海城中学高等学校模型部
| 名称 | 海城中学高等学校模型部 |
|---|---|
| 略称 | KJM模型部 |
| ロゴ/画像 | 青地に金色の「格納庫7号」エンブレム |
| 設立(設立年月日) | 1968年4月17日(創設) |
| 本部/headquarters(所在地) | 東京都文京区本郷坂町(通称: 格納庫7号) |
| 代表者/事務局長 | 事務局長 佐伯 梢(さえき こずえ) |
| 加盟国数 | —(校内団体) |
| 職員数 | 常勤0名・技術顧問3名・部活動指導員2名 |
| 予算 | 年額 1,920,430円(2024年度) |
| ウェブサイト | https://kjm-modelclub.example.jp |
| 特記事項 | 部内規程「接着剤は議事録に記入しなければならない」を運用する |
海城中学高等学校模型部(かいじょうちゅうがくこうとうがっこうもけいぶ、英: Kaijō Junior & Senior High School Model Club、略称: KJM模型部)は、造形技術の継承と校内科学文化の醸成を目的として設立されたである[1]。設立。本部はに置かれている。
概要[編集]
海城中学高等学校模型部は、造形技術の継承と校内科学文化の醸成を目的として設立された教育団体である[1]。部員は主に中学・高校の生徒で構成され、制作活動を通じて機械設計・材料観察・安全管理の基礎を学ぶとされている。
同部は「模型は縮尺であり、縮尺は倫理である」とする校内宣誓文を採用しており、完成品だけでなく制作過程の記録を重視して運営される。とくに接着剤の使用量を毎週、温度と湿度とともに「格納庫7号ログ」に記入する仕組みが知られている。なお、記録様式にはなぜかコスモスの花言葉欄があり、編集者の間では「科学っぽさを補うための装飾である」という指摘がある[2]。
歴史/沿革[編集]
創設期と「格納庫7号」構想[編集]
同部の前身は、1963年に校舎裏の小倉物置で活動していた「本郷縮図研究会」とされる。1968年、当時の数学教員であったが、図形の学習を立体化する目的で設立準備委員会を組織し、4月17日に正式に創設されたとされる[3]。このとき制作室は仮設の棚に番号を付け、のちに本部機能を担う「格納庫7号」が誕生した。
格納庫7号は、密閉性の高い換気ダクトを持つとされ、当初は模型の塗料飛散の抑制と、部員の喫煙防止を兼ねて設計されたという経緯が記録されている。ただし同年の議事録では、喫煙よりも先に「塗料の泣き声(揮発の湿り)」を抑える必要があったと記されており、要出典として扱われた履歴が残る[4]。
大会文化と「微細公差の宗教化」[編集]
1970年代以降、同部は校外展示会に参加し、模型工学の基準として「微細公差」を掲げるようになった。1982年には理事会に相当する「制作審査会」が設けられ、部内での完成許可は1/500スケールの歪みが0.18ミリ以下であることを条件として運営されたとされる[5]。
この基準は当時、定規メーカーとの共同開発で実現したとする説がある。一方で、実際には校内の温度計が0.18ミリ単位でキャリブレーションできるだけだったという内部証言もあり、後年の検証では「数字が先に決まり、測り方が後から整えられた」との指摘がある[6]。ただし、部員の熱量は結果として工作精度の向上に寄与したと評価されている。
組織[編集]
組織構成[編集]
同部は部内規程に基づき設置された運営体制を有しており、最高意思決定機関として「総会」が置かれている。総会は毎学期末に開催され、主要議案として次年度の制作テーマ、材料の調達、ならびに安全講習のカリキュラムが分担される。
また、「理事会」に相当する制作審査会が設置されている。制作審査会は顧問3名と部長学年代表1名、さらに「ログ係」2名で構成され、接着剤記録・塗装記録・研磨記録が所管される。なお、ログ係は“作業の再現性を担う役割”として、部員の人気職とされている[7]。
主要部局[編集]
主要部局として「設計室」「材料観察室」「動力試験区画」「展示運用チーム」が置かれている。設計室は縮尺計算と図面化を担い、材料観察室は紙・樹脂・金属粉の挙動を顕微鏡で記録するとされる。
動力試験区画では、模型に小型モーターを組み込む場合、回転音の周波数を週次で測定する運営が行われている。ただし周波数測定器は校内備品ではなく、部員の家族からの寄贈として集められたとされる。寄贈に関する資料は封筒で保管されており、封筒には「未来の科学に効く」とだけ書かれていたと記録されている[8]。
活動/活動内容[編集]
同部は活動を行っている。具体的には、①歴史的建築の縮尺模型、②航空・航海を題材とする運動学習模型、③校内の研究室を模した「学びの再現区画」の制作が挙げられる。制作は原則として月曜・木曜の放課後に集中して行われ、金曜日は展示準備と点検に充てられるとされる。
また、活動を支える行事として「公差祭」と呼ばれる校内イベントがある。公差祭では完成度だけでなく、失敗作のログが展示される。たとえば1995年の公差祭では、塗料が白濁した試作品が“雪の代替材料”として展示され、来場者に即席ワークショップとして配布されたという[9]。一方で、その白濁が本当に材料由来か、湿度由来かは当時から議論があり、議事録では「気まぐれの科学」と表現されている。
社会的には、同部の制作文化が理科部や図書委員会の活動に波及し、校内での「ものづくり記録」の価値が高まったとされる。外部の学校から見学依頼が年間約14件あると報告されており、うち約3件は“模型を学習管理ツールとして扱いたい”という目的であったとされる[10]。ただし数値の根拠は見学者台帳の控えにのみ存在し、他資料への出典が揃っていない。
財政[編集]
同部の予算は年額 1,920,430円である(2024年度)。内訳は材料費が 846,000円、工具保守が 312,500円、展示搬送が 198,930円、講習費が 563,000円であるとされる[11]。なお、講習費には「安全な匂いの吸い方講座」等の奇妙な項目が含まれており、監査役は「香りも安全管理である」と説明したと記録されている。
また、分担金は原則として徴収しない運用が採られているが、部員が個人で買い足した材料についてはポイント換算の“奉仕換算制度”が設けられている。制度のポイントは「接着剤1本で 27点」「研磨紙1枚で 3点」というように細かく定められており、合計点は展示備品の選定に反映される仕組みとされる[12]。
加盟国(国際機関の場合)[編集]
海城中学高等学校模型部は校内団体であるため加盟国は設けられていない。ただし外部連携として、姉妹校見学枠が設置されており、同枠は「加盟国数」に準じて扱われる場合がある。具体的には、年間で最大 5校まで交流を行う運用が「準加盟規程」として運営されているとされる[13]。
歴代事務局長/幹部[編集]
歴代幹部として、創設当時の実務責任者は「初代ログ主任」としてが務めたとされる[3]。その後、1990年代はが事務局長代理として活動し、展示運用チームの標準化を進めたとされる。
2005年にはが「動力試験区画」の監修を担い、模型の微振動を抑えるための防音シート運用を導入したとされる[14]。直近では事務局長として佐伯 梢が在任しており、予算執行の透明性を高めるため、議事録とレシートを同じ順序で綴る“二重ページング方式”を採用しているとされる[15]。
不祥事[編集]
同部では不祥事として、1999年の「塗料隠匿事件」が知られている。部員の一部が材料室から指定外のシンナーを取り出し、短期間で塗装を終えるために使用した疑いが持たれたとされる[16]。結果として部員の自己申告により発覚し、再発防止として“揮発記録簿”が必須となった。
また、2013年には展示作品の一部が一時的に紛失し、校内で約 36時間にわたる捜索が行われたと報告されている[17]。ただし記録では「紛失したのは作品ではなく、作品の“物語カード”である」とされ、カードの記載内容が誤って他作品に挿入されていた可能性が指摘された。監査では“カード交換の事故”として処理されたとされるが、部内では今なお「物語は盗めない」という冗談が残っている。
脚注[編集]
関連項目[編集]
脚注
- ^ 佐伯 梢「海城中学高等学校模型部の運営実態と格納庫7号ログ」『校内教育工学年報』第12巻第3号, 2024年, pp. 41-63.
- ^ 小宮寺恵「“縮尺は倫理である”という標語の機能分析」『学校文化研究』Vol. 28, 2021年, pp. 119-137.
- ^ 渡辺精一郎「本郷縮図研究会から模型部へ—創設の経緯」『教育史資料集』第5巻第1号, 1970年, pp. 3-22.
- ^ 山形澄人「塗料の泣き声に関する周辺記録」『材料観察ノート』第2巻, 1984年, pp. 77-81.
- ^ 制作審査会「微細公差基準の制定と校内測定系」『図面と現場』Vol. 9, 1983年, pp. 55-70.
- ^ 高橋玲奈「温度計依存の公差運用がもたらした制作精度の変化」『日本工作教育論叢』第18巻第2号, 1998年, pp. 201-223.
- ^ Minato, K. “Reproducibility in Student-Made Displays: The Lock-and-Log Model” 『International Journal of Classroom Fabrication』Vol. 6 No. 1, 2022年, pp. 12-29.
- ^ Thompson, A. “Frequencies of Toy-Scale Motors and Classroom Safety” 『Journal of Informal Engineering』第4巻第4号, 2019年, pp. 88-101.
- ^ 海城中学高等学校「1968年度議事録(写)」海城中学高等学校編纂, 1969年, pp. 1-37.
- ^ 監査部「接着剤ログ制度の監査報告(要約)」『学校内部統制資料』第3巻第1号, 2020年, pp. 9-16.
- ^ KJM模型部運営委員会「2024年度予算案とその内訳(公開版)」KJM模型部, 2024年, pp. 1-8(ただし一部の費目名が原典と一致しない).
- ^ 文京区教育委員会「本郷地域の放課後制作活動に関する統計」『地域教育年報』第31巻第2号, 2016年, pp. 301-319.
外部リンク
- 格納庫7号公式サイト
- 公差祭アーカイブ
- 接着剤ログ制度データベース
- 制作審査会ガイド
- 材料観察室レポート