鍵盤式レッド
| コンビ名 | 鍵盤式レッド |
|---|---|
| 画像 | (公式記録写真・キーボードを赤く塗った小道具付き) |
| キャプション | 出囃子前に“鍵盤の上で謝罪”をすることで知られる |
| メンバー | ギガトン鍵盤(ボケ) / 赤面タイマー(ツッコミ) |
| 結成年 | 1998年 |
| 解散年 | (活動継続とされる) |
| 事務所 | 東雲ト音事務所 |
| 活動時期 | 1998年 - 現在 |
| 芸種 | 漫才・コント(“音が鳴るほど説明する”系) |
| ネタ作成者 | 主にギガトン鍵盤 |
鍵盤式レッド(けんばんしきれっど)は、架空の事務所「」所属のお笑いコンビである。[[1900年]]代後半の即興文化に擬せられた芸名であり、[[NSC]]系列の文脈では音響ジョーク史の系譜として語られる[1]。
概要[編集]
鍵盤式レッドは、漫才の最中に「音程」を名目上の証拠として扱い、落語の因果と現代のタイムスタンプを混ぜて笑いに変えるお笑いコンビである。特に、ツッコミが“赤”を理由に議論を終わらせる癖があり、観客はしばしば論破された感覚だけを持ち帰るとされる。
名称の由来は、彼らが“鍵盤式”という言葉を、道具のことではなく手続き(段取り)として使い始めたことにあるとされる。なお、このコンビ名が「何らかの実在の装置」や「既存の技術」の言い換えだと誤解されることもあるが、本人たちは一貫して「それは芸の手順のこと」であると説明してきた[2]。ただし、後述するように語源としての“赤い鍵盤”が地方放送局の資料に散見される点から、言葉の定着には複数の誤差要因があったと推定されている[3]。
メンバー[編集]
ギガトン鍵盤(本名:鍵盤 祐介(かぎたん ゆうすけ)、愛称は「ギガ」)は、数字と規格を盛り込むボケ担当である。自作の“音階メモ”に従って発話しており、ネタの進行率を「開始から厳密に27拍目までに言い切る」などと管理するとされる。
赤面タイマー(本名:赤面 和弘(あかめ かずひろ)、愛称は「タイマー」)は、ツッコミ担当として知られる。彼は相方の誤情報に対して、赤いハンドベルを1回鳴らすたびに制裁を加える形式を確立したとされるが、実際には鳴らし方が回によって微妙に変わっていると観客から報告されている[4]。この“差分”こそが鍵盤式レッドのリズムだと評価されることもある。
来歴/略歴/経歴[編集]
出会いと結成[編集]
1997年、両者はの小さなライブハウス「」で、同じ司会原稿の“読み違い”をしたことをきっかけに意気投合したとされる。原稿の一文目が「鍵盤式レッドは赤色が重要」と誤植されていたため、2人はその誤植を“世界観”として扱う相談を始めた[5]。
1998年に東雲ト音事務所の新人枠で正式に活動が始まり、NSC系列の舞台オーディションでは「NSC83校9期生」と記録されている。ただし、この数字(83・9)は入学年ではなく、当時の舞台照明の段階数を転用した社内コードだと、後年の舞台スタッフ回想で補足されている[6]。
東京進出と“音証明”ブーム[編集]
2002年、彼らはの深夜番組枠で“音が鳴るほど説明する”コントを披露し、視聴者のメールが1週間で約1,420通に達したとされる。番組側は「視聴者が“異議あり”と書いた数が増えた」として、翌週に赤い照明だけを残す演出に切り替えた[7]。
このとき鍵盤式レッドは、会話の結論を「赤の範囲(RGBでいうR相当)の説明」に置く手法を洗練させ、即興の“手続き論”として拡散した。以降、彼らの得意ネタは、都市の行政手続きや校則の文章を、音階の順番に変換して提示する方向へ発展したと考えられている。
芸風[編集]
鍵盤式レッドの芸風は、実務文書のような硬さでテンポを作り、最後に“赤い規則”で強制終了させる点に特徴がある。漫才では、ボケが「第◯項はメジャーコード相当」と言い出し、ツッコミが「その根拠、鍵盤式レッドの手順違反です!」と断定する流れが定番となっている。
コントでは、机上の書類やスタンプを“楽器”扱いし、観客が見ていないところで小道具が鳴っているように演じる。彼らの公式スタッフノートでは、笑いのピークは平均で「発話から3.8秒後」「赤いハンドベルの直前」だと記されている[8]。ただし、当該数値は収録日の照明条件が不明であるため、統計的妥当性は限定的とする見解もある[9]。
エピソード[編集]
代表的な逸話として「赤い鍵盤は発明されていないのに、なぜか特許庁の問い合わせが来た」事件が挙げられる。これは2006年、彼らが地方公演で使った小道具の看板に“鍵盤式レッド特許申請”と書かれていたことが原因とされ、問い合わせはではなく、誤って窓口へ届いたという[10]。
さらに、舞台上で赤いインクをこぼした際に、赤面タイマーが「音が変わったから因果が成立しません」と宣言して謝罪を鍵盤上で行った回があった。会場の記録では、その謝罪に要した回数が“29回”とされるが、別の記録では“28回”とも書かれており、差分がそのまま次のネタの伏線になったとされる[11]。
なお、彼らの名が“実在の技術名”として誤って引用された例もある。ある音響評論コラムでは、鍵盤式レッドを「鍵盤を赤くすれば性能が上がる方式」と要約したが、当人たちは「赤は性能ではなく手続きの色」と反論し、以降その記事を“逆ネタ”として舞台に持ち込んだ。
出囃子・賞レース成績・受賞歴[編集]
出囃子は「R-7セレナーデ(アカセブンの和音)」と呼ばれ、赤面タイマーがハンドベルを7回鳴らしたあと、ギガトン鍵盤が“27拍目の言い間違い”をわざと作るのが合図とされる。ただし、合図の秒数は一定ではなく、観客の笑い声が大きい回ほど早まるため、彼ら自身も“固定化できない法則”と表現している[12]。
受賞歴としては、2009年の関連で「ファイナリストを逃したが、審査員のメモ欄に“赤は根拠”とだけ書かれていた」ことで話題になったとされる。厳密な結果は年度ごとに複数の資料で食い違うため、ここでは“準優勝相当の評価”として扱われることが多い。これは、芸人本人が「準優勝じゃないほうが面白いから」と称していた発言が引用されているためである[13]。
出演・作品・単独ライブ[編集]
テレビでは、系の深夜バラエティ枠「」に準レギュラーとして出演したとされる。ラジオではの特番「手続きだけで笑う」へ出演し、手順書の読み上げだけで2時間を回した回が“奇跡的”として後日再放送された[14]。
作品としては、CD『鍵盤式レッドの赤い手順』(2008年)、DVD『音証明コント集 第1巻』(2011年)があり、いずれも収録内容の字幕が“誤字率”をあえて残していることで知られる。単独ライブは「」を冠にした『大宮セブン(仮)鍵盤式レッド』が代表で、チケットは発売3分で完売したと報じられている[15]。
一方で、彼らは映画出演としては“謎の事務官”役でクレジットされることが多い。これは本人談として「笑いが手続きに吸い込まれるから、役名より台本の書式が大事」とされ、演技よりフォーマットを優先する姿勢が評価されている。
脚注[編集]
関連項目[編集]
脚注
- ^ 山根ト音『鍵盤式レッドの赤い手続き:笑いは段取りでできている』東雲出版, 2009.
- ^ Margaret A. Thornton「The Color of Procedure in Japanese Comedy」『Journal of Applied Laughter Studies』Vol.12 No.3, 2012, pp.44-61.
- ^ 佐伯時継『誤植を世界観に変える技法(改訂第◯版)』音程書房, 2010.
- ^ 岡田ハル「即興漫才におけるタイムスタンプの機能」『演芸工学研究』第7巻第2号, 2014, pp.21-39.
- ^ 小川ミナト『深夜番組の言語設計:赤い照明と異議ありメールの相関』港区メディア研究所, 2005.
- ^ Ryo Nishimura「Bell-Rhythm and Audience Expectation: Case Study of Keyboard-Style Red」『International Review of Stage Mechanics』第3巻第1号, 2016, pp.101-117.
- ^ 鈴木プレスリー『演出小道具の法的位置づけ:誤送と誤解の社会史』法笑堂, 2018.
- ^ 『東雲ト音事務所 準備室日誌』東雲ト音事務所編, 2006, pp.15-19.
- ^ 「NSC(架空)史料集:照明段階コードの運用」『舞台技術資料』Vol.4, 2003, pp.9-22.
- ^ 高橋スミレ『手続きだけで笑うラジオ:2時間の設計図』NHKエンタープライズ, 2021.
外部リンク
- 東雲ト音事務所 公式プロフィール(鍵盤式レッド)
- 赤枠議事録 番組アーカイブ
- 音程倉庫ナカノ タレント履歴
- 大宮セブン(仮)公式告知ページ
- 手続きだけで笑う 放送回検索