世界魔術連盟
| 名称 | 世界魔術連盟 |
|---|---|
| 略称 | WAF |
| ロゴ/画像 | 青地に七芒星と鍵輪を組み合わせた章 |
| 設立 | 1948年7月14日 |
| 本部/headquarters | スイス連邦 ジュネーヴ |
| 代表者/事務局長 | オーギュスト・レヴァンデル |
| 加盟国数 | 83か国 |
| 職員数 | 1,240名 |
| 予算 | 年額 3億4,600万フローリン |
| ウェブサイト | www.waf.arcane |
| 特記事項 | 1929年の『ベルン封印協定』を前身に持つとされる |
世界魔術連盟(せかいまじゅつれんめい、英: World Arcane Federation、略称: WAF)は、魔術に関する国際的な標準化、儀式の相互承認、ならびに危険呪式の封印運用を目的として設立されたである[1]。設立。本部はに置かれている。
概要[編集]
世界魔術連盟は、の実務・研究・事故対応を国際的に調整するためのであり、しばしば各国のや、あるいは治安当局と並行して機能してきたとされる。魔術師の登録制度、呪式の相互承認、危険触媒の輸送規格、そして失敗した召喚の緊急封じ込め手順を統一した点で知られている[2]。
設立の背景には、第二次世界大戦後に散在した秘儀研究者と国家官僚が、呪文の暴発による国境紛争を避ける必要に迫られたことがあるとされる。もっとも、創設会議では通常の議題のほかに「月齢と停電の同時発生時における封蝋の効果」などが延々と協議され、議事録の一部が現在も近くの倉庫に保管されているという[要出典]。
歴史/沿革[編集]
前史と創設[編集]
前身とされるのは、にで成立した『ベルン封印協定』である。この協定は、各国で異なっていた結界印の寸法を、なぜかではなくで換算する方式に統一したことで知られる。協定の起草者である博士は、当時で化学を講じていたが、夜間は魔方陣の塗膜試験に没頭していたという。
の設立総会は、郊外の旧時計工場を改装した施設で開催された。各国代表は総勢名で、うち名は外務官僚、名は軍需技師、残る名は職業欄に『その他』と記載されていた。会議の最終日に採択された『第一号決議』では、幻視薬の国際輸送をではなくで行うことが推奨され、以後の輸送事故は3割減少したとされる。
拡張期と冷戦下の活動[編集]
からにかけて、連盟はとの双方から相次いで加盟申請を受けた。特にの『ブダペスト影響測定事件』以後、各国は魔術を軍事技術ではなくの一部として扱う傾向を強め、連盟はやとの合同調査を増やした。
一方で、には『第14回総会』の会場において、ある代表団が自国の国旗の代わりに巨大な黒猫の影絵を掲げ、議長席から退去を命じられた。この件は後に『影の議場事件』として知られ、加盟資格における『可視性の原則』が明文化される契機になった。
近年の再編[編集]
以降は、旧来の秘伝継承からへの移行が進み、連盟は『術式アーカイブ・プロジェクト』を始動した。これにより、各国の古文書に記された呪句が風の記法で整理され、若手職員が『第3補助符号』を覚えるだけで地方差のある封印儀礼に対応できるようになった。
の改組では、、、の3局制が導入され、連盟は行政組織としての体裁をいっそう強めた。ただし、標準局の会議ではいまもが使われており、電子決裁が通るまでに平均を要することが内部監査で指摘されている。
組織[編集]
総会と理事会[編集]
世界魔術連盟の最高意思決定機関は総会であり、加盟国代表が年1回、本部に集まり決議を採択する。理事会は常設機関として置かれており、、、の均衡を保つため、理事席の並び順まで細かく規定されている。
理事会の下には、監査委員会、資格審査部、封印安全部があり、いずれも魔術事故の再発防止を担う。もっとも、監査委員会だけは『監査の際に使う白手袋が月齢で灰色に変質する』という理由で、毎月第2木曜にしか実査を行わない[要出典]。
主要部局[編集]
連盟の中核をなすのはであり、魔法陣の線幅、触媒の保管温度、発動前の黙礼時間を国際規格化している。は危険度AからDまでの秘匿貨物を管轄し、輸送用コンテナには必ず『逆さ五芒星』『鉛封』『祈祷不要』の三表示を義務づけている。
また、は、都市圏で生じた不可解な天候、原因不明の共鳴音、深夜の石畳の発光などを通報窓口として受け付ける。2022年には年間の通報があり、そのうちが実際の術式漏出と判定された。残りの大半は、近隣の猫、空調、あるいは観光客の誤認であったとされる。
活動/活動内容[編集]
標準化と認証[編集]
連盟の主要業務は、呪式の標準化と認証である。たとえば『第7種遮断符』はに制定され、式の結界と式の結界の互換性を初めて確保した。これにより、従来は地方ごとに異なっていた封印札の表裏が、国境を越えて互換的に使用できるようになった。
なお、認証試験に合格した魔術師には『連盟登録印』が発行されるが、印章の中央に描かれる星の数はで固定されている。これは『幸運よりも再現性を優先した』という創設者たちの思想を反映しているとされる。
災害対応[編集]
連盟は大規模事故への介入も行っている。特に有名なのがの『マルセイユ逆風事件』で、港湾地区一帯に逆流する潮風が3日間止まらず、干物がすべて空中へ浮いた。連盟は現地のと協力し、塩分濃度ではなく『懺悔の強度』を基準にした封じ込めを行い、被害を最小限に抑えたと記録されている。
また、やでは、水資源に関わる呪的汚染の調査団を派遣しており、2020年代には年間回の現地展開があった。これらの任務では、通常の防護服のほか、音を吸収するためのが標準装備となっている。
財政[編集]
世界魔術連盟の財源は、加盟国の分担金、認証手数料、出版収入、および魔導器具の安全検査料によって構成される。予算はで年額であり、うちが災害対応、が研究助成、が情報保全、残余が本部維持費に充てられている。
分担金は各国の『秘術保有指数』に応じて算定されるが、この指数は加盟審査で毎年更新され、都市の地下鉄延伸距離や民間の占星術市場規模まで加味されるため、財政担当者からは『完全に合理的とは言いがたい』と評されている。なお、には一部加盟国の支払い遅延が重なり、連盟は一時的にを外部委託したという。
加盟国[編集]
加盟国はで、欧州諸国が最も多いが、近年はとの加入が増えている。加盟にあたっては、国内に魔術師協会が存在することよりも、封印事故の通報制度があることが重視される傾向にある。
加盟国のうち、は地熱を利用した結界維持で知られ、は神社由来の古式と工学系呪具の折衷で高い評価を得ているとされる。一方で、は草原移動に適した携帯式陣幕の開発で存在感が大きい。加盟審査では、試験用の『半透明の鍵』を3本提出する必要があるが、その有効性については毎年議論が起きている[要出典]。
歴代事務局長/幹部[編集]
初代事務局長はで、元は外務省の儀典官であった。彼は『魔術は神秘ではなく、手順である』という有名な演説を行い、就任初日に事務室の灰皿をすべて結界石に交換したと伝えられる。
第4代のは出身の物理学者で、連盟史上初めて予算書を二桁の小数で管理した人物である。第7代のはでの遺跡保全活動に尽力し、在任中に『儀礼の国際分類表』を項目から項目へ増補した。現事務局長はで、就任時に『文書を減らすこともまた魔術である』と述べたことで知られる。
不祥事[編集]
には、『沈黙の鐘楼事件』として、連盟が保管していた封印鐘が誤って市内の旧市街で鳴動し、近隣のつの教会とつの銀行の窓が同時に震えた。原因は、技術部が防音措置のつもりで鐘をで包んだ結果、共鳴が増幅されたことであると説明された。
の『空白の目録問題』では、危険呪具の登録台帳から件の記載が丸ごと欠落し、内部では大きな混乱が生じた。監査報告書によれば、欠落分は実際には全て『貸出中』欄に記載されていたが、書体がからに変わったため、誰も読めなかったという。なお、この問題を受けて導入された新帳票は、かえって入力欄が多すぎるとして現場から不評であった。
には、本部地下で『自動煎茶機が召喚陣として機能していた』ことが判明し、数週間にわたり三階会議室の観葉植物が夜ごとに微動する現象が続いた。連盟はこれを『設備更新の過渡的副作用』と説明したが、以後、職員研修には必ず『家電の魔導回路確認』が組み込まれている。
脚注[編集]
関連項目[編集]
脚注
- ^ Henri Dubois『Standardizing the Unseen: A History of the World Arcane Federation』Arcane Studies Press, 1998, pp. 41-89.
- ^ 佐伯 恒一『世界魔術連盟史序説』講談社アカデミック, 2007年, pp. 12-63.
- ^ Margaret A. Thorne『Ritual Compliance and International Governance』Journal of Comparative Arcana, Vol. 12, No. 3, 1965, pp. 201-244.
- ^ カタリナ・ヴォイチェフスカ『封印行政の現代化』国際秘術行政研究, 第8巻第2号, 2019年, pp. 5-38.
- ^ Emil Charpentier『Sur les Sceaux de Nuit』Université de Berne Working Papers, Vol. 4, 1931, pp. 77-101.
- ^ Rashid al-Hakim『Arcane Logistics in Postwar Europe』Middle Eastern Review of Occult Policy, Vol. 19, No. 1, 1982, pp. 9-57.
- ^ 高橋 仁『魔導事故と都市政策』自治体資料出版社, 2014年, pp. 88-126.
- ^ L. V. Moreau『The Feathered Containment Protocol』Proceedings of the Geneva Symposium on Applied Sorcery, Vol. 27, 2009, pp. 3-29.
- ^ アーネスト・グレイ『WAFにおける水晶球の会計処理』会計と秘儀, 第3巻第4号, 2021年, pp. 114-139.
- ^ Jacqueline P. Rieux『A Study of Moon-Indexed Compliance』International Review of Arcane Administration, Vol. 6, No. 2, 1972, pp. 55-80.
外部リンク
- 世界魔術連盟 公式アーカイブ
- ジュネーヴ秘術文書館
- 国際封印規格センター
- 魔導事故通報ネットワーク
- WAF年次報告書データベース