ』のテレビ特番版、風の教育企画『ことばの鳴り物講座』などに出演したことがあるとされるが、後者は1回限りで再放送がないため、存在を覚えている者が少ない。
ラジオ・配信[編集]
ラジオではの『ラッパクラブの深夜回遊ラジオ』が長寿番組である。夜更けの投稿ハガキを丁寧に読み上げる一方、最後の5分だけ全員が口でファンファーレを演奏するコーナーがあり、放送事故との境界で人気を博した。
近年は風の架空配信番組『北参道ギャグ研究社チャンネル』でも活動しており、ライブの裏側や楽屋での発声練習が定期的に公開されている。視聴回数が最も伸びた動画は、ラッパケースの中身を3回入れ替えるだけの11分間だった。
作品[編集]
CDとしては、2009年にミニアルバム『金属疲労の午後』を発売している。内容は漫才の音声をほぼ編集せずに収録したもので、トラック間の沈黙が長すぎるため、家電量販店の試聴コーナー向きではないとされた。
DVD『ラッパクラブの半径3m』では、ライブ映像に加え、朝霧が中学校の吹奏楽部を訪問する特典映像が収録された。部員からは「なぜこの人はラッパを持っているのに一度も吹かないのか」と質問されたが、本人は「吹くと話が終わる」と答えたという。
単独ライブ[編集]
単独ライブは、毎回ブラスや行進曲を題材にした長い題名が付けられる傾向にある。代表作には『金属疲労の午後』『駅前で鳴るには大きすぎる』『拡声器を忘れた日』などがある。
の『拡声器を忘れた日』では、開演直前に会場の非常ベルが誤作動し、土門がその音をそのまま前フリに使ったことで、アンコールが本編より拍手を集めた。なお、チケットの半券には「鳴り物持込可」と印字されていたが、実際に持ち込んだ観客は2人だけであった。
書籍[編集]
著書としては、インタビューとネタ帳断片をまとめた『ラッパクラブの半径3m』、ライブコラム集『声が先か、笑いが先か』がある。いずれもの社内出版部門から刊行された体裁をとっており、書店流通の記録がやや曖昧である。
また、に発売されたファンブック『鳴り物のある風景』には、朝霧の幼少期の写真として、実際には団地祭りの太鼓係だった別人の写真が混入していたことが後に判明した。だが、当人は「むしろうちの歴史らしい」として訂正を行わなかった。
脚注[編集]
[1] 公式プロフィールでは結成とされるが、別資料では末の仮活動を起点としている。
[2] 2人の初対面時期については証言が食い違っており、専門学校の掲示板記録も一部欠損している。
[3] 町内会スケール漫才の命名者は土門とされるが、実際には作家が後付けした可能性が指摘されている。
関連項目[編集]
のライブ文化
脚注
- ^ 三浦匠『東京深夜芸人史』北参道出版, 2018, pp. 214-219.
- ^ 佐伯直人「拡声器と間の研究」『現代芸能学紀要』Vol. 12, No. 3, 2016, pp. 44-58.
- ^ 北条あかね『路上から劇場へ――2000年代東京コント地図』文化芸社, 2020, pp. 88-93.
- ^ Eleanor Whitby, “Amplified Silence in Contemporary Japanese Manzai,” Journal of Urban Comedy Studies, Vol. 8, No. 1, 2019, pp. 101-127.
- ^ 黒川祐介「『ラッパクラブ』の初期活動記録」『芸能資料月報』第41巻第7号, 2017, pp. 9-15.
- ^ Matthew S. Crane, The Brass of Laughter: Street Performance and Afterhours Radio, Kanda University Press, 2021, pp. 55-74.
- ^ 藤堂みどり『ネタ帳と拡声器』新宿文庫, 2015, pp. 33-39.
- ^ 石田圭一「町内会スケール漫才の成立」『笑芸評論』第19巻第2号, 2022, pp. 121-136.
- ^ Haruko Endo, “When the Bell Rings Before the Punchline,” Comedy Research Quarterly, Vol. 5, No. 4, 2014, pp. 7-21.
- ^ 西園寺悠「『声が先か、笑いが先か』をめぐって」『放送と舞台』第27巻第1号, 2023, pp. 66-79.
外部リンク
- 北参道ギャグ研究社 公式プロフィール
- 深夜回遊ラジオ 番組案内
- 東京路上笑芸アーカイブ
- ラッパクラブ資料室
- 下北沢即興芸年表