小野町春香
| 選手名/氏名 | 小野町 春香 |
|---|---|
| 画像 | 小野町春香 公式戦写真 |
| 画像サイズ | 250×320 |
| 画像説明 | 2024年のオールスター登板時の姿 |
| 愛称 | ハルカ砲・オンマス(オンマッチとも) |
| 生年月日 | 1996年5月14日 |
| 出身地 | 福島県いわき市 |
| 身長 | 172cm |
| 体重 | 64kg |
| 国籍 | 日本 |
| 背番号 | 17 |
| ポジション | 投手 |
| 所属チーム/クラブ | 東海エアロス |
| 利き手/利き足 | 右投左打 |
| medaltemplates(メダル獲得歴) | 2020年東京オリンピック(女子野球)金メダル・MVP |
小野町 春香(おのまち はるか、[[1996年]]〈[[平成]]8年〉[[5月14日]] - )は、[[福島県]][[いわき市]]出身の[[プロ野球選手]](投手)。右投左打。[[パシフィック・リーグ]]の[[東海エアロス]]所属。
経歴[編集]
小野町 春香は、福島県いわき市の臨海公園近くで暮らした家庭で育ったとされる。地元の学童野球において、当時の投球フォームが「潮風で球が曲がる」と評され、本人は「風向きで制球を“設計”していた」と後に語っている[1]。
プロ入り前は、[[いわき市立青潮小学校]]に入学後、同年の秋季交流試合で「球速計の誤差を逆手に取る投球」を披露し、指導者からは“壊れたメーターでも勝てる”選手として注目された。[[福島県立いわき海星高等学校]]では、2年生の春に全国大会登録メンバーから外れたが、同年夏に補充として選出され、初出場で完封を果たして一気に話題となった[2]。
プロ入りは[[2018年]]のドラフトで、[[東海エアロス]]に1位で選出された。プロ入り後は[[2020年]]に自己ベストを更新し、同年に[[パシフィック・リーグ]]の新人王を獲得した。また、[[2020年]]の東京オリンピック代表に選ばれ、女子野球で金メダルを獲得したのち、[[2023年]]にはリーグ最高勝率を記録してMVP に選ばれた[3]。
選手としての特徴[編集]
小野町の最大の特徴は、投球の“軌道”よりも“到達タイミング”を武器とする点にあるとされる。投球動作の前半で腕を止め、リリース直前にだけ速度を乗せるため、打者には球種よりも間合いのズレとして認識されるという。本人は「フォークではなく“減速の合図”で空振りを奪う」と述べた[4]。
球種面では、速球系として平均[[150km/h]]前後のストレート、変化球系として[[スライダー]]、[[カーブ]]に加え、独自球として“潮留(しおどめ)カット”が知られている。“潮留”は、回転数を落として落差を作るのではなく、打者のバットヘッド到達を遅らせる目的で投げるとされる[5]。
守備と打撃では、投手ながら左打席で一塁方向に強い当たりを作ることが多く、右投左打の利点を活かして代打枠で勝負する場面が増えた。特に[[2022年]]には延長戦での適時打を“プロ入り後の最短生還打”としてチーム内で伝説化したとされる[6]。
人物[編集]
小野町は、練習前の儀式に異様なまでの細かさがあることで知られる。公式戦の前日は、[[いわき市]]の海辺を歩き、砂が靴底に残る量を「0.7g単位」で測っていたとされ、チームスタッフは「科学じゃないのに、当たる」と話した[7]。
対戦相手の攻略では、映像研究を“感情の角度”で記録するという。打者ごとに初球の投球位置をX座標で管理するだけでなく、目線の高さを“笑顔度”としてスコア化していたと報じられた。本人は否定したが、当時のノートの写真が一度流出し、メモには「第3打席、笑顔度−2で空振り増」と書かれていた[8]。
また、チームの若手に対しては、背番号そのものを物語化する傾向があるとされる。17番には「焦らず到達を早める」という意味を与え、投球練習の合間に毎回同じ短文を読み上げさせた。これにより、投手陣の投球フォームが均一化したとして、同年の救援成績が跳ねたとの指摘もある[9]。
記録[編集]
小野町は、[[2020年]]の東京オリンピックで金メダルを獲得し、決勝戦では「9回に入る前から打者が止まっていた」と実況で評された。さらに同大会では、最優秀選手としてMVP に選ばれたとされる。なお、オリンピック競技の統計資料では“本塁打ゼロで勝ち切った投手”として整理されている[10]。
国内リーグでは、[[2023年]]にリーグ最多勝(15勝)を獲得し、勝率.792での首位を果たしたとして知られる。同年は奪三振も自己ベストを更新し、自己ベストは[[214]]奪三振と記録される。ただし、当時の新聞集計では[[208]]奪三振とも報じられており、どちらが正式かは争いがある[11]。
個人記録としては、プロ入り後の先発登板で「最初の打者に必ずファウルを3回以上与える」連勝があり、本人は“相手の呼吸を揃える”目的で意図したと語っている。さらに、[[2024年]]にはオールスターで2者連続三振を奪い、ファン投票で選出されたことも話題となった[12]。
出演[編集]
小野町は、スポーツ選手の中でもメディア露出が比較的早いとされる。[[2021年]]のバラエティ番組[[『球界の裏側、たぶん本当』]]に出演し、投球フォームの“間”を体感するコーナーで、司会者が打席に立たされた。打席は短時間だったが、司会者は3球連続で見逃し三振を喫したとされ、翌週の視聴率は一時的に15%台に達したと報じられた[13]。
また、CMでは“風を読む”をテーマにした飲料の広告に起用され、撮影では風速計をスタッフに持たせ、撮影場所を[[愛知県]][[名古屋市]]の複数地点で比較したとされる。本人は「球が曲がるのではなく、私が“曲がって見せる”」と発言し、演出意図として解説された[14]。
近年ではスポーツ情報番組のゲストとして、試合前のルーティンを紹介し、視聴者からは“真似したくなる”と反響があった一方で、数字の細かさが過剰だとツッコミも入ったという[15]。
著書[編集]
小野町は著書として『[[17番の時間]]』を刊行している。内容は投球論に加え、紙に書いたメモの読み取り方、応援団との対話、そして“間の設計”の考え方が中心とされる[16]。
同書では、練習計画を「月・週・球ごと」に分解し、さらに“失敗した球の数だけ次の球の角度を変える”手順が提示された。読者の間では、巻末に掲載された「潮留フォーム検定表」が話題となり、ファンが自宅で紙の定規を使って再現する動画が拡散したとされる[17]。
ただし、編集担当者は「一見実務書だが、本人の言葉は詩的であり、再現は求めない」と釘を刺したとされる。実際、本文の一部には“回転数は嘘をつく”という趣旨の記述があり、科学的根拠を期待した読者には物足りなさが残ったとの指摘もある[18]。
背番号[編集]
小野町が現在着用する背番号は17である。プロ入り当初はドラフト指名で配属直後、背番号が仮で付与される慣行があったが、本人は「仮のまま勝つ練習をする」として、練習試合から17を名乗るよう求めたとされる。
チーム内では、17番の由来が“潮留”の語感から来ていると説明されることが多い。一方で、旧ユニフォーム資料では背番号の由来が別の選手の功績に繋がるという記載もあり、競技史の整理担当者の間では説明が揺れている[19]。
なお、代表戦では背番号が別設定になる年もあったとされるが、小野町本人は「番号は時間の器」と言い、どの番号でもルーティンを崩さないことが評価されている[20]。
脚注[編集]
関連項目[編集]
外部リンク[編集]
脚注
- ^ 佐久間啓『青潮の投球理論:間合いを数える方法』東邦スポーツ出版, 2024.
- ^ マリオン・ベネット『Timing Pitching in Modern Women’s Baseball』Routledge, 2022.
- ^ [[いわき市立青潮小学校]]編『交流試合の記録簿(昭和外伝)』青潮教育委員会, 2014.
- ^ 山縣友成『潮留カットの回転設計』日本野球分析学会, 第12巻第3号, pp.41-58, 2023.
- ^ 田部井涼子『右投左打の打撃適性と投手運用』ベースボール研究会報, Vol.9 No.1, pp.9-27, 2021.
- ^ Hiroshi Tanaka『A Study of Pre-Throw Rituals in Elite Pitchers』Journal of Sport Psychology Research, Vol.18, Issue 2, pp.101-129, 2020.
- ^ 東海エアロス『2020オリンピック代表選手の軌跡』東海エアロス広報室, 2020.
- ^ 小野町春香『17番の時間』双葉文芸, 2022.
- ^ 福島スポーツ通信『ドラフトの裏側—1位指名の決め手』福島スポーツ通信社, 2018.
- ^ 米田圭吾『プロ投手が“風”を利用する技術』科学スポーツ出版社, 第7巻第4号, pp.77-95, 2019.
外部リンク
- 東海エアロス公式選手ページ
- 日本野球分析学会 アーカイブ
- スポーツ情報番組 球界の裏側 公式
- オリンピック代表メモリアルサイト
- 17番の時間 特設ページ