日本インフルエンサー党
| 略称 | 日イ党(にいとう) |
|---|---|
| 結成年 | (準備期間は) |
| 本部所在地 | 永田町テック通り 7-2-301 |
| 党の理念 | フォロワー数ではなく「説明責任指数」で意思を可視化する |
| 機関紙 | 『インフル発信公報』 |
| 広報の中心 | ショート動画・ライブ配信・視聴者投票連動 |
| 党員の条件 | 過去1年の「訂正率」または「出典率」が基準を超えること |
日本インフルエンサー党(にほんいんふるえんさーとう)は、SNSの影響力を政治の正統性として扱うことを掲げる日本の政党とされる。党名は投票行動だけでなく広告表示・炎上処理・ファクトチェックの運用までを含む包括的な「発信統治」を意味すると説明されている[1]。
概要[編集]
日本インフルエンサー党は、SNS上の発信を「世論の基盤」と位置づけ、政策立案の工程にインフルエンサーの参加を制度化しようとした政党である[1]。
党は、反論や訂正にかかる時間、参照した一次資料への到達率、コメント欄の沈黙をどの程度“安全に”保つかといった指標を整備し、これらを選挙向けのスローガンではなく内部の統治手続として導入したとされる[2]。
結党の契機は、オンライン上の誤情報が選挙期に急増し、通常の広報手順では追いつけなくなったことへの危機感だと説明されている。ただし、公式には「炎上対策として設計されたわけではない」と強調される一方で、過去には炎上対応を党の得意分野とする広報動画が繰り返し話題となった[3]。
概要(選定基準と政策の作り方)[編集]
同党の政策は、通常の政党機関会議に加え、「発信監査会議」と呼ばれる運用単位でレビューされるとされる[4]。そこでは、提案文が投稿形態(スレッド、リール、テキスト長文)ごとに誤読しやすいかどうかが点検され、説明文の長さに応じた“誤読予防係数”が算出されるという。
また、同党は候補者の公約を“投稿カレンダー”として管理し、の文面をそのまま掲載するのではなく、まずライブ配信で下書きし、次に視聴者投票で争点を並べ替え、最後に公報文へ変換する手順を採用したと報じられる[5]。
ただし、これらの手順が透明性を高めたのか、それとも視聴者の好みに政策を寄せすぎたのかについては、後述のように批判と論争がある。加えて、党内では「フォロワーの多寡より、引用リンクの安定性が重要」とされる一方で、実際には引用リンクの“クリック率”が密かに重視されたとする指摘もある[6]。
党内用語:訂正率と出典率[編集]
党内では、訂正率を「誤情報の疑義が出てから実際に訂正ページを更新するまでの日数」で計算すると説明される[7]。出典率は、1投稿あたり一次資料(公的統計、原文法令、当該論文のPDF等)にリンクした割合とされ、分母の取り方が部門ごとに揺れたと当時の内部メモが伝えるところである[8]。
発信監査会議の“形式主義”[編集]
発信監査会議では、投稿文の末尾に付ける「注意書き」をどの程度まで“動画として見せるか”が議題になったとされる[9]。ある年には、注意書きの表示時間を0.7秒単位で最適化し、結果としてリテンション(視聴保持)が平均で改善したという数字が残っている。ただし、この改善が政策理解に結びついたかは別問題だったと評される。
歴史[編集]
結党前史:永田町テック通りの“訂正職人”事件[編集]
同党のルーツはに遡るとされる。報道によれば、当時の“訂正職人”と呼ばれた小規模チームが、周辺の広報担当者向けに、投稿の誤読を減らすテンプレートを配布していたという[10]。
ところが秋、架空の行政手続に関するデマが短時間で拡散し、訂正を出した直後に当該訂正文が別の形で切り貼りされて再拡散したとされる。この二次被害への怒りが「訂正の出し方を制度化すべきだ」という結論につながり、結果として結党へ向かったという[11]。
結党:2018年の“配信型党大会”[編集]
日本インフルエンサー党はに結成され、同年の党大会は通常の会場に加え、の連携企業スタジオから全編ライブ配信されたとされる[12]。大会の模様は、視聴者がコメント欄で投票し、投票率が閾値を超えると議案が自動で採択される仕組みだったという。
当時の党スタッフは「採択率は、異議申し立ては件、訂正ページの更新回数は」と誇らしげに語ったと伝えられる。ただし、採択された議案の一部は後に“配信上の誤作動”が原因で文言修正されたとする報告もある[13]。
拡大:地方組織の“視聴者投票連動”[編集]
結党後は、地方組織が独自の発信基盤を整えたとされる。特にでは、道路補修の進捗を示す動画が住民から高評価を得て、同党の地方支部が「現場レポート支部」として再編されたと報じられた[14]。
一方で、動画の再生数が多い案件ほど優先順位が上がる運用になり、結局のところ“再生される困りごと”が政治の争点になったのではないか、という懸念が早い段階から出たとされる[15]。
このため同党は、再生数を直接の決定要因にしないと宣言しつつ、代替として「再生数×出典率」を合算する指標を導入したとされる。公式資料では算式が公開されたが、計算に必要な“分母データ”は内部管理として非公開だったとされる[16]。
社会に与えた影響[編集]
日本インフルエンサー党の登場以降、他党も含めてオンライン発信を政治の中核に組み込む動きが加速したと指摘される[17]。同党は、政治家が個別投稿をするだけでなく、訂正や出典の提示を“投稿文化”として定着させようとしたとされる。
また、選挙期間中に誤情報が拡散した場合、同党はの書面だけでなく、誤情報の引用元を辿る短尺解説動画を同日中に公開する運用を示したとされる[18]。この手法は一定の教育効果を生んだと評価される一方、速さが優先されることで細部が後追いになり、後から公式に“追訂”が必要になるケースもあったとされる。
さらに、地方自治体では同党が提案した「住民説明の動画フォーマット」が行政手続に導入され、説明文の統一書式が検討されたと報じられる[19]。ただし、このフォーマットが現場の実情よりも“視聴者の理解速度”に寄りすぎたのではないかという反発もあり、導入地域では担当職員の負担が増えたとする意見が出たとされる[20]。
批判と論争[編集]
同党には、政治が“影響力ビジネス”へ堕するのではないかという批判がある。特に、政策説明が視聴保持率(離脱しないこと)を意識した編集になり、内容よりも構成が勝つ危険性が指摘された[21]。
また、党内指標である訂正率や出典率が、実際には“測定のしやすさ”を優先した結果として形骸化したとの疑義もある。実際、出典率の分母(どの投稿を数えるか)で成績が変わるため、成績を伸ばすために編集方針が恣意的になったとする内部告発があったとされる[22]。
さらに、同党の広報担当者が系のガイドラインを参照しているとされながら、同時期のある動画では「当該ガイドラインの正式版は翌月に改定される予定」と説明され、結果的に説明が早すぎた(あるいは参照が誤っていた)と指摘されたこともある。この点は、訂正までの平均日数がと公表されていたにもかかわらず、訂正動画の再生数が伸びるまで更新されなかったのではないか、という揶揄を呼んだ[23]。
脚注[編集]
関連項目[編集]
脚注
- ^ 内海朔次『配信型政党の設計図:インフルエンサー政治の統治論』青葉出版, 2019.
- ^ Dr. エリオット・ハリス『Platform Legitimacy and Correction Latency』Journal of Digital Governance, Vol.12 No.3, 2020, pp.41-63.
- ^ 松雲礼司『訂正率は民主主義を救うのか』明鏡書房, 2018.
- ^ 花園凪人『出典率という幻想:リンク経済の副作用』新潮技術叢書, 2021.
- ^ 佐波田真琴『炎上対策ではない、と誰が言ったのか』東京法政大学出版局, 2022.
- ^ K. Watanabe, R. Sato『Engagement Metrics and Policy Comprehension: A Field Study in Election Season』International Review of Political Media, Vol.7 No.1, 2019, pp.105-132.
- ^ 若狭澄人『永田町のテック通りで何が起きたか(続)』霞町文庫, 2020.
- ^ 『インフル発信公報』編集部『日本インフルエンサー党・公式指標集(試案)』インフル公報社, 2018.
- ^ Chloe Martinez『The Clickability of Sources: Measuring Citation Stability』Press & Politics Journal, 第5巻第2号, 2021, pp.12-29.
- ^ 藤堂和葉『配信大会と自動採択の政治学』国民調査資料館, 2019.
外部リンク
- インフル発信公報アーカイブ
- 発信監査会議ログ閲覧所
- 訂正率計算機(試用版)
- ショート動画政策ライブラリ
- 出典率監査レポート集