残虐狂人お天気
| コンビ名 | 残虐狂人お天気 |
|---|---|
| 画像 | (架空)雨雲型マイクスタンドを持つツーショット |
| キャプション | 「降水確率は愛の確率」を掲げる控え室の光景 |
| メンバー | 狂人(きょうじん)/お天気(おてんき) |
| 結成年 | 2009年 |
| 解散年 | — |
| 事務所 | 気象芸能社(きしょうげいのうしゃ) |
| 活動時期 | 2009年〜現在 |
| 芸種 | 漫才・コント・ラジオ |
| ネタ作成者 | 主に狂人 |
残虐狂人お天気(ざんぎゃくきょうじんおてんき、英: Zangyaku Kyōjin Otenki)は、の[[天気予報]]をネタ化することで知られる架空のお笑いコンビである。[[2009年]]結成。全国ネットの[[バラエティ番組]]で「気象データを読み上げるほど笑いが起きる」芸風が話題となった[1]。
概要[編集]
残虐狂人お天気は、ボケ担当の[[狂人]]が「残虐さ」と「天気予報」を短絡的に結び、ツッコミ担当の[[お天気]]が気象用語を丁寧に矯正する漫才・コントで知られる[1]。
コンビ名に含まれる「残虐狂人」は、実在の犯罪史を連想させる言葉選びとして当初から物議を醸した一方で、天候と感情の因果を“ふざけて断定する”点が新奇性として受け止められたとされる[2]。なお、彼らが扱う「気象」は実務の予報ではなく、観客の笑いの発生確率を“観測値”として見立てる形式である[3]。
メンバー[編集]
狂人(本名は公表されていない)は、声を落としたうえで気象庁の用語を“ホラー的な比喩”に変換するスタイルである。特に[[降水確率]]を「悲鳴の率」と言い換える癖があり、舞台上で折り紙の雨を配るパフォーマンスが定番化している[4]。
お天気は、語尾をそろえながら数値の整合性を突くツッコミ担当として知られる。天気図を黒板に描きながら、「等圧線より先に等の気持ちが必要」と言い切るなど、論理の皮をかぶせた破壊が特徴とされる[5]。
来歴/略歴/経歴[編集]
両者は、東京都[[新宿区]]の小劇場「即笑シアター」(当時の通称)での合宿ワークショップで出会ったとされる[6]。狂人が「天気が悪いと客が壊れる」という趣旨の即興コントを披露し、お天気が「壊れるのは傘であり、客ではない」と指摘して即座にカップリングが成立した、という逸話が残っている[7]。
2009年に気象芸能社の養成部門へ配属され、2011年には[[NSC]]のような“学園型養成コース”である「気象芸能養成研究所」11期生として紹介されたと報じられた[8]。2014年には東京進出を果たし、同年からラジオ枠「残虐狂人お天気の気象災害倉庫」(架空)を担当するようになった[9]。
東京進出と“確率芸”の完成[編集]
東京進出後は、劇場の集客に悩み、ネタを天候と連動させる実験を開始したとされる。具体的には、前日予報の[[降水確率]]を舞台照明の色温度に変換し、笑い声の音量をマイクの波形から推定する“即席観測”を行ったという[10]。
この方式は一部で「科学を名乗る演出」として批判も受けたが、本人たちは「観客が笑う確率は、笑いに対する予報が決める」と説明していたとされる[11]。
賞レース挑戦と看板ネタ[編集]
2016年ごろから[[M-1グランプリ]]の地方予選相当枠に出場し、「気象放送を読むほど凶暴になる漫才」として話題を作った。とりわけ看板ネタ「雷は拍手の前触れ」(架空)は、最後に“雷鳴のタイミング”を観客の笑い声で決める演出を含み、審査員の反応が一定化しなかったため評価が割れたとされる[12]。
一方で、次の年に同ネタがテレビ放送で流れたことで全国的に認知された。彼らの公式プロフィールは、同ネタを「現代の天気予報替え歌」ではなく「確率の儀式」と表現している[13]。
芸風[編集]
残虐狂人お天気の芸風は、主に[[漫才]]と[[コント]]で構成される。[[狂人]]が“残虐”を語彙のまま持ち込み、[[お天気]]が天気用語を正確に戻すことで、言葉の暴力と論理の矯正が同居する構造になっている[14]。
たとえば「本日の最高気温は38度、あなたの笑いは38%」のように、気象数値と観客の内面を同列に扱う。ここに、交通機関の乱れ、傘の紛失率、そして“心拍の雷雨度”など、やたら細かい推定指標が混ぜられるのが特徴である[15]。
なお、ネタにはしばしば[[地名]]の地誌知識が挿入されるが、目的は正しい理解ではなく、言い間違えを“気象の誤報”として笑いに変えることにあるとされる[16]。
エピソード[編集]
結成当初、彼らはネタ合わせのたびに「今日の会議は何時に凶暴化するか」を議題にしたという。黒板には毎回「凶暴化指数=(降水確率×照明色温度)÷弁当数」のような式が書かれ、研究ノートが10冊以上残っていると報道された[17]。
2018年の深夜番組で起きた“事件”として、[[お天気]]が番組の字幕に誤植された「降水確率0.4%」を見て、すかさず「0.4%は“傘の死亡率”であり、あなたの安全とは別です」とツッコんだ。視聴者はその発言の整合性に気づくまで数分かかったとされ、番組側が翌週に誤植訂正とともにコメントを放送したという(出典は、番組公式SNSとされる)[18]。
また、ライブ会場の壁に貼られた“天気カレンダー”が、なぜか毎回ズレて張り替えられるため、スタッフが「これ、占いですか?」と尋ねたところ、[[狂人]]が「占いは主観、これは観測」と答えたとされる[19]。この“観測”が実際には舞台照明のリモコン時刻であることが後に明かされ、苦笑いが広がったと報じられた[20]。
出囃子[編集]
出囃子として用いられるのは「[[気象レコード]]」風の短いジングルである。イントロではまず、聞き取りにくいモールス信号のような音が流れるとされ、そこから「本日、笑いの前線が接近」と歌詞が浮かび上がる構造になっている[21]。
彼らはジングルの歌詞を“毎年微改訂”するとされ、2019年版では「接近」の語が「上陸」に変更された結果、現場の観客の反応が1.7倍になったとファンが計測したとされる[22]。なお、この計測の根拠資料は公開されておらず、半信半疑とされる。
賞レース成績・受賞歴など[編集]
彼らは賞レースにおいて「断定芸の安全運転」が評価され、2020年には[[キングオブコント]]予選相当で上位に食い込んだ。公式発表では“ファイナリスト級の観測”として扱われ、最終的に準優勝相当の扱いでメディアに取り上げられたという[23]。
一方で、コンビのネーミングが過度に挑発的だとして、審査員がコメントに慎重になった回もあったとされる。『観客の笑いが雷鳴に近い』という講評が読まれたとき、会場では拍手が遅れて起きたという記録が残っている[24]。
このため、受賞歴は“数字に見えない数字”で語られがちであり、本人たちは「天気は測るもの、受賞は待つもの」と語っているとされる[25]。
出演[編集]
テレビでは、[[日本テレビ]]系のバラエティ「深夜の気象台」(架空)や、[[NHK]]の教養枠を“笑いの地図”として再編集する特集などに出演したとされる[26]。ラジオでは前述の「残虐狂人お天気の気象災害倉庫」が長寿番組となり、メール投稿のテーマは「今日の気分に最も近い天気記号」で固定された[27]。
また、[[舞台]]では単独ライブとして「笑い前線、進路不明」(2019年)、「傘の統計は嘘をつかない」(2021年)を開催した。近年ではネット配信で、観客の反応からリアルタイムにネタの“天気変化”を差し込む試みが行われ、月間平均視聴時間が約52分だったと本人が語っている[28]。
作品[編集]
CDとして「[[降水確率]]は裏切らない」(2017年)、「笑いが晴れるまで」(2019年)がリリースされたとされる[29]。DVD「気象災害倉庫 完全版」(2020年)には、撮り下ろしの“誤報寸劇”が収録されたとされる[30]。
書籍では「残虐狂人お天気の天気ノート」(2022年)が刊行され、気象用語のコツとして、等圧線を“話の圧”に置き換える比喩が紹介されたとされる[31]。なお、同書の付録には架空の「傘の安全取扱説明書」(全12章)が付いていたという報告がある[32]。
単独ライブ[編集]
単独ライブは、年1回の大型公演と、季節ごとの小規模公演で構成されることが多いとされる。公演のタイトルには必ず天候語が入る傾向があり、2023年は「[[霧]]で聞き取れ、涙で補正する」(2,100席のうち1,842席が埋まったとされる)という形式がとられた[33]。
演出面では、客席に配布される“気象チケット”があり、チケット裏には「今日のあなたの天気タイプ(晴れ/曇り/怒り)」が印字される。実際の分類基準は抽選ではなく、舞台上のボケの語尾回数で決まるとされ、観客は次第に「自分の語尾が狙われている」感覚に陥るという[34]。
書籍[編集]
2022年刊行の「残虐狂人お天気の天気ノート」は、気象庁の用語をもじる形で、会話の“温度差”を制御する指南書として売れたとされる[31]。2024年には続編「残虐狂人お天気の暴風言語学」(架空)が刊行されたと報じられた[35]。
編集者の証言として、初稿の段階では“暴風”が“卑語”に置き換えられていたが、校閲の段階で「言語学の比喩に留める」修正が入ったという逸話がある[36]。このように、真顔の百科的文体と、過剰に扇情的な語彙の衝突が作風を支えているとされる。
脚注[編集]
関連項目[編集]
脚注
- ^ 山本ハルキ『笑いの前線接近論—確率芸のメカニズム—』気象芸能社出版, 2021.
- ^ 佐藤ミナ『用語を壊す漫才術:降水確率の比喩史』ナイトレイン・プレス, 2018.
- ^ K. Thornton「Weather as Comedy Trigger: A Field Study in Kanto」『Journal of Performative Forecasting』Vol.12 No.3 pp.44-61, 2020.
- ^ 田中光栄『誤報はなぜ笑えるのか』中央放送大学出版部, 2016.
- ^ M. O’Neal「On the Rhythm of Punchlines and Isobars」『International Review of Comic Logic』第7巻第2号 pp.101-129, 2019.
- ^ 気象芸能社編『残虐狂人お天気 作品年表(暫定版)』気象芸能社, 2023.
- ^ 林ヨシカ『天気ノートの作り方—黒板の数値で観客は反応する—』文芸技術研究所, 2022.
- ^ 大宮セブン実行委員会『劇場の劇場所属と笑いの地図』大宮セブン叢書, 2017.
- ^ 『深夜の気象台』制作委員会『番組内誤植の訂正と解釈』放送文化資料叢書, 2020.
- ^ 誤植学会(仮)『数字はなぜズレるのか(第3版)』pp.12-19, 2015.
外部リンク
- 残虐狂人お天気 公式気象台
- 気象芸能社 ラジオアーカイブ
- 確率芸データベース(非公式)
- 即笑シアター 公演記録
- 笑い前線ライブ配信ページ