蛮行なバンカー
| コンビ名 | 蛮行なバンカー |
|---|---|
| 画像 | 架空(ブロンズ色のバンカーモチーフ衣装) |
| キャプション | 第3回『笑撃(しょうげき)貯金王決定戦』優勝時の記念撮影(本人談) |
| メンバー | ボケ:岸田 鉄鎚(きしだ てっつい)/ツッコミ:花巻 立志(はなまき たちし) |
| 結成年 | 1978年 |
| 解散年 | 活動継続(不定期休止を挟む) |
| 事務所 | 北海放送アナメディア養成連盟(通称:北海AM) |
| 活動時期 | 1978年 - 現在 |
| 芸種 | 漫才・コント(“銀行×軍隊×郷土料理”の混成) |
| 公式サイト | banker-ban-kyou.example |
(ばんぎょうなばんかー、英: Bankyō na Banker)は、所属のお笑いコンビである。[[1978年]]5月結成。地方局の深夜番組『砂利道バラエティ』で頭角を現し、以降はバラエティとコントを中心に活動している[1]。
概要[編集]
蛮行なバンカーは、言葉の勢いと間の取り方で知られるお笑いコンビである。看板ネタは、架空の“金融兵器”をめぐる掛け合いで、観客に「笑っていいのか」迷いを与える点が特徴とされる[1]。
名前の由来は、北海道の一部で伝わるとされる“砂利銀行(じゃりぎんこう)”の民話にあると、当人たちは語っている。ただし、民話の原典が確認されないまま番組内の口上だけが独り歩きし、結果として“蛮行なバンカー”というフレーズだけが定着した経緯がある[2]。
メンバー[編集]
岸田 鉄鎚はボケ担当として、台詞の語尾をわざと軍令調に寄せる癖があるとされる。本人は「語尾が硬いほど、落語の袴みたいに畳が増える」と発言したことがあり、後年の台本にも“畳計算”が反映されていると報じられたことがある[3]。
花巻 立志はツッコミ担当で、数字や規定を細かく読み上げて場を締める役回りで知られている。特に「規約は第◯条ではなく、棚番号と重量」で理解すべきだという持論を持ち、リハーサルでも“棚の架空在庫”を作って確認してから本番に臨む[4]。
両者の相性については、岸田の暴走を花巻が“会計”で止める構図が定型化していると評される。一方で、止めきれなかった回はそのままコントが発展し、後述の騒動につながったとされる。
来歴・略歴[編集]
結成の経緯[編集]
蛮行なバンカーは[[1978年]]に結成された。当時、岸田は札幌市内の即席劇団「第十四練習場」に出入りし、花巻はラジオの原稿校正アルバイトを掛け持ちしていた。両者は同じ公民館で行われた“読み上げ速度選手権(参加上限1分間)”で初対面したとされる[5]。
結成当初の台本は、鉄道会社の社内文書を“笑えるほど真面目に”書き換える試みから始まった。花巻が「法律用語は味噌と同じ、丁寧に混ぜるほど香りが出る」と言ったことで、ネタの土台が“規約×即興”へ傾いたと記録されている[6]。
また、命名は北海AMの担当プロデューサーである「宇津野 清太郎(うつの せいたろう)」が、岸田の失敗談(ステージ上でマイクを逆に持ってしまい“蛮行”と叫んだ)を聞きつけて提案したとも語られた。ただし宇津野の関与については証言の揺れがあるとして、後のインタビューで“たぶん”という言い方に留まっている[7]。
東京進出と転機[編集]
二度目の東京進出は[[1986年]]10月とされる。この時期、当人たちは台本の改訂にあたり、ネタ内の“貯金箱の容量”を具体的に統一した。鉄鎚案が「1箱=3.141kg(円周率由来)」、立志案が「1箱=2.718L(自然対数由来)」で対立した末に、編集者が「観客は数学を笑うのではなく、笑いで数学を眠らせる」と調停したと伝わる[8]。
この統一が功を奏し、東京の深夜番組『換金(かんきん)しない夜会』で“蛮行な棚卸し(ばんぎょうなほぞんし)”のコントが話題となった。その反響を受けて、彼らは地方局の露出を一時縮小し、スタジオ稼働を増やした[9]。
ただし、番組内での衣装が軍需風に寄りすぎたとして、放送倫理担当から「小道具の重量表示を削除するように」との口頭指導が入ったとも報じられており、完全に円満だったとは限らない。
芸風[編集]
蛮行なバンカーの芸風は、漫才とコントの往復によって構築される。漫才では、ツッコミが“規定書の読み上げ”の形を取り、ボケが“規定書を勝手に戦術へ翻訳する”という二段構えである[10]。
コントでは、架空の組織が頻繁に登場する。代表例として“蛮行会計局(ばんぎょうかいけいきょく)”と“市民資産防衛協議会(しみんしさんぼうえいきょうぎかい)”があり、両者は同じ会館を巡回している設定とされる[11]。
また、ネタのテンポは秒単位で設計される。花巻はリハーサルで「間は0.7秒単位、ただし最後の沈黙は2.0秒で上限」とメモしているとされる。一方で、岸田はその“秒”をネタ終盤でわざと割り算してしまい、結果として客席が一瞬ざわつく“揺らぎ”が生まれると評される[12]。
エピソード[編集]
『砂利道バラエティ』の放送事故未遂[編集]
『砂利道バラエティ』では、架空の貯蓄制度“第9次地形利息(だいきゅうじちけいりそく)”を紹介する場面があった。岸田が「利息は砂利の目方で決まります!」と叫び、床に本当に砂利(約2.4kg)を撒いてしまったため、スタッフがすぐに回収したとされる[13]。
その後、花巻が「拾った砂利は資産です。帳簿に入れないと泣きます」と言い切り、回収作業自体を即興コントに変えた。結果として事故未遂は笑いに転化し、視聴者アンケートでは“最も安心して笑えた回”として記録された[14]。
ただし、砂利がどこから来たかについては、近隣の砕石工場「」だとする説と、衣装倉庫に保管していたとする説があり、どちらも一次資料が示されていない。
“蛮行なバンカー”の命名騒動[編集]
コンビ名の由来が話題になったのは[[1993年]]のラジオ番組『深夜の棚番号』(制作)である。花巻は「蛮行は“規約を破る勇気”、バンカーは“貯金を守る人”」と説明したが、翌日になって元スタッフが「実は逆だ」と証言したとされる[15]。
岸田はこれに対し「逆でもいい、笑いは帳尻合わせだ」と反論し、当時の台本に“帳尻合わせの重量(正味1.0g)”が追記された。番組のファンはこの1.0gを“伝説の余白”と呼び、公式ファンサイトにまで派生記事が立った[16]。
なお、当時の収録記録に「余白1.0g」としか記されておらず、実際にどこを指すのかは不明であるため、後年の研究会では“創作の空白を数値で固める技法”として分析された。
出囃子・賞レース成績[編集]
出囃子は「(ばんかーこうしんきょく)」である。曲は作曲家の“田熊 旋律(たぐま せんりつ)”が、銀行の金庫扉の開閉音をサンプルとして作ったとされる[17]。ただし、田熊がそのようなサンプルを取得した経路は説明されておらず、後の番組では「たぶん金庫じゃなくて駐輪場のシャッター」と言い換えられたことがある。
賞レースでは、主にローカル枠の“笑撃(しょうげき)貯金王決定戦”に強かった。[[1989年]]大会でファイナリスト入りし、[[1991年]]大会で準優勝、そして[[1994年]]大会で優勝したと公式に伝えられている[18]。
また、全国的にはキングオブコントの予選に“貯蓄仕様のコント台本”として応募したことで話題になったが、合否が公表されない回があり、ネット上では「通った/落ちた」論争が繰り返されたとされる。
出演・作品[編集]
テレビでは、ローカルの『砂利道バラエティ』や『換金しない夜会』、関東圏では単発特番『年金と胃の平衡(へいこう)』などに出演したことがあるとされる[19]。ラジオでは『深夜の棚番号』が代表番組として扱われてきた。
作品としてはCD『帳簿は笑う』([[1992年]])、DVD『第9次地形利息ライブ』([[1997年]])がリリースされた。収録内容は“蛮行な棚卸し”のほか、観客が疑問を持つよう設計された「利息の計算にだけ異常に時間をかける」構成が特徴とされる[20]。
単独ライブとしては『バンカーの寝言』([[2003年]])が知られ、以降は年1回ペースで“机上の軍略”というテーマの舞台を行っている。舞台はの小劇場「北斗文庫座」での上演が多いとされるが、実際の上演地は年度ごとに微妙に変わっていると報告されている[21]。
批判と論争[編集]
蛮行なバンカーは、言葉遊びが社会的な誤解を生むことがあるとして批判も受けてきた。特に“蛮行”という単語を、金融や公共性の文脈に置く表現について、放送審査側から「歴史的な含意を連想させる」との指摘が入ったことがあるとされる[22]。
一方で、当人たちは「蛮行は“ルールを守らない”の意味ではなく“ルールの存在を笑って確かめる儀式”だ」と主張している。また、花巻は「笑いが先に来れば、言葉の危険は後から薄まる」と語ったという[23]。
ただし、ネット上では一部の回の台詞が切り抜かれ、「実際の機関を想起させる」との批判が再燃することがあった。ここで指摘されるのは、番組内での架空組織として登場する“蛮行会計局”が、実在の行政文書の体裁に酷似していた可能性である。よって、編集方針に関する要望が複数回出されたと報じられている[24]。
脚注[編集]
関連項目[編集]
脚注
- ^ 北海AM編『北海深夜芸人名鑑(第3版)』北海AM出版, 1995年, pp. 112-119.
- ^ 宇津野清太郎『棚番号は裏切らない』北海報道社, 2001年, pp. 34-41.
- ^ 花巻立志「秒間隔のコント設計:0.7秒と2.0秒のあいだ」『放送笑科学紀要』第12巻第2号, 2007年, pp. 55-63.
- ^ 田熊旋律『音の金庫学:扉音サンプリングの誤解と修正』環弦音響研究所, 1999年, pp. 8-17.
- ^ 岸田鉄鎚「規約は味噌である:笑いの発酵理論」『コントレシピ通信』Vol.6 No.1, 2004年, pp. 21-29.
- ^ 『蛮行なバンカー論争史(要出典付きまとめ)』札幌匿名掲示出版社, 2012年, pp. 3-16.
- ^ Margaret A. Thornton『Comedy as Compliance: Mock Regulations in Japanese Variety』Horizon Academic Press, 2016, pp. 201-214.
- ^ Eiji Nakamura, “Bankers Without Banks: The Fictional Institutions of 1980s Variety,” Journal of Performance Myth, Vol.9 No.4, 2018, pp. 77-90.
- ^ 松田誠治『地域枠の勝ち方:ローカル賞レースの統計と感情』北都大学出版部, 2011年, pp. 142-151.
- ^ 『笑撃貯金王決定戦公式記録集』笑撃実行委員会, 1994年, pp. 9-12.
外部リンク
- 北海AM公式アーカイブ
- banker-ban-kyouメディアギャラリー
- 砂利道バラエティ視聴者メモ
- 深夜の棚番号(非公式)
- バンカー行進曲楽譜保管庫