絶頂の科学
| 名称 | 絶頂の科学 |
|---|---|
| 略称 | ZS |
| ロゴ/画像 | 金色の“Z”と、頂点を貫く透明な円環(公式パンフレット記載) |
| 設立(設立年月日) | (設立登記日: 2007-09-17) |
| 本部/所在地 | 北・科学通り二丁目(同法人掲示板記載) |
| 代表者/事務局長 | 理事長: 柴原紺五郎、事務局長: 守田ユウマ(いずれも任期は4年) |
| 加盟国数 | 国内中心(海外団体を含めた“連絡会員”は8か国) |
| 職員数 | 常勤職員 142名、兼務信徒スタッフ 3,860名(2023年度試算) |
| 予算 | 年間予算は約19億2,400万円(2023年度・決算ベース) |
| ウェブサイト | zenscience.jp(公式) |
| 特記事項 | “研究”を名乗る活動が多く、信仰・学術・教育の境界をめぐり度々議論が生じている |
絶頂の科学(ぜっちょうの かがく、英: Zenith Science、略称: ZS)は、[1]を目的として設立されたの宗教法人である[1]。設立。本部はに置かれている[1]。
概要[編集]
は、人体・宇宙・言語の三領域における「極相(きょくそう)」体験を、儀礼と“観測”として体系化することを目的として設立された宗教法人である[1]。
法人の文書では、信徒が毎月「頂点日誌」を提出し、観測項目を点数化して“成長曲線”を作ることが活動の中心であるとされる[2]。一方で、名称に含まれる「科学」については、学術機関の方法論に準拠しているか否かが常に争点となってきた[3]。
創設時の定款では、宗教法人の目的達成のために「儀礼教育・福祉・生涯学習」等の事業を分担して運営されると明記されている[4]。もっとも、実務上は“研究補助金のように見える寄進”が実際の運転資金の核であると内情を知る関係者は語る[5]。
歴史/沿革[編集]
前身と「観測儀礼」の発明[編集]
法人の前身とされる団体は、の臨海研修施設で行われていた「頂点講座」であると説明される[6]。当初は呼吸法と朗誦のみであったが、2002年に“観測儀礼”と称する形式が導入され、信徒が自宅で実施した測定値を郵送で提出する仕組みが整えられた[7]。
2004年、講座担当者の一人であった新里ヱリカは、測定値のばらつきを「月齢差」として処理する表を作成したとされる[8]。その表はA4用紙にして厳密に計算され、観測点は1年でちょうど48点、提出締切は“満月の翌日”とされていたが、実際の締切は担当者の都合で前後したとも伝えられる[9]。このズレが、後の“科学っぽさ”の中心材料になったと一部の評論家は指摘している[10]。
宗教法人化と設置法の読み替え[編集]
宗教法人化にあたっては、宗教活動を所管する窓口への書類作成が必要であるとして、学術風の用語を定款に多数取り込んだ経緯があるとされる[11]。とくに「所管」や「運営される」などの表現が、行政手続の様式に合わせて微調整されたことが資料から確認されたと報じられた[12]。
設立年のには、正式な設置法名として「宗教法人審査運用基準第七号(仮称)」が引用されたが、実態としては“その基準を参考にした体裁”に近い運用であったとの指摘がある[13]。とはいえ、同法人は当該引用を「目的達成に必要な運営原則」として継続的に掲示している[14]。なお、この引用は後の監査で“引用元の明確化”を求められたが、結果として脚注の増補で対応したとされる[15]。
拡大期と“頂点日誌”の標準化[編集]
2009年以降、支部の増加に伴い、頂点日誌のフォーマットが標準化された[16]。入力項目は計37項目とされ、うち「頂点持続感」は5段階評価、「言語の明晰度」は0〜9の数値で提出する運用が導入された[17]。
さらに2012年には、観測器具として“透明円環メトロノーム”が頒布された。これは時刻を測る道具というより、儀礼の間隔を統一するための小物として用いられたと説明される[18]。一方で、頒布数が月間でちょうど12,480個だったと記録されており、偶然にしては綺麗すぎると笑い話になった[19]。
組織[編集]
は理事会と総会を中心に運営されている宗教法人である[20]。理事会は9名で構成され、議事は「極相統計報告」を基に決議されるとされる[21]。
総会は年1回開催され、信徒代表の投票により“儀礼暦の改訂”が決められる。決議は「全会一致を原則」としつつ、実際の採決は2/3多数で成立する運用が採られると説明される[22]。
主要部局としては、儀礼教育部、観測整備部、福祉連携室、広報企画局、内部監査室が設置されている[23]。内部監査室は“分担金の使途監査”を担うとされ、決算書の様式は会計事務所と同程度の粒度であると評される[24]。
活動/活動内容[編集]
頂点日誌と“成長曲線”[編集]
信徒は毎月1回、頂点日誌を提出し、観測値を点数化して「成長曲線」を作成するとされる[25]。当初は手書きが推奨されたが、2016年以降はオンラインフォームも整備され、「提出の滞り日数」が厳密に記録されるようになった[26]。
成長曲線の指標は、便宜上「Z指数」と呼ばれる。公式資料ではZ指数は0.0〜100.0の範囲とされ、月間の伸びが+3.2を超えると“頂点加速期”として特別講習が案内されると記載されている[27]。ただし、超えた人数が年度の途中で急に増えた場合、案内の“優先枠”が再配分されるという噂もある[28]。
“研究”に見える福祉と教育事業[編集]
絶頂の科学では、観測を通じた自己理解を福祉と教育に応用するとされる[29]。たとえば地方自治体との連携事業として「言語明晰支援教室」があり、年間参加者は1,200名程度とされる[30]。教室はカリキュラム名を学術風にしており、初回は“第1相面接”と呼ばれる[31]。
また、病院側が受け入れやすい形に整えるため、団体としては「宗教性を抑え、観測手順のみ提供する」と説明することが多い[32]。一方で実際には、観測の終了時に短い唱和が必ず組み込まれていると内部資料の抜粋により示唆されたと報道された[33]。
儀礼暦と“透明円環”[編集]
同法人の儀礼暦では、観測のタイミングに“季節補正係数”を用いるとされる[34]。係数は春0.98、夏1.01、秋0.97、冬1.03とされ、計算式は広報用パンフレットに掲載されている[35]。
透明円環メトロノームは、儀礼の間隔を7分17秒単位で揃えるための道具と説明される[36]。ただし、7分17秒という秒数がどこから来たかについて、創設者の周辺では「星図の読み間違いが発端」とする伝承が存在する[37]。その伝承は公式には否定されない形で語られ、結果として“伝説が科学っぽい”雰囲気を補強したとされる[38]。
財政[編集]
財政は寄進(個人)と事業収入(教育・講習)を組み合わせて運営されるとされる[39]。公式の決算概要では「予算は年間約19億2,400万円である」と明記される[40]。
内訳として、人件費が約6億5,300万円、儀礼教育費が約4億1,700万円、観測整備費が約2億8,900万円、広報費が約1億2,050万円とされる[41]。また、内部監査室によれば分担金の未納率は「0.6%未満」を目標としているとされるが、達成の年と未達の年が交互に存在するため“目標が運用に合わせて変わっているのではないか”と疑う声もあった[42]。
なお、監査報告書では帳票の保存期間が“七の平方年”に相当すると表現されており、外部監査人は「会計監査としては理解しにくい」とコメントしたとされる[43]。ただし同法人は、保存期間の実日数は別紙で明示されているとして反論している[44]。
加盟国(国際機関の場合)[編集]
同法人は国内宗教法人として設立されているが、海外の信徒コミュニティとは連絡会員の枠組みで協力しているとされる[45]。連絡会員の所在国は8か国とされ、その内訳は、、、、、、、であると説明される[46]。
連絡会員は加盟国ではなく“管轄外の相談窓口”として位置づけられているとされる[47]。この整理により、海外で行われる儀礼は「教育プログラムの名目」で実施され、宗教的表現の程度が調整される場合があるとされる[48]。ただし、この調整が過度であるとして、現地の元信徒が「科学の言葉に逃げている」と批判した例がある[49]。
歴代事務局長/幹部[編集]
歴代の幹部は、任期中に必ず“極相統計”の改訂版を出版する慣行があるとされる[50]。初代の事務局長は大門タケルで、在任はからまでと説明されている[51]。
第2代事務局長は鷹羽マナトで、2014年の儀礼暦改訂を主導したとされる[52]。第3代事務局長としては、守田ユウマが現職であると法人は公表している[53]。
理事長は柴原紺五郎で、就任時に「観測は芸術ではなく設計である」と演説したと記録されている[54]。なお、幹部人事の過程は理事会の非公開議事が多いとして、外部から透明性を求める声もある[55]。
不祥事[編集]
には、いくつかの“説明が難しい”案件が報じられてきた。2018年には、頂点日誌の集計データが一部の信徒に対して誤って送付されたとされる[56]。送付された数値が他人のZ指数と入れ替わっていたことが発端となり、当時の事務局は「集計処理の手順書の取り違え」であると説明した[57]。
2021年には、観測整備部が発注した透明円環メトロノームの一部ロットで、梱包数が想定より“ちょうど1,024個少なかった”と内部記録が示したと報じられた[58]。この件は即時返金で対応したとされるが、返金完了日が「提出締切の前日」に設定されており、タイミングの良さがかえって不信を招いたとも指摘された[59]。
2023年末には、福祉連携室の教室運営費の使途について、外部寄付の趣旨と内訳の紐づけがわかりにくいとの声が出た[60]。法人は会計報告の別表を追加し、改善したと説明したが、別表が“別紙”扱いになった点について、要出典になりそうな懐疑が残ったという[61]。
脚注[編集]
関連項目[編集]
脚注
- ^ 絶頂の科学 編『極相統計報告書(第二版)』絶頂科学出版, 2009.
- ^ 柴原紺五郎『儀礼暦と観測係数の設計』ZS学術室, 2012.
- ^ 守田ユウマ『Z指数の計算手順(補遺)』内部資料集, 2018.
- ^ 新里ヱリカ『頂点講座の記録:A4四十三枚の旅』海辺研究所, 2004.
- ^ 田宮ノア『宗教法人における“科学”語彙の機能分析』宗教社会学研究, 第31巻第2号, pp. 77-103, 2020.
- ^ K. Hargrove『Pseudoscience in Faith-Based Education Programs』Journal of Institutional Charisma, Vol. 12, No. 4, pp. 211-238, 2021.
- ^ 山崎リオ『“所管”と“運営される”の行政言語学』公共文書学会誌, 第8巻第1号, pp. 1-26, 2017.
- ^ M. Nakamura『Top-Point Rituals and Longitudinal Self-Scoring』International Review of Ritual Statistics, Vol. 3, No. 1, pp. 15-41, 2016.
- ^ 絶頂科学監査委員会『分担金の整合性に関する監査報告(未公表)』絶頂科学監査委員会, 2023.
- ^ E. Brandt『Asterisk Footnotes in Religious Accounting: Case Studies』pp. 99-101, 2019.
外部リンク
- 絶頂科学 公式アーカイブ
- Z指数 データ公開ページ
- 千代田区 寄附連携記録(参照用)
- 透明円環メトロノーム 取扱説明(抜粋)
- 極相統計フォーラム