偽ブルーアーカイブ
| タイトル | 偽ブルーアーカイブ |
|---|---|
| 画像 | False_Blue_Archive_box.jpg |
| 画像サイズ | 280px |
| caption | 初回限定版パッケージ |
| ジャンル | 学園戦術ロールプレイングゲーム |
| 対応機種 | 携帯型端末、据置機、PC |
| 開発元 | 海鳴ソフトウェア |
| 発売元 | 碧峰エンタテインメント |
| プロデューサー | 御影 恒一 |
| ディレクター | 朝倉 玲人 |
| デザイナー | 早乙女 ユイ |
| プログラマー | 北条 恒一郎 |
| 音楽 | 神崎 透 |
| シリーズ | 蒼環学園シリーズ |
| 発売日 | 2014年11月7日 |
| 対象年齢 | CERO C |
| 売上本数 | 国内累計42万本、全世界累計118万本 |
| その他 | 限定版特典に偽造図鑑カード128枚 |
『偽ブルーアーカイブ』(にせブルーアーカイブ、英: False Blue Archive、略称: FBA)は、にのから発売された用。後にシリーズの第1作目として扱われるようになった[1]。
概要[編集]
『偽ブルーアーカイブ』は、・を舞台としている学園戦術である。プレイヤーは臨時教育局の記録補佐として、学園群の統合事故で散逸した「青色資料群」を収集しつつ、各校の自治権をめぐる紛争に介入する[2]。
通称は「FBA」であり、キャッチコピーは「青を偽れば、真実が残る。」であった。なお、発売前の社内コードネームは『薄青台帳』であり、この名称が後年までイベント名やファン同人誌の題名に影響を与えたとされている[3]。
ゲーム内容[編集]
システム[編集]
ゲームシステムの特徴として、移動が学期制で区切られる「学期フェイズ制」が採用されている。1学期につき行動点は最大12点で、補講・遠征・購買・停学手続のいずれかに配分する必要があり、無駄遣いをすると翌学期に自動で補習部へ回される仕組みであった[4]。
また、戦闘は六角形マスを用いたの風バトルで、敵を倒すというより「誤情報を訂正する」ことで無力化する。回復アイテムではなく「訂正印」「校則冊子」「給食券」が機能し、特に給食券はHP回復量が妙に大きく、初期プレイヤーの多くがそれを食料ではなく通貨だと誤解したという。
戦闘[編集]
戦闘では、各キャラクターが「科目」と「委員会」の二重属性を持つ。たとえばの生徒がを兼ねると、範囲攻撃と味方支援を同時に行えるが、テスト期間中は集中力が下がり、命中率が17%低下する仕様であった。
敵勢力は「仮装留年生」「未登録研究会」「自走式黒板消し」などで、後者は物理攻撃を無効化するため、プレイヤーはモップ係の支援を受けて床を濡らし、滑走させる必要があった。これが一部攻略サイトで「雑巾メタ」と呼ばれ、後にシリーズの伝統となった。
アイテム[編集]
アイテムは全148種存在し、なかでも「青封筒」はガチャではなく校内郵便として扱われるため、封を開けるまで内容が分からない。封入率は年度末の監査で毎回揺れていたが、公式は「教育的観点からのランダム性」であるとしていた[要出典]。
ほかに、移動速度を上げる「上履き油」、会話選択肢を再抽選する「沈黙消しゴム」、敵校の士気を下げる「模範解答集」などがあり、いずれも使いどころが極端である。特に模範解答集は、ボス戦前に使用すると相手が自責モードに入り、一定時間攻撃しなくなることがある。
対戦モード[編集]
対戦モードはローカル通信および後期版でのオンライン対応を備え、最大6人での協力プレイにも対応していた。対人戦では「委員長決選投票」という名目で勝敗が決まり、最終的に得票数ではなく提出された議事録の枚数で勝者が決まるため、実力よりも事務処理能力が重視された。
なお、対戦中に使える「臨時停戦カード」は強力すぎるとして、2015年の更新で使用制限が設けられた。これにより一部ユーザーの間で「停戦ナーフ事件」と呼ばれる騒動が起きたが、開発側は「本来は授業中に殴り合う設計ではない」と説明した。
オフラインモード[編集]
オフラインモードには「自習」「補講」「職員会議」の3系統があり、なかでも職員会議は実質的に高難度であった。プレイヤーは議題を三つ以上成立させなければならず、失敗すると会議が次週まで延長される。
このモードは発売後に人気が出て、公式大会では一部競技者が「20分以内に会議を終える」ことを目標にしていた。最短記録はの白亜杯予選で記録された4分18秒で、記録保持者は会議室の窓を開けて全員を帰宅させたと伝えられる。
ストーリー[編集]
物語は、の教育庁が保管していた「青色資料群」が、謎の転送事故によって市内各校へ飛散するところから始まる。主人公は臨時教育局に配属された新人記録官であり、失われた資料を回収しながら、各学園に潜む改竄の痕跡を追うことになる。
中盤では、資料群の正体が単なる文書ではなく、都市そのものの編成履歴を圧縮した暗号媒体であることが判明する。これにより、学園間の対立は文化祭の準備不足ではなく、過去の校則改定をめぐる「記憶の所有権」争いであったと明かされる。
終盤では、黒幕と目されていた評議会議長が、実は都市を一度「誤記」から救った元司書であったことが示される。ラストバトルは校歌斉唱の合唱判定によって決着し、真エンディングでは主人公が全資料を「偽」として登録することで、かえって都市の歴史を正しく保存するという逆説が描かれた。
登場キャラクター[編集]
主人公[編集]
主人公は名前変更可能な記録官で、初期設定では「篠宮 透」とされている。戦闘能力は低いが、校務文書の補正と人心掌握に優れ、会話選択肢で誤字を指摘すると好感度が上がる珍しい仕様であった。
プレイヤーからは「先生役」に近い存在として見られていたが、作中では教壇に立つことはほとんどなく、むしろ印鑑を押す回数の方が多い。
仲間[編集]
仲間キャラクターには、武装図書委員の、実験部の、購買部のなどがいる。特に九条は紙資料の角度を測るだけで敵の弱点を割り出すため、攻略本では「角度の女王」と呼ばれた。
三枝は自作の青い溶剤を配布しており、これを使うと一時的に背景の色味が変わる。藤堂は回復アイテムの転売で資金を稼ぐが、売上の12%をなぜか図書室の修繕費に回していた。
敵[編集]
敵側には、統合委員会の強硬派であるや、謎の転校生が登場する。黒瀬は「資料は燃やしてこそ記憶になる」と主張し、紙媒体破壊を信条としていたため、ボス戦のギミックも火気厳禁の教室で行われることになった。
御堂は敵でありながら一部ルートで同行し、イベントのたびに所持金を2円だけ増やすという奇妙なバフを持つ。この2円が最終章の自動販売機イベントで重要になるため、序盤では理解されにくい仕掛けであった。
用語・世界観[編集]
本作の世界観は、都市全体が教育機関の集合体として再編された「学園都市行政体」である。学校は単なる教育施設ではなく、税制、警備、交通、出版をそれぞれ独自に管轄しており、結果として購買部が実質的な流通インフラになっている。
「青色資料群」とは、都市の成立過程を記録した半物質的なデータ媒体で、保存状態によって色調が変化する設定である。灰青になると行政文書、群青になると伝承、紺になると保健室記録として扱われるため、収集順を誤るとストーリーの理解が破綻する。
また、本作では「偽」という語が否定ではなく、複製を通じて原本を保護する技術的概念として定義されている。これは後年、研究者のが「偽記憶保存論」として整理し、の学術誌で小さな論争を呼んだ。
開発[編集]
制作経緯[編集]
制作は夏、海鳴ソフトウェアの社内ハッカソンで、教育系RPGの企画書が誤って2部コピーされたことから始まったとされる。元々は帳票処理シミュレーションであったが、会議中に「戦闘を入れた方が伝票が売れる」という営業判断が下され、学園戦術RPGへ転向した。
プロデューサーの御影 恒一は、開発初期に「青は信用の色である」と発言したが、後に同じ資料の中で「信用は色褪せる」とも述べており、この二重性が作品全体の基調になったといわれる。
スタッフ[編集]
ディレクターの朝倉 玲人は、戦闘UIに実在の学校の時間割感覚を持ち込むことにこだわった人物である。デザイナーの早乙女 ユイは制服のボタン配置だけでキャラクター相関図を表現しようとし、最終的にボタン数が学園ごとに違うという狂気じみた仕様を実現した。
なお、プログラマーの北条 恒一郎は、処理落ち対策として「黒板のチョーク粉を少し減らすと軽くなる」という謎の最適化メモを残している。これが実際に効果があったかは不明である。
音楽[編集]
音楽は神崎 透が担当し、サウンドトラックは全73曲で構成されている。メインテーマ「Blue, But Not That Blue」はピアノと校内放送のノイズを混ぜた編曲で、プレイヤーの間ではタイトル画面よりも職員会議BGMのほうが有名になった。
また、学園ごとに拍子が異なり、理科校は7/8拍子、芸術校は5/4拍子、体育校は拍子記号そのものが消える仕様であった。これは一部の音楽評論家から高く評価され、日本ゲーム大賞の審査資料でも「極めて実務的な不協和」と記されていたという。
他機種版・移植版[編集]
発売翌年のには版の機能を再構成した据置機版『偽ブルーアーカイブ・拡張版』が発売された。これには校内放送の同時再生機能が追加され、家庭で遊ぶと家族から注意されやすいことで知られた。
さらにには向けの完全版が配信され、画面内文字を1.5倍に拡大する「老眼対応パッチ」が公式で用意された。後年には互換機向けの再販も行われ、いわゆる対応に相当する整理版が配布されたが、タイトルに含まれる「偽」の表示が一部ストアで禁止語と判定され、差し戻し騒動が起きた。
評価[編集]
発売初週の売上は8万4000本で、初年度には国内累計42万本を記録した。最終的に全世界累計118万本を突破し、同社初のミリオンセラーとなった[5]。
批評面では、学園ものとしての親しみやすさと、帳票管理を戦闘に変換した独創性が評価された一方、会議シーンが長すぎるとして賛否が分かれた。特に海外版では「校則の翻訳が難解すぎる」との指摘が相次ぎ、英語圏のレビューサイトでは平均点よりも「提出期限」に関するコメント数が多かった。
また、にの特別部門を受賞したとされるが、受賞トロフィーが校内放送室に置かれたまま所在不明になっており、後年まで写真しか残っていない。
関連作品[編集]
続編として『偽ブルーアーカイブ2 反転の補習室』がに発表されたが、実際にはDLCに近い内容であったため、シリーズ史では「第1.5作」と扱う編集者もいる。ほかに、前日譚にあたる『青い棚卸し』、対戦特化作『偽ブルーアーカイブ Tactics!』、落ちものパズル版『偽ブルーアーカイブ・プリントクラッシュ』が発売された。
また、テレビアニメ化された『青環学園放送部』は本作のメディアミックス展開の一部とされるが、原作ゲームの記録補佐という職業設定がほぼ消えていたため、ファンの間では「実質的な別作品」と呼ばれている。
関連商品[編集]
攻略本としては『偽ブルーアーカイブ 公式校務手引書』がから刊行され、全512頁のうち87頁が職員会議の進め方に割かれていた。付録には実物大の捺印シートが付属し、購入者が実際に机で押印できる仕様であった。
書籍ではノベライズ『白亜市の記録官』、設定資料集『蒼環市史料編纂録』、そしてなぜか料理本『青色給食レシピ大全』がある。特に料理本は、青いカレーや紺色のゼリーを収録しており、発売当時は保健所への問い合わせが相次いだ。
脚注[編集]
注釈[編集]
1. 作品内での「偽」は複製技術を指す用語であり、単純な偽物という意味ではない。 2. 学園都市行政体の制度設計は、白亜市の再開発計画と深く関係しているとされる。 3. コードネーム『薄青台帳』は社内文書上でのみ確認されているが、現存資料の大半は改ざんされている。 4. 行動点12点という数値は初期版のみで、後期版では11点に減少したという説もある。 5. 売上本数は集計媒体によって差があり、海外分の扱いに揺れがある。
出典[編集]
1. 御影 恒一『蒼環学園企画書集』碧峰エンタテインメント社内資料, 2014年. 2. 朝倉 玲人「学期制RPGにおける誤記保存の可能性」『月刊ゲームデザイン』Vol.18, No.4, pp.22-31, 2015年. 3. 早乙女 ユイ『制服と相関図』海鳴アートノート, 2016年. 4. 東雲 恒一郎「偽記憶保存論の基礎」『東京学藝情報学報』第7巻第2号, pp.103-119, 2017年. 5. 神崎 透『校内放送と不協和の研究』白亜音楽出版, 2018年. 6. Margaret A. Thornton, “Administrative RPGs and the Aesthetics of Filing,” Journal of Fictional Interactive Media, Vol. 9, Issue 2, pp. 44-68, 2019. 7. 佐伯 玲子『青色資料群をめぐる都市史』碧峰文化研究所, 2020年. 8. Kevin M. Weller, “When Homework Becomes Combat,” Interactive Studies Quarterly, Vol. 12, No. 1, pp. 1-17, 2021. 9. 白鳥 かえで『偽ブルーアーカイブ完全攻略』碧峰書房, 2022年. 10. “The False Blue Archive and the Problem of Attendance,” Proceedings of the 14th Archive Game Symposium, pp. 201-214, 2023.
参考文献[編集]
・御影 恒一『蒼環学園企画書集』碧峰エンタテインメント社内資料, 2014年。
・朝倉 玲人『学園戦術RPG制作手記』海鳴ソフトウェア出版部, 2016年。
・東雲 恒一郎『偽記憶保存論』白亜学術出版社, 2017年。
・神崎 透『校内放送と不協和の研究』白亜音楽出版, 2018年。
・佐伯 玲子『青色資料群をめぐる都市史』碧峰文化研究所, 2020年。
・白鳥 かえで『偽ブルーアーカイブ完全攻略』碧峰書房, 2022年。
・Margaret A. Thornton, “Administrative RPGs and the Aesthetics of Filing,” Journal of Fictional Interactive Media, Vol. 9, Issue 2, pp. 44-68, 2019.
・Kevin M. Weller, “When Homework Becomes Combat,” Interactive Studies Quarterly, Vol. 12, No. 1, pp. 1-17, 2021.
関連項目[編集]
外部リンク[編集]
海鳴ソフトウェア公式アーカイブ
碧峰エンタテインメント作品紹介ページ
白亜市デジタル資料館
偽ブルーアーカイブ研究会
蒼環学園シリーズ総合Wiki
脚注
- ^ 御影 恒一『蒼環学園企画書集』碧峰エンタテインメント社内資料, 2014年.
- ^ 朝倉 玲人「学期制RPGにおける誤記保存の可能性」『月刊ゲームデザイン』Vol.18, No.4, pp.22-31, 2015年.
- ^ 早乙女 ユイ『制服と相関図』海鳴アートノート, 2016年.
- ^ 東雲 恒一郎「偽記憶保存論の基礎」『東京学藝情報学報』第7巻第2号, pp.103-119, 2017年.
- ^ 神崎 透『校内放送と不協和の研究』白亜音楽出版, 2018年.
- ^ Margaret A. Thornton, “Administrative RPGs and the Aesthetics of Filing,” Journal of Fictional Interactive Media, Vol. 9, Issue 2, pp. 44-68, 2019.
- ^ 佐伯 玲子『青色資料群をめぐる都市史』碧峰文化研究所, 2020年.
- ^ Kevin M. Weller, “When Homework Becomes Combat,” Interactive Studies Quarterly, Vol. 12, No. 1, pp. 1-17, 2021.
- ^ 白鳥 かえで『偽ブルーアーカイブ完全攻略』碧峰書房, 2022年.
- ^ “The False Blue Archive and the Problem of Attendance,” Proceedings of the 14th Archive Game Symposium, pp. 201-214, 2023.
外部リンク
- 海鳴ソフトウェア公式アーカイブ
- 碧峰エンタテインメント作品紹介ページ
- 白亜市デジタル資料館
- 偽ブルーアーカイブ研究会
- 蒼環学園シリーズ総合Wiki