新井式廻轉抽籤器(お笑いコンビ)
| コンビ名 | 新井式廻轉抽籤器 |
|---|---|
| 画像 | 抽籤器を模した透明アクリル筐体(作中仕様) |
| キャプション | 舞台上で回転し、出目に従って台詞が分岐する(とされる) |
| メンバー | 新井 廻(あらい かい)/若狭 抽(わかさ ちゅう) |
| 結成年 | 1989年 |
| 解散年 | 解散年不明(継続とする資料が多い) |
| 事務所 | 笑芸庁芸能局 |
| 活動時期 | 1989年〜現在 |
| 芸種 | 漫才・コント(分岐抽籤型) |
| 公式サイト | 新井式廻轉抽籤器 公式記録庫 |
新井式廻轉抽籤器(あらいしきかいてんちゅうせんき、英: Arai-shiki Kaiten Chusenki)は、所属のお笑いコンビである。[[1989年]]結成。NSC校3期生、独自の抽籤ギミック漫才で知られる[1]。
概要[編集]
新井式廻轉抽籤器は、回転する抽籤器の出目に沿って台詞と行動が切り替わる形式を看板とするお笑いコンビである[1]。舞台では抽籤器が主役化し、観客の手拍子や照明の色温度まで「出目確率」に見立てて語られる点が特徴である。
成立の経緯は、当時のNSC校における「即興倫理演習」と称される課題に遡るとされる[2]。ただし後年、当該演習は実在の授業ではなく、主催講師が残した『配転・抽籤・責任』という私的ノートを基に再現されたという指摘もある[3]。
メンバー[編集]
新井 廻は、ツッコミ担当であるとされる。台詞の前に必ず「回転数」を宣言する癖があり、例えば「残り412回転、ここで言い換えます」など、数字を小道具化する。さらに本人は、抽籤器の内部機構を自作しており、リング状のクリック機構が音程に影響すると主張したことがある[4]。
若狭 抽は、ボケ担当であるとされる。ネタ中に時折、架空の行政文書の文体で会話を進める「抽選法文語」を用いることで知られる。若狭は若手時代、の某公共施設で行われた「お笑い防災体験」に参加し、非常用放送の文言を“出目の代替語”として習得したとされる[5]。
来歴[編集]
結成と東京進出[編集]
コンビはに結成され、NSC校の3期生として同じ実技ブースで練習を開始したとされる[6]。最初の3か月間は「抽籤器を持たない」純粋漫才で活動したが、学園祭の最中に落ちたくじ箱が“回転の偶然”を生み、偶然を台本化する方針が採られたという。
東京進出はとされる。理由は、当時で開催されていた即興イベントに、観客の拍数がカウントされるシステムが導入され、「出目」が拍数に連動する仕掛けを得たためであると説明される[7]。一方で、関係者の回想では同年に実際の連動システムはなく、スタッフが“連動しているように見せる”演出をしただけだとも語られている。
転機:新井式の命名[編集]
転機は、冠番組の試写会でネタ名をめぐる論争が起きたとされる[8]。若狭が「単なる回転抽選」と呼ぼうとしたのに対し、新井が“回転は計算であり、抽籤は責任である”として、形式を区別する必要性を説いたという。結果として「新井式廻轉抽籤器」という表記が定着し、以後は漢字の多さ自体がキャッチフレーズになった。
なお、同名の学術機器が存在するという噂もあったが、後年の調査ではそれが別系統の展示用器具に過ぎなかったとされる[9]。それでも噂の熱は冷めず、逆に“あえて専門っぽく語る”芸風が強化されたと報じられた。
芸風[編集]
新井式廻轉抽籤器の芸風は、との折衷である。共通点は、抽籤器(透明筐体+回転ダイヤル+出目カード)によって、同じテーマでも結末が変化する点である。観客が「当たり/外れ」を決めるのではなく、舞台側が“当たりが来るはずの条件”を先に作るため、終演後の納得感が高いとされる[10]。
特に、数字を用いた「工程ツッコミ」が核になっている。例えば若狭が不意に食い違う説明を始めると、新井が「その説明は回転工程の第2段、よって整合性不足」と断定する。視聴者は“数学の誤差”として笑うことになり、誤差に罪はないという共犯構造が形成される。
一部の公演では、抽籤器の回転音が一定以上になると、出目カードが自動で傾き「要出典札」が落下する演出が採用されたとされる[11]。ただし映像記録が残っていない回もあり、再現性に疑義があると指摘されている。
エピソード[編集]
代表的なエピソードとして、の地方巡業で起きた“出目の取り違え事故”が挙げられる[12]。本来「喜劇」用の出目カードが「行政手続」用の札に差し替わっており、若狭が突然、役所文書のような語り口で謝罪し始めた。結果として観客は「謝罪が面白い」方向に反応し、以後その口調をネタに転用する方針になったという。
また、の深夜番組で「回転数が多いほどボケが増える」と説明したところ、視聴者から“科学的根拠”を求める大量の投稿が来たとされる[13]。コンビは翌回、根拠を示す代わりに、抽籤器の設計図に近い紙面を読み上げた。読者の一部は誤作動を疑い、別の一部は「科学っぽいと嘘でも許せる」現象を体験したとアンケートに記している。
さらに、の冠舞台で「回転を止めたら自分たちの笑いも止まる」という誓約が掲げられたとされる[14]。実際には止めた瞬間に観客席がざわつき、照明が一段階暗くなる演出が重なったため、誓約は“都市伝説的に”定着した。
受賞歴・賞レース成績・受賞歴[編集]
新井式廻轉抽籤器は、初期から賞レースに強い関心を示したとされる。特にでは、大会において「分岐漫才」型として出場し、ベスト8相当で敗退した[15]。その敗退理由は、抽籤器の回転が審査員の視線計測に干渉したためだと当時の媒体が報じた。
一方で、勝ち残った年としてよく引用されるのはのファイナリストである。資料によれば、ネタ名は『第七回 釣り針付き釈明』で、抽籤器の出目が「嘘」「謝意」「再掲」の3種に限定されていたとされる[16]。ただし、別資料では出目種別は5種と記載されており、数字の揺れは編集者の記憶違いか、演出バージョンの違いによるものと推定されている。
その後も地方予選では優勝経験があるとされるが、公式記録庫では大会名と年の表記に揺れがあり、厳密な照合が難しい点は“嘘のようなリアル”として語られることがある[17]。
出演[編集]
テレビ出演としては、深夜バラエティの企画『抽籤するバカンス』(〜)が代表例とされる[18]。番組では視聴者が抽籤器に見立てた“コメント回転率”を送信し、翌週の展開が変わる仕組みだったと説明される。もっとも、実際に変化していたのは企画上の分岐台詞だけで、収録が大幅に作り替わったわけではないとされる[19]。
また、ラジオでは『新井式廻轉抽籤器の回転黎明』が続いたとされる。番組内ではリスナーが方言で「出目代替語」を送るコーナーがあり、寄りの言い回しが“当たり”として採用されたとされる[20]。コンビはこの企画を“地方の言語は確率を変える”と表現し、学術寄りの比喩で笑いを成立させた。
舞台では、東京を活動拠点に移した時期があるとされ、単独ライブ『回転工程、開票まで』が話題になったと記録されている[21]。なお、現在の代表的な出演番組として『笑芸庁芸能局 週報ネタ会議』が挙げられることが多い[22]。
作品[編集]
CDとしては『出目は踊る(初回回転数 1,337)』が発売されたとされる[23]。初回特典として、リスナーが回転数を読み上げると同時にネタが“思い出される”という音声カードが同梱されたというが、返品交換不可の条件がついていたという証言もある。
DVD『第七回 釣り針付き釈明 完全版』では、出目カードの挙動を再現するため、暗所で反射する特殊印刷が使われたと説明される[24]。さらに、映像特典として“反省会の抽籤”が収録され、新井が「謝罪の工程は必ず分岐する」と真顔で語る場面がある。
書籍としては『新井式廻轉抽籤器 言い換えと責任の手引き』が刊行されたとされる[25]。ただし、内容には自著の設計図らしき図版が含まれる一方で、脚注の一部が判読不能であり、校正段階で“意図的に曖昧化された”可能性が指摘されている。
脚注[編集]
関連項目[編集]
脚注
- ^ 笑芸庁芸能局 編『『回転工程、開票まで』番組記録集(第2版)』笑芸庁芸能局出版局, 2008年.
- ^ 渡辺精一郎『NSC大宮セブン校 即興課題の周辺史』講談編集学院, 1997年.
- ^ Margaret A. Thornton『Probability as Performance: Theatrical Randomness in Late Show Comedy』Tokyo Academic Press, Vol.12 No.4, 2011, pp.33-51.
- ^ 新井 廻『回転が止まるとき:ツッコミの工程論』中央芸能研究所, 2014年.
- ^ 若狭 抽『抽選法文語と観客の共犯』笑いと言語研究会, 第5巻第1号, 2006年, pp.77-96.
- ^ 『M-1グランプリ機構報告(分岐ネタ審査メモ)』スポーツ審査学会, 2001年, pp.120-139.
- ^ 『キングオブコント審査者ノート 2003』特設編集委員会, Vol.3 No.2, 2004年, pp.9-28.
- ^ 佐伯玲央『地方巡業における出目の誤差:新井式事例分析』芸能統計叢書, 第18巻第7号, 2013年, pp.201-223.
- ^ 『笑芸庁芸能局 週報ネタ会議 議事録(架空索引)』笑芸庁芸能局, 昭和【33年】, pp.1-45.
- ^ 『出目は踊る(初回回転数 1,337)』公式ライナーノーツ, 2009年.
外部リンク
- 新井式廻轉抽籤器 公式記録庫
- 笑芸庁芸能局アーカイブ
- 分岐漫才研究室
- 大宮セブン校 即興倫理演習データベース
- 回転音響ライブラリ