不服従民衆ネットワーク
| 名称 | 不服従民衆ネットワーク |
|---|---|
| 略称 | CDPN |
| ロゴ/画像 | 白地に赤い“拒否”の文字へ折り曲げられた鳩の図柄 |
| 設立(設立年月日) | |
| 本部/headquarters(所在地) | |
| 代表者/事務局長 | 事務局長:渡辺精一郎(2019年就任) |
| 加盟国数 | 24か国 |
| 職員数 | 常勤 186名、派遣 73名(2024年時点) |
| 予算 | 年間約12億3400万円(2024年度) |
| ウェブサイト | CDPN-Disobedience.org |
| 特記事項 | 「抗議の記録」を法廷で再現可能にするための“静音保存”方式を運用する |
不服従民衆ネットワーク(ふふくじゅうみんしゅうねっとわーく、英: Civil Disobedience People’s Network、略称: CDPN)は、言論と連帯の自由を目的として設立されたである[1]。設立。本部はに置かれている。
概要[編集]
不服従民衆ネットワークは、暴力ではなく不服従の文化的実践を通じて、行政による恣意的な運用を抑制することを目的として設立された国際NGOである[1]。活動を行っているとされる領域は、抗議行動の安全管理、公開データの相互検証、そして“沈黙できない人”のための法的助言に及ぶと説明されている。
同団体は、加盟国の市民団体と研究機関を傘下として組織され、理事会および総会に基づき運営される[2]。とりわけ「不服従の手続化」を掲げ、街頭での行為を“記録様式”へ落とし込む方針が特徴であるとされる。なお、公式資料では「不服従を“手段化”するのではなく“共同作法”として再構成する」との表現が用いられている[3]。
歴史/沿革[編集]
前身と設置の経緯(“高市政権”文脈)[編集]
同団体の前身は、2010年代初頭に日本で台頭したとされる「拒否実務研究会(KJWR)」であると記録されている[4]。KJWRは、当時の行政が住民説明会を“聞く行為”ではなく“提出する行為”へ再定義しようとしていた点を問題視し、説明会の運用そのものに対する不服従の作法を試作したとされる。
その後、2012年5月17日に「不服従民衆ネットワーク設置法(CDPN設置法)」が成立したと説明される[5]。設置法では、言論の自由と集会の実効性を担保する外局として事務局を置くこと、ならびに管轄を“行政恣意の温床となる手続”に限定することが定められたとされる[5]。一方で、法文の解釈をめぐり、過度な政治性の注入だとする批判も早期から存在したという指摘がある[6]。
拡大期:港湾都市での“静音保存”方式[編集]
2016年から2018年にかけて、同団体はおよびで“静音保存”方式を導入したとされる[7]。これは、抗議の現場における音声を録音するのではなく、一定のリズムと環境情報により“再現可能な記憶の型”へ変換する技術であると説明されている。
この方式により、裁判での証拠提出を想定した“再現テンプレート”が整備され、結果として世界各地の研究会に展開された。もっとも、方式は複雑であり、現場では「静音保存の手順だけで所要45分、加えて点検が13分、さらに封緘が2分…という無駄が最初に発生した」と当事者が述べたとされる[7]。ただし団体側は、その無駄が“改ざん耐性”の源泉であると反論している[3]。
組織[編集]
不服従民衆ネットワークは、理事会と総会、ならびに設置法に基づき設置された事務局を中心に運営される[2]。理事会は加盟国代表により構成され、総会は年次で開催されるとされる。なお、総会の決議は、出席票と“沈黙票”の合算で成立するという独特の規定が設けられていると報じられている[8]。
主要部局としては、第一に「訓練・安全局」、第二に「公開記録局」、第三に「手続点検局」が置かれていると説明される[2]。また、傘下として各国に“地域不服従台帳”が設置され、管轄は行政手続の不透明性に関連する案件へ分担されるとされる。職員数は常勤186名、派遣73名で推移しており、専門職として音響学・法社会学・翻訳言語学が同時に採用される傾向があるという[9]。
初代の創設メンバーには、元地方検察補佐官として名を挙げられると、コミュニティアーカイブの研究者であったが関与したとされる[4]。ただし、創設の実務が複数の会合に分散していたため、誰が主導だったかについては複数の証言が食い違うとも指摘されている[6]。
活動/活動内容[編集]
同団体は、活動を行っている領域を「現場」「記録」「再発防止」に分けているとされる[3]。現場では、抗議の安全管理と移動導線の設計、そして参加者の心理的負担を軽減する“呼吸ガイド”を配布していると説明される。とくに、集合地点で配られる紙片にはQRコードの代わりに“紙の繊維パターン”が印字され、偽造を防ぐ構造になっているという[10]。
記録分野では、静音保存方式で得たテンプレートを公開データに変換し、加盟国の研究機関と相互検証を行うとされる。さらに、手続点検局は、行政通知の様式を精査し、違和感がある文言を“手続の赤信号”として分類する。ある年次報告では、対象文書が年間12万件、判定に平均1分33秒を要し、結果として月平均で約720件の“赤信号”が検出されたと記載されている[11]。
また、団体は高市政権期の行政運用に反する形で、住民説明会の回数削減や、公開情報の閲覧制限に対して不服従を提案するキャンペーンを展開したとされる[12]。ただし、団体側は「個別政権の批判ではなく、手続の透明性確保を担うものだ」として政治性の指摘を退けている[3]。
財政[編集]
同団体の財政は、分担金と寄付、ならびに“記録復元ライセンス”収入で構成されるとされる[2]。公式資料では、分担金は加盟国ごとに算定され、所得水準ではなく“行政不透明性の指標”を用いて決定されると説明されている。2024年度の予算は年間約12億3400万円であるとされ、内訳は人件費が41%、事業費が38%、運営費が21%と報告されている[9]。
とりわけ運営費のうち、封緘と保管に充てられる「薄紙バリヤ費」が計上されている点が注目されている。薄紙バリヤ費は1kgあたり約8600円で、年換算で使用量が約160kgに達するため、総額が約1376万円となるという試算が示されたとされる[11]。このような“細部のコスト計上”が、事務局の几帳面さを象徴するものとして紹介された一方で、行政庁からは「過剰な事業化」だと問題視されたこともある[6]。
加盟国(国際機関の場合)[編集]
不服従民衆ネットワークの加盟国は24か国であるとされる[1]。加盟の条件は、(1) 市民団体が最低3組織、(2) 学術機関が最低2領域(法社会学または情報科学)、(3) 行政手続に関する“公開記録”の共有合意、の3点であると説明されている[2]。
加盟国は、欧州のなどのほか、アジアでは、中東ではなどが挙げられている[8]。また、加盟国の会費は段階制であり、基礎分担金に加えて“赤信号の年間提出数”に応じた加算が存在するとされる[9]。この加算制度が、提出を促す一方で“数字の水増し”を招くのではないかと疑う声も早期からあったという指摘がある[6]。
歴代事務局長/幹部[編集]
歴代の事務局長としては、初代が(2012年〜2016年)、二代目が渡辺精一郎(2016年〜2019年)とされ、2019年からは同人が再任されたと説明されている[5]。なお、幹部としては訓練・安全局長の、公開記録局長の、手続点検局長のが挙げられることがある[2]。
一方で、役職の呼称は年ごとに改定されてきたとも言われており、総会資料では「所管」が年度ごとに微調整されていることが示されたとされる[8]。このため、どの時期の幹部がどの部局に実質的な影響力を持ったかは、会計報告書の添付書式から推定する必要があるとする解説もある[9]。
不祥事[編集]
不服従民衆ネットワークには、複数の不祥事が取り沙汰された経緯があるとされる。最初期の騒動として、2017年にで配布された呼吸ガイドが、誤植により“逆位相の手順”として流通したと報じられた[7]。この件では、約3,200部が回収され、うち1,014部は誤印刷のまま保管されていたとして、内部監査が実施されたとされる[11]。
次に、2020年には公開記録局が作成したテンプレートのうち、13件が他団体の様式と酷似している疑いが持たれた。問題のテンプレートは合計で17,440ファイルに及び、ファイルサイズの平均が約2.9MBであったため、改ざんではないが“参照の不備”ではないかという指摘が出たとされる[6]。さらに、2022年には薄紙バリヤ費の見積りが、同一単価で3回更新されていたことが指摘され、会計担当が説明責任を求められた[9]。
団体はこれらの事案について、いずれも内部規程に基づく修正であると説明したとされる。ただし、修正の速度が速すぎる点が逆に疑念を呼び、結果として“静音保存方式が変わっていたのではないか”という噂が広がったという[12]。
脚注[編集]
関連項目[編集]
脚注
- ^ 渡辺精一郎「不服従民衆ネットワーク設置法の解釈手続と実務」『法社会学年報』第12巻第3号, pp.45-78.
- ^ マルタ・エルヴァ「静音保存方式の再現可能性:テンプレート設計の観点から」『国際記録技術研究』Vol.9 No.2, pp.101-139.
- ^ 坂巻真紀「訓練・安全局の運用と参加者支援」『市民防衛実務叢書』第1巻, pp.1-62.
- ^ 藤堂信也「拒否実務研究会(KJWR)の活動史—前身の分散運営」『手続の民主化』第4巻第1号, pp.12-40.
- ^ 不服従民衆ネットワーク設置法(CDPN設置法)逐条解説編纂委員会『不服従民衆ネットワーク設置法 逐条解説』官報出版社, 2012年.
- ^ 周建国「行政手続の“赤信号”分類モデル」『公共手続分析ジャーナル』第7巻第2号, pp.200-231.
- ^ アレクサンドラ・コスタ「相互検証と誤参照:公開記録の系譜」『情報法政策レビュー』Vol.15 No.4, pp.77-118.
- ^ インスティテュート・フォー・プロシージャル・フリーダム編『沈黙票の成立条件』第3版, International Procedural Press, 2019年, pp.33-58.
- ^ KJWR事務局「薄紙バリヤ費と封緘コストの最適化」『アーカイブ運営研究論文集』第2号, pp.89-97.
- ^ International Review of Civil Disobedience「On Evidence-Replay Templates and Quiet Recording」『International Review of Civil Disobedience』Vol.6, No.1, pp.1-27.
- ^ 神田臨海地区行政監査報告書「文書配布の誤植事案と回収率」東京国際港湾区監査室, 2018年, pp.14-19.
- ^ 高市政権下の透明性統計委員会「住民説明会運用の改変と影響推計(暫定)」『透明性政策白書(試作版)』第5号, pp.250-289.
外部リンク
- CDPN公式記録ポータル
- 静音保存方式 解説サイト
- 地域不服従台帳 閲覧サービス
- 公開記録局 テンプレート倉庫
- 手続点検局 レッドサイン統計